コメント、ここ好きをしてくれた方、すいません。
フレバンスに来てから2年が経ったよひゃっほい。
時の流れってのは案外早いもんで。特に俺が歳を取らないからかな、余計に早く感じる。
でもロビンやローは身長が着実に伸びているし、語彙や知識も増えた。子どもの成長を間近で見ていると、たった一年だけでもかなり成長するんだなぁと感慨深い。
ロビンとローはかなり仲良くなったのか、だいぶ気安い仲になっているし、二人にとって良い関係性が築けているようで俺もホッとしている。
さて、では俺がこの2年間で何をしていたのかという話をしよう。
まずは周辺国の動きを探った。珀鉛によって国力の高いフレバンスを仮想敵としている国は多い。だからこそ、周辺国が攻めてくるならどのルートなのか、戦力は、とちょっと潜入して調べるなどした。
感染症と間違われているから、敵は防疫スーツに身を包むわけだが……それを急ピッチで作成するとしてどれだけの量になるかなんかも予測できるくらいには、まぁ詳しくなった。
敵の数を知るというのは大切だし。
あとはフレバンスの地理の完全把握。
人通りの少ない路地や通路に至るまで、閉鎖されるであろう国境付近なんかも記憶に叩き込んだ。路地では絡まれることもあったが、臨時収入になってもらった。これに限る。
ローの両親……トラファルガー夫妻との交流も忘れない。正直俺は一家丸ごと助けるというのはほぼ諦めている。
珀鉛病を治すにはオペオペの実がほぼ必須。それまでの期間、彼らが生きていられるか……珀鉛によって縮められた寿命で耐えられるかがわからないのだ。
しかし兵によって「駆除」されてしまうのも胸糞悪い。
ということで、やんわりと「珀鉛の危険性」について聞いたことがあったのだ。まだ信頼値が足りてなさそうだから、ほんとやんわりと。
「その、珀鉛……というのは、鉛なんですよね?」
「そうですね、白い鉛だ」
トラファルガー夫妻は忙しい身だから、ローの近況報告は不定期に行われる。
ローがお世話になっているから、と高そうな紅茶や菓子などをいただいてしまうのだが、ちょっと遠慮してしまう。
ロビンは呼ばない。菓子に高確率で珀鉛が使われているからである。俺はおそらく珀鉛病にはならないから食えるが、ロビンはダメだ。
この町にとっては珀鉛を使ったお菓子は一般的なものなので、トラファルガー夫妻は何も悪くないのだが。
「自分の故郷では鉱石を食べる、というのはなかなか無いことで……鉛なんて、ほら、中毒もあるでしょう? 珀鉛はそこら辺はどうなっているのでありますか?」
「珀鉛での中毒症状は今まで一度も見たことがないな。フレバンスには長く住んでいるけれど、珀鉛による健康被害は報告されていないんですよ」
「へぇ……」
鉛中毒の概念はこの世界にもあるが、珀鉛は所謂「初期症状」だとか「兆候」が出ないのだと思われる。
ジワジワと悪化していくのでは無く、本当に突然限界値を超えて発症するのだ。
現にローやトラファルガー夫妻は現状は健康そのものだし、頭痛や眩暈といった中毒の症状は見受けられない。
沈黙の中毒症状、と言ったところか。
それ故に、珀鉛による中毒を訴えても「なんだコイツ……?」となる可能性が高いのである。
フレバンスの問題点と言えばクソと言われている王族だが、これに世界政府も絡んでいるのがデカい。
下手に中毒の研究を始めると上に消されかねないのである。
俺には中毒症状を立証できるような医療知識は無いし、トラファルガー夫妻は珀鉛を安全なものだと思い込んでいる。
というか、国上層部がそういうプロパガンダを打っているのである。
町を歩けばいくらでも見つけられる珀鉛産業を讃えるポスター。珀鉛を掘る鉱夫は国を支える素晴らしい職業と賛美され、この白い町が世界で一番美しいとでも言うような……そう思わせるような文面が並べられている。
国上層部と世界政府の陰謀に舌打ちを連打したくなるね、ほんと。
しかしこれで怒りに任せて国王暗殺なんてしてみろ、俺だけなら別に良いけどロビンにまで危険が及ぶ。ポーネグリフを読める彼女は政府にとってまさに地雷のようなもの。子どもとは言え容赦なく消されるに違いない。
ワノ国に世界政府及び海軍の船が行ってないことは新聞で確認しているので、オハラの学者達は逃げた学者のことを一切話さず死んだのだろう。
世界政府の禁忌に触れる行動をしている自覚はあるから、これ以上虎の尾を踏み掛けるような真似はしたくないのが本音だ。
ローは順調に医学を学んでいる。トラファルガー夫妻と妹さんと楽しい日々を過ごしている。
それがあと数年で崩れるわけだが……どうにかしたいよなぁ。
でも既に身体的にほぼ手遅れの現状、ローを助けられれば御の字と言ったところなわけで。
彼ら一家の命を丸ごと背負うのは俺には難しく感じている。
命の選別、と言ってしまうと聞こえは悪いが、そうとしか言えないことを計画しているのだから、なんとも言えない。
原作でもローは天涯孤独の身となった。その道をこの世界でも歩ませてしまうのか、と思うと気分が重くなる。
ロビンだって、学者達を生き残らせるために母親であるオルビアと会わせるルートを消した。それが正解だったのかは俺でもわからない。きっともう彼女は故人だ。
この世界のローは全てを失った時どんな反応をするのだろう。
もし全てを壊したくなったのなら、原作通りドフラミンゴファミリーに繋げられるようにあの組織の動向を探っておかねば。
なかなか派手なことをしているようだし、すぐ見つかるだろう。
深夜、ふと目が覚めてしまって、俺はロビンを起こさないようにベッドから出た。
なんだかもう今日は寝付けない気がしたのだ。
森の中は暗く、町の方の灯りがよく見える。ああ、今日は祭りの日だったんだ。ローとラミをトラファルガー夫妻から預かり、ロビンと一緒に楽しんだんだよな。
射的で海ソラグッズがどうしても欲しかったローのために一肌脱いだっけ。ラミも、初めて食べる綿飴に瞳を輝かせていたし、ロビンは町中に設置された色鮮やかなイルミネーションに密やかに感動していた。
楽しい楽しいお祭りの思い出になっただろう。
まだ祭りは終わっていなかったらしく、撤収作業をしている屋台もあるが広場は未だ賑わいを見せている。
俺はそんな町の光景を眺めながら、煙草に火をつけた。
白ひげに貰ったものだ。まだたくさん箱の中に残っているうちの一本。
子どもたちがいる場所では吸えないから、久しぶりに吸う。ワノ国で大名代理してた時は煙管で吸ってたりもしたんだけどな。
ニコチンとタールが肺に溜まる感覚。ゆっくりと吸えば意識がぼんやりとチルしていく。
ジワジワと消灯されていくイルミネーション。終わりがけに値引きを始める串焼きの屋台。
祭りが終わろうとしている寂しさは日本と同じ空気を纏っていた。
口と煙草の先から白い煙が揺らめいていく。こんな姿、ローに見られたら怒られること必至だ。
ローは医者の息子として煙草があまり好きではない。百害あって一利なしとよく言っている。
特に若いうちから吸うのはよくない。依存やら肺癌のリスクとかさまざまな健康リスクの話をされた時がある。
俺もそれはわかっているが、艦娘の身体は肺が黒くなんてならないし、ましてや癌にもならない。
鋼鉄の身体にがん細胞がどうやって増殖するというのか。
「自分だけなら無茶が利くのでありますがなぁ」
別にロビンやローを足手まといに思っているわけではない。むしろ彼女らがいるから俺は下手な損傷だとか慎重性に欠けた行動をしなくなったのだから。
だとしても、まだフレバンスの危機を知らせるにはこの町は平和過ぎた。
煙草を一本吸い終わる頃には、もう祭りもほとんど終わっていた。
まだあと数年ある。せめてローが少しでも絶望しない未来を勝ち取りたい。
手からこぼれ落ちた灰が、真っ白になって俺の靴先を汚していた。
フレバンス滅亡までの日常描写
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長くても良いよ。じっくり描写して!
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サクッと滅亡まで行ってほしい