バカとダイヤと召喚獣   作:アマノジャック

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テスト科目・理科

【問題】仲睦まじい夫婦のことをとある鳥の名前を使って「◯◯夫婦」と言うでしょうか?


サトノダイヤモンドの答え
「オシドリ」

吉井明久のコメント
「正解。ちなみに由来は中国の古いお話かららしいよ。」


サトノラーゼンの答え
「エミュー」

吉井明久のコメント
「確かに雄が子育てするとか聞いたけど不正解。いや、オシドリの方が有名だと思うけど…何でこの鳥を選んだのかな?」


サトノエトワールの答え
「カッコウ」

吉井明久のコメント
「ダメ!絶対!」


第十問 トレーナー・吉井明久

 

「…ただいま。」

 

時刻は21時過ぎ…教師とトレーナーの仕事に終わりは無いため、キリのいい所で帰ることとなる。自宅へと帰ると…だれかが迎えてくれた。

 

「お帰りなさい…明久くん♪」

 

彼女の名は『姫路瑞希』…いや、今は『吉井瑞希』。僕の奥さんだ。エプロン姿で迎えてくれるのはまさに普通の夫婦といった感じである。

 

「ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも…わ・た・し?」

 

お約束の新婚3択…まぁ、答えは決まっている。

 

「瑞希ちゃんで。」

 

捕食者の目を向けられている以上、その身を差し出す以外の選択肢は存在しない。

 

………

 

ご飯、お風呂、……瑞希ちゃん(1回目)が済み、後は眠るだけとなった。寝室に着くと瑞希ちゃんが正座していたので…そのまま膝枕として使わせて貰う。あぁ…柔らかい。今日の疲労が癒されるな…とりあえず、トレセン学園のことでも話してみるか。

 

「なるほど…1人で京都レース場を完成出来たのですね。凄いですよ明久くん!」

「ありがとう…東京レース場はほとんどババア長が設計してたから、やっと追い付いた感じがするよ。」

「フフフ。トレーナーになると聞いた時は、思わず鍋をひっくり返してしまいましたが…」

 

それにより床が溶解しまい、専用業者を呼んだのは記憶に新しい。瑞希ちゃんの料理の腕は多少上がったものの…たまに、変な化学反応が起きることがあり、今も油断は出来ない。

 

「それにしても学園長…明久くんのことをかなり信頼してるみたいですね。」

「そう…なの?」

 

コキ使ってるだけだと思うけど…

 

「でも、私との時間が減ってしまうのは悲しいです。」

「うぅ…それは本当にごめんね。」

「それはそうと…こうやって私が明久くんを出迎えれるのは楽しいですよ!」

「文月学園から帰ってた時は僕の方が早かったからね。」

 

トレセン学園だと自宅から距離も遠い訳で…

 

「今週もチームからG1レースに出走する子がいるから帰りはこれくらい遅くなるかな。」

「サトノルパンちゃん、ですね!前回の重賞はゴール前で接戦しての2着…惜しかったです。」

「僕がトレセン学園に行く前の話だね。」

「サトノ家の…チームカペラでしたっけ?女の子が多いチームですよね?」

「ウマ娘のチームだから当たり前だよ。」

「そのチームのサブトレーナーになって召喚システムのデータ集め…本当にお疲れ様です。」

「まぁ、一番キツいのは突然に入ってくる授業と補習の代理担当なんだけどね…」

 

今している作業を止め、現在の授業範囲を聞き、用意されたプリントや提出物の確認などなど…、これらを10分で準備を終わらせないといけない訳で…突然なのは本当に困る。

 

「でも、やる気になってくれる生徒が増えたのはいいことだよね。」

「…」じー

「ん?瑞希ちゃん?」

「それは本当にやる気になっただけでしょうか?もしかすると明久くんのことが気になった子が…」ぶつぶつ

「瑞希ちゃん?おーい…」

「明久くん…?」ギギギッ

 

突然に瑞希ちゃんが顔をゆっくり向けてきたかと思うと、目からハイライトが消えていた。これは霧島さんがよく雄二に向けていた嫉妬の目と同じだ…僕は今日、眠ることが出きるのだろうか?何はともあれ…瑞希ちゃん(2回目)が始まった。

 

 

───

 

「明久トレーナー!?…やつれてますけど大丈夫ですか?」

「大丈夫です…ちょっと、寝かせてもらえなくて…」

「寝かせて………はっ!?もう、私に変なことを想像させないでください!」かあっ

「そんなつもりは…それより、ルパンちゃんの最終調整はどうでしょうか?」

「まだゲートが課題なのですが…全体的にいい感じかと。具体的には併走でアラジンさんの背中をしっかりと追いかけてくれました!多少のスタートの出遅れは想定内…うまく、本番で折り合いが付けばいいな、といった感じです!」

「そうですか。本番でどうなるか…もうドキドキしてきました。さて、僕はダイヤちゃんたちのトレーニングの指導をしていきますね。」

「はい、お願いしますね!あ、ノブレスさんとギャラントさんは休足日ですのでトレーニングにはいませんからね!」

「分かりました。」

 

今日はトレーナーとして仕事がメイン…ババア長へ送った召喚システムの収集したデータ確認と白金の腕輪のメンテナンスが終わるまでは教師としての仕事は授業の代理と補給試験くらいとなる。まぁ、突発的な補習の依頼が来るかもとは警戒してるけど。

 

「みんな、今日もよろしくね!」

「…吉井トレーナー?昨日の今日で痩せました?」

「…うん。ちょっと、大人な事情でね…コホン!とりあえず、ストレッチをしたら全員でコースを10周。」

『はい!』

 

全員がストレッチを始める…そして、僕はエトワールちゃんの背後へと移動した。

 

「エトワールちゃん、いける?」

「はい…すみません。私、身体が固くて…」ググ…

「デビューまでまだ時間はあるから…ゆっくり身体を作っていこ。はい、背中を押すから息を吐いて!」

「はい!はあぁぁぁ……す、ストップ!これ以上は絶対痛いです!」グググ…

「じゃあ、もうちょっとだけ…」グイッ

「はうっ!?」ゴキッ

「じゃあ、10秒キープ。10、9、8…」

「う、ううぅ…」ピクピクッ

 

本当はもう少し倒したいけど…無理は厳禁。今のエトワールちゃんのギリギリまで倒しつつ、確実に柔軟力を上げていきたい。

 

「吉井トレーナー、ドライな面もあるようだ。」

「エトワールのためとは分かってるけど…ちょっと、怖いかな。」

「噂に聞いたけど、補習をサボろうとした生徒の連行シーンが凄かったらしいわ。…あれ?私たちウマ娘を連行出来る時点で本当に人間なのかしら?」

「むむ…エトワールちゃんが羨ましいです。私も吉井さんに…」

「…ダイヤ、あなたの柔軟力は充分よ。だから…変なことを考えないでくれるかしら。」

 

「はい、オッケー!エトワールちゃん、頑張ったね!」

「は、はい…」チーン

「じゃあ、みんなで走ってきてね。」

「そうでした…ですがもう、私ヘロヘロで…」

「まだ柔軟が終わっただけだよ!?…本当に危ないと思ったらすぐに止めるから…それまでは頑張ってほしいかな。」

「うぅ…はい…」

 

シュレンちゃんを先頭にチームカペラのトレーニングが始まった。今のうちにみんなのフォームを覚えていた方がいいだろう。ついでに…トレーニング用のタイヤも運んでおこうっと。

 

「…文月学園の吉井先生、生身でクソデカタイヤ運んでるよ…本当に人間か?」

「まぁ、普通の教師がトレーナーになることなんて無いけど…それにしても凄いパワーね。」

 

………

 

「吉井トレーナー、ランニングが終わりました。」

「オッケー。じゃあ、今日は身体全体に筋肉を付けて貰うためにこのタイヤを引いてもらうよ!」

『デカっ!?』

「…吉井トレーナー、これは私以外はまだしたことないトレーニングだ。」

「…え?そうだったの?」

「私以外の4人が今年に入学したからだが…というかよく運べたな。普通はウマ娘に運ばせるものだ。」

「…まぁ、文月学園で重い物を運ぶのは日常茶飯事だったから。召喚獣と平行して持てるものは運んでたよ。」

「その細い身体のどこにそんな筋肉が?」

 

戦争後の教室設備の入れ換えを始め、PCとか、盆栽とか、スピーカーとか、プレハブ小屋とか……あれ?ほとんどババア長の私物を運んでた?

 

「吉井さんってパワーもあるのですね…素敵です!」

「ありがとうダイヤちゃん。でも君たちウマ娘には流石に勝てないからね?」

「そういえば、補習から逃げてる子を捕まえてると聞いたのですが…」

「あぁ。僕のいた学校も補習で逃げ出す生徒がいっぱいだったから大体どう逃げてるか分かるんだ~。だから、先回りしてそのまま捕まえてるよ。」

「あ、暴れられたりとかは?」

「というか勢いよく逃げるウマ娘を正面から捕らえてケガとか大丈夫なのですか?」

「大丈夫大丈夫。大体の子は捕まったら戦意喪失して連行されるし…ここの生徒は刃物で反撃してこないからそれだけで対策は楽だから。」

『刃物で反撃ってどんな学校ですか!?』

「普通の進学校だよ?」

 

流石に刃物はFクラス限定の話だけどね。まぁ、実際走ってるウマ娘をケガさせないように受け止めると身体に凄い衝撃は来るけど…1人くらいなら問題ないかな。2人以上は多分無理。

 

「はい、無駄口はここまで!それじゃあ、このタイヤを使ったトレーニングを説明していくよ…と言っても綱を身体に巻き付け、全身でタイヤを引っ張って貰うだけの話だけど。シュレンちゃん、早速して貰ってもいい?」

「承知した。して、スタート地点とゴール地点はどこで?」

「うーん、今回は軽めに…20mを2本、してもらおうかな。」

「承知した。」

「この時、綱の状態を確認しておくよ。万が一、千切れたら危ないからね…そしたら、綱をシュレンちゃんの腰に巻いて…シュレンちゃん、キツくない?」

「問題無し。」

「それじゃあ、スタート!みんなはシュレンちゃんの動きをよく見ててね。」

『はい!』

 

「ふんっ!」

 

流石は逃げを得意とするシュレンちゃん…力強くタイヤを引いており、かつ腰の動きも安定している。もう少し負荷を…いや、これ以上の負荷はもう彼女にかけるべきじゃないね。問題無く終わったので、次はクラウンちゃんが挑戦する。

 

 

「うぐぐぐ…噉係好多重量(凄い重さね)…」

 

初めてで流石に慣れていないが…何とか引けている。パワーはかなりある…これは『本格化』が凄く楽しみだ。次はラーゼンちゃん。

 

 

「…くっ!う…ご…け…!」

 

力いっぱい引っ張っているが…タイヤは動いていない。…これは背中の力の入れ方が悪いかな。そこをアドバイスすると少しだけ動かせた。うん、この時点で動かしただけ十分な成果だ。次はダイヤちゃんだ。

 

 

「ふぐぐぐっ!」

 

ダイヤちゃんも力いっぱい…ってちょっと待った!

 

「ダイヤちゃん!ストップ!ストップ!」

「…はい?」

「綱の位置がおかしいから!ちょっと直すからじっとしてて!」

「はい、分かりました。お願いします。えへへ…♡」

 

腰に巻いてた筈の綱の位置が少し上がっており、お腹へと来ていた。これでは内臓の方へと負担が来るため、逆効果である。

 

 

「…ダイヤの奴、やりやがったな。」

「後で講道(お説教)ね。」

「幸せそうな顔をしやがって…」

「え?ええ?」

「エトワール。これはね、ダイヤが吉…」

「クラウン、説明しなくていい。」

 

結局、ダイヤちゃんはタイヤを動かすことが出来なかった。まぁ、フォームは理解していたから、すぐにコツは掴めるだろう。最後にエトワールちゃん。

 

 

「ふんっ!ふんふんふんふんっ!……あれ?」

 

力を込めれずに歩いては首を傾げていた。足だけで行こうとしているのかな?アドバイスにより、全身に力を込めれるようになっただけ良かったのかもしれない。タイヤは動いてなかったけど…まぁ、彼女もこれからかな。

 

………

 

「よし、今日のトレーニングは以上。夏が近いとはいえ、身体を冷やさないように気をつけて。」

『はい!ありがとうございました!』

 

今日のトレーニングが終わり、僕はタイヤを…

 

「吉井さん、文月学園から荷物が届いてますよ~」

「駿川さん!ありがとうございます…多分、白金の腕輪かな?」

 

そのまま箱を受け取り、中身を確認する。やっぱり、腕輪だった。中の手紙も読み始める。

 

「『京都レース場に問題は無し、1人でよくやったよ吉井先生。腕輪内の空きデータを拡張しておいたから、中央のレース場なら全部入る程だ…また、出来たら送って見せてくれ。後、召喚トレーニングについてだが…まだまだデータが足らないさね。トレーニングで記録したデータは全て消さずも取っておくように。』…か。残りのレース場は全部僕1人で作れってことじゃん…面倒だな…。後は召喚トレーニングをどのタイミングで行うか…」ぶつぶつ

 

「明久トレーナー?」

 

おっと、ボーとしていたようだ。目の前に月日トレーナーがいた。

 

「お疲れ様です月日トレーナー。こちらが今日のトレーニングの記録です。」

「ありがとうございます…どうでした?4人の中で誰かタイヤを動かせる子はいましたか?」

「クラウンちゃんがもう普通に…後はラーゼンちゃんが少しだけ…」

「まぁまあ!それは素晴らしいですね!」

「そうですね…あ!タイヤで思い出しました!早く片付けないと!」

「…へ?シュレンさんに頼まなかったのですか?」

「まぁ、アレくらいなら僕1人で大丈夫でしたので…」

「アレ…くらい…?」

 

月日トレーナーが宇宙ネコみたいな顔になってしまった。とりあえず、今のうちに片付けるとしよう……なお、白金の腕輪があったので召喚獣を使えば早く運べたことに気づいたのは仕事が終わり、トレセン学園を出た後のことだった。




4月1日から10日間、お付き合いいただきありがとうございました。
ある程度続きが書けましたら、また連日で投稿させていただきます。

この作品が気に入っていただけましたらお気に入り登録と高評価、感想などをよろしくお願いします。…YouTuberみたいな後書き。それでは!
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