【質問】僕の所属している文月学園の学園祭『清涼祭』が週末の土日にあります。各クラスから色んな出し物があるのですが、アナタが惹かれた内容を教えてください。
サトノダイヤモンドの答え
「吉井明久トレーナー」
吉井明久のコメント
「ダイヤちゃん、これ文月学園の学園祭の質問だから。僕の名前を出されてもね…」
サトノルパンの答え
「お父さんの写真館」
吉井明久のコメント
「…え?本当に二年Cクラスの出し物としてあるんだけど…もしかして今も文月学園の生徒を盗撮してるの!?…後で鉄人に通報しておこう。」
サトノエトワールの答え
「プラネタリウム」
吉井明久のコメント
「三年Fクラスの出し物か…そういえば、エトワールちゃんは星が好きだったね。ちょうど僕が去年担当してたクラスの生徒もいるから一緒に行こ………ん?」
サトノダイヤモンドの返答
「私もご一緒しますね♪」
『勝ったのはミッキーアイル!ミッキーアイルが逃げ切り勝ち!』
『ルパンさん、お疲れ様です。引っ掛かってしまいましたね…ですが、また次に繋げていきましょう!』
『………ルパン、明久が変なことしてきたらすぐに俺に言え。社会的に殺してやる。』
「──っ!?……夢?いや、これは昨日の…9着。ここで終わりたくない……そうだ!」
───
ルパンちゃんのG1レースが終わった翌日。小テストの採点をしていた僕に1本の電話が入る…学園長からだ。内容は文月学園にて新学期最初に行われる行事『清涼祭』について。トレセン学園にいる僕には関係ない話だと思っていたのだが…
『…え?チームカペラのみんなを文月学園に?』
『みんなではないよ。何…ちょっとした交流さね。チームカペラから2人ほど召喚大会に出して欲しい…これはトレセン学園での吉井先生の成果を多くの人に見てもらう、という狙いもある。全員しばらくレースは無いと聞いてるけど…どうだい?』
…正直、あの学園に連れて行きたくないのが本音だ。チームカペラのメンバーを連れた僕が副担任していた元二年Fクラスの生徒に見つかれば………嫉妬による刃物の雨が僕を襲うことになる。僕1人なら何とかなるけど…全員を守るとなるとちょっと…
『とりあえず、彼女たちの身の安全を確保してもらえますか?流れ弾で足にケガとかすれば…非常に不味いですよね?』
「流れ弾って一体何を想像したんだい?アンタの元担当生徒とかかい?はぁ…安心しな。西村先生と高橋先生に案内させるから…これでバカなことをする生徒はいないだろ?』
『だといいですけど…分かりました。スケジュールが合うかとか、誰を大会に出すかとか、月日トレーナーと相談しますよ。』
『…吉井先生、年下の同僚を名前呼びをしてるけど…まさか、不倫とかしてないだろうね?』
『してませんからね!?』
何てことが昨日あった。月日トレーナー呼びが定着してしまっているな。この前も瑞希ちゃんの前でもついそう呼んでしまい、メイド服を着せられた後にこってり搾られたりしたけど…うん。清涼祭では気を付けないとね。
………
早速、トレーニング前に全員に集まってもらった。
「ということでチームカペラから2人、召喚大会に出て欲しいのだけど…出たい人いる?」
「はい!」バッ
「あの…すみません、吉井さん。その前に質問をよろしいでしょうか?」
一瞬でダイヤちゃんの手が上がっていたものの、ノブレスさんが困惑した顔で質問をしてきた。
「ん?どうしたの?」
「前置きも何もなく、突然にそのようなことを言われましても…まず、召喚大会とは何ですの?」
…しまった。いきなりそんなこと言われても訳が分からないよね。ちゃんと説明しないと。
「ごめんごめん。今週の土日に文月学園で清涼祭っていう…まぁ、学園祭があるんだ。」
「この時期にですか…G1レースの真っ只中じゃないですか。」
「そうだね…うん。だからトレセン学園の生徒で行ったことがある子はほぼいないと思う。」
とか言いつつも文月学園の生徒の何人かはトレセン学園から転校してきた子だったりするけどね。
「そこでペアを組んで召喚獣を2対2で戦うトーナメント形式の大会…召喚大会が行われるんだ。ペアの条件は自由!同じクラスや学年じゃなくてもいいよ。戦う科目が毎回違ってて、その度に戦い方を変えないといけなくて面白いんだ。それに優勝賞品はちょっと豪華な物だから結構参加者も多いよ。今年は…お願い事宣言?えーと、何かお願いを叶えてもらえるらしい?」
「なるほど…その大会にトレセン学園の私たちも参加して欲しいということですわね。」
「その通り。うちの学園長が突然に言ったんだけど…まぁ、トレセン学園と交流してますよってアピールがしたいみたい。だから勝ち負けとは気にせず、大会にさえ出てもらえば僕としては嬉しいのだけど…ここまで聞いて出たい人はいる?」
「はいっ!」ばっ
再びダイヤちゃんの手が上げる。…いや、僕としてはやる気があって嬉しいけどね…
「ダイヤちゃん言いにくいけどこれ…高校生の話で…」
「別にいいじゃありませんの。別の学年でも対応しているのでしょ?さらにそちらの学園長さんはチームカペラからって言ったのでしょ?ダイヤが1番点数を取ってますし、どうせなら勝ちを狙いにいった方がよろしいのでは?」
「ダメ…ですか?」
やめてダイヤちゃん!そんな捨てられた犬みたいな顔をしないで!すごい罪悪感ががが…
「…確かにノブレスさんが言うことも一理あるね。分かった、1人はダイヤちゃんにしよう!もう1人は誰にする?」
「……」すっ
「ルパンちゃん?」
意外だ。彼女はまだ召喚トレーニングはしてないけど…もしかするとダイヤちゃんみたいに召喚獣に興味があったのかもしれない。
「他に出たい子はいない?いないね?じゃあ、ダイヤちゃんとルパンちゃんにお願いするね。僕からは以上だよ。長谷川トレーナー、何かありますか?」
「そうですね…2人が大会に出ている間、私たちはどうすればいいですか?」
「………あ。」
ヤバい!普通に考えてなかった!2人が大会に参加してる様子は見たいだろうし…えーと、えーと…
「文月学園の清涼祭、みていく?」
全員がそれに同意してくれた。よし、とりあえず誰を出すかが決まったことだし、召喚トレーニングを始めるとしますか。初めてのルパンちゃんに色々と教えないとね。
───
清涼祭当日、文月学園は人で溢れていた。屋台の呼び込みや生徒たちの笑い声が響き合い、トレセン学園とはまた違う活気に満ちている。
「お久しぶりです高橋先生!鉄人!」
「西村先生と呼べ……ったく。後ろの子たちがチームカペラのメンバーか?」
「はい…あ!みんな、こちらが僕のいた文月学園の先生だよ!今日は案内してくれるから迷子にならないようにちゃんと話を聞いてね!」
『はい!』
僕はチームカペラのみんなを連れて文月学園の正門を通る。するとそこには高橋先生と鉄人の姿があったのだ。早速、来賓と書かれた腕章を渡されて腕に付ける……え?僕も来賓扱いなの?
「チームカペラのトレーナーをしております長谷川月日です。本日は招待していただきありがとうございます。」
「『西村洋子』です。パパも西村でややこしくなるのでここでは高橋と呼んでください。」
「は、はぁ…?」
「…高橋先生、余計にややこしくなってますよ。」
高橋先生…現在の本名は西村洋子。僕が文月学園を卒業して大学にいる間に鉄人と結婚したとのこと。学園長の実験が切っ掛けだとか…
「それで…召喚大会に出るのは誰だ?」
「はい!私、サトノダイヤモンドと…」
「……サトノルパン。ここの卒業生、土屋康太の娘。」
「…そうか。アイツも結婚していたのか…ん?どこかで見たことあるような…」
「当然です!ルパンちゃん、先週のG1レースに出てましたので!」
「あぁ、NHKマイルCか!まさか、そちらは天皇賞(春)に出走していた…」
「サトノノブレスですわ。ご存知のようで嬉しく思います。」
「…夢でも見てるようだ。目の前に現役のスター級のウマ娘がいるとはな…」
鉄人でも言葉を失くすことがあるんだ…
「パパ、しっかりしてください。召喚大会の案内をするんですよね?」
「…高橋先生、ここでそう呼ぶのは止めていただきたいです。」
「失礼しましたパパ先生。」
「…もうそれでいいです。ではサトノダイヤモンドさん、サトノルパンさん、こっちへ…」
「「はい!」」
鉄人はダイヤちゃんとルパンちゃんを連れてその場から離れていった。再び目線を変えると…高橋先生が月日トレーナーをジロジロとみていた。
「…今更ながら長谷川さん、なぜメイド服なのでしょうか?」
「はい!この姿が私の正式な服装であるからで、カペラの誰かがレース出走時もこの姿で参加しております。」
「なるほど…」
納得しちゃうんだ!?
「では私と吉井先生と2人ずつのチームに分けようと思います…どうされますか?」
「月日トレーナーは高橋先生と一緒に動いてもらうとして…じゃあ、みんな並んで!」
『…?』
1列に並ぶ7人…
「僕が手を叩いたら右か左に飛んでね……はい!」パンッ
『…!』ダッ
左にシュレンちゃん、ギャラントちゃん、ラーゼンちゃん。右にノブレスさん、アラジンちゃん、クラウンちゃん、エトワールちゃんが飛んだ。
「人数的に…シュレンちゃんたちは高橋先生と、ノブレスさんたちは僕と一緒に回ろうか。」
『はい!』
「高橋先生、よろしくお願いします。」
「お任せを。では、先ずは三年生の教室から…」
打ち合わせでは今日、高橋先生は三年→召喚大会→一年→召喚大会→二年の順番に回って、僕は一年→召喚大会→二年→召喚大会→三年の順で回っていくことになっている。ちなみに明日は自由行動だ…2人が勝ち残っていればだけど。
「よし、ノブレスさん、アラジンちゃん、クラウンちゃん、エトワールちゃん…どこをみたい?」
僕は4人を連れて、清涼祭の一年生のゾーンへと入った。ここは食べ物がメイン。屋台から焼きそばの匂いが漂い、生徒たちも簡単な仮装をして盛り上がってる。へー、召喚獣で客引きとかも出来るんだ…1年生の頃って殆ど召喚獣を使える機会が無いから誰かが提案したのだろうか?召喚フィールドが展開されている。
「これが文月学園の学園祭…凄いです吉井トレーナー!」
目を輝かせるエトワールちゃん…中学生にとっては高校生って大人に見えるか。あれ?クラウンちゃんはあんまりテンションが上がってないような…
「
…何か君、高校生よりも大人びてない?
「吉井トレーナー!吉井トレーナー!アレは何ですの?私、気になりますわ!」
ノブレスさんがテンション高く、あるものに目を付ける…揚げパンにアイスクリームをのせたデザートだ。へー、かなり美味しそう。カロリーも高そうだけど…
「いいと思うよ!ただ、カロリーノートには書いておくからね。」
「…うっ!でも…食べたいですわ!すみません、お1ついただけますか?」
「わ、私も!」
早速、ノブレスさんとエトワールちゃんが買ってきて…ベンチに座り食べ始める。隣にはアラジンちゃんがすでに別の物を買って食べていた。
「アラジンちゃん、それは?」
「豆腐ドーナツ。低カロリーのオヤツかなーって。」もぐもぐ
「お、おい。あれって…」
「トレセン学園のウマ娘じゃねぇか…オーラやばっ。」
「食べてる姿も美しい…」
そのまま何人かの生徒がスマホを向けてくる。なので…
『
「あ、あれ?私のスマホ…」
「俺のも無い!?」
「こらっ!撮影はダメだよ!君たちのせいで文月学園の生徒がトレセン学園の聖蹄祭に行けなくなっちゃうよ?」
召喚獣を操作して没収する。
「ご、ごめんなさい…」
「あれ?何でトレーナーのアナタが召喚獣を?」
「あぁ…君たちは1年生だったね。僕、元々はここの教師でね…今は学園長の指示でトレセン学園にいるんだ。」
「そうだったのですか!?あれ?じゃあ、何でトレーナーバッジを?転職したのじゃないんですよね?」
「普通にトレーナーの試験を受けて取ったんだ。」
「………倍率と難度がエグいと聞きましたけど?」
「アハハ…まぁ、取れたものは取れたからね。コホン、とりあえず…また戻ってきた時はよろしくね。後、召喚大会に参加してるトレセン学園のウマ娘もいるから良かったら見にきてね。そこでは撮影してもいいから。」
「はい!」
生徒たちは素直に謝ったため、没収したスマホを返す。本当に反省しているみたい。
「あの…吉井トレーナー。そろそろ、ダイヤとルパンの1回戦の時間ですわ。」
「そっか…みんな、行こうか!」
『はーい!』
もうちょっと見たかったけど…僕たちはその場を後にした。