バカとダイヤと召喚獣   作:アマノジャック

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アンケート4

【質問】『清涼祭』1日目を終えて一番印象に残っている所を教えてください。


サトノシュレンの答え
「…ケガによる引退で文月学園に転校していた同期に会えたこと。スポーツ医学の大学を目指して勉強を頑張っているようだ。」

吉井明久のコメント
「そっか…シュレンちゃんは今まで多くのレースを走ってきたし色々と思うことはあるか。君がケガしないようにこれからも僕と月日トレーナーで支えていくからね。」


サトノラーゼンの答え
「オージービーフ串」

吉井明久のコメント
「ラーゼンちゃんはお肉が好きなんだね。」


サトノギャラントの答え
「メイド喫茶にトレーナーが普通に溶け込んだこと。」

吉井明久のコメント
「久保君に言われるまでAクラスの生徒は誰も気づけなかったとは…」


第十六問 清涼祭1日目(その4)

 

召喚大会3回戦にて、善明君の小細工によりルパンちゃんが戦死。ダイヤちゃんも何とか反撃して貞左府さんを戦死させたものの…大きく点数を削られ追い込まれていた。

 

 

【数学】

トレセン学園 サトノダイヤモンド

70点

 

VS

 

三年Bクラス 善明翔

150点

 

 

2倍以上の点数差…最初のダメージが大き過ぎたか。とはいえこのままのダイヤちゃんじゃない!

 

「やぁ!!」ブンッ

「…武器を投げるとか愚策だろ。」ガキンッ

「そこです!」ゲシッ

「…マジかよ。」

 

 

【数学】

トレセン学園 サトノダイヤモンド

65点

 

VS

 

三年Bクラス 善明翔

110点

 

 

レイピアを投げ…善明君がロングソードで弾いた直後に横腹へ蹴りを入れてきたのだ。そういえば召喚戦争で肉弾戦となることはほぼ無い…武器が当たるとすぐに戦死するからね。

 

「…ふふふっ♪」

「あれ?何で笑ってるの?」

「今、ハラハラしていて…最高に楽しいからですよ!」

「…やれやれ。君はこの学園に向いているかもしれないね。」

 

笑顔を見せたダイヤちゃんに思わず苦笑する善明君。ダイヤちゃんが文月学園に来るのか…少なくともG1レースを勝ちサトノのジンクスが破られるまではあり得ない話だけど…ちょっと、いいかもと思ったのは内緒だ。

 

「いきますっ!えいっ!」

「それはもう見て………え?」

 

 

【数学】

トレセン学園 サトノダイヤモンド

40点

 

VS

 

三年Bクラス 善明翔

Dead

 

 

再びレイピアで胸を突こうしたダイヤちゃん。それを読み、善明君はロングソードで反撃したが…ダイヤちゃんがレイピアを手から離したことで攻撃が空振った。そして、ダイヤちゃん落とした先にあった尻尾でレイピアを掴み、善明君の喉を貫通させたのだ。これより善明君は戦死した。よって…

 

「勝者、サトノダイヤモンド&サトノルパンペア!」

 

「おぉぉ!!やるじゃないかトレセン学園のお嬢さん!」

「というか…もう1人の子、大丈夫?耳を抑えたままステージにうずくまっているけど?」

 

「やられたよ。ウマ娘ならではの戦い方か…」

「やりまし……あたたたっ!」ギュッ

「──?」

「それ…早く止めてください…」

「…あ!ごめんね、すぐに止めるね。」カチッ

 

善明君は再びポケットに突っ込むと…音が止んだのか僕を締め付けていたノブレスさんがようやく解放してくれた。…はぁ、スーツの肩の所が破けちゃったか。やっぱり力ではウマ娘には勝てないな…。

 

「……ふぅ、ようやく止まりましたわね。あぁ…!?吉井トレーナー…その…ご、ごめんな…」

「ノブレスさんのせいじゃないでしょ?それより、耳は大丈夫?」

「…えぇ、今楽になりましたわ。それにしてもあれ、絶対に反則ですわよね?苦情入れてもよろしいですわよね?」

「これはノブレスさんに同意。ルパンとダイヤに…来賓にする仕打ちじゃないよ。」

「そもそもどうやって用意したのよ…」

「うーん、まだ頭痛い…」

 

ステージを見ると善明君は鉄人に引きずられており、ルパンちゃんとダイヤちゃんは高橋先生に連れられ退場していた。………ごめん善明君、これは僕でもフォローできないよ。たっぷり鉄人に絞られてくるといい。とりあえず、次は準決勝になるね。

 

───

 

「プラネタリウム!!」

 

少しテンションの上がったエトワールちゃんを先頭に僕たちは三年Fクラスへと向かっていた。時間的に今日、最後のイベントになるかな。受付には…早速、僕の知ってる生徒がいた。

 

「やぁ、海老原くん。久しぶり。」

「吉井先生!?何で…いえ、お久しぶりです!」

「ここってどんな感じ?」

「まぁ、映写機で星が写された天井を眺めるだけですよ。聞きたい星座があれば各担当の所で簡単な解説を聞けます。」

「ってことみたいだよ。じゃあ皆は先に入っておいて。僕、ちょっと彼と話すから。」

 

『はーい!』

 

エトワールちゃんを先頭に4人はFクラスへと入っていった。僕は海老原君へと顔を向ける。海老原八光…彼も僕が副担任をしていた元二年Fクラスの生徒である。それでクラス代表でもあった子なんだけど…

 

「今年もFクラスなの?君の成績ってかなり伸びていたよね?」

「恥ずかしい話なのですが…産気ついたおじいさんを助けていたら振り分け試験に遅刻しまして…」

「産気ついたおじいさん!?」

「冗談です。普通に風邪です。…勉強ばっかしてて体調管理が疎かになってました。」

「うーん…センター試験本番にそうなったら困るけど…自分から勉強するようになったと聞いて僕は嬉しいかな。」

「……どうしてトレセン学園に行ったのですか?俺らのこと…嫌いになったのですか?」

 

悲しそうな顔で質問する海老原君。安心して、それはないから。学園長に言われたからもあるけど…

 

「教師としてもっと成長したかったから…かな。」

「成長?」

「僕は皆の学力を上げるために教師をしてるけど…何年もしててさ、このままで良いのかって思うになってきてさ。」

「吉井先生は全部の科目を担当できる唯一無二の教師でしょ!」

「いや、それに関しては鉄人と高橋先生と久保先生も出来るからね?」

「…え?久保先生も?」

「じゃなきゃAクラスの担任してないって…」

「そうだったの…ですね…」

 

久保君は僕と違って脱線した話をしないので、学力を伸ばす上では最高率の授業を行う。賢い子がさらに伸びるため、難関レベルの大学へと進学した子も多い。学園長としては僕にもそういう教師になって欲しいのだろうけど…

 

「学年共通のテストで赤点を回避させるの関の山だからね…」

「十分過ぎるのでは?」

「そうかな?クラスの皆は模試で希望した大学に点数は届いてないみたいだし…」

「先生、こう言うのも何ですが俺らは単に大学行きたいだけで入った後のことは深くは考えてないですからね?」

「え?そうなの?」

「就職したくない、あわよくば女子大生とかと知り合いたいとか、そんな感じですよ?」

「えぇ…」

 

大学を何だと思っているの…

 

「まぁ、今の吉井先生をみて俺に1つ目標が出来ましたよ。」

「え?どんなの?」

「トレーナーになってトレセン学園のウマ娘にモテることです。」

「台無しだよ!…けど、その夢は教師として応援してるから。」

 

そして、僕もノブレスさんたちを追いかけてFクラスへと入っていった。

 

………

 

「ふーん、チェックポイント毎に星座の解説か…」

 

Fクラス内は暗幕で覆われているものの、チェックポイントにあるぼんやりとした灯りで足元は何とか見えており、天井には映写機による星座が再現されていた。

 

「えー、みずがめ座のこの形は何かを注ぐ姿になっていて、これはギリシャ神話の…」

 

「うん!うん!」ブンブンッ

 

エトワールちゃんがテンション高く、宿見君の説明を聞いていた。宿見君も宿見君でウマ娘に説明出来るからか鼻の下が伸びてるし…でも相手は中学生だからね?

 

「これで以上になります。解説を聞いてくれてありがとね。」

「いえいえ!私こそ、ありがとうございました!」

「よ、良かったら他の星座の解説も…」

「うぅ…そうしたいところですけど…あまり皆と離れないでって言われるから…ごめんなさい。」

「いえいえ!では、清涼祭を楽しんでいってください!」

「はい!さようなら!」

「さ、さようなら……はぁ。可愛い子だったけど…残念だな…」

 

エトワールちゃんが離れ肩を落とす宿見君。そんな彼の肩をFFF団の誰かが叩き…

 

「異端者発見!これより星座の刑を執行する!」

『了解!!』

 

「ぎゃ…っ!?」

 

「口枷よし!手錠よし!ロープよし……吊るせ!」

『了解!!』

「ウマ娘と話した罪は大きい…」

 

拐われた宿見君は一瞬で無力化されて教室の端に連れていかれた。こっそりと付いていくと…暗幕の壁があり、捲って入ると宿見君はもう天井に吊るされていた。なるほど、二重壁にしているため他の客には見えない…Fクラスだけど悪知恵だけが働く姿にため息が出る。よく見てみるとそこは結構な数の男子生徒が吊るされていて……あれ?さっき拐われた新房君もいる?……あ、FFF団の1人と目があった。

 

「そこにいるのは吉井先生!!」

「ウマ娘の園…トレセン学園へと行った吉井先生!!」

「去年、鉄人と共に俺らに地獄を見せた吉井先生!!」

「ここで恨みを晴らさでおくべきだ!!」

「執行内容は…」

 

『死刑!死刑!』

 

はぁ、面倒な展開になってきたな。召喚獣を出して…いや、ノブレスさんたちに気づかれたらもっと面倒になるか。とりあえず…

 

「君たち…ちょっと、頭を冷やそうか?」

 

指導の時間だね。

 

………

 

「これで最後っと。」キュッ

 

何をしたかって?スタンガン持って僕に迫ってきた子がいたからそれを強奪。後はカッターナイフの雨を上手く避けつつ全員に電気を流して気絶させただけ。とりあえず、アテナイまで向かっていたテセウスのごとく、自分たちがしてきたように教室の端に吊るすことにした。ちなみに新房君はそのままだ…ほどかないのかって?そこまで僕はお人好しでもない。ここで後ろの暗幕から人の気配を感じ振り返った。

 

「吉井先生!何の御用でしょうか!?」

「久しぶり~!」

 

「みんな、本当に久しぶり。急に呼び出してごめんね…」

 

気絶させた中にいなかった元Fクラスの子たちを呼び出したのだ。教師をしてまだ数年だが、三年への進級時にFクラスからEクラスやDクラスにいけた子がいると心から嬉しく思う…僕は結局Fクラスで終わったからね。

 

「吉井先生は何を?」

「あぁ、これこれ。」ピカッ

 

スマホのライトで吊るしたFFF団を見せる…全員ドン引きしているが話を続けよう。

 

「君たち、代わりにチェックポイントで星座の解説してくれない?」

 

「…えぇ!?何でそんなことを…」

「というかそんなのしていいの?」

「大丈夫大丈夫。クラス代表の子には話を通してるから。」

 

「その通り。」

 

僕の言葉に続いて1人の女子生徒がこっちへと来た。靴剣円…三年Fクラスの代表だ。

 

「いやー、吉井先生が全滅させちゃってさ…人がいなくなったの。でもチェックポイントに誰かいなかったら鉄人が五月蝿くなりそうでさ~」

「解説って俺ら別に星座に詳しくは…」

「それに何の得が…」

「ウマ娘さんとお喋り出来るかもよ?」

『詳しく話を聞かせろ!』

 

やっぱりFクラスだよ君たちは。なお、僕たちはダイヤちゃんとルパンちゃんの試験が終わったので、後は廊下で待ってるノブレスさんたちと合流して帰るだけ。よって今日はもうここに来ることはない。

 

「じゃあ、僕はそろそろ行くね。」

「あ!吉井先生~」

「どうしたの靴剣さん?」

 

「明日の召喚大会だけどね私、多分決勝まで行くと思うからあの2人によろしく言っといて。」

 

「…え?靴剣さん、召喚大会出てたの?」

 

一体誰と組んだのだろうか…誰であれ、何だか波乱の予感がするな。何はともあれ…こうして清涼祭の1日目が終わった。

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