バカとダイヤと召喚獣   作:アマノジャック

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テスト科目・生物

【問題】ウマ娘の毛色は鹿毛、栗毛など主に8種類に分けられます。前文以外の6種類の毛色を3つ答えてください。また、それにあたるウマ娘も1人答えてください。

サトノダイヤモンドの答え
「黒鹿毛(サトノクラウン)・芦毛(メジロマックイーン)・青鹿毛(マンハッタンカフェ)」

吉井明久のコメント
「正解。この解答を含めた5種類の毛色がウマ娘全体の99%ほどを占めているよ。」


サトノクラウンの答え
「青毛(ヴィルシーナ)・栃栗毛(サクラローレル)・白毛(サトノジャスミン)」

吉井明久のコメント
「正解。この3種類は全体で見るととても珍しい毛色になるね。サトノジャスミンさんは初耳だったためちょっと調べたけど…アメリカ出身のウマ娘でトレセン学園への入学が決まっていると聞いたからレースでの活躍を期待しているよ。」


ハルウララの答え
「青毛(ターボちゃん)・黄毛(トプロちゃん)・赤毛(シオンちゃん)」

吉井明久のコメント
「信号機じゃないよ。」


第二問 新システムの説明

 

『コホン、失礼しました。仕切り直させていただきます…改めまして僕は吉井明久と申します。僕のいる文月学園には『試験召喚システム』と呼ばれる学力向上を目的としたものを導入しており…』

 

「クスクスクス…」

「カボチャ…」

 

子供って正直だよね。まぁ、やらかした僕が100%悪いのだけど…

 

『簡単に言いますと『自分の分身を召喚すること』が出来ます。』

 

ざわざわざわ…

 

「自分の分身を…召喚?」

「すごい!すごい!どんな魔法なの!?」

「…ん?それと学力と何の関係が?」

 

おぉ!みんな、凄く食いついてきた!それじゃあ…

 

『早速ではありますが…実際に見て貰うとしましょう。すみませんが皆さん、体育館の中央に貼ってありますラインテープの外側まで移動してください。』

 

僕の言葉に従い、全員がラインの外へと移動する。そして僕は10×10mくらいのコートの中央に立つと右手についた白金の腕輪を上に向け起動させ…

 

『承認』

 

召喚フィールドを作成した。

 

「何だこれは!?」

「あの男を中心に結界っ!?一体、どんな魔法なの!?」

 

レースが中心となるウマ娘やトレーナーたちにとってはそれは革新的なものだったのだろう。でも、驚くのはまだ早い!

 

試獣召喚(サモン)

 

僕の掛け声と共に魔法陣が形成され、そこから僕の分身が現れた。

 

ポンッ

 

【総合科目】

補習教師 吉井明久

3267点

 

…教師としてはちょっと恥ずかしい成績。文系の科目にしておくべきだったかな。ちなみに召喚獣の格好は赤ジャージに竹刀とドラマの教師風になっている。

 

『コチラがその分身『召喚獣』というものです。頭の上にある情報は見ての通り、科目、簡単なプロフィール、現在の点数となっています。』

 

ざわざわざわざわ…

 

『えー、ここで最初に言っていたことに戻りましょう。この召喚獣は戦力を持っており、他の召喚獣と戦わせることが出来ます。僕のいた学園では学力毎にクラスが分けられているのですが…学力が高いクラスほどいい設備で勉強ができます。よって下位クラスが上位クラスの設備を狙い宣戦布告を行う『試験召喚戦争』が行われ、その時に戦ってくれるのがこの分身となります。』

 

僕の説明と同時に竹刀を振るう召喚獣。…まぁ、ここでのアクションは控えめにしておこう。

 

『なお、この時の強さが科目ごとの点数により決まります。当然ながら、高い点数ほど召喚獣は強くなるのです。ここまでで何か質問はありますか?』

 

「はい!」

 

ピンクリボンでポニーテールをまとめている元気そうなウマ娘『トウカイテイオー』さんが手を上げた。

 

『どうぞ。』

 

「その『試験召喚戦争』って上位クラスが有利でしょ?でもでも自分達の設備を狙って下位クラスに何回も挑まれたら泥沼にならない?」

 

『そうですね。だから上位クラスが勝った場合は下位クラスの設備がワンランク落ち、かつ3ヶ月は宣戦布告が出来なくなるってルールがありますね。』

 

「へー…じゃあ、具体的に勝敗ってどう決まるの?」

 

『上位クラスにも下位クラスにもクラス代表がいまして…その子が戦死したら終了です。』

 

「なるほどなるほど…ありがとう。ボクからは以上だよ。」

「はいはい~」

 

次は芦毛のフワフワしたウマ娘『セイウンスカイ』さんが手をあげた。

 

『どうぞ。』

 

「科目っていくつあるのですか?流石に33科目もある訳ないですよね?」

 

あー、確かに総合科目と書いてあってこの点数なら混乱するよね。

 

『この科目は僕のいる高校での基準で現代文、古典、数学、物理、化学、生物、地学、地理、日本史、世界史、現代社会、英語、保健体育の13科目を合計した総合科目になります。ちなみに点数に上限は無いため100点以上も取ることも可能ですし…400点を超えると特殊能力が使えるようになりますよ。』

 

「特殊能力!?どんなのどんなの!?早く教えなさいよ!」

 

魔女の帽子を被ったウマ娘『スイープトウショウ』さんが目をキラキラさせているが…

 

『それは彼女の次に答えるからちょっと待ってくださいね。』

 

「嫌よ!すぐに答えなさい!」

「私からは以上ですので~、そのまま答えてあげていいですから~」

 

まぁ、セイウンスカイさんがそう言うなら…

 

『僕も3人くらいしかみたこと無いけど…1人は熱線を飛ばしてました。』

 

「炎の魔法ね!」

 

『2人目は召喚獣の速度を目で追えないレベルまで上げてましたね。』

 

「加速魔法ね!」

 

『最後は…風の刃を飛ばしてましたよ。』

 

「風の魔法ね!答えてくれてありがとう!」

 

この答えにスイープトウショウさんが満足してくれたようで良かった。

 

「私からもいいだろうか?」

 

髪の長い、けど所々跳ねている寡黙そうなウマ娘…ダメだ!名前がわからない!多分、まだデビューしてないウマ娘だからだとは思うけど…と、とにかく…質問に答えないと。

 

『どうぞ。』

 

「これは…私たちのレースとどう関係するんだ?」

 

もっともな質問だ。ここにいるのはレースでの勝利を目指すウマ娘やトレーナー…学力よりも走りを重要視する以上、今回の企画を邪魔に感じる方もいることだろう。

 

「ドゥラ!あ!いえ、これは…ある程度勉強が出来て、脚質や戦術も決まっているウマ娘にはどれ程の成長が期待出来るかを聞きたいようでして…」

 

『大丈夫ですよ。今から説明しますから…』

 

『エアグルーヴ』さんが寡黙そうなウマ娘のフォローに入る…もしかして、妹さんとかかな?まぁ、本当に気にしていないし…答えるように僕は白銀の腕輪を右に45°ほど回転させて手を上げた。

 

整備(メンテナンス)・東京』

 

「なっ…」

「これって…東京レース場!?」

 

僕のそばにいた召喚獣が消え、召喚フィールドは僕を中心に小さなレース場へと変化した。

 

『今から説明するのがトレセン学園のみなさんに使用していただく召喚フィールドになります。こちらは東京レース場をモデルにした召喚フィールドであり、みなさんの召喚獣を走らせることになります。まだまだ調整中であり、後々には天候やバ場状態も変更することが出来るようにしたいと考えています。では、実際に1度僕の召喚獣を走らせてみましょう。』

 

試獣召喚(サモン)

 

【総合科目】

補習教師 吉井明久

3167点

 

僕は再び召喚獣を呼び出した。格好はさっきの赤ジャージから竹刀が無くなった姿…そのままゲートへと入る。開くと同時にターフを駆け始めた。条件は芝の1200m、最終コーナーを華麗にかわして…そのままゴール板を抜けた。

 

『ふぅ…ふぅ。えー、このように実際のレース場を走らせることが出来ます。みなさんのトレーニングの幅が広がることを期待しています。以上で…』

 

「…すみません、よろしいでしょうか?」

 

紫に近い芦毛のウマ娘『メジロマックイーン』さんが手を上げた。…まだ仕舞わない方がいいのかな?

 

『どうぞ。』

 

「今の召喚獣の走りましたスピードはウマ娘並…人間を超えているように感じましたが…これは人間のトレーナーでもこのシステムは使用可能ということでしょうか?また、召喚獣のレースは点数によって勝敗が決まるでしょうか?」

 

『最初の質問の答えですが…はい、になりますね。これを使う対象はウマ娘だけではなく担当トレーナーも入ります。

次の質問についての答えですが…関係ない、になりますね。確かに召喚獣の力は点数によってスピードを出せるようになるのは事実ですけど…これはレースです。スピードは確かに重要ですけど…それだけで全てのレースに勝てる、とはならないでしょう?あ、いえ!?それを重視するウマ娘やトレーナーを否定したい訳では無いのですが…。

えーと、つまり、召喚獣は点数次第で人間のトレーナーもウマ娘並みに走らせることが出来ます。高い点数を取ればトレーニングや指導においてより理想的な動きを追及出きることでしょう。』

 

そう言いながら僕は召喚獣と召喚フィールドを消し…再び、ステージの上へと戻る。

 

『簡単ではありますが…以上が『試験召喚システム』の説明となります。』

 

ざわざわざわざわ…

 

「私たちトレーナーも出せる召喚獣…しかも仮想とはいえレース場で走れるとなれば…指導がさらに捗りそう…」

「学力でスピードが決まる、か。俺自身はペーパー試験とか久々になるが…担当には何かいい刺激になるかもしれない…」

「レースもだけど…バトルも面白そう♪アタシはどんな武器になるのかな~?」

 

…生徒もトレーナーも…みんな、予想以上に興味を持っている。うん。それはいいんだけど…今回のこれ…

 

トレーニングにおいて、どれ程の効果があるが未知なんだよね。

 

あー、どうしよう。元々はトレセン学園の学力向上のために言われたプロジェクトであって…トレーニングに結びつけることで興味を持ってもらおう、って話だったのに…トレーニングとして活かそうとしてる。と、とにかく僕の出番はここで終わり。次は秋川理事長にマイクを渡して…座る。

 

『静粛ッ!まとめた資料をこの後に配布しよう!その他、細かい質問などは学内に設置するアンケート箱に投稿して欲しいッ!最後に…ここで聞いておきたいことはあるか?』

 

「はい。」

 

右耳に緑色のフリルのような耳飾りをつけ、おっとりしたウマ娘…ダメだ。この子も知らない。未デビューだから分からないだといいのだけど…んん!その子が手を上げた。

 

『『サトノダイヤモンド』か…一体何が聞きたい?』

 

「今回、『試験召喚システム』を紹介していただいた彼ですけど…文月学園の教師ですよね?何故、トレーナーバッジを付けているのでしょうか?」

 

………どう説明しよう。うーん、ババア長を出し抜いてやろうと思って取った…何てバカ正直に言うわけにいかないよね。そういえば、ウマ娘に理解あるから馴染みやすくなるとかババア長が言っていたような…よし!とりあえず、そんな感じに答えてあげ……おるふぇ!?

 

「吉井さん、このままの状態でお待ちください。」

 

駿川さん、力強っ!…そっか、これってプレゼンしたこととは関係無いから…ここは大人しく指示に従おう。

 

『機密ッ!これは彼のプライベートに関わることだ…故に答えらせる訳にはいかない。』

 

「…っ!?そうですね、失礼しました。」

 

サトノダイヤモンドさんはそのまま、引き下がったものの…僕の方へと目線を向けていた。…まぁ、後でこっそり教えるくらいならいいかな。そうして、『試験召喚システム』のプレゼンは何とか終わったのだ。

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