【問題】幼い時からの習慣や性質は年を取っても抜けないことを何という?
サトノダイヤモンドの答え
「雀百まで踊りを忘れず」
吉井明久のコメント
「正解。雀が地面を歩く姿が踊ってるように見えたことからきたことわざだよ。」
サトノラーゼンの答え
「三つ子の魂百まで」
吉井明久のコメント
「これも正解。由来は江戸時代の歌舞伎『兵根元曾我』か、平安時代の『源氏物語』から来たと言われているね。」
サトノエトワールの答え
「悪妻は百年の不作」
吉井明久のコメント
「不幸が一生抜けないのは嫌だな…僕は大丈夫だけど。」
召喚大会を優勝したダイヤちゃんとルパンちゃんの授与式があるのだが…予想よりも時間がかかっているようだった。その間にカペラのみんなもどこかに行ってしまって…僕と月日トレーナーの2人が来賓席に残っていた。
「月日トレーナー、みんな戻ってきませんけど…授与式に間に合いますか?僕、探しにいった方がいいですか?」
「いえ。もう時間ですので、明久さんはここで待っていてください。」
…もう時間?その言葉を出す前にステージから放送委員であろう生徒の声が聞こえた。
『お待たせしました!召喚大会の授与式の前に…特別ライブを行います!ここからは撮影、録音等は禁止とさせていただきます。』
特別ライブ…?僕、知らないけど?気付けば鉄人がステージの下で『撮影NG』と書かれたでかいプラカードを持って立ってるんだけど?
『披露していただけるのはトレセン学園より『チームカペラ』の皆様です!ではどうぞ!』
『皆様、ご機嫌よう…チームカペラのサトノノブレスですわ。昨日、今日と清涼祭を楽しませていただきありがとうございました。ささやかではありますが、私たちで行う特別ライブを楽しんでくださいまし。』
「「「うおぉぉぉ!」」」
さらにウイニングライブで使用される汎用勝負服を着たカペラのメンバー全員がステージに姿をみせ、会場のボルテージが上がった。
「…月日トレーナー、これは一体何ですか?」
「何ってウイニングライブですけど?」
「初耳ですよ!?」
「え?そうなのですか!?文月学園の学園長さんから聞いていたのですけど…そういえば明久さん、ボイスレッスンやダンスレッスンは関わってなかったですね。それで…いや、それでも連絡は来ますよね?うーん、ごめんなさい。分かりません…」
「…」
サトノ家は確か、専門のコーチがいた…故に僕はレース用のトレーニングのみに集中出来ていた。まぁ、召喚トレーニングがほとんどだったけど。おそらくは僕が不在、もしくは召喚トレーニングをしている裏でライブ用のトレーニングをしてきたのだろう。特別ライブについては知らなかったけど。
「ライブといえば…カペラに入ってからはノブレスさんの天皇賞(春)とルパンちゃんのNHKマイルCしか見てなかったですね。」
「それなら是非とも目に焼き付けてください!でなければ私が直接焼き付けますよ。」
「僕の顔に目玉焼き(リアル)を乗せる気ですか!?」
何はともあれ…9人のライブが見れるとは何だかドキドキしてきたな。チラッとムッツリーニのいた所を見る。カメラを全てカバンに収めて、穴が開きそうなレベルで目を見開いてステージの上のルパンちゃんを見ていた。…前のNHKマイルCもそうみていたのだろうか?
『~~♪』
ライブが始まった。披露する曲名は『Make dedut!』。ノブレスさんをセンターにシュレンちゃんとアラジンちゃんの3人が中心となった行うようだ。
『~♪』
未デビューであるダイヤちゃんたちもキレのある動きを見せてくれる。勉強もトレーニングも…頑張ったこと全てがこのステージに表れているのかな。僕も彼女たちのステージから目を離すことはなかった。
………
パチパチパチパチッ!!
『ご覧いただきありがとうございました。よろしければ私たちが走るレース場にも足を運んでいただければと思います。』
無事にライブが終わり、会場から惜しみない拍手が響く。最後の挨拶もノブレスさんが締め、彼女たちはステージを去った。
「みんないい動きでし…」
「ダイヤさん…スタートから間違えた動きで悪目立ちしてました。エトワールさんは最後の方で笑顔がなくなってましたし、クラウンさんはサビの最後で声が詰まっていました。ラーゼンさんは動きが終始固かったですし、デビューするまでにそこらへの修正を徹底しないといけませんね。」ぶつぶつ
月日トレーナーに声をかけようとしたが…見たことない鋭い目でライブの評価をしていた。僕は全然分からなかったけど…うん、ダイヤちゃんたち頑張ってね。
………
『それではサトノダイヤモンドさん、お願い事を宣言してください。』
汎用勝負服を着たダイヤちゃんとルパンちゃんの授与式が始まった。表彰状を受けとる2人…そして、お願い事を聞くためにマイクがダイヤちゃんへと渡された。
『…吉井さん!』
突然に僕の名前を呼ばれチームカペラの皆を始め、文月学園の全生徒が僕を見る。いや、何これ!?
『ダイヤと…本気で勝負してください!』
『何と!歴代でも最強と呼ばれた主席横布涼生君を倒したサトノダイヤモンドさん、次は文月学園最強の吉井先生へと勝負を挑むようです!』
「勝てるよサトノダイヤモンドさん!」
「吉井先生が召喚してくれるのっ!」
「さっさと見せてくれよ!!」
また会場が盛り上がってる!?これ、どうすればいいの?今すぐ戦う気なの!?
『それでは吉井先生、ステージに来てください。』
呼ばれちゃったのだけど!?
「月日トレーナー、どうすれば…」
「…明久さん、行ってきてください。今のダイヤさんは会場の雰囲気にのまれています。止めれるのは貴方だけです…お願いします。」
「分かりました。」
背中を押されるようにステージへと上がる。立会人として鉄人がいた。
「吉井…時間が押している。さっさと終わらせてくれ。」
「分かってます。ダイヤちゃん、科目は?」
「社会でお願いします。」
「『承認』…互いに召喚をしてくれ。」
『
【社会】
補習教師 吉井明久
552点(日本史)
VS
トレセン学園 サトノダイヤモンド
481点(中学社会)
赤いジャージ着た僕とミニスカ騎士のダイヤちゃん…とりあえず、こちらから攻めるとしよう。上段の構えから距離を詰めて、竹刀を振るう。対してダイヤちゃんは僕の胸へとレイピアを突き刺しにかかる。
「…」ブンッ
「きゃっ!?」
「…」
【社会】
補習教師 吉井明久
552点
VS
トレセン学園 サトノダイヤモンド
420点
僕の攻撃が先にダイヤちゃんの頭を捉え、後ろへと飛ばした。
「出し惜しみはしていられないですね…!加速!」ピカーン
ダイヤちゃんの
「『
「なっ…!?」
「ごめんねダイヤちゃん…これで終わりだよ。」
【社会】
補習教師 吉井明久
276点
&
補習教師 吉井明久
276点
VS
トレセン学園 サトノダイヤモンド
Dead
僕も
『勝ったのは吉井先生!これが彼の本気なのか、1点も減らさずにサトノダイヤモンドさんに勝利しました。』
「あぅ…まだまだ届きませんね。」
「届かれちゃったら僕の立場が無いよ…じゃあ、授与式を続けようか。」
「はい。」
一方的な展開に盛り上がりは無い…それどころか会場は完全に沈黙した。僕はダイヤちゃんに一言告げてステージを降り、来賓席へと戻る。ダイヤちゃんも元いた所へと戻っていった。重い空気の中、放送委員の子は何とか授与式を進めていく。
『サトノダイヤモンドさん、吉井先生、ありがとうございました。で、ではサトノルパンさん。貴方のお願い事を宣言してください。どうぞ!』
『……。』
今度はルパンちゃんへとマイクが渡される…そして、ルパンちゃんは軽く息を吸い…
『再来週の日本ダービーに出走したい。』
ゴトンッ!
会場のどこから凄まじい落下音が聞こえた。その音源はムッツリーニが高そうなカメラを落とした音。
「ダービーに出走?誰か聞いていたか?」
「いや、今知ったよ!」
「ルパンさん…何で…!?」
他のカペラのメンバーや月日トレーナーも初耳だったようで焦った顔になる。
『な、何とサトノルパンさん!一生に一度の晴れ舞台『日本ダービー』へと出走希望のようです!これは応援するしかありませんね!』
「頑張れサトノルパン!」
「全力で応援するぞ!!」
「枠に入れるといいな!!」
会場は盛り上がりを取り戻し、文月学園の生徒たちは次々とルパンちゃんに応援の言葉を送る。その中に1つ、気になる応援があった。
「お姉さんの分も頑張って!!」
…お姉さん?そういえば、前にムッツリーニが重賞勝ってる姉が2人いると言ってたな。
授与式が終わったことで、清涼祭の一般公開も終わり、僕を除いてチームカペラの皆は帰ることになる。僕は学園長の所へと向かうのだが、その前にムッツリーニからもう一度話を聞こうと彼の背中を追ったものの…見失ってしまった。
───
「失礼します学園長。」
「吉井先生。はぁ…アンタ、最後にやってくれたねぇ…」
「…?」
学園長室へ入った僕に学園長はため息を見せた。ルパンちゃんの日本ダービー出走のことだろうか?
「た、確かにルパンちゃんの適性的に日本ダービーは長いと思われますが…」
「それじゃない。サトノの至宝とのタイマンさね。」
「ダイヤちゃんのこと…ですか?」
高得点者の特典である腕輪の力を使ってきたので僕も腕輪の力を………あ。
「アンタに与えたその腕輪は作業時の頭数を増やすため…なのに戦闘で使うとは…」
「すみませんでした。」
高得点者が使える金の腕輪と異なり、『
ところが僕が教師として文月学園に入った時…調整が終わったとのことで再び僕が使うこととなったのだ。まぁさっき学園長が言ってたとおり、雑務時に頭数を増やすためなのだけど。…あ!ダイヤちゃんよりも前にスイープちゃん相手にも使ってた!?どうしよう?多分、そこまではバレてないと思うけど…いや、今はダイヤちゃんのことだけ考えよう!
「ダ、ダイヤちゃんに全力で来てと言われたのに加え、鉄人に時間が押してるから早く終わらせろって言われまして…」
「まぁ、次から気をつけてばそれはいい。本題はここからだよ。」
「本題…あぁ、僕の評価の件ですね。と言ってもまだ殆ど何もしてないですけど…」
「いや、トレセン学園の生徒を優勝させただけで十分過ぎる成果だ。」
「本当ですか!?」
いや、でもダイヤちゃんたちが活躍したのであって僕は別に何もしてなくない?それに…
「トレーニングのためとはいえ、何度も召喚してるので…何かズルをしてる感じも…」
「まっ、だからアンタらを呼んだ訳だが…」
「何故?」
「あの調子に乗ったクソガキに痛い目をみてもらうためさね!教師が生徒に負けたとなればスポンサーへの印象が悪くなる。」
「うわぁ…悪役臭いこと言いますね…」
横布君のことだろう。去年のクリスマスの召喚獣大会で教師2人を正面から倒した生徒…横布君本人の性格から考えると調子に乗ってはなかったけど、学園からしたら溜まったもんじゃなかったか。はぁ…生徒相手にこんなことするとか…嫌になる。
「…こんな理不尽はまだまだ序の口さね。今回は何とかこれで収まるだろうが…アタシだって嫌になるよ。」
「心を読まないでください。」
「さて、今回の成果を決定的にするためにもトレセン学園の期末テスト…それでまた評価をさせてもらうこととする。」
「赤点の子を出さないように頑張ります!」
「まぁ、こんなところでいいだろう…アンタからは何かあるかい?」
何か…あ、そうだ!
「チームカペラのみんながしたウイニングライブっていつから決まってましたか?僕、知らなかったのですけど?」
「はぁ?1週間前には決まってたさ。だからアンタには最初に連絡………送信前になってたさね。」
「…」
うん、理不尽。でも原因が分かったからもういいや。
「…学園長、もう1ついいですか?」
「何だい?」
「召喚フィールドの中山レース場が完成しました。確認してもらえますか?」
「もう出来たのかい!?…確認が終わり次第、腕輪を送ってくれ。データを入れておこう。」
「分かりました、お願いします。僕から以上です。」
こうして、文月学園の清涼祭は終わりを迎えたのだった。