【問題】コインを3回投げた時に3回連続で表になる確率を答えてください。
サトノダイヤモンドの答え
「1/8」
吉井明久のコメント
「正解。8通りの中から全て表になるのは1通りだけだからそうなるよ。」
エルコンドルパサーの答え
「何回しようとコインの確率は『1/2』デース!」
吉井明久のコメント
「それが3回続くと2通り×2通り×2通りで8通りになる、という所まで理解するのが大事だよ。さらに裏が出る確率は1通り+2通り+4通りの7通りになるから全体から引いてみて。答えの『1/8』になるよ。」
ウオッカの答え
「テレビでコイントスをした時に溝に嵌めて立たせるシーンを見てから、表と裏だけで計算していいのかが分からねえ!」
吉井明久のコメント
「表と裏だけでいいから…」
「ねぇ、ダイヤ…あの先生をサブトレーナーにスカウトしたって本当なの?」
「はい!あの人であればサトノのジンクスを破ってくれる筈です!」
「メインは教師でしょ?だいたい、召喚システムでのトレーニングによる成果って何も出てないのに流石に浅はかじゃない?」
「いえ!召喚システムよりも吉井さん自身に運命を感じてたのです!」
「それって…ひとめぼれしたってことですか?」
「はい!あの人となら…サトノの悲願も夢ではありません!」
「…ダイヤ?…自分で何言ってるか分かってる?」
「みなさんも彼と会えば気付きます!」
「はいはい…そうこう言ってるうちにトレーニングの時間が来たわよ。」
「きっとトレーナーと一緒に吉井さんも来ますね!みなさん、服装の乱れとかありませんか?」
「大丈夫だって……へ?」
「まぁ♪」
「…どちら様?」
「あれ?あれあれあれ?」
「それでは吉井さん♪自己紹介をお願いします♪」
「よ…吉井明久です………あの?本当にこれがチームカペラの正装なのですか?」
「いえ♪100%私の趣味です♪」
「だと思いましたよチクショー!」
僕は今…メイド服を着せられていた。どうしてこうなったのだろうか?
───
話は少し前に戻る。
「あの…学園長。サトノダイヤモンドさんよりサブトレーナーにスカウトされたのですが…どうしましょうか?」
『そのくらい自分で判断しなクソガキ。』
「と言われましても…サトノグループって
『文句言った奴らにも召喚システムで対応しな。結局はアンタの仕事が増えるだけさね。それが嫌なら断りな。アタシとしてはデータ収集においては、この上なくありがたい話だとは思うけどねえ。』
「それはそうですけど…」
『さっきも言ったが自分で判断しな。アタシも暇じゃ無いんだよ……最悪のことになりゃ、尻くらいは拭いてやるから。頼んだよ吉井先生。』
ババア長により一方的に電話が切られた。…まぁ、データ収集においてはありがたい話ではある。当たって砕けろとはよく言ったものだ!早速、アポを取ってみよう…えーと、サトノダイヤモンドさんの担当トレーナーさんは……あ!あのメイド服の人か!………うん!やましい気持ちなんて一切無いけど急にやる気が沸いてきた!
「すみません、文月学園の吉井です。長谷川月日トレーナーの電話番号で合ってますでしょうか?」
………
「改めてまして…文月学園の補習教師、吉井明久です。」
「はい。改めてまして、チームカペラのトレーナーの長谷川月日です!いやー、あなたがウチのチームに入りたいとは初めて聞いた時はビックリしましたよ!」
やっぱりメイドさんだった。僕よりもちょっと年下かな?
「いえ…お恥ずかしいながらトレーナーとしては右も左も分からない状況でしたので。サトノダイヤモンドさんの提案もありサブトレーナーをしてみようと考えました。」
「まぁまぁ!ダイヤさんからの提案でしたか!」
「此方としては召喚システムによるトレーニングのデータを収集したくて…資料の掲載の許可もいただきたいのです。もちろん、データを取った担当ウマ娘の名前は伏せますので。」
「えぇ!えぇ!構いませんとも!現在は9人の担当がおりますので、許可が貰えた子であれば現在のデータを提供しますよ!」
笑顔でオーケーをくれたよ…担当が9人か。となれば、この前のテストを受けていたのはサトノダイヤモンドさんだけだったのかな。
「…いいのですか?此方に都合が良すぎて怖いのですけど…」
「そうですか?まぁ、外部に漏れないよう、文月学園へのトレーニングデータの送信はサトノ専用のVPNを使っていただくことになりますが。」
「分かりました、その件は学園長にも伝えておきます。」
「それではトレーニングに向かいましょう!この正装に着替えてきてください!」
「へー、正装とかあるので………はい?あの…長谷川トレーナー?これって…」
「正装です。」
「どうみてもメイド…」
「正装です。」
「女性向…」
「正装です。私は部屋の外で待ってますので早く着替えてください。最後にメイクもしますので。」
ダメだこれ…着替えないと話が進まないパターンだ。結局、
「吉井さん!貴方は女性だったのですね!?」
「違うから!長谷川トレーナーに騙されただけだから!」
「…」カシャカシャカシャ…
「ちょっとソコ!?無言で写真撮るのやめてくれる!?」
「お…お姉さまとお呼びしても?」
「長谷川トレーナー!?」
チーム部屋に入って挨拶してからいきなりカオスなのだけど!?とにかく!何とか仕切り直さないと!
「とりあえず!全員、自己紹介してもらっていい?僕にとっては長谷川トレーナーとサトノダイヤモンドさん以外は初対面だからさ!」
僕の声に答えてか、黒鹿毛で短髪のウマ娘が前へと出て拳を構えて挨拶をしてきた。
「炎のウマ娘…『サトノシュレン』。トゥインクルシリーズに挑戦中…この中では1番のベテランだ。去年の3勝クラス勝利を最後に…G1どころか重賞も勝てていない。召喚システムでの私の進化を期待したい。」
…さっきのカオスになった空間とは裏腹に凄い真面目さが伝わってくる。というか炎のオーラが背後に見える。そして、サトノシュレンさんが後ろへと下がると別の黒鹿毛のウマ娘が前へと出てきた。
「アタシは『サトノギャラント』。シュレンさんより世代は1つ下になるけど…これでもOPウマ娘だよ。G1レースは勿論勝ちたいけど…まずは重賞レースを何としても勝ちたいから。よろしくね吉井トレーナー。」
彼女からも勝利へ執念を感じた。サトノシュレンさんと同様にサトノギャラントさんも下がると別の黒鹿毛のウマ娘が前へと来る。この中では1番身体が大きい子だ。
「『サトノノブレス』です。昨年の菊花賞は2着に敗れていますが…天皇賞(春)で必ず勝利したいと考えております。…私は召喚システムへ協力するつもりはありませんので、そのつもりで。」
…まぁ、そう思う子もいて当然だろう。此方も強制は出来ないし。また別の黒鹿毛のウマ娘と入れ替わった。今までの中では1番小柄な子だな。
「…『サトノルパン』。今年がクラシック。1勝クラス勝ってて…次はNHKマイルCに出る。サトノの初G1ウマ娘になる。」
さっき僕に向けてカメラを連写してきた子だ。言葉も少なくムッツリーニを思い出すが…他のメンバー同様に真剣さは伝わってきた。また入れ替わり…今度は鹿毛の大柄なウマ娘が出てきた。
「私は『サトノアラジン』だよ。ルパンとは同期で…重賞含めて掲示板を外したことは無いよ!G1への勝利のために召喚システムを利用させてもらうからね!」
僕としては彼女のような考えのウマ娘がありがたい。こっちもデータを貰う立場だからね…次はまた鹿毛のウマ娘か。
「『サトノラーゼン』…今年、デビュー予定。ワタシは召喚システムへの協力は考え中。…あんまり、期待はしないで欲しい。」
考えてくれるだけでもありがたいよ…次に来たのはまた黒鹿毛のウマ娘だ。
「『サトノクラウン』よ。ラーゼンと一緒で今年デビュー予定で、召喚システムへの協力は前向きに検討中。」
うんうん。普通にありがたい話である。残るのは2人。サトノダイヤモンドさんと…
「サ…『サトノエトワール』です!私に出来ることなら何でもします!サトノ家のために!…まだデビューの予定は無いです。」
…いい子なのだろうけど発言が危ないかな。デビューに備えて、別のことも教えた方がいいかもしれない。
「では最後に…『サトノダイヤモンド』です。この度は私のスカウトに答えていただきありがとうございます。吉井さん!サトノ家の悲願達成のために…ご協力をお願いします!」
深々と頭を下げるサトノダイヤモンドさん。まぁ、これが僕の仕事だからと言ったらそこまでになるけど…出来るだけのことはしようと改めて思った。
「では吉井さん!私のことはダイヤとお呼びください!」
「分かった。じゃあ、ダイヤちゃんで。」
「いや!いきなり、馴れ馴れし…」
「ふふっ♪採用です!男の人からそう呼ばれるのは新鮮です!」
「…」
その後ノブレスさんを除き、カペラメンバー全員をちゃん付けで呼ぶことが決まった。
「むぅ~!何で私だけは名字なんですか!」
「大人だからですよ長谷川トレーナー。」
「じゃあ、私はアキちゃんって呼びますよ?」
「何で僕の高校時代のあだ名を知ってるんですか!?」
「いえ、普通に知らなかったですけど……どうしますかアキちゃん?」
「…明久トレーナーで妥協してください。僕も月日トレーナーと呼びますので。」
「まっ…いいでしょう。よろしくお願いしますね…明久トレーナー♪」
1日で10人もの女の子と話すとは…夜道を1人で歩くとき、背中に気をつけようと思った。後日、チームカペラのチーム部屋に謎の美人メイドが出入りしたとの噂が立ったが…僕は何も聞かなかったことにした。
カペラのトレーナーの名前は中の人からの連想です。