バカとダイヤと召喚獣   作:アマノジャック

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テスト科目・社会(世界史)

【問題】1802年にフランスのナポレオンとイギリスとの間に結ばれた講和条約は何というでしょう?


サトノダイヤモンドの答え
「アミアンの和約」

吉井明久のコメント
「だからダイヤちゃん、これ…高校生向けの問題だから。」


サトノシュレンの答え
「第二回対仏大同盟」

吉井明久のコメント
「不正解。ナポレオン関連ということは分かっているみたいけど…頭の中で色々と混ざっているね。今回聞いているのは条約だからしっかりと文章を読んでいこう。ちなみにこの同盟は今回の問題の答えで解消されたよ。」


サトノノブレスの答え
「アミアンの和約」

吉井明久のコメント
「正解!この前の補習が役に立ったようでよかったよ!」


第九問 召喚システム実験・京都レース場

 

「ゲートの設置位置は…よし!チェックリストに全て問題無し!これで京都レース場の完成だ!!」

「おぉ!お疲れ様です吉井さん!」

「いやー、実際に京都レース場を走らせて貰えるとは思ってなかったよ。」

 

天皇賞(春)の後…僕は京都レース場を走らせてもらった。正確には僕の召喚獣が、だけどね。召喚フィールドの関係で召喚獣が僕を肩車して走るという中々シュールな絵面だったな。とはいえ、フィードバックにより、足から来た感触も本体の僕へと伝わってきている。それにより、もっと細かな調整も出来た。

 

「それじゃあ…早速、今日のトレーニングで本番といこうかな!」

「おー♪」

 

ところで…

 

「ダイヤちゃん?ここは旧音楽室で…まだお昼休みだからトレーニングには早いけど…僕に何か用かな?」

「…あっ!そうでした!実はノブレスさんが…」

「ノブレスさんがどうかしたの?」

「あら?ノブレスさん、入ってきてください!」

 

ダイヤちゃんに呼ばれて制服姿のノブレスさんが扉から入ってくる。気まずそうな顔をしてるけど…どうしたのだろう?

 

「吉井トレーナー、えーと、その…」もじもじ

「今日のトレーニングのこと?確かに僕は月日トレーナーとメニューは共有して知ってるけど…」

「違いますわ!その…私も召喚システムのトレーニングを受けたく…」

「分かった!それじゃあ、試験の日程を…」

「……え?」

 

驚いた顔を見せるノブレスさん…もしかして、すぐに受けたかったのかな?

 

「ごめんね…1科目だとしても1時間はかかるから今すぐって訳には…」

「いえ!そうではなくて…」

「ん?どうゆうこと?」

 

もしかして…トレーニングのことだけではなく、前のレースについての月日トレーナーに相談できないことがあったのだろうか?いや、サブトレーナーの僕に聞いてくるということは…トレーニングとは関係ないのかもしれない。

 

トレーニング以外となれば………はっ!もしかして気になる人が出来たから、僕に男性が喜ぶ物について聞きたいのかもしれない。と、言ってもノブレスさんから渡されるものであれば何でも嬉しいし…ここはあまり重たい返事をするべきではないのだろう。

 

「半月以内に消耗出来る物がいいと思うよ。お菓子とか入浴剤とか…」

「吉井トレーナー?何の話をしていますの?」

「…あれ?」

 

これも違う?…万策尽きた。

 

「あのー、吉井さん。ノブレスさんは最初に召喚システムへの協力を断ってしまったことを気にしているようでして…」

「ダイヤ!!」

「へ?いや、試したくなったのでしょ?別に気にすることじゃないけど?」

「…」ぷるぷるっ

 

あれ?ノブレスさん、急に身体を震わせて…

 

「おバカッ!!」

 

「「ノブレスさん!?」」

 

僕を怒鳴って、そのまま旧音楽室を後にした。

 

「えーと、ダイヤちゃん。ノブレスさんに試験の日程が決まったら連絡するって伝えてもらってもいい?」

「はい、分かりました……じゃないですよ!…吉井さん、その…もう少し、女の子の気持ちを理解して欲しく思います。」

「へ?…何というか…ごめんね。」

「謝る相手が違います!…ですので、もう一度ノブレスさんを連れ戻してきますから!」

 

そういうとダイヤちゃんは部屋を出て…

 

「ダイヤ!?今は私のことなぞ放ってくださいまし…」

「ダメです!このままですとノブレスさんは一方的に吉井さんを怒鳴っただけになってしまいます!」

 

ノブレスさんを連れて戻ってきた。二度目となるバツが悪そうな顔のノブレスさん…そして、突然に頭を下げてきた。

 

「今までの数々の失礼な態度…申し訳ございません。」

「え?えぇ!?」

 

何かあったっけ?

 

「最初に召喚システムのデータ提供を拒否したにも関わらず参加したいと申し…さらには、先ほど急に怒鳴ってしまい…」

「いや、本当に全然気にしてないからね?僕の方こそレースの後で色々と疲れている所に無神経なこと言ってごめんね。それに召喚システムについては僕から改めてノブレスさんにお願いしようと思っていたんだよ。」

「私へ…お願い?」

「ほら、ノブレスさんってこの前の天皇賞(春)を走り終わったでしょ?その復習も兼ねてさ…僕の完成させた京都レース場を試してみて欲しいんだよね。」

「京都レース場を試す…ですか?また天皇賞(春)への出走を考えている私にとっては非常にありがたい話ではあるのですが…」

「うんうん、良かった!今からノブレスさん用の試験問題作るから…是非、受けて一緒にやってみようよ!」

「…はい!よろしくお願いいたしますわ。今回のレースから得れたこと活かし、さらにはこれからの私へ必要となる課題を見つけ出し…今の私よりももっと強くなりますわよ!」

 

ノブレスさんの顔に笑顔が戻る。まだ未知のトレーニングではあるものの、これで強くなってまたG1レースへと挑んで欲しいと思う。それに…既に重賞ウマ娘であるノブレスさんのデータが手に入ることは僕にとっても大きなメリットだからね。

 

「話は終わりましたね。吉井さんが気にしていないのが分かりましたので…結果オーライです。」

「オーライ?えーと…」

「今日の召喚システムでのトレーニング、楽しみにしています。それでは。」

「私も失礼しますわ。」

 

ダイヤちゃんとノブレスさんはペコリと僕に一礼すると、そのまま旧音楽室を後にした。…とりあえず、ノブレスさん用のテストを用意しておくか。

 

………

 

その日の放課後、急遽、中等部の英語の再テストの試験官を担当することとなった。教室に入ると数人の生徒と1人の試験監督…あれ?1人、明らかに浮いている生徒がいるのだけど?

 

「あの…ノブレスさん?何で高等部の君がここに?」

「私へのテストが出来たと聞きましたので…再試験の方と同時に受ければ今日のトレーニングに間に合うかと思いまして。今、持っていますわよね?」

「確かに持ってるけど…まっ、いいか。みんな、スマホを預かるからこれに入れてね。」

 

受験者は4人、…そこにノブレスさんが加わるくらいは許容範囲にしておこう。中等部の子たちに1枚のテスト用紙を渡し、ノブレスさんには召喚システム用のテスト用紙を5枚渡す。試験が始まった。

 

「…」かきかきっ

 

真剣に取り組むノブレスさん含む生徒たち…30分くらいで中等部の子たちは提出してきた。試験監督にノブレスさんをみて貰いつつ、僕は提出されたテスト用紙の採点していく…よし、全員合格点!まぁ…赤点ギリギリだったから褒めれはしないのだけど。

 

「…」かきかきっ

 

僕は中等部の子たちのスマホを返し、そのまま試験監督と共に退出させると…ノブレスさんの試験を監視した。

 

「やめっ!」

「─!?」ぴたっ

 

試験の終了を伝えて、テスト用紙を回収し…

 

「ノブレスさん、お疲れ様。僕は採点が終わったらトレーニングに向かうから…先に向かっててね。」

「よろしくお願いしますわ、吉井トレーナー!その…私のワガママを聞いていただきありがとうございました。」

「ううん。僕にとってはありがたい話だから…それじゃ、また後で。」

「はい!あの…こちらを!」

「ん?」

「そ、それでは…失礼いたしますわ。」ぺこっ

 

ノブレスさんは優雅に一礼すると教室を後にした。ところで何をくれたのだろう……チョコレート?何でくれたのか分からないけどいただくとしよう。美味しい。

 

………

 

採点が終わりトレーニング場へと着く。既にカペラのメンバーはコースの端を陣取って待っていてくれていた。ルパンちゃんは今週レースがあるため月日トレーナーと最終調整をしている…アラジンちゃんも併走相手として参加しているためここにはいない。

 

「みんな、お待たせ!」

「吉井さん!早く、京都レース場のフィールドを展開してくださいよ!」

「う、うん…ちょっと待ってね。」

 

白金の腕輪を30°ほど回転させて…

 

整備(メンテナンス)・京都』

 

天皇賞(春)で見た京都レース場が…10×10mのサイズで目の前に現れた。

 

「おぉ!?」

「京都レース場っ!!」

 

「新しいレース場が出来たのか!」

「再現力やべぇ!!」

 

カペラの子たち以外にもギャラリーが集まり始めている…褒められるのは素直に嬉しいかな。

 

「『承認』!…みんな、召喚して!」

「え?え?召喚?」

 

試獣召喚(サモン)

 

 

【英語】

ウマ娘 サトノシュレン

126点

 

VS

 

ウマ娘 サトノノブレス

59点

 

VS

 

ウマ娘 サトノラーゼン

76点

 

VS

 

ウマ娘 サトノクラウン

230点

 

VS

 

ウマ娘 サトノエトワール

75点

 

VS

 

ウマ娘 サトノダイヤモンド

280点

 

 

6人の召喚獣が…

 

「ちょっと待って!この分身は何?そもそも召喚って何!?アタシ、このトレーニングについて何も知らないのだけど!?」

 

そういえば、ギャラントちゃん…ノブレスさんと同じ日にレースがあって召喚システムでのトレーニングについては知らなかったか。…レース後だからルパンちゃんとの併走はアラジンちゃんが担当してるし…これは僕の責任か。…いや、知らないのはノブレスさんも同じか。

 

「ごめんねギャラントちゃん。説明するから今日は僕の隣でみんなのトレーニングを見学して。」

「はい…」

「ノブレスさんも今日は見学で…」

「いいえ!私は参加させていただきますわ!操作は…その…何とかしますわ!」

「…ま、いいか。じゃあ、ゲートを出すよ。」

 

白金の腕輪を操作して1800mの…直線の長い位置にゲートが現れる。そこに各自の召喚獣たちが移動していく訳だが…

 

「えーと、こうでしょうか?」

 

ヨタヨタと頼りない歩みをするノブレスさんの召喚獣…ぶっつけ本番になるが本人がやる気な以上、僕たちが言えることはない。ゲートが開いた。

 

「やあぁぁぁ!!」

 

ノブレスさんが天皇賞(春)の時と同様に先頭を走り出した。

 

 

【英語】

ウマ娘 サトノノブレス

Dead

 

 

そして、慣れてないのか2番手のシュレンちゃんを10バ身以上離すとんでもないスピードを出すと、向こう正面の途中で点数を全て消費してしまい…消滅した。

 

「はーい、戦死者は後で補習ね。ギャラントちゃんと一緒に僕の隣で見学しててね。」

「こ、こんな筈では…!」

 

さて、レース展開をみていくとしよう。シュレンちゃんとエトワールちゃんが先頭争いをしつつ…クラウンちゃんが3番手。少し間が空いてラーゼンちゃん…そして、ダイヤちゃんが最後方。

 

 

【英語】

ウマ娘 サトノシュレン

55点

 

VS

 

ウマ娘 サトノラーゼン

25点

 

VS

 

ウマ娘 サトノクラウン

97点

 

VS

 

ウマ娘 サトノエトワール

18点

 

VS

 

ウマ娘 サトノダイヤモンド

108点

 

 

点数的にシュレンちゃんとクラウンちゃん、ダイヤちゃんはまだ余力がある。さて…最後の直線に…

 

 

【英語】

ウマ娘 サトノエトワール

Dead

 

 

「あぅ…死んじゃった…」

 

エトワールちゃんが点数を使いきり戦死した。先頭はシュレンちゃん…だったがクラウンちゃんがかわす。ラーゼンちゃんは後退し…ダイヤちゃんは一気にスパートをかける。クラウンちゃんとダイヤちゃんの一騎討ちになった。

 

 

【英語】

ウマ娘 サトノクラウン

33点

 

VS

 

ウマ娘 サトノダイヤモンド

36点

 

 

かなり競り合った状態でゴールした。では、レースの結果を言おう…クラウンちゃんが粘って半バ身差での1着だった。

 

───

 

「タイムはOPクラスの平均くらい…他の距離でも見てみたいけど召喚獣の操作とイメージはバッチリかな。思っていたよりも早い段階でここまで来た…次は理想の動きの追及して…」かたかたっ

「明久トレーナー!データの方はどうですか?」

「はい…京都レース場のデータと同時に文月学園へと提出しようと思います。」かたかたっ

「よろしくお願いしますね!」

「はい!」かたかたっ

「…所でちゃんと家に帰ってます?」

「…」

 

「奥さん…心配していませんか?」

 

月日トレーナーの言葉に左手の薬指へと視線が向く。瑞希ちゃん…今日も心配かけてごめんなさい!

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