この幻想郷の果てがあるならば!   作:OMG00

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15話 : 永遠のHERO

 

「やったあぁーッ!魔理沙さん凄いわーッ!!」

 

飛び跳ねて喜ぶ小鈴。その姿に笑顔が溢れる白黒魔法使い。

魔理沙が放ったスペルカード。その一撃は、森を揺るがし、

目の前には煙と砂埃、魔法の星の煌めきが舞い上がり、

ドドンガがどうなっているのかは、確認出来なかった……

 

だが!パタポン達の目はまだ鋭いままだったッ!!

 

 

「ゆだんしては ならんぞ こすずよッ! ドドンガは

まだ たおれては いないッ!! かまえるのだッ!!」

 

「ドドンガの こーげきが きますッ! まもってー!!」

 

たてポン二人が小鈴に向かって叫ぶッ!どうやらパタポン達には敵がわかるらしい……

それを聞いた小鈴は急いでリズムを合わせ、タイコを叩いたッ!

 

 

CHAKA CHAKA PATA PON!!!

 

 

「かつもくせよッ! これこそが かみと なかまを まもる

いだいなる パタポンぞくの たて であるッ!!」

 

バン・たてポンの雄叫びと共に、盾がグングン大きくなっていく!

フィーバー中、たてポンがいる時に守りの唄が鳴り響けば、

それは、即席絶対防御要塞が起動する合図ッ!!

 

たてポンの盾が、彼ら自身より大きくなることで

どんな攻撃も寄せ付けぬ鉄壁の壁となるッ!!

それが大型モンスターの攻撃でもしっかり防ぎ、

部隊の仲間を護るのだッ!

 

そして煙を突き抜け現れるのは、怒りに満ちた猛獣!

凄まじい勢いで小鈴達に突っ込むドドンガだったが、

その突進はたてポンに防がれ、フラついたその瞬間に、

剣の一閃のよる手痛いカウンター攻撃を喰らったッ!

巨獣でさえ、パタポンの守りを崩すことは許されなかったッ!!

よろめいたドドンガは一旦後ろへ引き、態勢を整えているのであった…

 

 

その一連の流れを見ていた魔理沙の目は、星のように輝いていた!!

 

「おぉぉッ!?あの盾はどういう仕組みなんだ!?

思えば槍も弓も際限なく撃ち続けているしなぁ……!

パタポンの武具は不思議に満ち溢れてるぜ……!!」

 

「まほうを つかう まりさどのが それ いっちゃうん?」

 

「魔法使いってのはね、知りたがりなモノなのよ。

特に魔理沙なんて、私のコレの秘密を知りたくて、

何度も何度も!な・ん・ど・も!地獄へ飛ばされてたんだから……」

 

「へぇ…… じごくかぁ……」

 

興味が尽きぬ魔理沙、呆れ半分のはたポン、そして……

色々知っていて思わずフフン!と胸を張る慧ノ子。

彼女の平坦な胸元にぶら下がっているのは緑色の球体……

それは、地獄のとある鬼が彼女に渡した宝玉。

ただ不死身だっただけのヤマイヌが、一匹の妖怪……

三頭慧ノ子へと変貌させた、鬼の秘宝なのだ。

しかしこの宝玉、触れた者を地獄へと飛ばす移送の罠が施されており、簡単に調査が出来ない代物。

故に魔理沙は、懲りずに何度も地獄へ送られては戻ってを繰り返していたのであった……

 

 

えっ?ちょっとまって?いま なんていったん?

 

 

「えっ じごく? いけちゃうの? マジで? こわ……」

 

はたポンは今更とんでもない事に気づいた。

この幻想郷、地獄のような異界にも繋がっているのである。

まさかとは思うが、ページもそんな場所に飛んでいるのなら……

これは本当に大冒険になってしまいそうだ。

 

神様の……小鈴のためであれば、たとえ火の中水の中、

大波小波もドンと来い!と謳う百戦錬磨のはたポンでも、

流石に地獄へとアクセス出来る事には驚きを隠せなかったのだった……

 

頑張ろうね。

 

 

「みんな!ドドンガが戻って来たよ!準備は良い!?」

 

小鈴が指を指す先、そこには傷付きフラついた守護獣が此方を睨んでいた……

もうすぐ討伐出来るが、そう甘くはいかないだろう。

 

 

「さいごまで ゆだんしては いかんぞ!けものとは

おいこまれた ときが いちばん きょうぼう なのだ!」

 

「へぇ!よく分かってんじゃん!」

 

感心する慧ノ子はドドンガを見やる。ヤツの目はまだ死んじゃあいなかった……

息を荒げ、目は閉じかけ、大きく息を吐き続けるドドンガ……

だがヤツの目は、命の最後の輝きとも言えるようなギラギラした輝きを放っていたのだ……

コレは長引かせてはいけない。獣の直感で察する彼女だった。

 

 

PON PON PATA PON !!!!

 

 

「おくせず こーげきだー! いくぞ〜ッ!!」

 

トンが叫びながら槍をブンブン投げまくる!

後ろのゆみポン二人も矢の雨を降らし、ドドンガの体力を限界寸前まで追い込んだッ!!

もうすぐ勝てるッッッ!!!……はずなのだが……

 

ドドンガの様子がおかしい……

顎を引いて牙を見せ、何かの構えを取っている……

その姿を見たはたポンと魔理沙は思わず青ざめたッ!

 

「ありゃあさっき私がやられかけた技じゃあないか…!?

 

「あのかまえは まずいッ! たべられちゃう!!

チンとバン・たてポンの きけんが あぶないよー!?」

 

はたポンが思い出したのは昔の旅のこと。

あの構えを取ったドドンガに行動を許した結果、

凄まじい速度でゴックンと、前線のたてポンが一瞬でドドンガの胃袋へとダイブして行ったのだ…丸呑みである。

 

たとえどんな強靭な盾を持つたてポンでも、流石に

丸呑みされたら一撃でダウンしてしまう……

 

「小鈴ッ!急いでたてポン達を引かせるんだッ!」

 

「引かせるって言っても、そんな唄持ってないよぉッ!?」

 

「にげろの うたは……あぁダメだ!がくふが ないと

おなじうたを たたいても しじが だせない!!

こすずさまぁ!むりょくな はたポンを おゆるしくださいッ…!!!」

 

「二人とも!逃げてーッ!!!!」

 

 

世界の果てを目指すパタポンとは、常に前へと前進する生き物。

戦いの場においても、彼らは決して後退しない(ただし一部の場合除く)

故にドドンガにこの技は、正に一撃必殺の奥義……

今二匹の内、どちらかがドドンガの最後の晩餐になるのだ……

 

「ここまでか… こすずよ!けっして さいごまで

あきらめるなッ!!かならず かてるぞッ!!」 

 

「こすずさまー!ぜったいに かってーッ!!」

 

死を覚悟した二人は、最後に小鈴へと思いを口にする……

そして無慈悲に突き出されるドドンガの凶悪な顎ッ!

まるでブルドーザーのように、ヤツは一匹を掬い上げ……

 

 

「いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」

 

 

小鈴の叫び虚しく、バクンッ!と喰われる音が響いたのだった……

 

 

——————————————————————————

 

 

「ううぅっ……ごめんなさい……ごめんなさいッ!!」

 

唐突に訪れた仲間の死……自分が不甲斐ないせいで……

耐えきれなかった小鈴は泣き崩れてしまった……

 

 

「まじかよ……チクショウッ!!」

 

「たてポンの敵討ちだッ!このヤローッ!!」

 

魔理沙と慧ノ子が怒りに身を任せて巨獣へ突っ込むッ!!

仲間が目の前で喰われたのだ。怒るに決まっているッ!!

 

 

その後ろでトンとゆみポン二人も雄叫びを上げていたッ!!

 

「もうよわってるんだ!さいごまで たたかえーッ!!」

 

「まだまだ うちつづけるぞ〜ッ!!」

 

「せっしゃも まだまだ おわるきは ないぞッ!!」

 

ドドンガに向けて前進し、近距離で攻撃しようと突っ込む三人ッ!!

 

 

そしてドドンガの目の前!!生き残ったたてポンが、

喰われた仲間の意思を継いで戦う事を決意したッ!!

 

「バン・たてポン……こすずさまのため

いきのこった ぶん しっかり たたかいますッ!!」

 

「そうだッ……くわれた どうほう チンの ためにも……

わがはいが さいごまで たたかわねば ならんッ!!」

 

生き残った二人は、ドドンガに向けて剣を振り下ろしたッ!

最後の決戦が今、ここに始まった……始まる……始ま……

 

 

 

ん?ちょっとまって?

 

 

 

「二人とも無事なの!?生きてるの!?!?」

 

「「あ……ぶじだった!!!!!」」

 

 

 

えぇーッ……!?

 

 

なんとッ!!奇跡的に誰も喰われずそこにいたッ!!

どういう訳か、ドドンガの狙いが逸れていたらしい。

この距離で外すとは普通のことではない……

それを示すように、彼女は指摘し始めたッ!!

 

「ねぇねぇッ!アイツの様子、なんかヘンだよッ…!?」

 

慧ノ子がそう言うと、皆が立ち止まって様子を見始めた……

ドドンガは苦しそうな表情でもがき苦しんでいたのだ……

そう言えば、ヤツは確かに何かを飲み込んでいた。

だけど、一体何を?それに……

 

 

「ヤツの目に張り付いてるのは……まさか!?」

 

ドドンガの目に張り付いていたのは、赤と白の紙切れ……

それが狙いが外れた原因なのだと、魔理沙は一瞬で理解した!

 

だがあの紙……何処かで……というか……

見覚えがありすぎる……!!あれは間違いない!

彼女は一体何度この紙を見た事があると言うのだろうかッ!!

 

 

 

「博麗」の二文字が書かれた、このお札をッ!!!

 

 

 

「おぉぉりゃあああぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

 

聞き覚えがある叫び声が真上から聞こえて来た…!

空から降り注ぐのは、この幻想郷では誰もが恐れる紅白の閃光ッ!!

その閃光は、ヤツのおでこ目掛けてとんでもない蹴りを放ったッ!!!

そのあまりの威力にドドンガは思い切りぶっ飛ばされ、

木をへし折りながら更にぶっ飛んで行ったのだッ!!

 

 

「小鈴ちゃんをッ!!泣かせんじゃあないわよッッッ!!!」

 

 

幻想郷のバランサー、楽園の守護者、博麗の巫女。

 

 

博麗霊夢が、戦場に降り立った……

 

 

 

———————————————————————————

 

 

「霊夢さんッ!霊夢さぁぁぁん!!うわあぁん!!」

 

霊夢に飛び込んで抱きつく小鈴!感情が溢れ出てしまい、

小さな子供の様にわんわん泣き出してしまったのだ。

 

「うわっとと……小鈴ちゃん大丈夫?無事かしら?

初めてだったのに、ここまでよく頑張ったわね。」

 

泣きじゃくる小鈴の頭を、慰める様に優しく撫でる霊夢。

この子はこの数分で色々な経験を積んだのだろう……

そんな事を考えながら抱き返し、優しい目で見ていた……

だけどまだ、戦いは終わっちゃいない……それに……

 

 

「ちょっと待っててね、忘れ物を取りに行くから。」

 

 

小鈴を優しく離すと、霊夢の目つきが一瞬で変わった……

無慈悲で残酷で、全てを破壊する目だった……

その視線の先は、たった今ブッ飛ばしたドドンガ……

 

「返せッ!!」

 

一瞬でドドンガに近づいた彼女は、その細い腹を

思いっきり蹴り飛ばしたのだッッッ!!!

 

グエッ!グエェッッ!!と呻くドドンガだったが、

巫女の容赦ない蹴りは終わりを知らないッ!!

 

「アンタがッ!飲み込んだッッ!!私のッッッ!!!」

 

そして最後にお祓い棒を構え、ドドンガのモヒカンに狙いを定めた……そして……

 

「陰陽玉を返せっつってんのよおぉッ!!!」

 

無慈悲なお祓い棒がドドンガの頭に直撃し、その口から

博麗家の宝具、陰陽玉が飛び出して来たのだッ!!

 

「い、いつの間に陰陽玉なんて仕込んでいたんだ……

相変わらずなんて速さだ……インチキにも程があるぜ……」

 

魔理沙の額に汗がたらりと落ちる……

陰陽玉はお札や針を発射することも出来る霊夢のオプション装備。

ドドンガの腹の中は今頃、針とお札だらけなのだろう……想像するだけで恐ろしい事をしている巫女だ……

 

霊夢はそれを拾い上げると、空に浮いてパタポンズを見るのだった…

 

 

「ふぅっ……私の仕事はコレぐらいかしらね?

さてと……そこのアンタら!弓と盾を持ったアンタらよ!!」

 

「わがはいと」 「せっしゃのことか?」

 

「そうそう。アンタの仲間から伝言を預かっているのよ。

「全て上手くいった。先に行って待ってるぞ」ってさ。」

 

「おぉ!そうかそうか!よくやったぞ…ッ!!」

 

「かんしゃするぞ はくれいのみこよッ!

これで せっしゃたちも くいはないッ!!」

 

バン・たてポンとドン・ゆみポンは喜びの声を上げたッ!!

それを見た魔理沙は考えていた……

一体何の話をしているのか、彼らの仲間?誰の事だろう……

そして上手く行ったとは、どういう意味なのか……

 

霊夢は小鈴に近づくと再び頭を撫で始める……

そして小鈴に激励を送るようにこう言ったのだ。

 

「小鈴ちゃん……よく聞いてね。ドドンガはまだ生きてる。

まだ戦いは終わってないわ。立ち上がって頂戴?

そんな姿を……“アイツ”に見られたら恥ずかしいわよ?」

 

それを聞いた小鈴は顔を上げて、霊夢に問うのだった。

 

「アイツ……?アイツって誰のことなんですか……?」

 

「………来たわよ。」

 

「何だ何だ!?馬に乗ったパタポンがこっちに来るぞッ!!」

 

 

遠くから聞こえてくるのは、こちらに近付く馬の足音……

その音からして、かなりの速さだ。一体何なのか?

 

「ようやく か…… まったく!あのわかポンめ またせおって……」

 

「“えいゆう”は……“ヒーロー”とは おくれてくるもの だったかのう!」

 

ガッハッハ!と嬉しそうに笑う二人の英雄。

魔理沙には見えていた。馬に乗ってやって来る“アイツ”が……

 

 

 

「マスクを被ったパタポン」の姿がッ!!

 

 

 

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜ッ!!!」

 

 

凄まじい速度でドドンガに接近したそのパタポンは、

槍を片手に空高くまでジャンプしたッ!!

その姿はまるで、漫画から飛び出した“ヒーロー”の様だった!

 

 

「ドドンガあああぁぁぁぁーッッッ!!!!!」

 

 

彼の持つ槍に、緑色のオーラが纏い付く……

そしてその槍を、ドドンガに向けてブン投げたッ!!

 

 

「コレでも……くらいやがれぇぇぇぇッッッ!!!」

 

 

ドドンガの額に槍が当たった瞬間、とんでもない爆風が広がったのだッ!!

その爆風に吹き飛ばされながら、マスクのパタポンは

小鈴の目の前にシュタッ……と着地してみせた……

 

 

「よう!アンタが オレたちの かみさま なのかい?」

 

そのパタポンのマスクはオレンジ色でギザギザの尖った形……

そして真ん中には赤い稲妻のマークが付いていた……

「シュババッサ」と呼ばれるこのマスクを付けたパタポンは、小鈴に軽く挨拶を交わしたのだ。

 

「えっと……私、小鈴!本居小鈴よ!!」

 

「こすずね……オーケー おぼえたぜ またせて

わるかったな オレが きたからには もう あんしんだぜ」

 

「わぁーい!まってたんだよ たいへんだった!!」

 

「おう! げんきそうだな! はたポン!それに パタポンズも!

いよいよ ここからが クライマックスだぜ〜ッ!」

 

そう言うとそのパタポンは、手に持った槍をクルクル回して余裕を見せる。

そしてその槍をドドンガに槍を向け、高らかに宣言したッ!!

 

 

「こすずの “ヒーロー” ここに さんじょうッ!!!」

 

 

 

パタポンの英雄が、この幻想郷に降臨したのだッ!

 

そして巨獣は最後の力を振り絞り、再び立ち上がった……

正真正銘、コレが最初のラストバトルとなるのだッ!!

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