この幻想郷の果てがあるならば!   作:OMG00

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※ この話にはパタポン1〜3のネタバレが含まれております
これからパタポンシリーズをプレイする方はご注意ください





4話 : once uPON a time in PATA——

 

………————————

 

誰かの声が聞こえる…誰なの…?

 

か……さ……こすずさま…おねがいです……

 

私…?お願いって何…?私に何が出来るの…?

 

どうかわれわれを…みちびいてください…

 

導くって…?何を…?どうすれば良いの…?

 

おねがいです…小鈴さま…どうか…どうか…

 

分からない…けど…私にしか…出来ないことなら…!

 

めざめてください…あなたをおまちしております…

 

われらを みちびく…あなたこそが…われらの………

 

 

 

 

———————かみさま

 

 

 

———————————————————————————

 

 

———ちゃん!小鈴ちゃん!目を開けて!!

 

「うーん…あれぇ…?私、一体どうして…

はッ!?黒いアレは!?幻想郷はどうなったの!?

私は生きてるの!?まさかアレが噂の世界の終わり!?

一体何がどうなってんぐぅっ—-」

「あぁ良かったッ…本当に良かったあぁ…!!!」

「小鈴のバカっ…心配かけて…うぅっ…!」

「ぐ、ぐるじぃぃ…また意識が飛ぶうぅぅ…ッ…」

「諦めろ。流石にタイミングが悪かったんだ。」

 

目を覚ました小鈴は困惑していた。

何せ泣きそうな霊夢が凄い勢いで抱き締めて来たのだから。

しかも後ろからは阿求も泣きながら

物凄い力で抱きついているではないか。

やれやれ…と呆れ顔の魔理沙。

小鈴の頭を撫でながら語りかけた。

 

「お前、気絶してたんだぜ?

大方さっきの黒いヤツにビビったんだろうな。」

 

小鈴は強い恐怖を感じると気絶する事が度々ある。

ここに居る三人は良く知ってる筈だが…

状況が悪かった、この本や黒い気の所為で、

小鈴に何かが起きたのだと考えてしまったのだ。

気絶するまでの一部始終が見えてた魔理沙を除いて。

 

実際は…黒い気への恐怖。

そして阿求のスペシャルホールドを喰らって

ノックダウンしたのが現実だった。

 

「お騒がせしました…私は大丈夫ですっ…

なのでそろそろ…離して頂けるとぉ…」

「あぁごめんねっ、けど本当に無事で良かった…」

 

ようやく身体の自由を取り戻した小鈴。

何か物凄く大事な事を忘れてる気がするが、

まぁ、多分、気の所為だろう。

小鈴は霊夢に本の事を聞いた。

 

「あんな事があった後でコレを渡すのは気が引けるけど…

小鈴ちゃんにしか読めない本だからね…

此処まで来たら、書いてある事全部教えて頂戴!」

 

漸く渡された不思議な不思議な本。

小鈴は胸の高鳴りを抑えられなかった。

自分にしか出来ない特別なコトをしよう。

 

「では…いきますよ…」

そう言うと、彼女はゆっくりと本に手を翳した。

 

小鈴は戦ったり空を飛ぶことが出来ない人間である。

だが他の少女達と同じ様に、彼女にも特殊な能力がある。

 

「………この本の名は……」

 

彼女は、あらゆる文字を読む事が出来るのだ。

 

 

PATAPON(パタポン)

 

 

小鈴はその名を呟くと、

古びた本の最初のページが開かれた。

 

それは彼らが歩んできた英雄譚。

それは小鈴の元にやって来た不思議な絵本。

 

 

小さな一つ目生物の伝説が 幻想郷に蘇る——————

 

 

———————————————————————————

 

かつて———

 

「パタポン」達は 神の打ち鳴らす太鼓の音によって

力と 勇気と 知恵と 奇跡をもたらされた

 

全ては セカイの果てにある“それ”を見る為

パタポン達は太鼓の音と共に突き進んだ

 

立ちはだかる敵を悉く討ち倒し

名だたる宝を全て手に入れ 神に捧げた

 

全ての大地を踏破し 遂に辿り着いたのだ

 

セカイの果てへと——————

 

———————————————————————————

 

最初の話が読み終わると、

三人はしばらくシーンとしていた…

が、すぐに口を開き始めた。

 

「……不思議ねぇ、この絵本…絵が動いてるわ…

それに、今までこんな話は見た事も聞いた事も無い…」

「むー…なんか悔しいけど、このパタポンって一つ目妖怪…

ちょっと可愛げがあるわね。ちんちくりんで。」

「セカイの果ての“それ”って結局何なんだ…?

なぁなぁ!早く続きを読んでくれよ!

ここで終わりって事は無いだろう?」

 

思い思いの感想が出てくる中、小鈴は冷静だった。

 

小鈴は思い出していた。

意識を失ってた時の事を

自分達を導いて欲しいというあの悲痛な願いを

 

「……次のページ、いきますよ…!」

 

自分の事を”神様”と呼んでいたあの声を

 

———————————————————————————

 

———あれから長い長い時間が経ちました

 

いにしえの神は何処かへ去った後のパタポン達は

セカイのすみっこでションボリ暮らしていました

 

数は減り おなかを空かせ 全滅寸前

外では巨大で恐ろしいモンスターが蔓延り

ジゴトン族がパタポン達をすみっこに閉じ込めて

かつての栄光は完全に消え去っていたのです

 

しかし パタポン達は諦めませんでした

伝説のタイコを探し当てたパタポンの勇者達の元に

新たな神様が現れたのです

 

パタポン達はタイコの音と共に再び歩みを進めました

 

行く手を阻む巨大生物を千切っては投げ

果てには行かせまいと抵抗するジゴトン達

しかし彼らの英雄も 復讐者も 女王もパタポンに敗れ

女王が呼び出した 地獄の凶悪な悪魔も討ち倒した

戦いの末 ジゴトン族と和解したパタポン達は

大きな船を作って大海原へと旅立ちます

 

海を越えた先に待ち構えてた敵 カーメン族

そして現れるパタポン族の英雄“ヒーロー”

冥界のマ族も現れ 混沌としていく中

かつて敵同士だったジゴトン軍と協力し合い

カーメン族の長を討ち倒して因縁を断ち切り

かつてパタポンを滅亡させた大悪魔を倒し

封印されていたパタポンのプリンセスを助け出して

パタポン達は諦めず進み続けます…

 

———————————————————————————

 

「おぉぉ…話がどんどん壮大になっていくぞ。

こういう冒険ものは読んでて中々ワクワクするなぁ…

おっ、パタポンって魔法も使えるんだな!

お宝かぁ…マジックアイテムも混ざってるんだろうなぁ…

良いなぁ…お宝、私にも分けてくれないかなぁ。」

 

魔理沙は、見た事ないアイテムに夢中になっている様だ。

知識を探求し続ける魔法使いにとって、

パタポンの達の道具は魅力的すぎる研究対象なのだろう。

未知の世界のマジックアイテムなら尚の事である。

 

「デカいヤツに、細いヤツに…ロボの腕…?

色んな種類のパタポンがいるのね……

あ…この子、猫耳が生えてる…可愛いわ…

コレはペンギンってやつかしら…?

写真でしか見て事ないけど、こっちも可愛いわねぇ…

あぁこっちにも…」

 

なんだかんだ言って、

霊夢もパタポンの話に夢中になっていた。

愛嬌ある一つ目妖怪が気に入ったのかもしれない。

 

やったね。凄いね。

 

だからと言って、同じ一つ目妖怪に縁がある

唐傘お化けのアイツに優しくするつもりは

正直言って、これっぽっちも無い。

 

それがこのざまである。

 

「パタポンにそっくりなジゴトン族…

敵であるカーメン族に、冥界の軍勢マ族…

それにマスクを付けたパタポンのヒーロー……

うーん…情報量が多すぎるわ。後で整理しないと…

小鈴、大丈夫かしら?休憩する?」

 

「ううん、まだまだ平気よ!次を読みましょ!」

 

一度見聞きした事を忘れない阿求であれば、

どんなに複雑な話になっても何ら問題は無いだろう。

ただ、完全に説明されてない部分に興味津々な様子だった。

 

———————————————————————————

 

パタポン達の目の前に現れたのは巨大なハコ

立ち塞がるもの全てを壊すパタポン達は……

 

あんまりよく考えずハコを壊しました

 

その結果 解き放たれた者達の呪いによって

パタポンは皆 石にされてしまったのです

 

ハコの中から現れたのは7つの——

7人の—————

 

しかし パタポンを導く———が現れ

伝説の英雄の名の下に 勇者達を復活させた

 

そして———の英雄であり

———の———となる者も現れた

 

全てを越えたパタポン達……

遂にセカイの果てに辿り着き—————

 

 

ませんでした

 

———————————————————————————

 

「着かないんかいッ!!!!!」

「五月蝿いわ魔理沙。よく見なさいコレを…

さっき私が消した黒い気そっくりじゃない!」

「だいぶ雰囲気が変わったわね…

ハコって何かを封印する為の要石みたいなものかしら…?」

 

霊夢は見逃さなかった。自分が消した邪悪な何かを。

それはこの本に書かれてる何かと同じ…

あるいは近いものであると“勘”が言っている

 

「なぁ小鈴、何ヶ所か読み飛ばしてる様に見えたが…」

「ごめんなさい…何故か読めないの…

ぼやけて見えるというか、隠されてる…?」

見逃せない点がもう一つあった。

掠れて読めなくなっている部分のことだ。

小鈴は落胆していた。

何か凄く重要な事が書いてあるのかもしれないのに…と。

 

「話の方も、何だかわざと曖昧にされてるというか…

とにかく、まだ終わってないみたいね?

小鈴…続きはどうなってるのかしら?」

「うーん…次が最後の話みたいなのよね…

こんなにページが余ってるのに、

どういうことかしら…?」

 

まだ本の半分程しか読んでいないというのに、

もうこの話は終わりに近づいているようだ…

小鈴は最後のページを捲った。

 

———————————————————————————

 

セカイの果てを目指すパタポン達

その冒険はまだまだ続いていました

 

しかし…邪悪な存在は パタポン達の隙を突き

本の中に閉じ込めてしまったのです

 

簡単に解けないように鎖で封印し

本は異次元の彼方へ投げ捨てられ

今はただ 彷徨うのみ……

 

パタポン達は長い長い眠りについたのです

 

この本を見つけ出し 封印が解かれ

新たな神様が現れる その日まで………

 

———————————————————————————

 

少女達は、目の前の本をどうするべきか悩んでいた。

最後の最後に書かれていた事実…それは、

少女達を悩ませるのに十分過ぎたのだ。

 

この中にパタポンが封印され 復活を待っている

 

もしかしたらそんな事は嘘っぱちかもしれない。

だが、先程の黒い気といい、この動く本といい…

不可解な事が余りにも多く起きすぎている。

 

このままでは危険だ もう一度封印を…

 

霊夢が口を開こうとしたその瞬間だった

本のページが捲られ、真っ白のページが開かれた

そして本は光り輝くと、文字が浮かび上がった…

 

その内容は、この本の主である小鈴の運命を

大きく変えるものだった…

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