この幻想郷の果てがあるならば!   作:OMG00

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5話 : ー パタポンの復活 ー

 

〜神さまの契約書〜

 

 

わたしは セカイの果てに みちびくため

 

パタポンの神さまに なる事を 誓います

 

たとえ リズム感に 自信が無くても

 

たとえ 迫り来る脅威が どれだけ大きくても

 

絶対に 最後まで あきらめません

 

 

わたしは この誓いを 守る事を約束し

 

“パタポンの神さま”として

 

“パタポンの書の主”として

 

“勇気のタイコ” を 手にします

 

 

 

〜約束する〜

 

 

—————————————————————————

 

それは、何の前触れも無く唐突に現れた誓約書。

それは、パタポン達を導く神様という役目を

小鈴ちゃんに引き受けさせようと言うのだ。

確かに小鈴ちゃんはもう、幻想郷の裏側を知るアウトロー

妖怪と関わりがある人間…つまりは“こちら側”の人間だ。

だからと言って私達のように頑丈でも無ければ、

自由に空を飛べるわけでも、異変解決に行くわけでもなく、

弾幕ごっこが出来るわけでもない。

あくまで、自分の身を護れない少女なのだ。

そんな彼女がパタポンの神様?とんでもない!

私の勘は正しかった。封印しよう!今ここで!

 

封印後はどう言い訳しようか…そう考えながら

霊夢が本に手を伸ばそうとしたその時だった。

 

「あ」

「あ?」

 

不用心だったッ!あまりにもうっかりしていたッ!

小鈴は文字を読む為に、指で本をなぞっていた事を、

もっと早く気付くべきだったッ!!

 

「……ねぇ?小鈴ちゃん?もしかしてだけど…さ?」

 

あはは〜…と、凄い苦笑いでこちらに振り向く小鈴。

嫌な予感しかしない霊夢だったが、

その予感は当然のように的中した。流石は博麗の巫女。

 

 

「えっとぉ…契約しちゃった…かも…?」

「「「………ええぇぇーッ!?!?」」」

 

小鈴は誓いの文字に 指を触れていた

 

契約完了!と言わんばかりに文字が光り輝き、

パタポンの書は小鈴の目の前に浮いたのだ!

 

「な…なんてこったあぁぁぁぁぁ!?」

 

 

この幻想郷に、新たなパタポンの神様が誕生した!

 

 

宙に浮いたパタポンの書は、小鈴の契約を祝うように

古びた外装が剥がれ落ち、新しく綺麗なものに変わった。

ちょっぴり嬉しい変化である。

 

そして、本が激しく揺れ始め……強く輝いたッ!

 

「うわっ!眩しいッ!」

「おぉッ…なんてこった…!!」

 

思わず目を瞑ってしまった霊夢だが、魔理沙は見た!

 

それは輝く本から飛び出す大量のページ!

それが遥か空の彼方へ飛んでいく瞬間を!

そして幻想郷中にばら撒かれるパタポンの書の一部を!

 

全てが飛び散った後、残ったのは開かれたパタポンの書。

そして、その上に現れた”青いタイコ“だった…

 

PON PON PO POOOOON !!!

 

青いタイコは小鈴の周りに漂うように浮いている

間違いない。本の中にあった「勇気のタイコ」だ。

 

「あ…あんたって子は…なんて事を!!

大丈夫なの!?身体に異常は無いよね!?

どうしよう…あぁぁッ…」

霊夢は頭を抱えた。明らかに狼狽していた。

小鈴の身に起こったのが何なのか分からないからだ。

まさか…人間を辞めてしまったのではないか…?

 

「大丈夫か小鈴ッ!?怪我は無いか!?」

「小鈴!私達の事は分かるわよね!?小鈴のままよね!?」

「だ、大丈夫よ阿求!!特に変わりはないし、

全然平気かな?だけど本当にビックリしたよ…

あ、本が新しくなってる。これは嬉しいかも」

 

どうやら中身は人間のままらしい、今の所は。

だがしかし、小鈴の近くに浮いている珍妙な楽器が、

先程の契約が本物である事の証明になっていた。

 

三人…特に霊夢は小鈴のことを心配していた。

突然の出来事に、霊夢はショックを受けてしまっていた。

もし彼女が“あの時”の様に暴走してしまったらどうしよう…

考えたくは無いが…その時は…今度こそ本当に……

 

恐る恐る、霊夢は小鈴の方に視線を向けた…

 

「これが勇気のタイコかー…へぇー…

なんか面白い形してるわねー…」

 

のほほ〜ん としすぎていたッ!

この少女、状況を楽しみ始めているッ!!

 

「いやぁー、次は何が飛び出してくるのかなー。

あのパタポンがやって来たりしちゃったり!?

なーんて…ねー……えーっと…霊夢さん?」

 

ゴゴゴ……と幻想郷が揺らめく音が聞こえる。

小鈴が勇気を振り絞って前を見た時、

そこにはこの世の地獄が広がっていた。

 

目の前にいる霊夢がブチギレる5秒前だったからだッ!

命の危険を感じた小鈴ちゃん!彼女は心の中で叫んだ!

 

あぁッ!もうダメだぁぁ〜ッ!!

これから私は霊夢さんに退治されちゃうんだ!!

お父さん、お母さん、今までお世話になりました…

私、本居小鈴は神様から仏様になります……

お供物は本が良いなぁ……ついでにお団子も……

そもそも、あの世で本って読めるのかなぁ……

 

冗談なのか本気なのか分からない遺言を残していた

 

しかし4人は気付いていなかった。

未だ揺れているパタポンの書に。

 

そして“ソレ”は、唐突に現れた。

 

「わぁぁぁ〜ッッッ!?!?」

 

“ソレ”は本から飛び出し…

 

「ふんぎゃッ!?」

「うひゃあぁっ!?」

 

勢いよく小鈴の顔面に衝突した。

近年稀に見る「ろまんちっく」な登場である。

 

「な、なんなのよもう…痛かったぁ…」

「おいおい…あれってまさか…!」

 

魔理沙が指を指した先にいたのは、

さっきまで本に登場していた不思議なちんちくりん。

人の頭くらいの大きさの、真っ黒で孤独なSilhouette

でっかい目ん玉……一つ目に手と足が生えた生き物。

側にはおっきな“旗”そして“赤いタイコ”が落ちている。

 

ソレはこの本に描かれていた伝説の存在

ソレはセカイの果てを目指す小さな冒険者

ソレは立ちはだかる全てを滅ぼすデストロイヤー

ソレはあらゆる宝を手にしたトレジャーハンター

ソレは神様の為に全てを捧げる不死身の殉教者

ソレは まぎれもなく……

 

 

「パタポンじゃねーか!!!」

 

 

「パタポン」が幻想郷で復活(リボーン)した

 

 

魔理沙は思わず歓喜の声を上げたッ!

それもそのはず、つい先程まで憧れていた(主にお宝に)

伝説が目の前に現れたのだから!!

 

「う〜ん…いてて…ここはどこー…?」

 

立ち上がったパタポンは振り返ると、

そこにいたのは4人の巨人だった。

パタポン本人からしてみれば、見知らぬ場所にて

第四種接近遭遇的なアレである。

当然のようにパニクった。

 

「わっ、わあぁぁ〜ッ!!へ、へんなやつだっ!!

くるなっ!こっちくるな〜!!」

お前が言うなお前が。4人は心の中で突っ込んだ。

 

旗とタイコを抱えてパタポンは立ち上がり、

一心不乱にタイコを叩き始めた。

 

PATA PATA PATA —— PATA PATA PATA ——

 

「あわわわっ…!!!だれか たすけてぇぇ〜ッ!!

このままじゃ“はたポン”は たべられちゃうよぉ…!!」

「あー!?失礼ね!誰がアンタみたいなちんちくりんを

食べるってのよ!? 目ん玉しか無いじゃない!!!」

「言葉が通じるのね…てっきり言葉でコミュニケーション

出来ないと思ってたわ…話は聞いてくれなさそうだけど。」

「おうお前ら、色々自由だなぁ、まぁ私もだが。

それはそうと、良い音がするタイコだなぁ…」

 

霊夢は不機嫌そうに言ったが聞く耳持たず。

パタポンは一定のリズムでタイコを叩き続けていた。

力を感じる不思議な音色に、少女達は耳を澄ませていた…

 

PATA PATA PATA —— PATA PATA PATA ——

 

しかし、小鈴は知ってた。この音色を…リズムを…

心躍り、“前に進む”力を与えるこの唄を…

だけど“何か”が足りない…このままでは…

 

その時、小鈴の心に語る声が聞こえた…

 

 

かみさま…おねがいです…

パタポンをみちびいてください…

そのタイコで…パタポンに みちを しめしてください…

 

 

小鈴はタイコに手を伸ばした……

 

 

PATA PATA PATA —— PATA PATA PATA ——

PATA PATA PATA PON ?

PATA PATA PATA PON

 

PATA PATA PATA PON !!!!!!

 

 

なんじゃ…?と小鈴を見るパタポン

霊夢、魔理沙、阿求の3人も小鈴を見た

小鈴は勇気のタイコをリズムに乗って叩いたのだ

 

そして再び太鼓に手を乗せた小鈴は……

「せーのっ…!」

 

PON PON PON PON !!!!

ポン ポン ポン ポン!

リズムよく4回タイコを叩いた!

 

その音を聞いたパタポンはシャキッと立ち上がり

みるみる内に、元気ハツラツになった。

 

「このタイコは…なんだか ちからが わいてきた!!

って…あ〜ッ! それは…それはッ!!!」

 

パタポンは走って小鈴の元に近付いた。

トコトコ走る姿が何処か愛らしい。

 

「それはでんせつの“ゆうきのタイコ”ッ!!

それを たたいてるって コトは……

えッ!? もしやあなたは…… “かみさま”ッ!?」

 

小鈴は遂に、パタポン直々に神様認定された様だ。

小鈴はしゃがんで目線を合わせ、

パタポンの頭(?)を撫でながら言った。

 

「えっと…まぁ、そう…なのかな?」

実感が湧かないのか、少々曖昧に答える

苦笑いの小鈴ちゃんだった。

 

目を輝かすパタポンは姿勢を正し、高らかに叫んだ。

 

「かみさまに あえると しんじて

いのちがけで まもってきました!!

このタイコを うけとってください!!!」

 

ははぁーっ!とパタポンは”赤いタイコ“を掲げた。

そして……

 

PATA PATA PA !! TAAAAA !!!!

 

真っ赤な「力のタイコ」は、

小鈴の周りに浮き上がった…

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