転生狼のキヴォトス生活   作:ゆっくり妹紅

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ナグサの水着回書こうと思ったのに書けなかったので最終回です。

ちなみに水着組は全員外れました……おのれアロナ!!



最終回・零式:転生狼と真面目な婦警

 

 コウキとヴァルキューレ警察学校の縁はかなり深い。無論、それはコウキがお縄的な意味でお世話になりまくっていた訳ではなく、彼が学生時代、詳細に言えば自警団に所属していた頃、指名手配犯を捕まえまくっていたからだ。

 指名手配犯、というのもあって捕まえればそれなりの金額を貰うことが出来るため、コウキは学費や生活費、武器の製作代を稼ぐために奮闘し、結果として2年で1千万円ほど稼ぐという快挙を成し遂げた。それは裏を返せば、その度に指名手配犯をヴァルキューレに受け渡ししていたため、対応していた部署の者たちとは顔馴染みどころか、たまにご飯を食べに行くぐらい仲良くなっていた。

 

 そして現在もたまに指名手配犯を捕まえており、前よりは付き合いは薄くなったものの、縁は無くなってはいなかった。

 だが、そんな彼にも1人だけ他のヴァルキューレ生よりも付き合いが濃い生徒が1人だけいた。それが──

 

「あ、コウキさん!こんなところで奇遇ですね、お仕事ですか?」

 

「ああ、食材の配達があってな。キリノはパトロールか?」

 

「はい!」

 

「ふむふむ。そしたらお巡りさん。実は最近料理のレパートリーが増えてな……味見役として来て欲しいんだけど、来てくれるか?」

 

「え、いいんですか!?」

 

「決まりだな。迎えにいくから、業務が終わる時間教えてくれ」

 

 生活安全局に所属している1年生の中務キリノであった。

 

 

 

 ****

 

 

 キリノとコウキが出会ったのは本当にひょんなことであった。

 配達依頼が入ってお店の付近まで来たはいいものの、事前に調べておいた付近の駐車場が全て埋まっており、道路にも停車、駐車禁止の標識もあり、ナビで周辺の駐車場を探すことが出来ず困っていたコウキをたまたま通りがかったキリノが発見。

 彼女が少し遠いものの、空いている駐車場を案内してくれたおかげで時間内に配達できたコウキはお礼ということでご飯を奢り、そこからコウキがヴァルキューレで噂になっていた人物だというが判明。

 それからは射撃の指導やプライベートで食べ歩きをしたりするようになった、というものだった。

 

 コウキとしてはキリノという少女の評価は高めだ。

 思い込みが激しい上にそそっかしいせいで空回りしたり、犯人相手に逃走計画の不安箇所を丁寧に指摘してしまったり、はたまた射撃能力が壊滅的だったりと、危ないところはある。

 しかし真面目な上に勤勉であり、しっかりとした正義感、市民に寄り添い笑顔を忘れない、といったものはコウキにとっては前者のマイナス面が些細に感じるほど好ましかった。だからこそ、コウキは彼女に対しては外に出さないものの、尊敬しているし応援している。

 

 だが──

 

「コウキさん!最近、女性関係がだらしないですよ!」

 

「おう、俺の家でよかったけどそんなことをハッキリとした声で言わないでくれるか。頼むから」

 

 現在進行形で自分の社会的地位を殺しにかかってきている、今のキリノに対しては後ろ向きな気持ちが強くなっていた。

 

「というか、お前がそんなこと言うなんて珍しいな。いや、悪い訳じゃないんだけど、あんまイメージなかったわ」

 

「本官のことどう思ってるのか気になりますが、風紀を守っていればとやかく言うつもりはありません!ですが、記事を見る限りだとコウキさん最近だらしないですよ?」

 

「頼むからクロノスの記事を鵜呑みにしないでくれない?」

 

「でも、女性を自宅に招き入れたり、2人の女性に追いかけられたり、あとコウキさんの母校の人が犬耳のヘアバンド付けて訪ねて来たのは事実ですよね?」

 

「それは事実だけど……!」

 

 キリノから言われた内容に思わず頭を抱えこむ。

 この3つの内容は事実ではあるのだが、1つ目に関してはただご飯を作ってもらっただけであり、2つ目と3つ目に関しては急に相手が暴走しだしたのだからコウキとしては無罪だと言いたいところである。

 

「それに、本官の予想では記事の内容以外でも異性関連でトラブルが起きてると思います」

 

「あのなぁ、そんなことある……わ……け……」

 

 キリノの言葉を否定しようとしたコウキ脳裏に、ナギサに押し倒されたり、押し倒されそうになったことが過ぎった。これをトラブルではない、と言い切れる自信をコウキは持っておらず思わず言葉が詰まってしまい、キリノはそれを見逃さなかった。

 

「やっぱり起こってるじゃないですか!早く白状してください!」

 

「いやいや、考えすぎだろ?ほら、この唐揚げ美味しいぞ!」

 

「むぐっ!?」

 

 ティーパーティーのホストに押し倒された挙句、うっかり耳に息をふきかけて気絶させました、なんて素直に言えばとんでもない事になるのは明白だ。

 そのためコウキは誤魔化すためにも咄嗟に自分が使っていた箸で唐揚げをつまみ、キリノの口へ押し込む。

 最初こそ気難しそうな顔をしていたキリノだったが、唐揚げが美味しかったのか徐々に笑顔になっていく。それを見たコウキはほっと一息付き、そのまま自分も唐揚げをつまむ。

 

「あっ……」

 

「ん?どうした?」

 

「い、いえ!なんでもないです!」

 

「そうか」

 

 何かに気づいたキリノが思わず漏らした声にコウキは反応するも、キリノは頬を少し赤く染めながら首を振って答える。コウキも特に追求することは無いか、と判断し改めて食事を再開する。

 

(それにしてもキリノは美味しそうに食べるよな。いや、それ言ったら美食研究会もそうだけど、下手したら爆破されるしな……)

 

「コウキさん、別の女性のこと考えました?」

 

 ──なんで分かるんだよ。

 

 その言葉をコウキは飲み込み「気のせいだろ」と軽く流す。彼の経験上、ここでボロを出せばろくでもない目に遭うというのは予想できた。

 即答できたため大丈夫だろう、とコウキが内心ホッとし──

 

 

「誤魔化そうとしてますよね?」

 

(嘘だろ……)

 

 少し目が据わったキリノの姿に戦慄し、どう上手く追求をかわすか頭を抱えたのだった。

 

 

 

 ****

 

 

「コウキの作るご飯は美味いね!」

 

「お口にあったなら良かったです……でも、毎日コンビニ弁当やカップ麺は流石に健康に悪いですよ」

 

「うぐっ……で、でも時間が無くて……」

 

「それは分かってますよ。だから、俺が当番で来れる日は俺が作った弁当、もしくはシャーレのキッチンで俺が作ったやつ食べさせます」

 

「ママ……」

 

「誰がママですか」

 

「まあ、冗談はさておき。態々お弁当作ってくれてありがとう」

 

「お礼はいいですよ。特に今回はおまけですし」

 

「おまけ?」

 

「はい。元々はキリノのためにつくってたので……って、その遂にやっちまったのか、みたいな顔なんですか?」

 

「いや……まあ、その頑張ってね……」

 

「?まあ、良いですけど」

 

 後日、コウキはナギサを始めとした一部の生徒にお弁当を作る羽目になった。キリノが幸せそうにお弁当を食べているのが気になって事情を聞いたフブキがうっかり外で漏らし、それをクロノスが「キヴォトス一の運び屋、ヴァルキューレの生活安全局と熱愛!?」という風に広めたからだ。

 

 1人でそれなりの人数を作る羽目になったコウキの目は死んだ一方で、一部学園で幸せそうにお弁当を食べる生徒や、何故か膝を着いた生徒の姿が目撃されたのだった。




周年の水着はティーパーティーだと予想します。外したらコウキが謎の力でナギサの前で服をキャストオフされる話にします。(執筆するとは言ってない)

キャラ紹介

コウキ:料理できる系男子。基本的にはそこまで凝ったものは作らないが、美味しそうに食べる姿を見るのは好きなのでやる時はとことんこだわり、一時はフウカやルミの元に行き、教わってたほど。キリノの追求を「お前が望んだ時にお弁当作るから!」という色んな意味でやばい発言をしてかわした。なお、「やめたらなんか負けた気になる」と言って、先生のご飯担当とキリノへお弁当を作るのは続けている。

先生:コウキのご飯はなんか懐かしい味がするとのことで、結構楽しみにしている。

キリノ:ヴァルキューレの生活安全局所属の1年生。キヴォトスでも珍しいめちゃくちゃ善性な子。少々空回り気味なところはあるものの、本当に良い子。ヴァルキューレではたまに幸せにそうにお弁当を食べる彼女の姿を見かけられるようになったとか。

HifumiDaisukiさん:コウキさん、少々お時間いただけますか?(ニッコリ)

ゲヘナヨコチチハミデヤン:わ、私は彼好みのカフェオレ入れられるので負けてません!!

どこぞのシスターフッド:美味しいのに……負けた気分になるのは何故……?

フブキ:コウキに分からされた(筒巻きにされた状態で限定のドーナツを目の前で食べるところを見せつけられた)

サオリ:流石だな。私もいつかはこれくらい上手くなりたいものだ。
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