ウソップが店から出る。それを追うように私たちも店を出た、彼らはこれから豪邸に行って船をもらえないか聞きに行くようだ。一緒に来ないか聞かれたが私はやんなり断った。
「それもいいかもだけど、色々と見て回りたいの。この島出る時はあなたたちにも言うから、また後でね」
そう言い、彼らと別れた。手始めにこの村を見て回ることにした。のどかな村で争いとは無縁そうだと感じる、仮に海賊に攻め込まれたら一巻の終わりだろう、村人たちが戦えるとは到底思えない。ふとウソップがあの場所に居たのかが気になり、ウソップの事を村人に聞いて回った。村人はみな彼を海賊が来たと嘘をつくほら吹き野郎と罵っており、嫌われているみたいだ。まるでオオカミ少年みたいだと思うけど、私には彼がただ迷惑をかける為に嘘を言い続けてるようには思えない。一通り話を聞き終える頃、ウソップが森に入っていくのが見えた。なにかあったのだろうか?気になり後をつけると森を抜けた先の崖でルフィとウソップが話している、木影から様子を見ているとルフィがいびきをかきながら崖に落ちていった。
ウソップが慌てた様子でこの場から離れようと踵を返すと私と目が合った。興奮して声を荒げながら私に言う。
「お、お前!?いつから…いやそれより、大変なんだ!この村に海賊が攻めてくるんだ!首謀者はあの執事なんだ、早くみんなに知らせねぇと!」
「海賊が?それに執事って誰よ?」
首を傾げ、詳しく話すように促す。ウソップはあの時居なかったなと頷き、先ほど聞いた事を私に伝える。
「なるほどね、でもあなたが知らせても誰も信じないと思うわ」
「な、なんでだよ?」
「オオカミ少年って知ってる?簡単に言うと、オオカミが来たと嘘を言い続け本当に来た時に言っても誰も信じない、また嘘だと思っちゃうから。心当たりあるんじゃない?」
「うっ…」
詰め寄ると図星だったみたいだ。だけど、ウソップはそれでもと伝えるようだ。
「そこで私から提案、海賊が来たなんて嘘にしちゃわない?」
「どういうことだ?」
「誰も知らない間に私たちで海賊を追っ払うの。もちろん2人だけじゃ戦力不足、ルフィたちにも協力してもらうのよ」
「ルフィ?あいつなら崖から落ちちまったぞ!あの高さだ、まず助からない」
ウソップはルフィがゴム人間だと知らないみたいだ。大丈夫だと思うけどと言うけど彼は半信半疑だ。
「とりあえず、残りの2人にもこの事は伝えましょう?頭数は多いほどいいからね」
「お、おう!」
そうして私たちはナミたちを探しに行った。
◇
ナミたちを探し出し、海賊が来る事、執事が黒幕という事を共有する。ゾロは海賊退治に賛同するが、ナミは乗り気じゃないみたいで眉を顰めていた。ゾロはそんなナミを見て言う。
「ナミ、攻めてくる海賊の宝、根こそぎ奪えると考えたらどうだ?」
「た、確かに。でもわたしは戦わないわよ?宝をもらう事だけに専念するから」
「ま、俺1人で全員倒すからな」
「た、頼んだぞ!俺は後ろから援護ぐらいしかできねぇ!」
「自信満々に言うことじゃないっぽい」
「そういうあんたはどうなのよ?あんただけ高みの見物と洒落込むのは許さないわよ」
「対人は初めてね、今まで船を相手にしてたから。とりあえずこれでやれるだけやるつもりよ」
虚空から鎖に繋がれた錨が出現し、落ちる前に鎖を掴み落ちた錨が地面を削る。突如現れた錨に3人は驚く、ナミが恐る恐る聞いてくる。
「あんたも悪魔の実の能力者ってわけなの?生まれて半日って言ってたことも含めあんたなんなの?」
「前世といっていいのかな?前は私、軍艦だったのよ」
「なんだそりゃ、頭おかしいんじゃねぇか?」
「ホントのことなのに」
頭おかしいとは失礼しちゃうわ。まあ無理に信じろとは言わないけども。ゴホンと咳払いし、どう迎え討つか考えることにした。
「海賊たちは早朝前に来るって話だ。上陸したアイツらをあの坂道で迎え撃つ感じで行こう」
「それじゃ、ゾロと私で前衛を務めましょう。ウソップは後ろで援護する感じで、それでいい?」
「ああ、それでいこう」
「これでも村一の狙撃手だ!う、後ろは任せろ!」
そうして私たちが上陸したあの坂道で早朝まで待ち構えることになった。