電探が船の接近を知らせる、反応が示す方へ探照灯を照らす。明るくなることで少し遠いが件の海賊船が見えた、探照灯からの光で海賊たちは騒然としている。今私が見張りをしており来た事をみんなに伝えなければならない、みんなの体を揺さぶり起こす。ゾロはすでに起きていてウソップとナミもすぐ起きた、戦闘態勢に入る頃には海賊船が岸につけていた。
海賊船からぞろぞろと海賊が降りてくる。ざっと見た感じ30人強はいるようだ。探照灯を坂道を照らすように置き、錨を構える。海賊たちは強い光に怯まず坂道を上がる。
「ウソップ、狙撃開始して。作戦通り私とゾロで敵陣を切り崩すよ」
「ちったあ、歯応えがあると嬉しいんだがな!」
ゾロは刀を二本抜き、駆け出していく。敵の先陣とぶつかり、薙ぎ倒していく。それに続き鎖に繋がれた錨を振り回し、敵陣の真ん中に投げつける。投げられた錨は地面に勢いよく衝突し、それによって発生した衝撃波で海賊たちが吹っ飛んでいく。
「あっぶねぇな!?俺にも当たるとこだったぞ!?」
「あっ、ごめんなさいね?それじゃ改めて、村雨のちょっといいとこ、見せたげる!」
錨を引き戻し、再び頭上で鎖を振り回す。またあの攻撃がくると感じ、海賊たちは後ずさっていく。恐らくこの海賊たちの長と思われる男が見えた。
「楽な仕事のはずだろ!?あんなのがいるなんて聞いてねぇぞ!」
「俺が知るわけねぇだろ!ともかくアイツらを早く倒して村に押し入らなきゃならねぇ!」
へんなサングラスをした男は焦りを見せていた。男は大声で
「そこの女!これを見ろ!」
と言い、なにやら紐にリングを括り付けたものを振り子のように揺らし始めた。何か嫌な予感がし、咄嗟に男に対して機銃斉射を浴びせる。弾丸は当たらなかったが1人から放たれたとは思えない程の銃撃に男は戦慄し、振るのをやめた。
「気をつけろ、あの振り子で眠らせてくるぞ。ルフィはあれで眠ってた」
「催眠術ってわけね?」
ルフィはあれにやられて崖から落ちたわけねと納得した。船の甲板に2人分の影が見える、機銃の音に反応して出てきたのだろうか。あの男の反応からしてかなりの実力者なのだろう、さっきまで顔色が暗かったが今は明るくなっていた。2人組はこちらに突進してくる
「歯応え、ありそうですよ?どうします、片方は持ちますよ?」
「バカ言え、あの程度俺1人で十分だ。」
ゾロは2人共持つようだが、最初はゾロに向かっていた二人組の片方が急に私へと剣を振りかぶる。ゾロが私に声をかけるも反応が遅れ肩に刃が当たるも、ガギンと音を立てるだけで体はおろか服にも傷一つできなかった。
「「「は?」」」
相手は鉄を切りつけた手応えを感じ、手が痺れたからか剣を落としてしまう。剣を拾い直す前に男の鳩尾めがけ拳を振るう。放たれた拳は鳩尾にめり込み男はうずくまり悶えている。その光景を見たこの場全員がまるで時が止まったかのように動かなくなる、信じられないものを見たかのように。そんな中ゾロはすぐさま敵に向き直り、相対していた男をバツの字に切る。そして私に向き直り
「お前…体が鉄でできてんのか?」
「これでも元は軍艦なのよ?信じてもらえてないけど」
「そうか、テメェを切るには最低でも鉄を切れるようにならねぇとな」
鉄というより鋼鉄だとは思うけど、ていうか鉄って刀で切れるものなのかしら?彼は切る気満々だし、悪魔の実なんて不可解な物もあるしこの世界以前の常識通用しなさそうよね…。
そう考えていると倒れた2人がよろめきながら立ちあがろうとしている。刀で切られても立ち上がれるとはかなり根性があるみたいだ。武器を構えると背後の森の方から何かが落ちた音がし振り向くと土煙の中からルフィが現れた。
「おー、やってるな。俺も参加していいか?」
「遅えよ、船長。もう終わりそうだぜ?」
「おはよう、ルフィさん。よく眠れたかしら?」
私は少し後ろに下がり、ルフィに前を譲る。ルフィへ私の艤装を見ながらゾロと並びたった。坂を上がると目の前に件の執事が立っていた。
「何やってんだ?テメェら」
何あの手の剣、なんで指全部の先につけた?