Justice前章:Labyrinth 嶺編   作:斬刄

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9話高町なのはの悩み

「なのはとユーノのこと任せたから、ちょっと行ってくるね」

「はい、分かりましたっ!ハセヲさんも気をつけて!」

 

なのはとユーノ、千草の三人は、嶺の指示でなのはの家にいるようにと指示する。現状、外にいるよりもなのはの家の方が安全であるために、嶺が帰ってくるまでは滞在することとなった。嶺は弟の後を追い、デンドロ戦を放棄して逃げていった弟に、仕返しするためにハセヲと共に移動している。

 

走行中のバイク音が鳴り、嶺の視界に正輝達を見つけると

 

「天誅ぅぅう‼」

「ごおぁぁぁ‼」

「マスター‼」

 

 

【挿絵表示】

 

 

即、デンドロ戦でそのまま逃げていった正輝に向かって突撃した。神に支給されたバイクは、嶺の全設定変更によって仮に正輝が避けたとしても急激なカーブを曲げることで更なる追い討ちが出来るようになった。

嶺視点からだと彼は何処ぞの知らない女性と話していたのに、そんな事は御構い無しに突っ込んだ。正輝側は楽園との戦いは既に勝敗を決しており、2ndという女性と話している最中だった。

それなのに颯爽と彼の姉とハセヲが登場し、その側では無茶(ヤムチャ)されたような状態の正輝が倒れている。

 

ちなみに、バイクで突撃して、正輝にぶつけた間だけは二人とも気づかないままクッキーマンへと変身していた。

 

「どーしてーにーげーたーのーかーなー?」

(死んだフリ…死んだフリ)

 

嶺の仕業だと声で気づいた正輝は倒れつつも、気絶したフリをしている。しかし、

 

「起きないなら確認したらどうだ?どんな手段を使っても私達は怒らないぞ」

(アーチャーぁぁぁぁあ‼てめえぇぇぇぇぇえ後で覚えとけよぉぉぉっ‼)

 

アーチャーこと黒沢君が倒れたと見せかけている正輝を見て、また更に煽っている。彼は死んだふりしつつ、右手拳には力が込められていた。どちらにせよ、嶺は弟のことをよく知っているから彼をどうやって起こすかは、一番良く分かっていた。

 

「まぁ私の弟だし手加減なしで「やらなくていいです!」あ、起きた」

(地獄に落ちろ。マスター。くっくっく…)

 

倒れたフリをしていた正輝は、咄嗟に立ち上かっていく。微妙な顔をしていた麗華こと2ndは、嶺が実は正義側の一人であることを確認せず、そのまま用件を終えると立ち去っていった。

 

「正輝、アーチャー…これは一体どういう」

「あー実はだな…」

「これは姉弟の問題だから」

 

ずっと敵の幹部と戦っていたセイバーも向かったが、正輝は嶺に説教されている。それを止めようとするが、ハセヲに説得されたことで「流石に反省してください」と正輝を助けようとはしなかった。

 

「なんで逃げたのかな?ん?」

「いやーだって、フェイトの家に突撃しようとする敵が」

「あばよー以前に、それを先に話さないといけないことだよね?」

 

こうして、敵組織との戦いも終えた。

相対する殺者の楽園との初めての戦闘はとても短かったとはいえ、彼らと戦う事はどういう事なのかを正輝達はともかく嶺側にいる一部の人達は思い知らされた。

 

 

 

*****

 

「…」

「なのは…」

 

高町なのはとユーノ・スクライアの二人は、今日のことでクタクタに疲れていた。

 

まず、全員を話し合いの為に集め、結果報告を済ませる。そういう手筈のつもりだったのだから、正輝達に会って緊張するわけでも戦闘を行うわけでもない。準備段階までは何も問題なかったが、正輝達から肝心な報告内容に耳を疑った。

 

 

フェイトの家族を助ける為の死者蘇生とその蘇生によるジュエルシードの消失、事態の収拾

 

嶺以外の二人も複雑な顔でもう一度聞き返していたが、そもそもその話を聞いて信じてくれと言われ、受け入れるにしても二人とも衝撃的な報告内容に全く心の準備が出来ていなかった。一番決定打だったのは、話し合いが終えた後の敵の襲来と殺害、なのはがその戦いに何を口出ししても所詮は願望なだけであって、実際に行動に移すこともままならないまま結局は何も出来なかったことを痛感した。もしなのはがそうしたいと望んでいるならば、嫌なものを見ずに済んだかもしれない。

 

こうしてなのはは喋っていても元気はあまりなく、目の前で血塗れになって消え去った敵を思い出してしまう。

 

『急にその答えを出さなくてもいいんじゃねーのかよ。分からないままでも』

「…私」

 

ハセヲがそう言って、なのはが抱えている不安を少しでも和らげてくれたがそれでも浮かない顔をする。

 

 

「なのは、大丈夫?」

「ちょっと…疲れちゃった」

 

なのははユーノにそう言っているが、顔が緊張しているかのように張り詰めて、本心はちょっとどころではない。あまり戦ってないのに、心と身体はボロボロになっていた。

初めてなのはは、嶺とデントロの実際の戦いがこんなにも残酷で恐ろしいと感じた。前半はおふざけだったものの後半になってたから嫌な雰囲気が漂い、嶺は敵とはいえ人を殺めた。

 

(嫌な、予感はしてたんだ。結界のせいで、逃げれる状態でもなかったのも。いや…仮に逃げ切れても敵が一人とは限らなかったかもしれない)

 

ユーノは、なのはを巻き込まないように逃げるという手も考えていたが、敵がデンドロ一人だとは限らない。もし逃げてる最中に他の敵が集団で襲ってきたら、今度はなのは達が袋叩きにあっている。

 

「ごめん、少なくとも僕がなのはを遠ざけるようにさせれば…」

「ううん。ユーノ君は、何も悪くないよ」

 

対してなのはは、嶺の言葉を重く受けて深く悩んでいた。普通の一般人が魔法に関わることがどれだけ危険なのか、それは今までジュエルシードの回収と家族や街のみんなを守るために怪物と戦っていたのだ。

 

高い魔力を持つ小さな少女と、ユーノというフェレットと一緒に。

 

(あの時逃げきれても…嶺さんや二人でも敵わない相手なら…三人が殺されたかもしれない。そうなってたら今度は、見て見ぬ振りをして私達だけ逃げたことを酷く後悔してた)

 

逃げても、戦っても、どちらを選んだところで見たくないものを見ざるおえない状況になっていた。デンドロという男以外にも人を脅かす敵が今後とも出てくるのならば、嶺のように冷静な判断を下すことができたのか。

 

(もしそうなったら…凄く、怖いよ…)

 

ジュエルシードやフェイトという少女のことが解決したというのに、暗い顔のままな少女はネックレスにしてつけてあるレイジングハートを握りしめていた。

 

*****

 

『昨日はごめんね。なのはが小学三年生なのに、こっちは酷なこと言ったからね。うん、案の定ハセヲにちょっぴり叱られましたー』

『にゃはは…あ、そうだ。嶺さん、学校が終わった後に家に来てもらっていい?』

『ん、いいよー』

 

次の日の朝

嶺がなのはに電話し、言い過ぎだことを謝った。学校に行けばジュエルシードとフェイトのことが解決したおかげで、なのはの肩の荷が半分降りている。が、

 

「なのは?聞いてた?」

「あ、えっ…⁉︎」

「なのはちゃん、ぼーっとしてたよ?」

 

友達のアリサとすずかの話を聞いても、疲れたような顔をしているなのはを心配していた。

(なのは、学校の方はやっぱり休んでた方が)

(でも…)

 

事件が解決したのに、それでも苦しい表情をしている。まるで事件の間までフェイトのことを心配していたかのように、蹲っていた。

 

(…終わったら、すぐ家に帰って嶺さんが来るまでは横になって休んでて。

僕が準備しておくから)

(うん、ありがとう…でもその体じゃ)

(あ、そういえば…そうだったね。ここじゃ見せられないから帰ってからにしようか?)

ユーノも、なのはの異変には気づいており嶺と話すよりもまず一日身体を休んだ方がいいと言っても彼女は大丈夫だと言った。

家に帰るとユーノは変身魔法を解いて、なのはに見せる。

 

「なのはにこの姿を見せるの…久しぶりだっけ?」

「え、えっ…えええっ⁉︎」

 

フェレットから人の姿に変わった。彼と最初に出会ったのはフェレットの姿のまま、そのまま気絶していたところを助けられていた。

 

「ユーノ君って、普通の男の子だったの⁉︎」

「僕は最初にこの姿を」

「ううん、全然違ってたよ⁉︎」

 

学校の服のままベッドに寝転んでたなのはが、ユーノの姿に驚いている。

 

「嶺さんが来たら、私服に着替えててね」

「分かったけど…その姿のままだとお母さんにも」

「一応、こっちで説明しておくから安心して」

 

なのはは今知ったからともかく、家族には何も知らされていない。嶺が来る前に、ユーノは先に家にいる母親に説明し、嶺の来る準備をしていた。

 

「お邪魔しま…あれ、ユーノって」

「変身魔法を解いて、これが元の姿なんだ」

 

一方の嶺は、なのはが帰って来たことをユーノから連絡されて家にやってきた。なのはの部屋に向かう前に、ユーノは嶺にあることを聞く。

 

 

「その、僕からも聞きたいことがあるんだ…昨日、戦っていた時に少し本気を出すかって言ってたよね。もし仮に…嶺さんが本気を出していたら拘束することが「…本気なんて出したら、それこそなのはの心を壊しかねないほどのトラウマを植え付ける羽目になるよ?」えっ⁉︎」

 

トラウマと嶺は言い、一体その敵をどうするつもりだったんだとユーノはまた更に質問する。拘束するわけでもないなら、どうやって敵を葬るつもりだったのかを聞かず、なぜなのはがトラウマになるのかを聞いた。

 

「と、トラウマって…どういうことなのっ?」

「私が本気でやるってなったら…四肢切断か、断首だからね」

「なっ⁉︎」

「…そういうことだから、そんなものなのはに見せるわけにもいかない。だから鎌鼬で身体中に大量の切り傷をつけて、そのまま倒れて欲しかったんだけどダメだったからあぁするしかなかったんだよ?

最終的には血で倒れたら、この大男を連れて帰るから、なのは達を家に戻すように言い繕って、後から私がトドメを刺すつもりだったけど。

まぁ辛うじて気絶しないまま生きてしまったし、なのはとの距離は間近だったからね。

もうあぁするしかなかった。

 

それがダメで…実は不死身でしたーってなったらなのは達を遠ざけつつ、見えない場所で身体の部位を一つ、また一つ切り落とす。それで部位まで再生するんなら、今度は正輝に頼んで空間の中に放り込めばいい。あと…あの大量の切り傷の後に、拘束したところで無意味だと思うよ?対処をどうするか話してる最中に時間かけすぎて死ぬか、或いは移動中に死ぬか。

 

あの男が死ぬのも、あのデンドロっていう男の死になのはが触れてしまうのも時間の問題だったから」

 

嶺の返答はありのまま話すが、話の内容そのものがとても冷淡であり、冷酷無慈悲でもあった。

そこまでやろうと考えていた彼女は、

 

(嶺さんも、その弟さんも…どんな世界で生きてきたんだっ…⁉︎)

 

人を殺す事に、慣れ過ぎている。

彼女が快楽殺人者というわけではないが、殺した後の死体を見ても、表情一つも変えずに動きが冷静過ぎている。彼女の発言も、完全に殺し前提を考えた上でのもの。

 

それが、他のみんなからは逆に嶺の不気味さを感じた最もな理由だった。

 

「呼んだ?」

「あ、嶺さんっ…付いて来てくれますか?」

「ん、いいよー」

 

嶺がひょっこりと顔を出すと、学校から帰って来たなのは部屋で座って待っている。既に私服に着替えており、二人だけで話し合える場所も用意した。

「?…どうしたの?」

(何を話したらいいか、分かんないよ…)

 

庭近くに二人が横に並んだまま座っている。

なのはは、殺した後に見た嶺の顔があまりに印象的すぎて、気まずいまま何を言い出せばいいか分からなくなっていた。

 

「あの…今後も…嶺さん達はあんなのと戦うんですか?」

「んーまぁ、そうなるね」

 

なのはが、最初にそう口を開いて質問したのがやっとだった。殺そうと殺意を向ける外敵は、一人だけなのか複数なのかを確認するために。

 

しかし、好きな人に告白するような、一番肝心なことを言えてない。

 

「…その、怖く無いんですか?」

「うーん、怖くないかな。

もう慣れちゃったし」

 

怖くない、慣れた。

その言葉はデンドロを殺して倒した後の彼女の反応を、なのはは思い出し、そして理解した。

 

「また、人を殺すんですか…?」

「…危険な敵だったら、そうするね」

「でも、そしたら嶺さんや、二人だって危険な目にっ!」

「そうだね。でも、私達が躊躇して…もしなのはを死なせたら…私達はその家族や、親友の二人にも合わせる顔がない」

 

なのはが首を横に振っていた。さっきから質問が曖昧なものばかりで、彼女の本心が伝えられていない。ああでもない、こうでもないと一生懸命に必死になって考えている。

 

「違う、違うよっ…‼︎私、私はっ…そういう事が聞きたいわけでも、言いたいわけじゃなくてっ‼︎」

「あ、あのー…なのはちゃん?どうしたの?」

「わたし、私はっ…私だって‼︎嶺さんや二人が何かあって死んじゃっだら。今度は私は…嶺さんの弟や、フェイトちゃんとも合わせる顔がないもんっ…!」

 

なのははそう言い切ると、とうとう我慢できずに泣いてしまった。嶺は何も言わずに、目の前で大泣きしたなのはを抱きしめている。

結局彼女は自棄になって何を伝えていいのか分からなくてなってしまった。

 

「なんか、本当に私のせいで色々と思い詰めてたんだね…」

「違うよっ…!誰も、何も悪くないのにっ、間違ってもなかったのに、一体何が正しいのかもう分からなくなって‼︎」

 

間違ってもなければ、悪くもない。

あれは仕方なかったという気持ちが、みんなにあった。

 

なのはが魔法と出会って自分のやりたいことを進み、純粋な気持ちでフェイトを助けたいと思っていた。魔法の力で家族を、街の市民のことも守りたいとも思っていた彼女にとっては、幼すぎるが故に残酷で見るに耐えなかった。

 

なのはは、あの光景を見てしまったことで立ち止まっていた。嶺は抱きしめながらも、ヨシヨシとなのはの頭を撫でている。

 

「なのはになんて話をさせてるんだ君達はっ⁉︎」

 

その話を聞いていた恭也は、嶺達に怒鳴っていた。

殺人という言葉辺りからずっと聞いており、事件は解決したはずなのに妹のなのはを泣かせた。そんな嶺に怒りながらも本心では何故そういう話をしたのか困惑している。

 

 

「お兄ちゃん、違うのっ!これは…‼︎」

「いいよなのは。こればっかりは、やっぱりちゃんと話さないといけないかな」

 

嶺はそう言いつつ、なのはから恭介へと目を向ける。彼女は、真剣な表情をしていた。

「みんなを、集めてください。

大事な話があります」

 

 

*****

 

夕方頃

嶺だけではなくハセヲ、アトリの二人も集め、なのは達との家族会議が始まった。

ジュエルシードによる事件が解決したことは既に報告しており、家族もなのはが無事なまま解決した事に安心していた。が、家の近くで起きたデンドロとの一件までも報告しなければならなかった。

 

なのはがその大男に殺されそうになったところを、嶺が助けることも含めて。

 

「あれがどういう敵なのか、何が目的で襲って来たのかは…ユーノも、私にも分かりません。少なくともその敵は無関係な一般市民や、私と仲間にも襲ってきました。

勿論話の通り、なのはにも襲ってます。

 

私は助けるために、その敵を殺しました。

捕縛して失敗したらこの街を襲うことも、馬鹿とはいえ無差別に兵器を放てば甚大な被害を被ることも鑑みて危険だと判断しました」

報告後の空気が重苦しく、沈黙はとても長かった。

 

家族全員が思うことは色々とあったが、まずジュエルシード事件で協力し、なのはを助けて欲しいと言ったのは確かではあった。その戦いが過酷であることも承知の上で、なのは自身やりたいことを尊重したいという気持ちもある。

 

だが、フェイトのような純粋な子ではない殺人目的を企んだ相手(人間)に戦う覚悟は出来ない。

その手を、血で汚すことになるのだから。

 

「もしそういった敵が今後も出現し、やむ終えない状況になった場合は、最悪私一人でなんとかします。

 

なのはの心を壊しかねないし、そんなことはこの中の誰も望んでいません。

それでもなのはの不安を抱え込むようなことになった時は…その時は家族が、まだ幼いなのはを大事に支えて、守ってあげてください」

家族一同、嶺達がなのはを全力で守ってくれているのは感謝しているものの、別のやり方もあっただろうとも思っていた。しかし、【なのはが安心できる対処】の手段を嶺達もなのは達も持ち合わせていなかった。

 

父親である士郎から、嶺に聞く。前線で戦ってくれていたとはいえ、大人でも女性なのかと心配している。

「…君は、大丈夫なのか?」

「大丈夫です。私はこういうことには慣れてますし、何ともないですから」

 

恭也と美由紀の兄姉は、なのはを助けた嶺達のことはあまり接点はなかったもののそれでも腑には落ちない。なのはを殺人に巻き込ませないことを考えてはくれているが、見た恐怖で苦しい思いをしたのだから。

 

「君は…一体何者なんだ」

「少なくとも…この世界で例えると【表】ではなく【裏側】の一人でしたよ?」

「…そうか」

 

その発言を聞いて、父母の二人は何も言わないまま察してしまった。彼女は、【そういう世界のやり方】でずっと生きていた。

 

彼女にどんな過去や経験があったかは知らないが、なのはを狙った敵が人の皮を被った化け物で家族ですらも守れないかもしれない。

対処してくれる嶺達の存在が何よりも心強いと感じているが、心の底では家族全員が複雑な気持ちでいた。

 

「あの、嶺さん。裏側って何?」

「なのは、そういうことはまだ知らなくてもいいからね?」

「お、お姉ちゃん?」

 

美由希も苦笑いしつつも、なのはにそのことを教えるのはまだ言いづらかった。

ニュースではアリサ達を襲ったようなテロリストだったり、密約だったり悪い事をしている分類に入っている。

 

嶺に関しては、裏側であっても身を投じてなのはを守ってくれたのなら悪い人ではないとも考えていた。

しかし、その話を聞いてても嶺達のことを本当に信じて良いのだろうかと半信半疑になっている。

そんな嶺を見極めるために、恭也がある提案した。

 

「嶺だったな…今時間があるか?」

「んー、大丈夫で「よし!今から美由希と道場に行く、四人とも特訓に行くぞ!」…は?えっ?」

「「…え?」」

「え、ええっ⁉︎」

「なん、えっ、ふぇぇぇぇっ⁉︎

お兄ちゃん⁉︎」

 

恭也の一言に、なのはとユーノでさえも驚いた顔をしている。

なぜ道場に行って、剣を打ち合うのか。

 

(この際、なのはを守ってくれている恩人のことを…もっと知る必要がありそうだな)

「父さんにも、立会人を任せてもよろしいですか?」

「…わかった。お前に考えがあるんだな」

嶺とその仲間がなのはを守れるのかもそうだったが、本当に善人なのかを見極めるために、兄が立ち上がった。こうして恭也の提案から立会人になる美由希と父親も一緒に、なのはの家の近くにある道場へと四人は向かうのであった。

 


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