前回のあらすじ❗️
第一高校チームB“正義軍”は、第八高校チームA“飛翔組”との対戦で、先鋒戦・次鋒戦共に連勝するも中堅戦で原始男がやらかして一敗を喫してしまうぅぅ!
更に副将戦でテリー男が引き分けとなり、大将戦で華麗なる空中殺法を得意とする敵チームのリーダー・筋肉男マリポーサと戦うハメになった特別男こと森崎駿❗️
厳しい寒冷地や高地訓練で鍛えた心肺機能と筋肉のばねから繰り出される跳躍に、森崎は為す術なしぃ❗️
しかし、試合中に森崎は友情パワーに目覚め“森林男”に覚醒し、必殺の大木スープレックスで勝利を飾るのだったあぁぁぁーーーっ❗️❗️❗️
『子供の頃、僕は正義の味方に憧れていた・・・』
『正義の味方?』
月明かりが照らす縁側で、年若く見える男性の呟きに反応した隣で座っていた5、6歳の男の子が首を傾げながら聞き返した。
『正義の味方は期間限定でね? 大人になると名乗るのが難しくなるんだよ』
『じゃあ、もう目指してないのか?』
『・・・どうかな? 今からでも、もしかしたらと思ってるかもね』
そう言って、男性は月を見上げた。
『だけど、もう僕には正義の味方を目指す資格はないのかもしれない。僕は、悪魔に囚われ・・・うわ、何をする!? ヤメロォォォーーーッ!!!』
この後の記憶は、あまりない・・・
「タッグマッチ・・・ですか?」
「そうだぁ!!」
森崎の覚醒?により勝利を収めた第一高校Bチームを見届けた達也達だったが、そろそろ試合が始まる頃になって運営からきた通知に達也は少し困惑するのだった。
「何故この土壇場で試合形式が変更になったのかとか、そういう疑問はこの際無視するとしても、将軍様、我々は五人ですよね?」
「その通りだぁ〜❗️」
「一人余りますよね? どうするんですか?」
将軍率いる第一高校Aチームは、達也こと忍者を含めて五人である。
大会ルールでは、チームの定員は五人プラス補欠一人の六人が最大人数だと定められているが、このチームには補欠が居らず五人しかいない。
「安心しろ、忍者よ! お前のパートナーはしっかりと明記されているぅ〜❗️」
そう言って、将軍は端末のデータを達也に送りつける。
送られたデータは、どうやら次の試合のスターティングメンバーを明記した表のようで、達也はそれを訝しげに覗き込んだ。
「・・・将軍様。俺のパートナーの欄に“ミステリアス・パートナー”と書かれているのですが、いつの間に補欠を補充したのですか?」
「そんな奴はおらん〜❗️」
予想通りの答えに流石の達也も怒りを込めて顔を上げて将軍を睨み付けるが、身長差から自然と見下ろされるかたちとなる事から、上から降り注ぐ将軍の眼光と無言の圧力に、早くも達也は屈して顔を俯かせる。
「忍者よ! お前は今から自分のパートナーを見つけて来なければならんのだぁ〜! この会場から出なければ誰でもいいから、試合が始まるまでに自分に相応しいパートナーを連れてくるのだぁ〜❗️」
「んなアホな・・・」
余りの暴論に呆れが入る達也だが、それがまかり通る競技がこの魔法超人レスリングである。
諸事情により達也こと忍者は絶対に負ける訳にはいかないので、一秒でも時間が惜しいのか、九重八雲から習った体術を駆使して無駄に速い速度で会場を走り回り出した。
(とんでもない事になった・・・実質、観客席から探すしかないじゃないか! 今から探しても、こんな命の危険のある競技に参加してくれる客なんている訳がない! クソッ、最悪の場合は、正体がバレるリスクを負ってでも文弥を無理矢理・・・)
既に時間は差し迫っており、余りの時間の無さに達也の思考はあらぬ方向へと向き始めていた。
自分の又従兄弟を犠牲にする事すら視野に入れ始めた達也は、自身の前方に人影がある事に気がついた。
危ない危ないと思いながら、達也は前方の人影を避けて通り過ぎようとしたが、その人影から声を掛けられてその足を止めた。
「お困りかな?」
『さぁ、遂に注目の好カードが実現しました❗️ 既にリングで待つのは、昨年の準優勝チームにして今年度の優勝候補筆頭である、あのデーモン将軍率いる悪魔騎士団〜‼️‼️ そして彼らに挑むのは、第四高校所属の魔法超人界のニューカマー❗️ 新時代を築くのはオレ達だ‼️“新世代魔法超人軍(ニュージェネレーションズ)”の入場です‼️』
実況のアナウンサーに促され、第四高校の選手団である新世代魔法超人軍が入場する。
噛ませっぽい赤い細身のガゼルみたいな奴を筆頭に、セイウチみたいな奴や飛行機のトランスフォーマーという明らかな色物集団であり、挙げ句の果てにはオムツを履いた爺さんまでいる始末である。
更にその後ろに、フード付きのマントを羽織った二人組という怪しい奴らまでおり、どこかの大道芸人と言われても全く違和感のない連中である。
『この地獄のタッグマッチを制するのはどちらのチームか⁉️ それでは、先鋒の選手はリングに上がって下さい』
実況に促され、ステレオタイプの青い忍び装束に身を包んだ達也こと忍者は、隣に居る色違いの“黒い忍者”と共にリングへと上がった。
『悪魔騎士団の先鋒は、なんと今大会が初参加のルーキーコンビだぁ〜‼️ 青い装束に身を包みし魔法超人“忍者”と、黒い装束の魔法超人“忍者グレート”によるタッグチーム【シノビブラザーズ】が、忍びらしく静かにリングインしました‼️』
付けた覚えのないチーム名に内心、辟易とする達也だったが、取り敢えず無事に試合に出られた事に安堵の溜息を吐いて、自身のパートナーである“忍者グレート”へと視線を向けた。
(一時はどうなるかと思ったが、取り敢えず“強さだけ”は保証できるパートナーが見つかって良かった・・・いや、この人をパートナーにした時点で運の尽きか)
達也は、入念なストレッチをする目の前の黒い忍者を見つめながら、再び先程とは別の意味の溜息を吐いた。
(どうして・・・どうしてこうなった⁉️ 俺が何をしたといういうんだ? 何が悲しくて、実の祖父と高校生の大会に出なければならないんだ⁉️)
そう、この黒い装束に身を包んだ魔法超人・忍者グレートの正体は、達也の実の祖父である四葉元造なのである。
パートナーを探していた達也の前に現れた元造は、突然の祖父の登場に思考停止した達也が再び動き出す前に、達也と色違いの装束を着込んでメンバー登録をしたのである。
ちなみに、あのチーム名を考えたのはこのジジイである。
『そして対するのは、なんとまたしてもルーキーコンビ‼️ 正体を決して悟らせないミステリアスタッグチィィーーム❗️ 一体、その正体は何なのだぁーーっ‼️』
フードを被った二人組の片割れは、リングに上がるとすぐに飛び上がってコーナーポストに着地し、もう一人はそのコーナーポストの前に陣取ってポーズを決め、そして二人同時にマントを脱ぎ捨てた。
二人組の正体は、マスクを着けた女子チームだった。
コーナーポストに立つのは、競泳水着みたいな白いコスチュームを身に付けて両腕を広げて、その大きい胸を張るマスクウーマン。
そしてその下では、ビキニっぽい過激な黒いコスチュームのマスクウーマンが、まるで自分が一番だと言わんばかりに人差し指を天に向けて指し示している。
『見る者全てを魅了せんと言わんばかりに見せつける、魅惑のグラマラスボディィーーーッ‼️ 自信に満ち溢れたその立ち姿は、勝つのは私達だとその態度が示しているぅぅーーーーっ‼️ 黒き魔法超人“ミーティア”と白き魔法超人“マインド”の、今大会でも数少ない女性魔法超人タッグチーム【クローバーウィッチーズ】が今、華麗にリングイィィン‼️』
クローバーウィッチーズと呼ばれた二人の女性は一頻りポージングを決めた後、マインドと呼ばれた女性がリングに着地すると同時に、静かにダブル忍者と対峙する。
観客達の目には両者から火花が散っている様子が幻視していたが、実際に闘志剥き出しで火花を散らしあっているのは女性二人と忍者グレートだけである。
(この二人、何処かで・・・)
「では忍者よ、先手はお主に任せるぞ!」
そんな忍者こと達也の思考を遮るように、忍者グレートは達也肩にポンっと手を置いてからリングサイドへと帰っていく。
取り敢えず今は試合が先だと思考を切り替えた達也は、静かに構えを取って対戦相手を待ち構える。
「ミヤミヤ〜、相手の闘志は十分みたいねぇ姉妹?」
「マヤマヤ〜、ならば先手はチームリーダーの私から行かせてもらうわぁ〜」
そう言ってミーティアがリングに残り、マインドはリングサイドへと下がっていった。
ミーティアは、両手と両膝を地面に付ける四つん這いという独特の体勢を取って忍者と対峙する。
『さぁ、会場は既にヒートアップ‼️ お互いのタッグチーム全員がルーキーという珍しい取り合わせだが、なんかやってくれそうな雰囲気が漂っています‼️ それでは先鋒戦、悪魔騎士団・シノビブラザーズVS新世代魔法超人軍・クローバーウィッチーズの試合、開始ぃぃぃーーーっ‼️‼️』
ゴングの音が鳴り響き、遂に魔法超人“忍者”こと司波達也のデビュー戦が始まった。
しかしその当の本人である達也の胸には、デビュー戦特有の緊張感と高揚感は全く無かった。
(親父・・・確かに、こいつらは悪魔だ)
既にクローバーウィッチーズの正体を看破した達也の胸に去来したのは、既に失った筈のどうしようもない羞恥の感情だった・・・
まだまだ続く‼️
クローバーウィッチーズの元ネタ・某時間の人達
レオ「おぉ、遂に将軍先輩のチームかぁ~」
幹比古「相手は第四高校の二年生主体の若いチームだから、この試合は貰ったかな?」
レオ「若い? じーさんいるけど・・」
幹比古「・・・あぁ、大会公式サイトに載ってるよ。なんでも、今年入学した72歳の新入生らしいよ」
レオ「・・・六十の手習いってヤツか」