どく むしタイプの人   作:カレー味を堪能して生きていく

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王蛇がみたかったから少し世界観がハード寄りです。
小説初心者なので優しく見守ってください。
なかなか一話は、ポケモン要素少なめ。


第1話

 ーーー何故だ。何故だ。何故だ。何故だッ!

 

 蛇柄のジャケットに見合う獰猛な眼光を放ち、吐き捨てるように男は一人言う。

 男の嵐の如く荒ぶる憎悪と屈辱で満たされた内心とは裏腹に辺りは、静寂に包まれていた。

 自身がいた廃舎を出ると季節を知らせる冷たい風が体を冷やすようにあたりに来る。

 静寂すらに苛つきを感じた男は、身を隠し己に照準を合わせる者に向けて歩き出す。

 

 ーーー何故だッ!何故だッ!

 

 時間が流れるほどに大きく肥大化するその苛つきを解消する為に適当に鉄パイプを拾い上げ、走り出す。

 

 「ウオォオオアアアアアアアアァッ!!!」

 

 先程の静寂とは打って変わってけたたましい音が鳴り響き男の声を上から塗り潰す。

 またまた場面が変わったように一瞬で静寂が場を支配する。

 男は苛つきではどうしようもない力により鉄パイプの落下音と憤怒しか残すことが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある泉の東の小島にて男…浅倉威は再びこの世に蘇る。だが果たしてそれは男が生きていた世界と同じであるか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………ァア″!」

 

 立ち上がり周りを見渡すと浅倉の目に入るのは草木が絡んだ廃れた建物では無く、芝生に少しの木々の生い茂る緑と地平線に見える海?湖?が広がる青色。

 

 「どういうことだ?俺は…確かにヤられた。

神崎士郎のヤツが原因か?」

 

  意識を完全に覚ました浅倉は、柄にも無く動揺する。

 それもその筈、先程自分は死刑囚として義務を警察によって真っ当させられてその後に見知らぬ景色が広がっているのだから。

 

 「……撃たれた場所が治ってやがる。それどころかアイツと遊んだ傷まで」

 

 確かにあった撃たれた感覚が蘇るがその体の現実が否定する。更には、死ぬ前のゾルダ…由良吾郎との戦いでできた傷すら無かった。

 

 (ゾルダァ……ッ!北岡のヤツ!!)

 

 浅倉は動揺により隠されていた感情をどんどん急激に取り戻していく。

 

 「……ウガァックソッ!!」

 

 近くにある木に気持ちの思うがままに拳や頭、足などをがむしゃらに打ちつける。

 

 「ーーア″?」

 

 あまりの力に少し血が出てきた頃に自身のポケットから紫色の蛇の意匠が模されたカードデッキが落ちる。

 それを拾い上げながら浅倉は笑う。

 

 「……そうだ。出てこいよォ。いるだろうォ。見せ物じゃないぜ。俺はなァ」

 

 あのときに感じたものに重なるうざったらしい自身を隠れて狙う複数の視線を感じて言葉を投げかける。

 言葉に反応して大きく茂みが揺れる。

 

 「ッヌシヌシ〜ヌシヌシ」 

「オレスシ〜」   「ヌシ〜スシ〜」

 

 「やはり此処は何処か俺のいたところとは違うらしい」

 

 茂みから飛び出すのは三匹。赤、黄、橙色と種類が入る生き物……生き物なのだがその魚の寿司を彷彿させるフォルムは普通の動物とは考えられない。

 

 ーーーミラーモンスターか?違う。俺は此処にきてから時間が経つが鬱陶しいアレがない。ということは、此処はミラーワールドではないだろう。

 

 浅倉は思考を巡らせる。

 自身が消えかける様子もないことからミラーワールドである線は消えた。

 だがそれが逆に矛盾を作り上げてしまう。目の前のモンスターがミラーモンスターならば現実世界に存在し続けられない筈である。

 自身と同じく消える様子の片鱗も見えないということはまた別の存在であるのではーーーー

 

 「そんな事はどうだっていい。俺は今、イラついているんだ。お前ら少しは楽しませろ」

 

 周辺の水面に向かって走り出しつつ、ポケットからデッキを取り出して突き出す。

 

 反射された世界からバックルが浮き上がって現実世界の浅倉の腰へと装着される。

 

 滑らかに半月を描く様に腕を曲げ、飛びつく様に勢いよく前へ出し、胸元へ。

 

 「変身ッッ!!!」

 

 バックルにデッキを装填すると姿が変わる。

 パープルを基調に金色の模様、目は黒線が六本。まるで本人の性格を表す猛毒を持つコブラが人に進化した様な姿。

 

 かつてライダーバトルで猛威を奮い、毒牙によって何人ものライダーを亡き者にした悪。

仮面ライダー王蛇が現れる。

 

 「ッアァ〜……」

 

<SWORD VENT>

 

通常よりも太く、ドリルの方が正しくもあるサーベル型の剣、ベノサーベルをモンスター目掛けて振り下す。

 

 対してモンスター…シャリタツ達は避けつつも技を王蛇目掛けて放つ。

 「「スシーーーーーッ」」

 

 <<だくりゅう>>

 

 「フンッ」

 

 ベノサーベルを盾にして水の勢いを殺しつつ、飛び上がり斬りつける。

 

<だくりゅう>

が、もう一匹のシャリタツがそれを阻むように狙い撃つ。

 それもすかさず王蛇は先程のようにベノサーベルを盾にして勢いをーーー 「ー何ッ!!」

ーー殺す事ができずに木に叩きつけられる。

 

 一度目のだくりゅうは防げたが王蛇が二度目のだくりゅうを完全に受け止めきれ無かったのは、「特性」により水タイプの攻撃を喰らい特攻が上がっていたのだ。

 

 「少しはイライラが消えた。こうじゃなきゃなァ戦いってもんは!ッハアァッ」

 

 叩きつけられることなど気にもせず無傷の王蛇は、もう一度走り出し、斬りかかり当てる。

 

 「スッスシ」

 

 「どうしたァ!?仲間がやられちまうぞォ」

 

 やられたシャリタツを見て仲間のシャリタツは激昂にかられる

 

 「「!!?スシ〜ーーーースッ!!」」

 

 <<だくりゅう>>

 

 「ハッ所詮はモンスターか、頭が足りないな」

 

 <ADVENT>

 

  「シャァ〜ァアッ!!」

 

 王蛇は、バイザーにカードを挿し込むこと効果を発動させる。シャリタツの後ろの水面から紫色の王蛇の契約モンスター、ベノスネーカーが出現し、その巨大で畝りながら体当たりする。

 

 「スシッィ!」

 

 目の前の敵に夢中になり王蛇の「挑発」に乗ってしまったことで予想外の攻撃をまともに喰らい大ダメージをシャリタツは受ける。

 不運は始まる。三匹は大きな隙を大きく恐ろしい捕食者に晒してしまった。

 

 <FINAL VENT>

 

 王蛇は飛び上がり足を開く。そしてベノスネーカーの毒の勢いとともにシャリタツ達にその恐怖は向かう。

 

 「ハァアッ!!!」

 

 三匹ともに捕食者が咀嚼するように足を上下にバタつかせ押し潰し、吹き飛ばす。

 着地する王者の背景には大きな爆発が弾き起こる。

 

 「あんなちっこいヤツでも少しは楽しめた。」

 

 爆発に伴ってできた砂埃からは三つの光り輝くもの、生命エネルギーが宙に浮いて出てくる。

 

 「ほォ、アイツらからも獲れるのか。オイ、アレ食っていいぞ」

 

 水面から追加で二体の契約モンスター、甲冑を装備したようなサイに似たメタルゲラスとピンク色のありえない程巨大なエイに似たエビルダイバーが待っていたと言わんばかりに飛び出す。

 それを不服そうにベノスネーカーは見つめながらも全員でエネルギーに飛びかかり、再び満足げに帰っていく。

 

 モンスター同様、満足したのは浅倉も一緒で一息つくためにデッキに手を伸ばし変身を解く。

 

 「………オォ」

 

 ようやく晴れた砂埃の中に浅倉は興味深いものを見て感嘆の声を漏らす。

 さっきまで戦っていたシャリタツ達が動かなくともあの攻撃を受けて、完璧にトドメを刺したと思っていたが原型を留めていたのだ。

 

 「……ーッスシィ………」

 

 近寄ってみてみるとまだ息があるではないか。なかなかに浅倉は意外なものを見たと思うと同時に、次モンスターに会った時はもっと本気でやろうと要らない思いを巡らせる。

 

 「コイツらは今日の飯だな。美味そうだ。」

 

 早速、浅倉は弱っている「瀕死」のシャリタツに腕を振り上げる。

 

 「辞めておけ」

 

 何処か冷たい話し方に懐かしさを感じさせる人物が声を掛けてる。

 此処で目覚めてから初めて出会う人間が不意に話しかけてきたことに浅倉は、特に何も抱かない。それは浅倉にとってすでに予想していた人物だからだ。

 

 「やはり現れたか、神崎士郎」

 

 「…………」

 

 浅倉の言葉が聞こえているのかいないのか。

神崎は無視を決め込み話し始める。

 

 「…この世界に本当はお前は存在していけない。だから、この世界が産んだ生命に決定打を与える事ができない。それ以上は無駄になるだろう」

 

 「どういう意味だ。俺に殺せないとでも?試してみるか?」

 

 止めていた振り上げられた腕を思いっきり浅倉はシャリタツに向けて振り下ろす。

 そして今日の晩御飯になる筈だった。

 

 「何ッ!」

 

 突如、シャリタツに振り下ろした腕が何もない空間で突然弾かれる。

 

 「だから言っただろう。お前はこの世界にとってイレギュラーだと。戦いで死ぬのはお前だけだ。これがお前にとって喜劇ととるか悲劇ととるかは勝手にしろ。まぁ、生きているだけで喜ばしいことと思え。」

 

 「お前が何かしたのかァ?」

 

 「さあな。だがお前のような奴に二度目の人生を与えるなど俺がする筈が無いのは確かだ」

 

 「お前、やはり人をおちょくるのが上手いな。さっきまでの気分が泥に変わっちまったよッッ!!」

 

 少し皮肉混じりで質問からズレたことを言う神崎に浅倉は殴りかかるが神崎は余裕を見せつけるように正面から受け止める。

 

 「必要最低限な事は伝えてやった。あとは、好きにするんだな」

 

 そう最後に言葉を残してまるで最初からいなかった幻のように神崎は消えていった。

 残された浅倉はイラつかせるだけ消えていった人物にその心を解放するようにまたもや、木に当たり始める。

 

 「いいだろォオ!精々楽しませてもらうぜ」

 

 その目はまさに野に解き放たれた血に飢えた獣であった。

 

 

 

 

 

 

 

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るいせん への こうかは ばつぐんだ
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