ドキプリ世界で蒐集家   作:大きいお友達

2 / 21
第二話「本と剣」

 トランプ王国は無事に滅びる事となった。住民の大半がジコチューとなり、今では荒廃した王国を飛び回っている。自らが王国の敵となり、その復興を邪魔している。皮肉だな。

 ああ、それとプリキュアが予想外にも結構存在した。まるで一部隊の如き数だが結局ジコチューの敵ではなかったようだ。まぁ、プリキュアはジャネジーを浄化できるらしいがそのたびに必殺技で対処しないといけないらしいがそんなことをしていれば圧倒的な物量のジコチューに対処できなくなるのは当然だ。結果、半数くらいはジコチューになったが残りは俺の養分となってもらった。

 本来、闇の書は魔力を蒐集する事しかできないがこの神様仕様の闇の書は違う。対象()()()()()()()()()()()()()()。つまり、蒐集したプリキュアは骨の髄まで物理的に消え去ったというわけだ。紫髪の時のように蒐集するだけ蒐集してジコチューにするのもよかったんだがなんとあの後回復して逃げられたらしい。故に今ジコチュートリオと命名した幹部三人がその捜索に地球に向かったらしい。つまり、物語の始まりという事だろう。

 だが、逃げられたために蒐集は徹底的に行う事にした。命は助ける? ジコチューとなるのと変わりはないだろう? 別に興味が惹かれる奴等でもなかったしな。特徴すら覚えてねぇし。

 

「ナハトヴァール。プリキュアの力は解析できたか?」

【もちろんです。蒐集した分だけですが使用も可能です】

「よろしい。使用する機会があるかは分からないがな」

 

 ぶっちゃけジャネジーと相性悪いし使う事はないだろう。プリキュアの力を使わなくても他で代用は可能だ。それに、あまり使うとジコチューの首魁であるキングジコチューに疑心を持たれそうだしな。

 ああ、そのキングジコチューだがトランプ王国の王女によって封印されたらしい。草。

 まぁ、あんだけ強いのに封印されるという事はこの国の王女は結構強いという事だろう。もしかしてプリキュアだったのかな?

 

「ふむ、この国も中々」

 

 そして、住民がいなくなったトランプ王国は俺が管理することとなった。今はジコチューに指示を出してリフォームの真っ最中だ。別に何かしたいわけではないが悪の組織らしくトランプ王国という国を凌辱するように変貌させるつもりだ。

 荒廃した姿も乙な物だが全く違う文化にしてしまうのも良いと思ってな。そんなわけでイスラム風の建築物から近代ヨーロッパ風にしている最中だ。偏見かもしれないがやはり文化を踏み荒らすと言えばヨーロッパだろう。

 

「まぁ、ヨーロッパなんてどんな感じか知らないし日本の建築物でも立ててればいいだろう」

 

 うむ、こんなことなら海外旅行でもしてみるべきだったかな? ああ、でも自由の女神でも建ててみるか? あれはアメリカだがヨーロッパと対して変わりはないだろう。

 

「しかし、まさかいきなりキングジコチューが封印されるとはな。これはある意味では予想外だった」

 

 別にキングジコチューは弱いわけではない。ジコチューを束ねるだけあって実力は確かだ。だから俺はここにいるわけだし、基本的に逆らうことはしないんだがな。

 

「まぁいいさ。俺は何処だろうと、どんな状況だろうとやる事は変わらない」

 

 もっとたくさんの力を、能力を、蒐集する。そのために今の俺は生きているのだから。

 

 

 

 

 

 キュアソードこと剣崎真琴はトランプ王国の崩壊から命辛々逃げ出すことに成功していた。しかし、その代償としてともに脱出したはずの王女とは離れ離れになり、慣れない地球での生活に苦労をすることとなっていた。

 それでも短期間で芸能界入りを果たし、歌姫として活躍できるようになった現在では安定した生活基盤の確保に成功し、来るジコチューとの戦いに備える事が出来るようになっていた。

 

「あのジコチュー……」

 

 そして、余裕が出来たからこそ思い出す頻度が増えているのがキュアソードとして敗北し、力を吸い取ってきた相手の事である。敗北は悔しいがプリキュアになって僅か1月の身としては善戦した方であり、いくつものジコチューを浄化していた。

 だが、まさか手も足も出ない上に力まで吸い取られるとは思いもしなかったのだ。幸いにも時間がたてば力は戻ってきた為に問題はないが今のままではまたやられてしまうだろう。

 

「真琴? 大丈夫?」

「え? ええ。大丈夫よ……」

 

 ぼーっとしていたせいだろうか。マネージャーとして真琴を支援してくれている妖精のダビィが人間の姿で心配そうに尋ねてきた。真琴が芸能界でやっていけている理由の一つに彼女の献身的な支援があるからこそであり、真琴にとってはとても大切な存在だった。

 

「あの時のジコチューを思い出していたのよ」

「っ! ……あれは本当に危険な存在だったわ」

 

 他にも見かけた幹部らしきジコチュー。それすらあれとは比べ物にならないと実際に対峙したからこそ感じる底知れない不気味さに真琴の表情はどんどん曇っていく。トランプ王国を崩壊させたジコチューが人間界にまで手を伸ばさないはずがない。キングジコチューを封印した女王だって離れ離れになったが人間界に逃げてきているのだ。追いかけてくるのは当然といえた。

 

「真琴。今は出来る事をしましょう。それが一番の近道よ」

「……そうね。ごめんなさい。どうしても考えてしまって……」

 

 あの時の無力感、そして痛みは今も目を閉じれば真琴は思いだすことが出来る。一種のPTSDになりかけているといっても過言ではないがそれでも真琴は留まるつもりはない。いずれ必ずジコチューを倒しトランプ王国の復活を……。

 

「ダビィ。次の仕事は何?」

「次はクローバータワーでイベントがあるわ。クローバータワーは人気の施設だから人が多いと予想できるから気を付けて頂戴ね」

「分かったわ」

 

 そして、そこで新たな出会いがあり、物語が始まる事となるがまだ誰も知らないのであった。

 

もし続編を出すならどのプリキュアが良い?

  • ハピネスチャージプリキュア!
  • 魔法つかいプリキュア!
  • キラキラ☆プリキュアアラモード
  • HUGっと!プリキュア
  • ひろがるスカイ!プリキュア
  • 小説版ドキプリ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。