ドキプリ世界で蒐集家   作:大きいお友達

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第二十話「ドラゴン狩り」

「さてと。まさかこれを使用する最初の相手がドラゴンになるとはな」

 

 男はそう言って取り出したデバイス、ナハトヴァールを楽し気に眺めた。黒い宝石にいくつもの蛇が巻き付いた形をしたデバイスは試運転以外で使用したことはなく、男にとって初めての実戦での使用という事になった。彼としても目の前のドラゴン、1万年前のプリキュアたちのパートナーであったメランで使う事は完全な予想外であり、強さのピークに達したプリキュア相手に使用すると想定していたのだ。

 

「まぁいいさ。さぁ、行こうかナハトヴァール。セットアップ!」

『貴様……!』

 

 男の全身を黒い蛇が包み込む。邪気すら感じる蛇たちは男の鎧となるバリアジャケットとして姿を変えていく。それはまさに闇の王と呼ぶにふさわしい姿だった。

 

「ふむ、無事に起動できたようだな。特に問題ないも感じられない」

 

 男の姿は悪魔と簡潔に言える程禍々しい姿をしていた。黒いジャケットにズボン、青っぽい黒いコートを着込み、背中には漆黒の翼が3対生えていた。左腕には仰々しいパイルバンカーを装備していた。

 

「さて、それじゃドラゴン退治といくか!」

『貴様……、その力、一体……!』

 

 男の不気味さにメランが警戒していると男は転移魔法を発動した。一瞬で行われるそれにより男はメランの後方に飛ぶと左手を背中にたたきつけた。パイルバンカーが装備された左腕で攻撃したためにナハトヴァールのデバイスが作動。杭が撃ち込まれ、メランの背中を中心に衝撃波が全身に襲い掛かった。

 

『がっ!? こ、れは……!』

「ほらほら! 硬直する余裕なんてないぞ!」

『ごっ!』

 

 今度は転移魔法で正面に回ると先ほど放たれた場所のちょうど反対側、腹部にパイルバンカーが再び放たれる。両方からの衝撃にメランの骨は軋み、肉は震えた。内臓からはかつてない程の痛みを感じ全身は衝撃波でまともに動けなくなる。

 あまりの事にメランは飛ぶことさえままならなくなったがそこを男は追撃する為に翼を掴む。全体重が翼にかかり、ミシリ、と嫌な音が聞こえてきた。

 

『ぐっ!』

「へぇ? 肉体強度も可なり高いな。地球においては最強なんじゃないかな? まぁ、俺にも、キングジコチューにも遠く及ばないがな」

 

 男は冷たく嗤いながら翼を以てメランを振り回す。翼の付け根から皮膚がちぎれ、血が噴き出すのを確認した男は渾身の力でメランを島の方に大きく振り回した。瞬間、メランの片側の翼は根元からちぎれ飛び、支えを失った事で島にたたきつけられるように落下した。

 

『……』

「これでお前は飛行能力を失った。だがまだ戦えるだろう? 目を回してもいないようだしそろそろ反撃してきたらどうだ?」

『っ! 言われるまでもない!』

 

 翼を失った事による痛みに耐え、メランは漸く反撃と言わんばかりに火炎放射を放つ。それはあらゆる生命を一瞬で焼き殺す必殺の一撃であったがあまりにも単調すぎた。

 

「おいおい。これならまだプリキュアの方が面白い攻撃をするぞ」

 

 男はプロテクションを発動。男を守るように球体が発生し、その周りを炎が通り過ぎていくが男には一切のダメージを与える事が出来ていなかった。男がこれまでに収集したエネルギーは莫大であり、それらを魔力に変換している。それらをこの戦いではふんだんに使用しており、当然ながらこのプロテクションにも膨大な魔力が使用されていた。拡散する炎では貫通力が足らず、突破する事は不可能な強度となっていたのだ。

 

「炎というのはこういう風に工夫して初めて強いんだよ!」

 

 男は魔力を炎に変換し、それをコントロールして槍の形状にするとそれを思いっきりメランに向けて放つ。メランは咄嗟にバリアを展開するも身体強化された事による圧倒的なパワーと高度からの落下、更にスピンをかける事で放たれたその槍は本来はプリキュアですら必殺技で何とか抜く事が出来たメランのバリアを軽々と貫通し、深々と腹部に突き刺さった。

 熱を持つそれに肉が焼かれる痛みを味わうもそれだけでは終わらなかった。即座に槍は爆発するようにそのエネルギーを増し、刺さった個所からメランの肉体を燃え上がらせた。

 

『ぎっ! ああぁぁぁぁぁっ!!!』

「はははっ!!! やっぱ内側から焼かれるのは辛いよな!」

 

 激痛で悲鳴を上げるメランを見て男は笑い声をあげる。その様子はまさに巨悪という言葉がピッタリな程であり、人間とは思えない程の狂気に満ち溢れていた。

 

「さぁ死ねよ! そうすれば楽になるんだからさ!」

 

 そしてそのまま炎の槍を数十と生み出すとそれらをメランに一斉に放つ。メランは無理だとはわかっていてもバリアを展開するがやはり槍はバリアを貫通し、メランの体に次々と刺さり、内部を焼いていく。最初に刺さった個所は炭と化し、炎の槍が抜けてボロボロとなっていた。

 

『お、のれぇぇぇぇぇっ!!!』

「おいおい。爬虫類風情が無駄に粋がるなよ。大人しく死んでおけよ!」

 

 咆哮を上げるメランに男の顔は歪み、怒りを含んだものへと変化していった。そして、止めを刺すべく炎の球体を作り出した。それはメランの巨体をはるかに超えるものであり、彼女が住んでいた島を覆いつくす程の大きさであった。

 

「ああ、くそ! イライラする! くそがっ! 死ねよ! 炭すら残さずに消え去れよ!」

 

 男は怒りのままに球体をメランに向けて放つ。最早逃げる体力すら残っていないメランはその炎を避ける事も出来なかったが何かを思い立ったように最後の力を振り絞り逆に炎に向かって飛び込んだ。

 そして、メランに当たった瞬間に炎の球体は大爆発を起こし、島は炎に包み込まれた。その熱量は遠く離れたマキにも感じられる程であり、その熱に気づいたマキは驚愕の表情を浮かべていた。

 

「父さん……!? まさかここまでの力を持っているなんて……!」

 

 驚愕の表情を浮かべたマキは段々と神を見る狂信者の如き笑みを浮かべるようになっていた。その目には圧倒的な力を持つ恐ろしい人物の姿はない。ただただ強い力を持つ父への愛情だけが映し出されていた。

 

「ん? どうやらお呼びではない客が来たようですね」

 

 そんな父に目が言っていたマキだが飛ばしたサーチャーにこちらに向かってくる飛行反応を確認した事で直ぐに正気に戻り、バリアジャケットを展開。戦闘準備を整えると反応がした方に向かって飛んでいくのだった。

 

もし続編を出すならどのプリキュアが良い?

  • ハピネスチャージプリキュア!
  • 魔法つかいプリキュア!
  • キラキラ☆プリキュアアラモード
  • HUGっと!プリキュア
  • ひろがるスカイ!プリキュア
  • 小説版ドキプリ
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