ドキプリ世界で蒐集家   作:大きいお友達

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第三話「トランプ王国にようこそプリキュアさん その1」

「珍しいな。ジジィがこんなところに来るなんてな」

 

 俺はこの日、珍しいお客を迎えていた。キングジコチューの配下で現在は人間界に侵攻しているジジィだ。名前は……どうでもいいか。

 

「ジジィではない。ベールだ。……まぁいい。プリキュアが4人に増えたことは知っているな?」

「知るか」

 

 何を言っているんだ? 俺はここから出たことはないぞ。そっちの様子なんて知るわけないだろ。知る必要もないしな。

 

「だがその様子だと何かあったのか?」

「ああ。プリキュアたちをここに送り込んだ。ここなら大量のジコチューに加えてお前もいるからな。その力でプリキュアを倒せ」

「……成程な」

 

 つまりお前らでは倒せないからこちらに尻拭いをさせたいわけか。ジコチューらしいクソみたいなやつだな。別に構わないがな。プリキュアが増えたという事は物語が始まったとみていいだろう。つまり、主人公が来ているわけだ。主人公というだけあって蒐集出来る力も桁違いだろう。プリキュア本体は……、女児アニメだし年齢は低めだろう。ロリは興味ないし肉体事蒐集してしまえばいいか。

 

「分かった。ならば後は俺に任せてお前は戻れ」

「そういうわけにもいかん。こちらに送り込んだ以上万が一を考えて俺は鏡を目の前で破壊して心を折るつもりだ」

 

 鏡……。ああ、転送装置の役割を持つあれか。個人的には割られるのは困るな。というかこいつと一緒に居たくないしご退場願うか。

 

「故にお前は……、って聞いているのか?」

「問題ない。その辺の事も俺で対応しよう。お前は帰れ。邪魔だ」

「あ? これは俺の功績だ。横取りは……」

「功績とかは興味ない。うまくいけばお前の手柄に、失敗すれば俺の責任にすればいいだろ。邪魔だ。帰れ」

「……そういう事なら仕方ない。だが、必ず成功させろ。プリキュアが人間界に戻ってくるようなら、覚悟しろよ?」

「はん! 貴様に指図されるいわれはねぇな」

 

 流石は野心家ジジィ。ジコチューの中でも中々厄介な奴だな。まぁ、それでも実力に差があるから問題ないけどな。

 さて、ジジィを人間界にクーリングオフしたしくだんの鏡を見てみるか。確かあの鏡を使用して紫ロリが人間界に逃げたんだったな。よし、意地悪をしてみるか。そうなればさっさと準備をしないといけないな。フヒヒ、プリキュアたちの反応が楽しみだ。

 

 

 

 

 

 トランプ王国の王都、そこはジコチューの巣窟と化しており人間は一人として存在していなかった。そのはずだったがとある一角に4人の少女の姿があった。彼女たちは地球の住人で、とあるきっかけからプリキュアへと変身する能力を身に着けた者達だった。生徒会長をしておりリーダー的存在の相田マナ、その幼馴染で頭脳明晰な菱川六花、お嬢様であり、プリキュアの活動をバックアップもしている四葉ありす、そしてトランプ王国最後の住人である剣崎真琴。

 彼女たちはジコチューの一人であるベールの能力でこの世界に送られてしまっていたが先ほどから真琴の様子がおかしいことを3人は心配していた。

 

「まこぴー、大丈夫?」

「……」

 

 心配そうにマナが話しかけるがそれに応える事はなく、彼女は3人に背中を向けたまま王都の街並みを見ていた。

 国が崩壊した割にはきれいな建築物が残っているが町全体を見れば混沌としか言いようがない状態にあった。もともと、この街は水が流れるイスラム風の建築物であふれていたがそれらは半分以下にまで減り、代わりに日本家屋やヨーロッパ風の建築物が無造作に建てられており、美しさはみじんも存在していなかった。更に自由の女神を模したのかでかい銅像も建てられているがそれもまた酷かった。右手には剣先が十字に分かれた杖とも槍とも呼べる武器を持ち、左手には生首だけのジコチューが不気味に揺れていた。

 そしてそんな街を無数のジコチューが飛び、駆け、泳いでおり、まさに悪夢としか言いようがない風景となっていた。

 

「……もともと、トランプ王国はとても美しい街だったわ。崩壊した時は瓦礫ばかりで酷かったけど、これは、これはあんまりよ……!」

 

 気づけば真琴は涙を流していた。国を失い、辛くも逃げ出したが王女とははぐれ、聞いてくれると信じて歌を歌い続けるしかできず、ようやく戻ってこれたと思った祖国は凌辱の限りを尽くされている。真琴の心はボロボロになっていた。

 

「……まこぴー!」

 

 ふと、マナは真琴を後ろから抱きしめた。突然の事に驚く真琴に対してマナは続けた。

 

「ジコチューを必ず倒そう。王女様だってきっと見つかる」

「……でも」

「大丈夫! 1人では無理でも4人でなら見つけられる! そうすればジコチューを倒せる方法が見つかるかもしれないし、トランプ王国だって復活させることが出来るようになるはずだよ!」

「……マナ」

 

 こんな状況でもめげないマナに、真琴は安心感に包まれるのを自覚し、心を落ち着かせた。

 

「……ありがとう。そうね、きっと見つけられる。そしたら、今度はこの街を……」

 

 今はジコチューの隙にさせるけど何時までもそうはさせない。真琴はそう決意を固め、改めて町の姿を目に焼き付ける。これだけの冒涜を許さないと言わんばかりに。

 

 

 そして、そんな少女たちの様子を終始紫の光の球体が見張っていたことに終ぞ気づく事はなかったのだった。

 

もし続編を出すならどのプリキュアが良い?

  • ハピネスチャージプリキュア!
  • 魔法つかいプリキュア!
  • キラキラ☆プリキュアアラモード
  • HUGっと!プリキュア
  • ひろがるスカイ!プリキュア
  • 小説版ドキプリ
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