ドキプリ世界で蒐集家 作:大きいお友達
「はぁっ!」
変身を終え、最初に仕掛けたのはマナことキュアハートだった。変身したことで得た高い身体能力を生かしたパンチを繰り出すも男はそれを見たうえでひょいっと避けてしまう。
「ふーん。やっぱ変身すると能力が高まるんだな」
「っ!」
男はまるで品評会を開くようにキュアハートを観察する。そこに戦闘の意思は感じさせず、ただただ不気味な感情をキュアハートに植え付けていた。
「たぁっ!」
しかし、プリキュアは何も一人ではない。キュアハートに視線を向けた隙に後方からダイヤモンドが奇襲を仕掛けた。幼馴染であり、長年キュアハートと共にいたダイヤモンドだからこそできる阿吽の呼吸での連携。
「おっと。こっちもこっちで素早いな」
だがそれも相手との力量差があれば意味をなさない。奇襲を仕掛けたダイヤモンドの体を掴むと強引に振り回し、キュアハートに投げ飛ばした。奇襲によって起きた速度を殺すことなくそのままキュアハートに投げる力に変えたそれを受け止めきれずはずもなく二人は壁に激突した。
「ハート!? よくも!」
「無理無理カタツムリ。一度負けているのによくやるよ」
壁に衝突した二人に続いて攻撃したのはこの中では最も戦闘経験の高いキュアソードだった。上空からの蹴りを繰り出した彼女だがやはり男はその一撃を足首をつかむことで防いで見せた。
「すまんな紫ロリ。お前に興味はないんだ」
「がっ!?」
そして、男はソードを掴んだまま大きく振り上げると勢いよく地面にたたきつけた。咄嗟に受け身を取るも全身に伝わる激痛に意識を失いかけるソード。そこに男は背中に足を付け力を入れる事で追撃を加えた。
「ぎっ!? あ……!」
「華奢な体だ。まぁロリっ子相手に負けるわけがないな」
「ソードから離れなさい!」
「っ!」
しかし、最後に向かってきたキュアロゼッタの一撃は男も目を見開き、驚きで大きく飛びのいてしまう。というのもロゼッタは幼少期より様々な武道を極めており、純粋な格闘戦にいて4人の中で最も高い存在だった。流石の男もその一撃は脅威と見なす程の実力を持っており、ソードの上から退かざるを得なかった。
「厄介な……!」
「っ! カッチカチのロゼッタウォール!」
そこで男は腕からビーム、現状において彼しか使えない魔力と呼ばれるものを純粋に出す遠距離技を放った。狙いを未だ動けないソードに向けて。当然ロゼッタは防御の体制に入り、技を繰り出すがそれだけでは足りず、防御は失敗し、二人は爆発に巻き込まれる事となった。
「だがプリキュアとはいえこの程度でやられるはずはない。そこの二人のようにな」
「くっ!」
「はぁっ!」
更なる追撃を仕掛けようとする男を止めるべく回復したキュアハートとダイヤモンドが襲い掛かるも二人がかりの連打を男は余裕の表情でさばいていく。止め、受け、流す。能力任せの素人パンチは男の前に完全に捌かれダメージどころか一歩さえも動かすことが出来ていなかった。
「ほらよ!」
「あっ!」
「ハート!」
そして、隙を突いてハートを引っ張り胸元に寄せ、ダイヤモンドの攻撃の防御に使用した。突如として割り込まされたハートにダイヤモンドは直ぐに止まれずに彼女の背中にパンチを当ててしまう。幼馴染に攻撃をしてしまったという事実はダイヤモンドを硬直させるのには十分であり、敵を目の前に明確な隙を作ってしまった。
「絆は素晴らしいと思うがこういう時には足を引っ張るな。いや、普通の人間なら硬直するか?」
「あぐっ!」
「きゃぁっ!?」
男はキュアハートの腕をつかんだまま彼女を武器にように振り回し、ダイヤモンドのわき腹にめり込ませる。硬直したダイヤモンドは防御や回避を取れず、大きな一撃を受けて再び吹き飛ばされた。当時に、振り回されたキュアハートもダイヤモンドと接触した箇所に大きなダメージが入り、痛みで表情が歪んでいた。
「聞いたところによると戦いは素人なんだろう? それでもプリキュアとしてよくやっていると思うぞ? まぁ、相手が悪かったと思うんだな」
「そんな……」
これ以上の戦闘は無意味だと男は光る鎖を生成してキュアハートを縛りつけ、鎖の先を地面に縫い込んだ。引っ張られたキュアハートは正座した状態で身動きが完全に取れなくなり、事実上の戦闘不能状態に至ってしまった。
「先ずは一人目だな。次は……」
「ハートを返しなさい!」
一人が脱落し、次のターゲットを選んでいると漸く動ける程度にはなったらしいソードがふらつきながらも彼と相対した。隣には同じくボロボロになったロゼッタもおり、男はプリキュアの頑丈さに感心した。
「意外とタフだな。だが、黄ロリの方はともかく紫ロリは満身創痍だろう? 大人しく眠っておけ」
「っ! 誰が……!」
しかし、そう返すと同時に男の姿は消えており、同時に二人の背後に気配が移っていた。ソードは振り向き、ロゼッタは咄嗟に防御の構えを取った。
「いっ!?」
「きゃっ!?」
そんな二人を両腕のラリアットで叩きのめす男。無防備にも晒したクビに一撃を受けた二人は一瞬で意識を奪われ、キュアハートの近くに吹き飛ばされた。
「っ! ソード! ロゼッタ!」
「青ロリも気絶したようだしこれで全滅だな」
倒れ伏す二人の名を必死に叫ぶキュアハートの下に先ほどの一撃で気絶したらしいダイヤモンドが無造作に置かれる。プリキュアに変身できるようになり、日が浅いとは言え初めての敗北。その事実にマナの表情は硬くなる。3人は気絶し、唯一覚醒している自身は身動き一つ取れない状態で捕まっている。まさに詰んだ状況。
「さて、今のうちに捕縛捕縛っと……」
「っ!」
そして、この状況を作り出した男はキュアハートの隣に気絶した3人を並べて同じように拘束していく。プリキュアの初の敗北。それはどうしようもない程の強大な敵を前に発生したのだった。
もし続編を出すならどのプリキュアが良い?
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