日本国自衛軍 作:ストライクフランカー
中央歴1639年4月25日 マイ・ハーク港
既にロウリア王国との戦争が始まり、ギムが占領され、次はロウリア海軍の大船団の襲撃が予想されるにも関わらずクワトイネ海軍側は何も準備をしていない。
理由は同盟を結んだ日本国に今戦争の指揮権を公国が完全に委ねた事にある、まず日本国の命令として国境沿いの住民は自衛軍の戦闘による巻き添えを防ぐ為という理由で全員避難させられ、クワトイネ軍は避難誘導のみ行うように指示した、これに対し公国側の軍部は不満を漏らしたが日本国はカナタ首相に圧力をかけて黙らせた
「全くもって上は何を考えているんだ、同盟を結んだ国と共に戦うのならば分かる、しかし自分達は何もせずに同盟国に丸投げだと?」
「まあ、あの鉄龍を飛ばしてきた日本国の事ですから何かしらの策があるのでしょう」
見事に不満しか無いですという顔で愚痴を漏らすパンカーレ提督にブルーアイがそう言う
「四千を超える艦隊に策でどうにかなるとは思えんが……しかし、観戦武官の件は本当に良いのかね? 君はまだ若いし、才能も有る。辞退するなら今からでも」
「いえ、私に行かせてください提督、剣術の腕前で私の右に出る者はおりません、何かあっても必ず生きて戻ります」
「本当にすまない、頼んだぞ」
「はっ、お任せ下さい……そんな今生の別れみたいな顔をしないで下さい。そんなに死んで欲しいんですか?」
「いや別にそう言う訳では」
パンカーレの敬礼に冗談を交えて返すブルーアイだが、彼としては本当に死ぬつもりなど微塵も無い、根拠は無いが何故だか生きて帰れると思っている
そして数時間後
ブルーアイは目を疑った
沖合に見た事も無いような巨大な船が見えたと思ったら、横に竹とんぼを2つ取り付けた翼を持つ長方形の鉄の箱がこちらに飛んで来たのだ
ブルーアイは驚きながらも迎えに来たCMV-22B「オスプレイ」に乗り海上自衛軍第1艦隊の旗艦に降り立つ
「な、何なんだこれは? ……本当に船なのか?」
まるで騎馬戦が出来てしまうのではないかと思う程の広大な甲板で呆然と立ち尽くす
「どうですか? ブルーアイさん、乗艦してみての感想は」
「すごく……すごく……大きいです」
艦隊司令
「そうでしょうとも、この艦ほど巨大な艦艇を保有しているのは現在のところ我が国と前世界での同盟国のアメリカ合衆国位のものですからね」
海上自衛軍第1艦隊所属 出雲型原子力空母1番艦 「出雲」
老朽化著しい伊勢型航空母艦を更新する為に建造された海上自衛軍初の原子力空母で70~80機の航空機を運用可能であり、満載排水量10万トンオーバーと帝国海軍の末裔たる海上自衛軍の欲望を100%満たしてくれる、ニミッツ級に匹敵するスーパーキャリアである。
「そ、そうなんですか……あ、あの! あれは一体何なのでしょうか?」
「ああ、あれですか」
ブルーアイが指す方をみると点検中の艦上機がある
「あれは前世界では世界最強と呼ばれていたF/A-1艦上戦闘機 紫電です」
紫電が最強と呼ばれているのはアメリカ海軍がかつて運用していたF-14 トムキャットをベースとしたマルチロールファイターであるからだ。
そのままF-14を採用せずベースとしたのは、海上自衛軍の懐事情としてアメリカ海軍のようにF-14とF-18の2機種を採用する訳にはいかず、気象の荒い日本海で空母を運用する為可能な限り艦内に機体を格納する方針でその分運用機数が減るのをカバーする為、1機種で戦闘も攻撃もこなせるマルチロールファイターを欲した為である
決して日米貿易摩擦と日本の金でF-14を改良しようと目論んだ米海軍の思惑によりアメリカ側から圧力がかかったからとかそういう情けない事情では無く、変に意地を張って完全独自開発するよりも、現存する優秀な物をベースにした方がコスト・性能の面から見ても優れているのは確定的に明らかであって当時の海上自衛軍上層部の判断は後世から見ても英断であったと言えるだろう
その証拠にF/A-1「紫電」はパッと見F-14に酷似しているが中身は完全に別物の国産戦闘機であると言えるだろう。
国産ジェットエンジンNE-5を搭載し、整備性に難のある可変翼は採用されず数年後にF-2戦闘機にも採用された複合炭素繊維素材とストレーキの組み合わせにより、F-14では不可能なフランカーシリーズめいた高い運動性と優れた整備性を実現した。
決してアメリカ側の政権交代によるフライトソースの開示拒否とお前達には無理だからとアメリカ製エンジンの使用を推奨されたのが気に食わなくて意地で開発したとかそういう理由では無く、合理的な取捨選択の末にたどり着いた決断である。
採用後も国産AESAレーダー、デジタルフライ・バイ・ワイヤ、三次元推力偏向ノズル、CFT、新型コクピットシステム、ハードポイントの増設・強化等々の日本人お得意の度重なる魔改造により、ステルス性以外ならF-22やF-35をも上回るキチガイ戦闘機となってしまったのである
そして誰もが知るあの映画の2作目に主人公の愛機として登場した際には視聴した元パイロットが「あんなHENTAIウチにいねーよ!」と叫んでしまう程である
ASM-3なら6発、AAM-4なら16発、2000ポンド爆弾なら6発搭載し、対地・対空・対艦全てを高い次元でこなし、航続距離3000kmを優に超える優秀な傑作機を変態呼ばわりされるのは誠に持って遺憾の意の極みである
閑話休題
「な、なるほど。コレが日本国の誇るの鉄の飛竜、いや戦闘機でしたか。そのような戦闘機を何十機と搭載出来るのであれば一見して武装の無いように見えるこの艦が主力艦というのも頷けます」
「もちろんこの艦だけが主力という訳ではありませんがね」
「そうなんですか、……そ、それではこの空母に次いで巨大なあの先頭にいる船は一体? 見た所この空母とも他の艦とも違う様ですが」
ブルーアイの視線の先には原子力空母「出雲」よりは一回りも二回りも小さいが迫力ならば負けない巨艦が見える
「あれは我ら海上自衛軍のみならず、国民からも親しまれている長門型戦艦の1番艦、長門です」
妹である陸奥と共に第二次世界大戦だけではなく、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争をも生き抜いた歴戦の古強者である
戦後の度重なる魔改造により、アイオワ級が退役してからは世界最大級の水上戦闘艦となっている
基準排水量45000トン
全長250m
全幅36m
統合電気推進システム
速力35ノット
乗員500名
武装
55口径41cm三連装砲塔4基
127mm速射砲4基
20mmCIWS10基
SeaRAM6基
短魚雷発射管4基
Mk41VLS 128セル
そのあまりの魔改造ぶりは、もはや長門型の皮を被ったナニカとしか言い様がなく、一説によると戦艦が簡単に沈まない映画に出演しなかったのは、ハリウッドに浸透し始めた中国資本の影響であると言われている、事実その説を裏付けるかのように、中国の脅威が明らかになり始めた2020年代からは紫電が出演した映画やハリウッド版の怪獣王の映画には所々カメオ出演しており現在も有力視されている
閑話休題
「なるほど、そんなに強い艦なのですね」
「ええ、ですのでブルーアイ殿はなんの心配もする必要はありません、さぁ今日はもう驚き疲れたでしょうし、ごゆっくりお休み下さい」
翌日
「うむ、実にいい景色だ美しい」
見渡す限り、海を埋め尽くさんばかりの4400隻の大艦隊である、これならパーパルディア皇国をも征服できるのではないかと野心が燃えるがすぐにパーパルディア皇国には船ごと破壊可能な砲艦というものの存在を思い出し、理性で野心を打ち消す
気を取り直して東の海を見据えると何かが飛んでくるのに気付く
野生の飛龍.? いや違う何だあれは?
虫のような金属の物体―MQ-8ファイアスカウト―がこちらに飛んでくる
「こちらは海上自衛軍である、あなた方の侵略行為は認められない、直ちに引き返しなさい。繰り返す──」
無人の飛行物体からは人の声が聞こえる
やがてそれに矢が射られるとすぐにそれは東の海へ飛び去って行った
結局アレは何だったのだと考えた次の瞬間
ドオォンッッ!!
目の前に巨大な火球が出現したかと思ったら次の瞬間には見上げるようなキノコ雲が発生していた
長門艦橋
「す、凄いぞ.なんて破壊力だ、何隻もいっぺんに吹っ飛んで燃えている」
長門に移乗したブルーアイは無人機から送られてくる映像を観ていた
ベトナム戦争でも猛威を奮ったサーモバリック砲弾の破壊力は凄まじく、ロウリア王国海軍の大艦隊はみるみるうちに数を減らし、このままのペースでいけばあっという間にロウリア王国海軍は
するとレーダー上に無数の光点が発生する
「艦長、本艦へ向け総数350の飛行物体が接近中、敵の航空攻撃と思われます」
「350もかね、ん〜〜? あぁワイバーンとかいうあのトカゲか、我々だけが活躍するのも良くないからね、うん予定通り艦隊司令に報告して航空隊の連中に頼もう」
長門の艦長、
洋上迷彩の似合う空対空仕様のF/A-1「紫電」が編隊を組んでロウリア軍飛龍部隊迎撃に向かう
「俺さ、弱いものいじめって良くないと思うんだ」
「大丈夫、コレただの害獣駆除だから、相手トカゲだから」
「いや人乗っとるんですが」
「悲しいけどこれ戦争なのよね」
「いや、まあそうなんだけども」
2人のパイロットがふざけている間に射程圏内にワイバーンが射程圏内に入る
「ハスキー01フォックス3」
「ハスキー02フォックス3」
目標が重複しないよう割り振られた目標へAAM-4Cが超音速の運動エネルギーと炸薬の化学エネルギーを抱えて殺到してゆく
亜音速にも届かず、電子妨害もチャフもフレアも無いワイバーンに、巡航ミサイルすら撃墜可能な威力を秘めた
300を超えるワイバーンの大群を全
海将シャークンは絶望していた
敵の魔導攻撃が始まった時はどうせこんな大魔導、そうそう連発は出来まいと思い、そのまま物量に任せて突っ込んだが敵の魔導攻撃が緩む気配は無く、切り札であるワイバーン部隊が駆け付け、これで助かると思った次の瞬間.ワイバーンが爆散した
必死で回避行動を取るワイバーンを嘲笑うかのように次々とワイバーンが落とされてゆくのを見て兵達は発狂し、勝手に撤退する者たちさえ出てきた
無理もない、苦楽を共にした仲間達が次々とキノコ雲と火炎に飲み込まれてゆくのを目にすればそうもなる、彼等を責める事は出来ない
しかし、いかなる理由があろうとも敵前逃亡は死刑、ならば私の命令で撤退した事すれば彼等は助かるだろう
そして、可能な限り生存者を助け、犠牲を抑えなくては
こうしてロデニウス沖海戦は日本国の圧勝で幕を閉じた
30m以上も延長工事してるけど大丈夫だよね...バルジとかも増やしてるし多分大丈夫