遊戯王ARC-V~砕けた世壊の姫達~ 作:新作アニメ待ってます
エクシーズ次元、ハートランド。
かつては平和な都市であったここは現在、侵略者達によって荒廃していた。
突如現れたアカデミアと名乗る軍隊はハートランドの住人へと容赦なく攻撃を仕掛け、人々はカードへと姿を変えられ、建物は破壊されていった。
見慣れない『融合召喚』という召喚法を扱うアカデミアに、ハートランドの住民は『エクシーズ召喚』で対抗していた。
場に並べるという前準備が必要なエクシーズ召喚では、手札の消費は激しいものの突然大型モンスターが現れる融合召喚には少しだけ分が悪かったが、それでもどうにか対抗出来ていたし、戦線を押し返すことも少なくなかった。
だが、戦局を決定的に変えたのは、アカデミアの悪辣な戦法だった。
「
「なっ!? まだこっちのターンも来てないのにっ!?」
「卑怯よ!」
「そんなもん知るか! 貴様達は俺達にただ狩られる獲物なんだよ!
ギャォオオオオン!
「ぎゃああああああ!」
「きゃああああああ!」
半強制的にバトルロイヤルモードで決闘を仕掛け、自分達だけでターンを回し無防備な相手を刈り取る……。
更には。
「はぁ……はぁ……耐えきった……よし、反撃だ! 俺のタ――」
「俺のターン! ドロー! 」
【乱入ペナルティLP-2000ポイント】
「なっ……」
「ハハハッ! 今なら簡単にやれるぞ! 手札から融合を発動!」
「くそっ、卑怯だぞ!」
「黙れ!我らアカデミアこそが唯一絶対の存在なのだ!
ドオンッ!
「ぐぁああああああ!」
途中で乱入し、既にボロボロの相手を刈り取る、そんな無法が横行し始めていた。
そもそもが2対1、3対1は当たり前に行われていて、その逆境の中でもアカデミアを撃ち破るエクシーズ使いはそれなりに存在していた。
そんなエクシーズ使いに対して行われた、乱入による戦力の逐次投入による消耗戦……。
如何に強くともカードも体力も有限……戦い続ければ消耗する。
それらのあまりにも卑劣な戦法にハートランドの強者達は次々と倒れ、カードにされていった。
だが、人々はそれでもアカデミアに対抗すべく、生き残りで協力しレジスタンスを設立。
デュエリスト養成学校のエース達を中心に、日々アカデミアから抗い続けていた……。
「う、うわぁああああああ…………」
ふわ、ぱさ……
荒廃した街中、1人の少年が青い制服のアカデミア兵士、そのデュエルディスクから放たれた光によって、今まさにカードと化していた。
「本日1匹目か」
「獲物も大分減ってきたし、なかなか見つからなくなってきたな。1匹狩るにも一苦労だ、な……っと」
地面に落ちたカードを拾いながら、アカデミア兵士の1人は面倒そうに顔を歪めた。
少し歩けば獲物がうようよいた頃に比べて、随分と今は閑散としてしまい、日に日にカード化する獲物は減っていた。
それも当然か、仕方ないと自分を納得させつつ、次の獲物を求めて辺りを見回した、その時だった。
ザッザッ……
「…………」
薄汚いボロ布を纏った存在が1人、歩いているのが視界に入った。
「おい」
「おっ」
「へへ……やるか」
言葉少なに目配せしあい、彼等はその人物へと駆け出した。
新しい獲物だと、ハンティングゲームの開始だと。
アカデミア兵士達の頭にあるのは、相手をどのようにいたぶるか、それだけだった。
彼等は失念していた。
エクシーズ次元を攻め始めた時、アカデミア兵士をどれだけ送り込んでも帰還者がいなかった地域があったことを。
その地域自体は遠距離から砲撃することによって荒廃しているものの、未だに帰還者は存在していないことを。
そしてその地域の境界線が……彼等の向かう先であることを。
自分を狩る側だと信じ生きてきた哀れな彼等を、
「おい! カードにされたくなくば、
「当然バトルロイヤルでな!」
「さあ、デュエルディスクを構えな!」
頭までスッポリボロ布を纏った存在を即座に取り囲んだアカデミア兵士達、一方的に宣言するとデュエルディスクを構えた。
既に起動しているそれに、ボロ布の人物は僅かに肩を揺らした。
「っ……アカデミア……!」
声変わり前の少年か、少女のような印象を受ける、甲高い声だった。
怯えの色が見える声色に、アカデミアの顔が喜悦に歪む。
「くく……既に我らアカデミアの威光に屈しているようだな」
「サレンダーでもするか?」
「おいおい、サレンダーなんか許す訳ないだろ。さっきの獲物は手応えもなかったんだ、少しは楽しませろよ」
好き勝手に呟く彼等に、ボロ布の人物はその身を軽く揺らした。
一瞬の躊躇いの後、震える左手が、デュエルディスクがボロ布の隙間から姿を現す。
アカデミアはそんな様子をニヤニヤと馬鹿にしたように笑っていた。
ボロ布の人物は震えながらも、右手で頭を覆っていたフードを取り去る。
あらわになるのは真紅の髪と整った少女の顔。
前髪が顔の右半分を覆い隠し、左目だけがアカデミアを見つめていた。
「「「
「
デュエルディスクが指し示した先行は、少女。
アカデミアはそれを面白くなさそうに大袈裟にため息をついた。
「はぁ、なんだ、ちょっとは抵抗されちまうか」
「面倒だな、さっさとターンを回せよ?」
「そうだな! どうせいくらお得意のエクシーズをしようと、俺達の獲物には変わりないんだからな!」
3人目のアカデミアはチラチラと自分の手札を眺め、ニヤニヤと笑みを溢す。
どうやら、相当に手札が良いらしい。
そんな彼等の言葉を少女はどう思ったのか……特に反応する事もなく、手札のカードに手をかけた。
「……のターン。手札から、クシャトリラ・ユニコーンを特殊召喚」
少女 手札5→4
クシャトリラ・ユニコーン ATK2500
そうして現れたのは名前通り、角の生えた馬のような印象を受ける兜を被り紅と黒で彩られた鎧を纏った姿。
いきなり召喚された高い攻撃力を持つモンスターに、アカデミア兵士達の間に動揺が広がる。
「なっ、レベル7のモンスターをいきなり……!?」
「クシャトリラ・ユニコーンは、自分のフィールドにモンスターがいない場合、手札から特殊召喚出来る……。 そして、クシャトリラ・ユニコーンの効果発動。1ターンに1度、デッキからクシャトリラ魔法を手札に加える……永続魔法クシャトリラ・バースを手札に加え、そのまま発動」
アカデミアの動揺を余所に、少女は淡々とカードを使用していく。
視線は自分の手札にのみ向けられ、反応を気にする様子はない。
「クシャトリラ・バースの効果を適用……このカードがある限り、レベル7モンスターのリリースをなくす事が出来る。よって、クシャトリラ・オーガを通常召喚」
少女 手札4→3
クシャトリラ・オーガ ATK2800
ドスン、と地響きをたてて現れるのは同じような紅と黒の鎧を纏った大男。
ユニコーンより一回りも二回りも大柄で、その顔は鬼のような印象を受けた。
「今度は2800……!?」
「本来なら2体ものリリースを要求するレベル7モンスターをこうも容易く……油断出来ん相手かもしれないな」
「ふん! ランク7のモンスターを出すつもりかもしれないが、それ以上好き勝手にさせるか! 俺は、手札から増殖するGを墓地に送り効果を発動する! 俺は、お前がこのターン特殊召喚する度に1枚ドローする!」
アカデミア兵士C 手札5→4
最後にターンが回ってくるアカデミア兵士が使ったカードに、少女の左眉がピクリと動いた。
そして他のアカデミア兵士達は口々に称賛の声をあげる。
「おお! これで手札増強か! そんなカードを入れていたのか……やるな」
「ソリッドビジョンはひどいが強いカードだ。ソリッドビジョンはひどいが……」
ちらと視界の端を通る黒い影、辺りの瓦礫の隙間を縫うように走り回る害虫の存在を感じて、少し顔を歪めてしまったのは仕方ない事だろう。
そしてそれを見たのだろう、少女は口を引き結び、俯いてしまった。
「おいおいどうした? 戦意喪失か?」
「仕方ないだろう、ランク7は流石に相応に強力なカードも多い……だが、その代償にドローさせてしまうのではな!」
「諦めたのなら、さっさとターンを渡せ! ズタボロにしてカードにしてやる!」
口々に好き勝手な事を話すアカデミア兵士達。
彼等は自分達の有利を疑っていない。
どれだけ高い攻撃力を持つモンスターを並べようと関係はないと思っているのだ。
そもそも彼等は攻撃する気すらない。
1人でやれば物足りないダメージも、3人で繰り返せば燃やし尽くす事も可能だ。
彼等は今までもそうやって、エクシーズ次元の人々を狩り続けていた。
今回もそうなる、熱さに呻く姿を見るのが今から楽しみだ、そうせせら笑っていた。
「…………さっきっから、大人しく聞いてりゃいい気になりやがって……」
だが。
「ピーチクパーチクと、うるせえんだよ!」
その少女は今までの獲物とは違っていた。
「このオレが貴様らのようなゴミの獲物だと? 言うに事欠いてズタボロにしてカードにしてやるだと!?」
顔をあげた少女の表情は憤怒の色に染まり、歯を食い縛りアカデミア兵士達を睨み付けている。
その突然変わった雰囲気と迫力に、3人に冷や汗が流れた。
「屈辱だ……獲物は貴様らのほうだ! オレの領域を何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も破壊しやがって! 貴様らアカデミアは全員、このオレの世
少女は顔を右半分を隠していた髪をたくしあげた。
露になるのは、顔の右半分を隠す、真っ赤な鬼の面。
左半分の顔も合わせ、その顔面はまさに鬼のようだった。
声量だけでビリビリとした衝撃を感じ、アカデミアの3人は知らず知らずのうちに後ずさっていた。
「相手がモンスター効果を発動した場合! オレのクシャトリラ達はそれぞれ相手に報いを与える! リベンジ・ストライク!」
少女が指し示したのは『増殖するG』を発動したアカデミア。
同時にユニコーンとオーガもその手を向けた。
「なっ……! 俺のデッキが……!」
そのデュエルディスクに装填されたデッキとエクストラデッキから、ふわりとカードが浮かび上がり、少女の前へと運ばれていく。
「ユニコーンの効果! 相手のエクストラデッキを確認し1枚選ぶ! オーガの効果! 相手のデッキの上から5枚まで確認しその中から1枚選ぶ!」
それらは少女の前を通り過ぎ、そして少女が指定したカードが虚空に消えていった。
「そしてそれらを裏側で除外する!」
「裏側除外だと!? ちっ……不愉快な! よくも俺のカードを!」
デュエルモンスターズのカードは多い。
様々な状況に対応出来る無数のカードが存在しているが、裏側で除外されたカードに対応したカードは、そう多くはない。
事実上、使用不能にされたようなものだろう。
その物珍しさと驚き、そして不快感に気圧されていた彼等は気を取り直していく。
「落ち着け! デッキとエクストラデッキが1枚ずつなくなっただけだ! 此方の場はなんら不利になっていない!」
「ああ、ただの無駄な足掻きだ。冷静にいこう」
顔を歪ませる仲間を落ち着かせつつ、袖で冷や汗を拭う。
気圧されたのは確かだが、ただカードが裏側で除外されただけだ、と。
「ちっ、そうだな。それに俺の増殖するGは既に適用されている! 特殊召喚をしたければ好きなだけすればいい! 俺はその分ドローさせて貰うとするさ」
自分に言い聞かせる様子のアカデミアへと、少女は怒りを滲ませながら、言葉を紡ぐ。
「……お前、自分のターンが回ってくるまで生きてると思ってんのかよ?」
「……何?」
呆けた声を漏らす相手を睨み付けながら、少女は手札のカードを手に取る。
少女の中で、彼の末路は既に決まっていた。
「ターンを続ける! オレは、手札から魔法カード
少女 手札3→2
クシャトリラ・フェンリル DEF2400
腕を交差して現れるのはまたしても紅と黒の鎧を纏った姿。
獣のような印象を受ける頭部を持つフェンリルは、姿勢を低くしてアカデミア兵士を見つめていた。
アカデミア兵士C 手札4→5
同時に、周囲の無数の黒い影がアカデミア兵士へと手札をもたらす。
大型モンスターは並ぶかもしれないが、少女のあの調子ならばあと2、3枚はドロー出来るだろう。
そのまま調子に乗っておけば良い、とほくそ笑んでいた。
「更にオレは、オーガとフェンリルの効果を発動! 1ターンに1度、オーガはクシャトリラ罠カードを、フェンリルはクシャトリラモンスターを、それぞれデッキから手札に加える! 永続罠クシャトリラ・プリペアと、2枚目のクシャトリラ・ユニコーンを手札に!」
少女 手札2→4
「……それぞれが継続的にアドバンテージを取れるのか……? レベル7だとしても破格すぎる……!」
盤面には高い攻撃力を持った高レベルモンスターが3体に永続魔法があるにも関わらず、少女の手札は4枚と潤沢。
更には1ターンに1度と言っていた事から、ターンが回ってくればまた同様のアドバンテージを確保出来るという事は、想像に難しくない。
その事実に気付いたアカデミア兵士は、静かに戦慄していた。
「そしてぇ! 手札から七星の宝刀を発動! 場か手札からレベル7モンスターを除外し、カードを2枚ドロー! 手札のユニコーンを除外して、2枚ドローだ、おらぁっ!」
少女 手札4→2→4
荒々しくドローしカードを確認した少女の口元が、ゆっくりと弧を描いた。
「ドローしたけりゃ、好きなだけさせてやるよ! クシャトリラ・バースの効果を発動! 墓地、または除外されているクシャトリラモンスターを特殊召喚する! 戻ってこい、クシャトリラ・ユニコーン!」
クシャトリラ・ユニコーン ATK2500
アカデミア兵士C 手札5→6
次元の彼方に追放された筈のクシャトリラ・ユニコーンが、フィールドに戻り並び立つ。
2体のユニコーンは、その手に持つ特徴的な捻れた武器を交差させた。
並び立つクシャトリラの兵隊達……筋骨粒々の体に違わぬ高い攻撃力に優秀な効果、その威圧感にアカデミア兵士達は気圧されている。
けれど彼等は知っている、自分達は今から理想郷の礎になるのだと……クシャトリラの兵隊達はそれぞれ、片手を空高く掲げた。
「クシャトリラ・ユニコーン2体と! クシャトリラ・フェンリルとオーガ! レベル7のモンスター2体ずつで、オーバーレイ!」
少女の声に呼応し、クシャトリラ達がその身を光へと変え、天へと昇った。
同時に足元に広がるのは、2つの真紅の銀河の渦。
そこにそれぞれ光が2つずつ飛び込んでいく。
「2体ずつのモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築! オレの為の理想郷を築くべく、兵隊どもを糧に浮上せよ! あまねく星々よ、オレの進む道を照らし出せ! エクシーズ召喚! 来い! ランク7! クシャトリラ・シャングリラ!」
銀河から、眩い光が立ち上る。
それは空すら照らし出し、一瞬辺り一面が光に満ちた。
思わず顔を覆うアカデミア兵士達……そうして目を再度開いた時、目の前には少女の姿しかなかった。
先程までいたモンスター達も、召喚した外のエクシーズモンスターの姿もいない。
「なんだ? 何も、いない……?」
思わず呆けた声を漏らした時、その顔に影が差した。
なんだ、と空を見上げ……そして驚きに目を見開いた。
「なっ!? でかい!?」
空を覆い尽くす、巨大な球体。
それらが2つ、いつの間にか浮かんでいた。
「あれが、モンスター……なのか……!?」
あまりの衝撃に呆けている間にも、デュエルの処理は進む。
アカデミア兵士C 手札7→8→9
辺りを駆け回る黒い影によって手札が増えていき、それに気付いたアカデミア兵士はデュエルディスクに目を落とす。
クシャトリラ・シャングリラ DEF3000
クシャトリラ・シャングリラ DEF3000
そしてそこにかかれたクシャトリラ・シャングリラの表示形式とステータスに、安堵の息を漏らした。
「は……ははは、どんなモンスターかと思えば、攻撃力は0、守備力3000の守備専門モンスターか。焦らせやがって……」
高ステータスのモンスター達を用いて召喚されたのは、守る事しか出来ないモンスター。
ステータスだけを見れば、通常モンスターである千年の盾と同じだ。
高い守備力で場を固められるというのは確かに厄介ではあるが……彼等にその戦法は通用しない。
彼等の思い描く展開ならば、相手がどれだけ守りを固めようと意味がないのだから。
その事実を思い出し、驚いていた彼等は少しずつ気を落ち着かせていった。
自分達の勝利は揺るがないと。
そんな相手の考えなど興味ないとばかりに、少女はターンを続ける。
「場にクシャトリラモンスターがいる場合、効果を発動! こいつを手札から特殊召喚出来る! 来い! クシャトリラ・ライズハート!」
クシャトリラ・ライズハート DEF2100
少女 手札4→3
アカデミア兵士C 手札9→10
そうして現れたモンスターは、先程までと少し毛色が違い、傍目には普通の人間のように見えた。
紅と黒の鎧に身を包み、その端正な顔を怒りで歪め、アカデミア兵士を鋭く睨み付けている。
「ライズハートの効果をデッキのクシャトリラカードを除外し、発動! 相手のデッキの上から3枚を裏側で除外し、自身のレベルを7にする!
「ちっ……! またか!」
クシャトリラ・ライズハートへと力が満ち、アカデミア兵士のデッキから更にカードが異次元へと追放されていく。
……そしてそれを合図に、空に浮かぶ球体が光を放った。
「除外された
その光は次にターンが回ってくるアカデミア兵士の周囲の大地に降り注いだ。
「な、なんだっ!?」
LPに変動はなく、何が起きたのかと狼狽するアカデミア兵士へと、少女は告げる。
「相手の使用していないモンスターゾーンか魔法・罠ゾーンを1ヶ所、クシャトリラ・シャングリラが存在する限り、使用不能にする! グローリー・エリア! 2体いるから当然2ヶ所だ! 貴様の魔法・罠の両端を使用不能にする! そして、この効果にターン1はない!」
「なんだと!?」
歴代のカードを見回しても殆ど見る事にのないフィールドの封殺効果に、アカデミア兵士の表情が驚きに彩られる。
先程のユニコーンやオーガの効果と合わせれば、一気に相手を行動不能に追い込む事も夢ではないだろう。
悪辣な組み合わせに、内心で少女の脅威度を更に引き上げた。
「除外された
クシャトリラ・シャングリラ ORU2→1
クシャトリラ・ユニコーン ATK2500
アカデミア兵士C 手札10→11
ユニコーンは片膝をついてライズハートの隣に跪く。
腕を組み、それが当然だと言わんばかりにライズハートは視線すら向けない。
「更に、手札のスケアクロー・クシャトリラの効果を発動! こいつを手札から特殊召喚する! スケアクロー・クシャトリラを守備表示で召喚!」
少女 手札3→2
スケアクロー・クシャトリラ DEF2600
アカデミア兵士C 手札11→12
ライズハートとユニコーンの背後に出現するのは、背に大弓を背負った巨大な三つ首の獣。
クシャトリラ達と同じ紅と黒の鎧を身に纏い、唸り声をあげている。
「その後、手札または墓地のクシャトリラカードを除外する!
少女 手札2→3
「さぁ……これが最後の特殊召喚だ! クシャトリラ・ユニコーンとスケアクロー・クシャトリラで、オーバーレイ!」
ユニコーンと異形の獣が光となって天へと昇っていく。
現れるのは、金色に輝く銀河……。
「2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! 電脳の海に揺蕩うおぞましき悪魔よ! 今オレの求めに応えて、奴等の未来を刈り取れ! エクシーズ召喚! ランク7!」
少女は自分の顔の前で右手を強く握り締める。
鬼の面に隠された顔が、その手の甲が、眩い光を放っていた。
そして、天に昇った光が銀河に飛び込み、眩い閃光が立ち上る。
「顕現せよ!
丸みの強い数字が脈動し光った後、そこにいたのは赤い粒子が流動して纏わり付いた、黒紺のオブジェ。
電子音を響かせながら形を変えていくそのオブジェは、やがて足のない悪魔のように姿を象っていく。
背の羽のようなものに89と読める特徴的な数字が刻まれ、ビカン、と光った。
アカデミア兵士C 手札12→13
「くっ……なんだ、この異様な迫力は……!」
そのカードから感じる異質さに、膨れ上がった手札を抱えながらも冷や汗が流れる。
自分のターンさえくれば跳ね返せるような手札ではあるのだが、嫌な予感が拭えなかった。
……そして、その予感は的中することになる。
「ディアブロシスの効果を起動する! 1ターンに1度オーバーレイユニットを取り除き……相手のエクストラデッキから1枚選び、裏側除外する!」
「なっ、またか!」
「そして当然、クシャトリラ・シャングリラの効果発動! 更に貴様の魔法・罠ゾーンを2ヶ所奪う! グローリー・エリア!」
再びエクストラデッキを奪われ憤慨するアカデミア兵士の横で、天から降り注ぐ光がフィールドを封殺する。
「更に! ディアブロシスの更なる効果も発動! 1ターンに1度、相手のカードが裏側で除外された場合……相手の裏側で除外されているカードの枚数だけ、デッキから裏側で除外する! 今はお前が裏側で除外しているのは6枚! よってデッキから6枚裏側除外だ! そして当然! クシャトリラ・シャングリラの効果も起動! 貴様の最後の魔法・罠ゾーンも封殺だ! ついでに2人目のそこのお前の真ん中の魔法・罠ゾーンも封殺!」
「くぅぅ……! これで俺は魔法も罠も使えないのか……!」
「俺のフィールドまで……!? おのれ……!」
次のプレイヤーであるアカデミア兵士は魔法・罠ゾーンを完全に封殺されてしまう。
だが、彼等が主に使う
まだ動くことは出来ると、手札を見ながら自分を鼓舞した。
「さあて……エクシーズ・ギフトを発動。俺の場にエクシーズモンスターが2体以上存在する場合、場のオーバーレイユニットを2つ取り除き、2枚ドローする! クシャトリラ・シャングリラから2つ取り除く! ……フン、カードを3枚伏せて、ターンエンドだ!」
少女 手札3→2→4→1
クシャトリラ・シャングリラ ORU2→0
2つの光球が回るクシャトリラ・シャングリラの光が少女の手元に灯り、手札をもたらす。
その引いたカードともう1枚を伏せて、少女はターンエンドを宣言した。
クシャトリラ・シャングリラ DEF3000 ORU1
クシャトリラ・シャングリラ DEF3000 ORU0
クシャトリラ・ライズハート DEF2100
クシャトリラ・バース
伏せカード3枚
そして、そこで3人目のアカデミア兵士は増えた手札と、除外されてしまったカードを眺めて……自分のデッキの残り枚数を見て、不意に思った。
自分のデッキはあらゆる状況に対応出来るように限界枚数の60枚で組んでいる。
そのおかげもあって今の手札ならば、どんな相手だろうと粉砕出来る確信がある。
アカデミア兵士C 手札13 デッキ36 裏側除外12
だが、自分のターンが来る前に……もし、あのディアブロシスの効果が2度発動したら……自分のデッキはどうなってしまうのだろうかと。
それに気付いて少女の顔を見れば目が合い、ニィと頬が吊り上がった。
知らず、喉が鳴った。
自分の末路が想像出来てしまって、さあ、と血の気が引いた。
「な、なぁ……お、俺……」
「なかなかの場だが、俺の手札は悪くない。一気に攻める! 俺のターン、ドロー!」
アカデミア兵士A 手札5→6
声を震わせて仲間に視線を向けるも、ターンプレイヤーのアカデミア兵士は気付かずにデュエルを続ける。
そしてそのままモンスターを召喚しようとするが……その前に空から真紅の光が降り注いだ。
「おっと、スタンバイフェイズ! クシャトリラ・シャングリラの効果を起動する! デッキからクシャトリラモンスターを特殊召喚する! 再び現れろ! クシャトリラ・フェンリル!」
クシャトリラ・フェンリル ATK2400
その光から再び現れる手斧を構えた黒と紅の鎧。
兜の隙間からギラリと眼光が光った。
「くっ……関係ない! 手札から
アカデミア兵士A 手札6→5
少女 LP4000→3400
現れた機械仕掛けの猟犬は、意気揚々と口から炎を放った。
それが少女の体を捉え、身に纏うボロ布が弾け飛ぶ。
続けて
気付けば目の前で、クシャトリラ・フェンリルが手斧を振りかぶっていたのだ。
「なっ……」
「オレのクシャトリラ達は相手のモンスターが効果を発動した時、報いを与えると言わなかったか? バカが! フェンリルの効果を発動する! 相手フィールドの表側のカードを裏側除外する! リベンジ・ストライク!」
フェンリルの手斧が振られ、真っ二つになった猟犬はそのまま、次元の狭間へと呑み込まれて消えていった。
「忘れんなよ? クシャトリラ・シャングリラの効果と、ディアブロシスの効果発動! 貴様のデッキを更に12枚裏側で除外! 更にお前の魔法・罠ゾーンを2ヶ所封殺! わかってるよな? 更にシャングリラの効果が誘発して、2人目のお前の魔法・罠ゾーンも全て封殺だ!」
降り注ぐ光、次元の狭間に呑み込まれていく
そして更に連動して2人目のフィールドの魔法・罠ゾーンも全て使用不能にされてしまう。
「なっ……」
「これ、は……」
そしてこの時点で、2人目は自分のターンの行動が無意味なものだと理解してしまった。
魔法も罠も使えず、
召喚権を使ってしまった1人目は何度も自分の手札と場を見るも、解決策は見付からない。
悔しそうに歯を食い縛り、俯いた。
「くそ……負け犬のエクシーズごときに……! 俺は、ターンエンドだ……くそ!」
悪態をつき、荒々しく地面を蹴りつけターンを終えた。
何も出来ずターンエンド宣言をした1人目を眺めながら、2人目は自分の手札と、場、そして3人目の手札とデッキを見つめる。
アカデミア兵士C デッキ24 裏側除外24
もう一度カードが裏側で除外されてしまえば、そのデッキは尽きる。
手札がいくら潤沢だろうと、デッキが無ければ戦えない、それがデュエルモンスターズだ。
だがそこでひとつの名案が浮かぶ。
相手がこちらのカードを裏側除外するのは、此方の行動に反応してだ。
「(俺が何もしなければ、こいつにターンが回るんじゃないか……? そうすればフィールドの封殺のないこいつは、潤沢な手札で蹂躙出来る……。俺にはどうせ何も出来ない……それなら、こいつを信じる!)」
ちらりと3人目の顔を見ると既に泣きそうな顔をしていたが、2人目は口を引き結び、力強く頷いた。
「ドロー! モンスターをセット! 俺はこれでターンエンドだ!」
アカデミア兵士B 手札5→6→5
「お、お前……!」
「……頼むぞ! お前にかかってる!」
「ああ……ああ!」
仲間の身を捨てた献身に、3人目の表情が目に見えて明るくなる。
手札には相手の盤面を壊滅させるカードもあるし、アカデミアの最強の融合モンスターを出せるカードも揃っている。
ターンさえ回ってくるのならば……自分のデッキを好き勝手してくれた奴に対して、漸く報いを与えることが出来る!
アカデミア兵士は、意気揚々とデッキに手を伸ばした。
これで、勝てる、と。
「ハッ……エンドフェイズ! 罠カード、発動!」
だがそれは、儚い幻想だった。
「ライフを2000ポイント支払いオレの手札
少女 LP3400→1400
「なっ……」
ライズハートが一歩前に出て、2人目の手札を指差す。
ふわりと浮かび上がった手札から1枚が、次元の彼方へと裏側で消えていく……。
「あ……ああ……!」
「相手の手札を見て、1枚を次のお前のエンドフェイズまで裏側で除外する! その融合、除外させてもらおう! そして当然、ディアブロシスの効果と、クシャトリラ・シャングリラの効果を起動する! 最初のお前のモンスターゾーンの左右を封殺、そして、貴様のデッキを裏側除外だ、24枚なぁ!」
アカデミア兵士B 手札5→4
アカデミア兵士C 手札13 デッキ0 裏側除外46
デッキの残り全ては、虚空へと消えていった。
「さぁ……お前のターンだ。カードを、引きな? 引けるもんならなぁ!」
少女の声がその場に響く。
最後の希望が打ち砕かれたアカデミア兵士達は、唖然とした表情を浮かべていた。
苦虫を噛み潰したような、酷く歪んだ顔で、デュエルディスクのデッキがあった場所へと、手を置いた。
「……ドロー」
ピー!
「カードが引けないプレイヤーは……敗北となる。言っただろ? お前、次のターンまで生きていられると思ってんのか、ってな。消えろ、ゴミが!」
「く、そぉ…………!」
デュエルディスクがアカデミア兵士の敗北を告げ、その手から潤沢だった手札がこぼれ落ちる。
どれだけ強い手札だろうと、どれだけ手札があろうと、ドロー出来ないプレイヤーにターンは回ってこない。
膝をつき肩を落とす仲間に、誰も声をかけることは出来なかった。
「さぁ、そろそろ幕引きといこうか……? ドロー!」
少女は勢いよくカードを引き、そのカードを見てニヤリと嗤った。
少女 手札1→2
「手札から、フィールド魔法六世壊=パライゾスを発動! 発動時にクシャトリラモンスターをデッキから手札に加える! クシャトリラ・オーガを手札に! ……そして」
フィールド魔法の発動とともに、周辺には和風の城のような建物が次々と現れていく。
それは他のクシャトリラ同様紅と黒に彩られ、何処か機械的な印象を受けた。
少女 手札2→1→2
そして少女はその歪んだ笑みを浮かべたまま、伏せていたカードを発動した。
「オレは伏せていた、永続魔法魂吸収を発動!」
「「…………は……?」」
そのカードは古くから存在するカード、
そして、それは除外を多用する少女のデッキに入れてて違和感のあるカードではないが、前のターンに発動しない理由がわからなかった。
「な、何故今そのカードを……」
絞り出すように問い掛けるアカデミア兵士に、少女は心底見下した顔で告げる。
「そうだな、発動していたら、オレのライフは少なくとも6000は回復してただろうな? だが、そんな事したらさ……お前達が途中で諦めちまうじゃねぇか!」
その瞳には、隠しきれない怒りの感情が秘められていた。
「言ったはずだ、オレの領域を侵し続ける貴様らを、オレは絶対に許さん! 全て狩り尽くし、オレの世
アカデミア兵士C 裏側除外47
少女が選んだのは、既に敗北し、地面に崩れ落ちているアカデミア兵士。
そのデュエルディスクから更に1枚が次元の彼方へと消えていく。
「そして、魂吸収の効果、ディアブロシスの効果、クシャトリラ・シャングリラの効果を起動! 1人目のお前のモンスターゾーンを更に2ヶ所封殺! 3人目のお前の裏側除外枚数を参照し、1人目のお前! デッキを47枚裏側除外しやがれ! ついでにオレのライフを500ポイント回復、と……」
少女 LP1400→1900
「なっ……くそっ! 」
1人目のアカデミア兵士はそれに対して何も出来ず、自分のデッキが虚空に消えていくのをただ眺めることしか出来なかった。
「そして……なんだお前は40枚デッキだったか。ならば34枚除外したことで、17000ポイント回復だ!」
少女 LP18900
初期ライフすら超え4倍以上の数値となったライフに、僅かな可能性も潰えたアカデミア兵士の瞳に絶望が浮かぶ。
片方はデッキという未来すら消し飛ばされ、最早次のターンもない。
アカデミア兵士に、ここから逆転する手段は何もなかった。
「クシャトリラ・シャングリラ2体をリリースし、クシャトリラ・オーガをアドバンス召喚! 更に、永続魔法クシャトリラ・バースの効果で墓地からクシャトリラ・ユニコーンを特殊召喚!」
少女 手札2→1
クシャトリラ・オーガ ATK2800
クシャトリラ・ユニコーン ATK2500
突然2体のエクシーズモンスターを捨てる行為に目を剥くも、既に勝敗はついている。
敗北者は、更に踏みにじられる……諦めの表情で少女からの蹂躙をアカデミア兵士は受け入れるしかなかった。
クシャトリラ・シャングリラが消えた事でフィールドの封殺は解かれているが、それはなんの慰めにもならなかった。
「そしてぇ! こいつはクシャトリラ・シャングリラの効果が発動したターン、オレの場のクシャトリラモンスター1体の上に重ねてエクシーズ召喚出来る! クシャトリラ・ライズハート1体で、オーバーレイ!」
一歩前に進んだライズハートの前に、赤備えの全身鎧が銀河とともに現れる。
そこにライズハートはゆったりとした足取りで進んでいく。
「ライズハート1体で、オーバーレイネットワークを構築! 攻めろ! 侵せ! 征服しろ! 次元を征する鎧を身に纏い、真の力をオレに示せ! 来い! オレの最高の相棒! ランク7!」
ライズハートの体に次々と赤の鎧が装着されていく。
装着されていく度に増していく圧力と恐ろしさ。
そして、鎧の向こうから感じる、途方もない怒り……。
「クシャトリラ・アライズハート!」
『ハァアアッ!』
クシャトリラ・アライズハート ATK3000
まるで二足歩行の龍のような姿となったライズハート、アライズハートが、機械的な翼を広げ飛翔する。
そこから放たれる波動は次元を歪めていき、空間が軋み始めた。
「「っ……!」」
モンスター1体で出されたエクシーズモンスターに、最早言葉も出ない。
反応を期待した訳でもないのだろう、少女は最後に両手を広げた。
「六世壊=パライゾスの効果により、オレのモンスターの攻撃力守備力は、場の属性の数×100ポイント上昇する! 場の属性は、アライズハートとディアブロシスの闇、フェンリルの地、ユニコーンの風、オーガの水の4種類! よって400ポイントずつ上昇だ!」
クシャトリラ・アライズハート ATK3400
クシャトリラ・フェンリル ATK2800
クシャトリラ・ユニコーン ATK2900
クシャトリラ・オーガ ATK3200
「さぁ……覚悟は良いか? 精々オレに刃向かった事を後悔し、死んでいけぇ! バトルフェイズ! 邪魔な壁モンスターを粉砕しろディアブロシス!」
ディアブロシスが無造作に振り下ろした赤い斧に、身を隠し伏せていた猟犬は粉々に砕け、次元の狭間に吸い込まれてしまう。
「アライズハートが場にいる間、墓地に行くカードはかわりに除外される! 新たにカードが除外された事で、魂吸収とアライズハートの強制効果だ! 除外されているオレの
少女 LP19400
そして、これでアカデミア兵士達は完全に無防備になった。
アライズハートとフェンリルが、ユニコーンとオーガが、それぞれアカデミア兵士達の前で武器を振りかぶった。
既に心も折れているアカデミア兵士達は尻餅をつき、手札のカードも地面に散乱していた。
「ひっ……」
「や、やめ……」
目前に迫った自分達の敗北と、明確な暴力という恐怖に、涙と鼻水すら垂らすアカデミア兵士達は、ひどく見苦しかった。
人によってはその姿に哀れみすら感じるかもしれない。
……だが、少女はその例に当てはまらなかった。
「やれ! 徹底的に、叩きのめせぇ!」
少女の号令に従い、クシャトリラ達は欠片の容赦も躊躇いもなく、その手の武器を大きく振りかぶり……振り下ろした。
ズバンッ!
グシャッ!
ドスッ!
ドシャアッ!
「「ぎぃゃあああああああああ!!!」」
アカデミア兵士AB LP4000→0
悲鳴があがり、鮮血が飛び散り、惨劇が繰り広げられていく。
暫くの間悲鳴と耳を塞ぎたくなるような音が響き続けた。
やがてその音が聞こえなくなった時、そこにはデュエル終了のブザーを鳴らすデュエルディスクだけが3つ、血塗れで残されていた。
「ああ、ムカつく……あんな雑魚3匹じゃあ、なんの足しにもなりゃしねえ……」
ガリガリと真紅の髪をかきむしり、少女は忌々しそうに虚空を睨み付ける。
「クシャトリラ達はよく働いてくれてるが……足りねぇ、足りねぇ足りねぇ足りねぇ足りねぇ!」
ガリガリガリガリ
頭皮を傷付けたのか、少女の額からたらりと血が垂れた。
それを気にする事なく、少女は顔を更に歪めて、地平線の向こうを鋭く睨み付けた。
「……仕方ねぇ、待つのはもうやめだ。オレから動く」
右半分の顔を隠す鬼の仮面に手を触れ、荒野に置かれた機械的な玉座から立ち上がる。
すると先程吹き飛ばされた筈のボロ布が何処からか飛来し、まるで意識を持っているかのように少女の体へと自然と纏わり付く。
そのボロ布にも軽く手を触れ、少女はそのまま歩き出す。
目的は、彼女にとって今最も忌々しく思う存在、アカデミアの殲滅。
それを狩り尽くす為に動きだす彼女の背後には、目には見えないが無数の軍勢が控えている。
自分の領域で侵入者を狩り続けていた狩人が動き出す。
獲物は、自分が狩る側だと信じる哀れな子羊達。
彼女と出会ってしまった不運なアカデミアは、その殆どが行方不明となる。
彼女と出会い命辛々逃げ出せたアカデミアは、たった1人。
その1人が持ち帰った情報により、アカデミアを狩るエクシーズ次元で最も脅威度の高い存在を、アカデミアは恐怖と畏怖を込めてこう呼んだ。
エクシーズ次元の『鬼姫』と。
今回の脱獄カード
クシャトリラ・フェンリル
マスターデュエルでは何故か生きてる脱獄衆達の1枚。
自分の場ががら空きなら手札から特殊召喚が出来る効果と、同名もサーチ出来るテーマモンスターサーチと、攻撃宣言または相手がモンスター効果を発動したら使える、相手の表側カードを裏側除外する効果を併せ持つ、イカれモンスター。
こいつを3枚のみ採用するデッキが沢山いた。
サーチ効果は起動効果なのでターンを跨ぐとまた使えるというぶっ飛び具合。
攻撃宣言時にも除外するので相手のモンスターが1体のみの場合、そいつを除外したらそのままダイレクトアタックも出来る。
モンスターだけじゃなく、相手の永続も除外出来る柔軟さもある。
意味がわからない。
唯一の弱点は着地狩り、効果発動を許さずに除去が効くのだけど、特殊召喚条件にターン1がないので複数持ってると何故かもう一回出てくる。
NO.89 電脳獣ディアブロシス&紅蓮の指命者
※マスターデュエル限定
紙ではかわりにクシャトリラがキツイので、規制されていないカード達。
マスターデュエルはシングル故か、突然出会した時の不愉快さが高いカードが規制される気がする。
故にこの二枚は強いには強いが、アドバンテージを直接取る事が出来ず、強さよりも不愉快度が高い為にマスターデュエルでは規制されたのではないかと思う。
紅蓮の指名者は加速した現代環境においては実質ピーピングハンデスとして使える為に、クシャトリラ関係なく採用を見込めるカードではあると思う。
ディアブロシスはまあ良い性格したカードなので、なくても良いよねとは思う。