金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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 デュフォーさんならこの時点でオールフォーワンまで把握してそうなのがなんとも。
 現在彼は旅をしながら自分が居た研究機関を潰して回っています。
 


第十一話 「勘違いされてる気がするな」「お主がドSなのはそのまんまだろう」「黙れ病院侵入犯」

 

 雄英体育祭、本番当日。

 

「サァ皆、A組に吠え面かかせる為の作戦について説明するよぉ」

 

 1ーB控え室。

 B組の性格アレな人こと物間寧人君は我に策ありと言わんばかりの空気を醸し出しながら発言する。

 

「吠え面ってなあ」

 

「謀りは悪の始まり」

 

「ノコノコ」

 

「っで何をするんだ?」

 

 その発言に、興味ない、謀りごとをする気はない、まあ付き合ってやるか、という反応するB組。

 一部は眉をしかめるが、だいたいは協力してやるかという態度である。

 

「体育祭は基本的に三種目。

 一種目はサポート科、経営科、普通科、ヒーロー科による総当たりという篩い落とし。

 毎年ここでヒーロー科以外の生徒達がほぼ全員敗退する」

 

「他科と一緒にやる意味!?」

 

 そら普通科生徒が引き立て役だとかぶーたれるわけだよ。サポート科は作品の発表機会がチラホラあるっていうのに。

 

「だから僕達B組は第一種目で見に徹する。つまり、A組の情報収集と体力温存だね」

 

「本命は第二種目ってことか」  

 

 他科に負けないことが前提で、少しばかり傲慢な気もするけど、ヒーロー科に合格した実績以外にも、個性使用授業も戦闘訓練もない他科よりヒーロー科が有利なのは事実だ。

 

「例年、第二種目は協力する競技が多い。だから自分本位なA組をB組は団結し叩く。あのヘドロもとい爆豪勝己がクラスメイトと協力できるとは思えないしねえ」

 

 それはあるかもな。

 決して不仲ではないけど、B組に比べたらA組は個人主義者が多い印象だ。

 学級委員長決めにしても全員手を上げたとかイナサも言っていた。

 あと兄さんも気弱に見えて頑固で人の話を聞かないとこがあるしなあ。

 

「そして第三種目は個人競技、此処をB組で独占して僕達の実力を世間に見せつけてやるのさっ!!」

 

 なるほど、思ってたよりは真っ当な作戦だ。

 

「てっきりA組に闇討ちしたり薬を盛るとか言い出すのかとばかり(ホッ)」

 

 誰かの呟きが控え室に響く。

 ごめん、俺もちょっと思った。

 オーディションやら発表でそんな足の引っ張りあいをするとか聞いたりするし(偏見)。

 

「僕をどんな目で見てるのかな君達ィィ!!というかそのスマホはなんだい!?」

 

 そそくさとスマホをロッカーにしまいだすクラスメイト達。貴重品はしまわないと紛失破損したら困るよな。

 

「「「内容によっては通報しようかと」」」

 

 しまいながらもそんな返答をする。

 本当にやるとは思わないけど、そんな雰囲気を出してはいたしな。

 未遂なら罪も軽いから、これは自分達より物間君の為だよね。

 

「まあいい。

 それで皆、僕の作戦にはノルかい?」

 

 気を取り直した物間君からの問いかけ。

 それを聞いたB組の皆だが、俺と塩崎さんと骨抜君と鉄哲君は不参加を表明。

 第一種目での観察と体力温存は悪くないが、スタミナに自信があるからする必要はないと判断した。

 それは骨抜君も同じで、また知られて対処できる個性ではないという自負もある。

 塩崎さんと鉄哲君は作戦をすること自体が嫌だという意見だ。

 第二種目での協力に関しては、もしチーム戦なら組むことに異存はないが、俺の個性は火、耐えれるか対策できる個性じゃないと危ないから確約できないと伝える。

 

「俺なら平気だな」

 

 B組で確実に平気なのは鉄哲君くらい。でも競技次第だが仮に組むとしたら風で火を防げるイナサが理想だ。

 

「コスチューム着用可ならば別だけど、確かに君の火は厳しいねえ」

 

 俺の言葉に物間君が不承不承と頷く。彼が俺の個性をコピーしても火を吹けて、触れた火の形を変えれたが、やっぱり熱くてすぐに吹出君がだした『ヒエヒエ』で冷却していた。耐性がつかないなら組むのは厳しい。

 

「でも、チーム戦なら自然と知ってるヤツと組むから問題ないんじゃない?」

 

 それはそうだろう。

 

「確かにそうだけど、想定してあらかじめ決めておけばスムーズにいくだろう?」

 

 想定と違っても無駄にはならない。

 ただ待ち時間を雑談して過ごすよりは有意義ではあったな。

 

「ま、協力できるとこはして、皆で全力で臨む。ただそれだけで良いでしょ」

 

 学級委員長の拳藤さんが話を締める。そうだ、作戦を練ること、協力しようと提案してその話に乗ることも、また一つの全力の形なのだから。

 何を恥じることもなく、堂々とすればいい。

 

「選手宣誓は緑谷でしょ?

 先ずはガツンとかましてきなよ」

 

 胸をコツンと叩きながら拳藤さんは言う。

 

「そうだったな」

 

 一年で選手代表として選ばれたのは俺。

 選手代表ではあるが他科からはB組の代表扱いだろう、ならばきちんとしたことを言うべきだ。

 でも、

 

「ちょいと個人的な決意表明もするぞ」

 

 見ているかはわからない。

 いや多分見ることはできないだろう。

 それでも、 

 それでも、

 

「伝えたい言葉があるんだ」

 

 向こうにいる相棒へ。

 

「緑谷」

 

 俺の態度にB組の皆はどこか呑まれたように静かになるのであった。

 

 

 

『雄英体育祭!!ヒーローの卵達が!!』

 

 一年の司会進行担当のプレゼント・マイクの声が観衆溢れるスタジアムに響き渡る。

 

『〜〜鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!A組だろぉぉ!!?』

 

 うん、まるでA組贔屓のような発言だ。こんなことされたら他の生徒は面白くないだろう。

 物間君なんかほら。

   

「へ、へえ(ビキビキ)」

 

 せっかくのイケメンフェイスに青筋浮いてビキビキと崩れているくらいだ。

 中にはヒーロー科編入を賭けて本気の生徒もいるようだが、やっぱり少数。

 雄英高校自体が偏差値高い有名高校だからだろう。ヒーロー科に憧れはしても普通科で満足してしまう人もいる。

 

『選手宣誓!!』

 

 おっと出番だ。

 一年主審の18禁ヒーロー「ミッドナイト」がきわどいコスチュームでプレイ用にしか見えないムチをピシャンと鳴らしながら台上で叫ぶ「静かにしなさい!!(ピシャン)」あ、今ツッコミを入れた。

 

『選手代表!!1ーB 緑谷成二!!』

 

「夜嵐や轟を差し置いてアイツがか」

 

「入試一位通過で学年首席らしいしな」

 

「アイツがそうなのか」

 

 入学式で新入生代表挨拶をしたから他科からの反応はそれほどない。

 だが先日の件以外では面識のないA組生徒が反応していた。

 

「ハイ!!」

 

 大きく、スタジアムに響くように返事をする。ゆっくりと台上に向かう時に考えたことは、今までの自分についてだ。

 中学時代の自分は、ここに来るなんて思いもしなかった。

 パートナーに、エンマに出会った時も、ヒーローになるなんて考えもしなかった。あの時はがむしゃらに、誰かの役に立つ為に、ナニカになる為に駆け抜けただけだった。

 でも俺は今日、此処に居る。

 

「宣誓!!

 私達は、雄英生として先達たる方々に恥じぬよう力のかぎり戦い抜くことを誓います!!」

 

 宣誓は普通の、決まり切った内容。

 周囲からは感心より物足りない反応が(特に横のミッドナイト)見てとれる。

 

「そしてこれは己自身の誓いです」

 

 そう一言前置きして、

 

「空の遥か先、此処ではない向こう側にいる相棒。不甲斐なく情けない俺の背を押して、ヒーローだと言ってくれた友へ告げる」 

 

 俺は魔界へと帰ったパートナー・エンマに届けと想いを放つ。

 

「君がこちらに再び訪れたその時、すぐに俺を見つけられるよう、君が向こう側から俺を一目で発見できるように、

 俺は誰よりも高いテッペンに立つ!!」

 

 仮に魔界からコチラを見れるならば、オールマイトのように知れ渡っていればすぐにわかるだろう。

 だから俺はナンバー1になりたい。

 清麿のように魔界とコチラを繋ぐ道を探すことはできないけど、そんな頭脳はないけれど、それでも俺は君と再会したいのだから。

 

「だから見ていてくれ、相棒!!

 俺は此処に居る!!」

 

 そう、思いの丈すべてを吐き出した。

 シン、と静まるスタジアム。

 それはそうだろう。

 事情を知らなければ何を言ってんだコイツ、となるのは当然。だから事情を知るイナサへと視線を向けると、やる気を出した燃える気持ちと「やっちゃったよ」と呆れる態度が絶妙に混じりあった反応だった。

 

「?」

 

 俺が首を傾げると、

 

「「「「「「ウオオオオオ!!」」」」」」

 

 会場が突如沸き立った。

 観客が、生徒達が叫びを上げていた。

 アレ?

 

『ぐす、亡き親友への想いを込めた熱い宣誓でした。選手諸君も彼に負けぬように頑張りましょう、グスッ』

 

 司会のプレゼント・マイクが涙ぐみながらなんか言ってるっ!?

 

『良い宣誓ね、ナイス青春(ハァハァ)』

 

 主審のミッドナイトもなぜか興奮して息を荒げているっ!?

 

「あ、えーと」

 

「大丈夫です。緑谷さん」

 

 塩崎さん!?その祈りのポーズは一体。

 

「天の国の貴方の友人もきっとこちらを見守っていてくれるでしょう」

 

「いや居るのは魔界なんだけど」

 

 ナニを言ってんだこの聖職者風少女、シスターエルを紹介するぞ。

 

「ん」

 

「漢らしいぜ緑谷」

 

「うん、頑張れ!!」

 

「きっと見つけてくれるノコ!!」

 

 いや、あの。

 

「亡くなった親友に向けた宣言、僕達の胸にも響いたよ」

 

 死んでねえよ、生きてるから。

 なんか誤解されちゃったよ、どうしよう。

 

 

 同時刻、

 この体育祭をモニター越しに見ていた、かつての魔物のパートナー達は、胸が熱くなると同時に思わず「あちゃー」としてしまったとか。

 

 

 

 A組。

 

「成二にそんな過去があったなんて」

 

 耳郎響香のその一言に夜嵐イナサは、

 

「ハハハ、ソウッスネ」

 

 冷や汗をダラダラとかきながら答えるしかなかった。その内心はただ一言「死んでねえよ」である。

 

「それがアイツの理由か」

 

 轟焦凍は思うところがあるのか何やら考えこみ。

 

「知らなかった」

 

 緑谷出久はただただ驚いていた。

 

「ケッ」

 

 そして爆豪勝己は、面白くなさそうな反応を示したのである。

 

 





 補足・説明

 タイトルはエンマとアースの会話でネタバレです。
 彼らは家柄関連で知り合いであり、友人のような関係です。
 前半は物間寧人による作戦とB組のスタンス。
 後半は選手宣誓からのやらかしです。
 事情を知らない人からしたら死んだ友に贈る言葉にしかとれない宣誓でした。 
 ただ、緑谷成二がただのヒーローではなく(人を救うだけならヴィジランテでも良かった)、ナンバー1ヒーローに成りたい理由は、こうなります。
 誰よりも目立つヒーローになって、パートナーに見つけて欲しい、そんな願いからです。
 ヒーローになるだけなら雄英高校でなくても良いわけですからね。
 なんかワンピースの空島編みたいな感じですね、影響されたかもしれません。
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