金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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 実は教師の一部から実力の高さゆえに疑念を抱かれていた緑谷成二と夜嵐イナサですが、友人が亡くなった(勘違い)と知り、その疑念も晴れました。
 亡き友(生きてる)為に奮起するのはヒーローからしたら納得できる理由だからですね。
 なおA組生徒一部は、その亡くなった友人(生きてる)とウンコティンティン二世は何か関わりがあるのかと真剣に考えています。



第十二話 第一種目開始、誤解は本当にどうしよう、

 

 どうしよう。

 周囲から向けられる熱い視線に、どう誤解を解くべきかオロオロする。

 エンマは魔界で生きている。

 けれど魔界へと渡る手段も対話する方法もない。

 写真など映像は一部残っているけど、これも遺品としか思われないだろう。

 そう悩んでいるが解決方法は思いつかず、主審であるミッドナイトにより第一種目が発表された。

 種目は障害物競走。

 スタジアム外周約四キロを走り抜く。

 当然障害物競走だから障害はあり、その対処に何をしても良いと告げられる。

 スタートのライトが消えていく。

 もう考えてる時間はない。

 とにかく雄英体育祭に全力で臨むのみだ。

 

『スタート!!』

 

 一斉に走り出す雄英生。

 だがそのゲートは計11クラスの生徒が抜けるにはあまりにも狭すぎる。

 スタート地点で満員電車並に押し合い圧し合いの混乱状態となる中、俺は跳んで壁を蹴って抜ける。

 

「「「ハァッ!?」」」

 

 都市内、山野、荒野、遺跡、ファウード体内、あらゆる場所での戦闘経験のある俺はこういった状況は慣れたものだ。

 場合によっては観衆を魔物から守ったことだってあるのだから。

 そう飛び跳ねたところで下を見れば先頭集団から一人抜けた生徒が見えた。

 特徴的な髪色の生徒はミッドナイトの何をしてもいいとの言葉を早速実践し、自身の個性で地面と後続生徒の足を凍結させていた。

 

(あれがイナサの言っていた)

 

 轟焦凍。

 ナンバー2ヒーロー・エンデヴァーの息子。A組でイナサに次ぐ実力者とされる生徒だ。

 

『グスッ、さーて実況していくぜ!解説アーユーレディー!?イレイザー!!グスッ』

 

『いつまで泣いてんだお前。ズズッ』

 

『お前もかいっ!!』

 

 司会と解説の声が響く中、先頭集団はまとめて足を地面と凍結され動けなくなる。

 

「そう上手くいかせねえよ半分野郎!!」

 

 突然のことに対処もできずに足を止める彼ら彼女らを飛び越えてA組メンバーが躍り出る。

 同じクラスで彼の個性を知るがゆえに、対処し足を止めることがなかったのだ。

 凍結した生徒と地面を越えたA組。

 その一人、先日兄さんについて説明してくれた峰田君が必殺技で轟君に攻撃しようとするが、横から入試の仮想敵に殴られ吹き飛ばされる。

 交通事故みたいなワンシーンだけど彼は大丈夫なのだろうか?

 仮想敵の出現。

 それが意味することはすなわち。

 

『さぁいきなり障害物だ!!まずは手始め、第一関門ロボ・インフェルノ!!』

 

 個人的な趣味だが人型ロボットよりこんな無骨なタイプの方が好きだったりする。

 稼働中の工場に似た無骨なカッコよさがそこにはあるのだ。

 ロボ・インフェルノで襲いかかるのは入試で受験生に狩られまくったタイプだけではない。

 むしろメインは、俺と兄さんしか破壊していないらしい、お邪魔ギミックでドッスンと称された零ポイントヴィラン。

 実技試験では一エリア一体だけのそれが集団で進路を塞いでいた。

 巨体が密集してるがゆえに動けばぶつかってしまう。だから攻撃できるのは先頭の数体程度、ゆえに多少動くデカい鉄の障害物に過ぎない。

 ならば隙間を通り抜けるのは難しくないなと思っていたら此処でも轟焦凍が動いた。

 彼は巻き上げた冷気にて攻撃してきた一体を凍りつかせたのだ。

 

「危ないな」

 

 凍らせてできた彼が抜けた道を続こうとする生徒達だが、攻撃モーションのまま凍らされた零ポイントヴィランは不安定な態勢。

 このままだと倒れて他の生徒を巻き込むだろう。

 それも戦略だが放ってはいけない。

 

「火炎造形」

 

 火を吹き右手に纏わせ、上段に鈎爪状に構える。守る王を志し一人の女性を愛した魔物、優しき拳士ウォンレイが呪文。

 

「ラオウ・ディバウレン!!」

 

 振り下ろした右手からでた火は、炎の猛虎となって零ポイントヴィラン達を貫き破壊する。

 拳法の手解きをしてくれた友人を思い出し、俺の心はまた熱くなる。

 

『1ーA 轟の攻略と妨害!!それを1ーB 緑谷が個性にて粉砕!!

 序盤からなんとも激しい個性の応酬!!』

 

『あの二人は一年でも突き抜けてるな』

 

 ラオウ・ディバウレンにて出来た直進ルート。その道を俺は突き進む。

 

「兄だけではなく弟もか」

 

 こっちはオールマイトじゃなくて個性がクソ親父みたいだけどな。

 追い抜いた轟君は俺を見て何やら呟いていたような気がした。

 いくらかは破壊したが零ポイントヴィランはまだまだいる。

 ラオウ・ディバウレンを連発してもいいけど、後はソルド・フレイガで充分だな。

 背後から上へと爆発音が鳴り響く。

 直進せずに飛び越える生徒もいるようだ。

 襲いかかるのは巨大な零ポイントヴィランだけではないのだから、避けるという点では上から行くのは合理的だろう。

 対処方法は様々。

 勉強になるなと炎の剣で斬り払いながら俺は思っていた。

 そんな中でも動きの良いのが襲撃事件を経験したA組。経験が迷いを打ち消している、解説のイレイザーヘッドの言葉のとおりだ。

 

 

「追いついたっス」

 

「イナサいつのまに」

 

 ロボ・インフェルノを抜けた先、長い階段を登りきったら(遺跡やファウード体内ほどではないが)、そこには大穴と石柱群。飛び跳ねて超えるには少しばかり距離がある石柱は各所からロープが繋がれていた。

 ルートを守れば何をしても良い。

 この石柱群の先の向こう側の階段までが第二関門のルートなのだろう。

 

『ザ・フォール!!』

 

 いわゆる綱渡り。 

 不安定な足場での活動はヒーローの必須技能だ。まあ田舎で山歩きしてたから綱渡りくらいできるけど、少しばかり面倒だな。

 

「お先ッス」

 

 イナサが個性で飛行し抜けようとしているので俺もそれにならうか。

 

「火炎造形 シン・シュドルク」

 

「って!?ここでシン、スか!?」

 

 シン系呪文。

 それが呪文の最上位格であることを知るイナサは呪文名を訊きギョッとする。

 両肩に十字の飾り、背に二つの巨大ブースターを造形した俺はイナサに並び飛ぶ。

 

「コレに関しては見た目だけだよ。威力はシン系とはとても言えない」

 

「シュドルクならウマゴンっスよね?」

 

「ああガッシュはこれで宇宙へと行ったよ」

 

「クリアの時にそんなことあったんスね」

 

 あの空に昇る光は目に焼き付いているからな。

 イナサと過去を懐かしみながら話す。

 だが外見だけとはいえ一応はシン系と称すくらいのこの呪文に並走できる辺り、やはりイナサの飛行能力と機動性は半端ない。

 

『A、B、トップ二人は並んで空を飛んだーー!!けど綱渡りを飛んで越えるとか試験の意味が、いやA組の爆豪もしてるけど』

 

『むしろ第三関門がヤバいだろ』

 

 第三関門?

 プレゼント・マイクのその言葉に首を傾げ「うおおお、競争っス!!」と叫ぶイナサと追い越し追い越されしているうちに先頭でついに到着。

 

『そして早くも最終関門!!なんですが。

 一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!』

 

「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」

 

 その瞬間、生徒、観客、視聴者達の心は同じ考えを抱いた。

 空を飛んでるアイツラには関係なくね?と。

 

「行くか」

 

「スね」

 

 関門の意図はわかる。

 地雷の位置も見ればわかる。

 先頭集団が勢いのまま慌てて走れば踏んでしまい、ゆっくりと慎重に走れば後続がおいつく。

 後続とのデットヒート、逆転劇も起こり得るエンターテイメントな関門、なのだが。

 

「一位は俺ッス!!」

 

 飛んでる俺達には関係ない。

 

『踏み込み式じゃなくセンサー式にすべきだったかなあ』

 

『それはプロでも厳しいだろ』

 

 俺とイナサの後ろに轟君と勝己さんが迫りくる(といってもかなり距離はあるが)のを感じ俺達は全力で個性を放出した。

 

「負けないよ」

 

 シン・シュドルク。

 これは本来の呪文ならばブースターのついたアーマーのような呪文。

 だが外見を再現したこれは溜めた火を放出する穴の空いた風船のようなもの。

 つまり、

 

「火炎造形 ギガノ・フレイガ!!」

 

 一度発動した後は別の呪文も再現できる。

 後方に顔を向けた俺はダメ押しの大火力を吹き放った。

 それは全力全開で飛ぶイナサにはできない追加発動だ。

 

「ちっくしょう!!」

 

 敗北を悟ったイナサは悔しさに顔を歪めるが、それでも諦めずに速力を緩めなかった。

 

『さァさァ、この展開は予想通りか!!

 今一番にスタジアムに還ってきたその男、緑谷成二の存在を!!

 友への宣誓に恥じぬ力、しっかり見せつけてくれたぜえええ!!』

 

 見せつける、か。

 本当に見ててくれたら良いな、なあ相棒。

 

「あ〜〜、悔しいッス!!全力だったのに」

 

 息を荒くついたイナサが元気にそう叫ぶ。

 

「フライング・ビートさんにもっと鍛えてもらうべきだったッス」

 

「いや飛行能力は個性の応用なんだから充分に凄いだろ」

 

 イナサの飛行は、アメリカで活躍するとあるヒーロー達のように飛行能力が本分ではない。あくまで風を操る能力の応用なのだ。

 魔物の戦いでは攻撃よりむしろ機動性が重視されたから高水準なだけなんだ。

 

「人のことを言えるんスか?」

 

 イナサはジト目で俺を見る。

 

「うん、俺も応用だったわ」

 

 火の造形を変えることが俺の個性。

 呪文再現は趣味と実益を兼ねた応用なのだ。

 続いて到着したのはなんと兄さん。

 さっきの大爆発音が原因だろうか?

 そして続く轟君と勝己さんだが。

 

「また・・・くそっ・・・!くそがっ・・・!!」

 

「勝己さんのあんな顔、はじめて見た」

 

 俺は驚いて固まってしまう。

 今まで見たことのない、悔しさに歪む才能ある幼馴染の表情がそこにはあったからだ。

 

「? 割といつもあんな感じっスけど」

 

 俺の言葉にイナサはそう返した。

 いつもなのか、あの勝己さんが。

 傲岸不遜な天才児。

 その印象で固定されていた幼馴染像が、すこしばかり揺らぐのを感じていた。

 

『さあ続々とゴールインだ!順位等は後でまとめるからとりあえずお疲れ!!』

 

 しばしの休憩。

 勝己さんの次は塩崎さんと骨抜君。

 他のクラスメイトは物間君の作戦通り温存したみたいだ。

 

『予選通過は上位44名!!残念ながら落ちちゃった人も安心なさい!まだ見せ場は用意されてるわ!!』

 

 ヒーロー科は全員通過か。

 気にするべきなのは食い込んできた、普通科とサポート科の生徒かもな。

 そして続けて発表された第二種目は、

 騎馬戦。

 シュドルクしたウマゴンに乗せて貰った日々が懐かしいね。

 チームを組んで鉢巻を奪い合う、普通の体育祭でも盛り上がる競技。

 だが雄英体育祭となれば一味違う。

 個性使用ありな上に、鉢巻は第一種目の順位で振り当てられたポイントがつく。

 そして一位である俺に与えられたポイントは、

 

『1000万!!

 上位の奴ほど狙われちゃう下剋上サバイバルよ!!』

 

 うむ、なるほど。

 

「オルシド・シャロンで皆を拘束するとかありかな?」

 

「ザルチムは影だったけど、成二の場合は形だけ似せた炎っしょ。拘束して焼き殺す気かお前」

 

 思いついた戦法はドン引きするイナサにダメ出しされるのであった。

 拘束系を再現しても攻撃になる。

 微妙に不便だよね俺の個性。

 

 第二種目。

 さてどう乗り越えるか。





 補足・説明。

 第一種目開始。
 飛行能力持ちにはかなり有利。
 なお成二は個性使用中、しっかり焼けてます。ジャージは耐火性高めで焦げてますが無事です。青山君が大丈夫だからこの程度なら許されます。
 第二種目通過者は二人増えて44名。
 順位は上位2名ズレてます。
 ヒロアカ原作キャラは弱体化してないがガッシュ関連に関わってないと強化もされてません。
 ただ爆豪勝己さんのメンタルはやばめ。
 成二は幼馴染の印象が変わりつつあります。
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