ちなみにエリちゃんですが、『本』すら巻き戻せたのでクリアはガチで命を狙いました。
パートナーもクリアに次ぐ危険個体で(本人は忌み子とし迫害されたので対人恐怖症)、最後の最後まで逃げて過ごしていました。
現在はそれぞれ穏やかに暮らしています。
高級弁当より重たいモノを腹に収めることになった昼休憩が終わった。
この後は全員参加の体育祭らしいレクリエーション種目を行う(個性使用可なので視聴者に人気)。
なぜか本場アメリカからチアリーダーも呼んで盛り上げるのだが、これはヒーローの本場がアメリカだからなのだろうか?
そして、なぜかA組女子がチアリーダーのコスチュームで現れていた。
コスチュームを個性で創造したらしい八百万さんの叫びから、これはA組の峰田君と上鳴君の企みで。女子のチアコスがみたいからと騙したようだ。
「騙すのはどうかと思うけど、似合うし可愛いよな」
「な!?」
俺の呟きを拾った小大さんが『?!』と反応し、むんずと近くの小森さんと角取さんを摑むと「なにノコっ?!」「ドウシマーシタっ?!」八百万さんの元へと走りだした。
何をする気だろう?
そして騙されたA組女子達だけど、落ち込んだり、恥ずかしがったり、ノリノリだったりと様々な反応をしていた。
レクリエーションが終われば最終種目。
総勢16名によるトーナメント形式、だが。人数としては二人多い。
庄田君は辞退する気だけど、あと一人はどう決めるのだろうか?
「それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きだけど、二人は落とさないといけないわね。ここは第一種目の順位から決めようかと思うけど」
主審のミッドナイトがくじ引きの箱を持ちながら告げると、A組青山君とサポート科の発目さんが落ち込んだ表情となる。
わかりやすくはあるけど、せっかくの機会がなくなるからなあ。
だけど、落ちるのはこの二人ではなく、
「「辞退します」」
A組の尾白君とB組の庄田君になる。
第二種目で組んだ相手、正確には組まされた相手の個性の結果、最終種目に参加するのは納得できないそうだ。
人数的には助かるし、ミッドナイトがそういった男のプライドが好みらしく、あっさりと了承された。
彼ららしい行動ではあるが少し残念でもある。
尾白君も庄田君も体術の技量が高い強者。
タイマンバトルならば是非とも戦いたかったのだけど。
そんな二人の決断からくじ引きが開始。
俺は三試合目で対戦相手はA組の上鳴電気君。イナサは七試合目で対戦相手は八百万さんだ。
最終種目進出者はレクリエーションに参加するかは自由。なんだかんだでこの最終種目が雄英体育祭のメインイベントで一番注目されている。
息抜きや温存したい者は参加しなくてもよいのだ。
だから俺はスタジアムから離れて、人気のない通路でホッと一息ついていた。
「良かった〜〜」
人前で零れそうだった本音を吐き出す為だ。これは誰かに訊かれたら誤解されてしまうだろうし。
「何がっスか?対戦相手は上鳴さんスけど、あっ(ナニカ察する)」
そんな俺についてきたイナサがそう声をかける。そして俺と上鳴君の組み合わせにナニカあるのだろうか。
「? いや対戦相手の件じゃなくて轟君の位置だよ。これなら勝ち上がれれば彼と戦えるし、兄さんも一回戦で勝てれば轟君とぶつかるから」
「瀬呂さんの勝ち目について」
轟君に勝てないと素で言ってるな俺。
「・・・・・・ドンマイ」
舞台が工場地帯とか足場ある場所ならともかくスタジアムは不利すぎる。
「でもそれでなんで良かったになるんスか?俺はやるとしても決勝戦スね。無理くせえ」
トウヤさんからの頼まれ事、イナサは無理かもな。
「さっきのトウヤさんとの会話で、兄さんが轟君を救うかも、と言ったろ?」
「スね」
「だから兄さんと轟君がぶつかる位置で良かったと思ってさ」
「ああ」
そこでイナサは納得した。
あんなことを言って兄さんが轟君と戦わずじまいだったら、トウヤさんのことだから知り合い全員に広めて笑い話にするだろう(ナゾナゾ博士とか)。
「でも、初戦で負けたらそれまでっスけどね」
「・・・・・・兄さんの信頼度低いなあ」
見たところ相手の心操人使君は筋力やら体術的にはあまり強そうではないが。これが尾白君や庄田君か拳藤さんなら諦めていたけど。
「授業で個性使う度にリカバリーガール送りにされてたらそうなるっス」
「うわあ(ドン引き)」
なんでも兄さんは新入生でリカバリーガールにチユーされた回数がダントツトップらしい(ちなみにチユーされたくなくて病院に行く生徒も一定数存在する)。
「個性制御か、トウヤさんの火傷とはまた別みたいに見えるが」
「妙な個性っスよね本当」
魔界の王を決める戦いで色んな人達と知り合った、それだけ様々な個性を見てきたが、やはり兄さんの個性はなんか変だ。
「違うタイプ過ぎて鍛錬には付き合えないしなあ」
身体能力強化タイプならば制御方法や感覚がわかるかもしれない。
そういえば兄さんは自主練をどうしているのだろうか?
俺はマンションのトレーニングルームを使用しているが、あのパワーならば雄英高校の施設じゃないと厳しいだろう(治療を含めて)。
話を訊くべきか、兄さんにも兄さんの生活があるから関わらないべきか。
悩むところだな。
「いっそデュフォーさんにアレ(脳みそズブリ)をお願いするっスか?便利な人扱いは抵抗ありますけど、あのままだと緑谷出久さん爆散しそうで」
なんでも兄さんはアレでほんの少ししか個性を発動してないそうだ(それで骨折)。
デュフォーさんにこういったお願いをするのは抵抗あるけど、命が関わるしなあ。
「デュフォーさん、今どこに居るっけ?」
「最後に映像送られて来た時は、背景に謎の遺跡があったような?」
((本気で何処にいるあの人))
「ナゾナゾ博士に相談してみるよ」
「医者っスからね」
なんでも知ってるナゾナゾ博士なら兄さんの個性も知ってるかもしれないし。
話しが一段落した俺達はスタジアムに戻る。
さてどの種目に参加するかな?
スタジアムに戻ったら、小大さんがなぜかチアリーダーのコスチュームを着て応援していた(小森さんと角取さんも)。
そんな彼女に「似合ってるよ」と告げてから、レクリエーション種目に参加。
ネクラだった中学生時代は楽しくなかったけど、今の俺なら楽しいと感じる。
美少女に応援されたらやる気が増すねと、借り物競走(俺が引いた借り物は『ヅラ』出題者は外道だ)で一緒だった上鳴君に言えば「同士!」と固い握手をしてもらえた。こんなやり取りが本当に楽しいんだ。
耳郎さんもいつからか応援してくれていて、一年女子のチアに会場は大盛りあがりだ。
神経を研ぎ澄ます。
緊張を解きほぐそうとする。
最終種目までの過ごし方はそれぞれだけど、俺は体育祭を楽しんでいた。
さて、いよいよ最終種目だ。
補足・説明。
繋ぎ回なので短めです。
トーナメント発表からのレクリエーションですね。
小大さんがチアコスになった理由は乙女心です。巻き添えの両者は、アイドル志望と気にしない性格だからですね。
トーナメントの組み合わせですが。
原作では塩崎さんのところに成二が。
常闇君は鉄哲君の所に移動して、イナサが八百万さんとです。
準決勝でイナサと爆豪君にしたかったので。
次話からの各試合に関してはどう描写するか悩んでいます。
どこまで書けばよいのやら。