金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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 ヒロアカ原作キャラ、魔物のパートナーの現在。

 マスタード→ヒーロー育成校でヒーローを目指して邁進中、意外と面倒見が良いと人気。

 夜嵐イナサ→雄英高校A組、事実上最強。

 渡我被身子→大海恵のスタッフ兼護衛兼ピンチヒッター。アイドル事務所からは個性で他のアイドルの代役も頼まれる。

 トウヤ(荼毘)→ヴィジランテ。スポンサーはアポロの財閥。凶悪ヴィランを何人も撃破。

 エリ(壊理)→ルーパーの養女。魔物のパートナー達全員から可愛がられている。歌や踊りが好きになった。



第十八話 最終種目・一回戦。

 

「オッケー、もうほぼ完成」

 

『センキュー、セメントス!』

 

 熱狂のレクリエーション種目は終わり、スタジアムにはセメントスによってコロシアムのようなバトルフィールドが造られた。

 身を隠す場も飛び跳ねる取っ掛かりもない四角い闘技場。だからこそ本人の自力が物をいう。  

 

『頼れるのは己のみ』

 

 まさにその通りだ。

 最初の試合は兄である緑谷出久と、普通科の心操人使。

 場外に落とす、行動不能にする、まいったと言わせる。どちらが先にその勝利条件を満たせるか。

 未だにキチンと見たことのない兄さんの個性がついに発揮されるのか、それとも庄田君が言う恐るべき心操君の個性が下すのか。

 ガンマンの早打ち決闘のような、先に発動した方が勝つ戦いだ。

 心操人使君の個性『洗脳』。

 それは魔界の王を決める戦いで誰よりも人の心を弄んだ魔物『ゾフィス』を知るがゆえに脅威と感じ、また『ゾフィス』と比べたら大したことないと安堵する。

 俺が彼と戦うならば初手でディオガ・フレイドンで焼き払うだろう。

 それぐらいに彼は警戒すべき存在だ。  

 もっとも、心操人使君は現雄英高校生で、ヒーロー志望者。ゾフィスとは比べられないくらい善人なのは間違いないが。

 

『スタート!!』

 

 兄さんと心操君の戦い。

『洗脳』の発動条件を挑発により満たされた兄さんは彼の言いなりとなり場外へと歩いていく。

 問答無用で殴りかかれば勝てた試合。でも友人を想うがあまり黙るなんてできなかった。

 問いかけに答える。  

 あまりにも緩すぎる発動条件は、戦闘での駆け引きすらも必殺となりうる。

 もし彼が魔物のパートナーだったらその魔物は王になっていたかもしれない(デュフォーさんは厳しいか?)。何せ呪文詠唱が返事と認識されたらそれだけで勝てるのだから。

 

「終わりかな?」

 

 トウヤさんに兄さんネタで弄られそうでしんどいが、この個性相手ならば仕方ない。

 心操人使君が悪意あるヴィランならばこうなる前に抗うだろうが、あくまで試合ならば兄さんのヒーロー性は発揮されないのだろう。

 そんな風に思っていたら、バキと音が鳴り突如風が吹いた。

 その風は兄さんから。

 見れば指が二本、内部からへし折れている?どんな原理でそうなったかはわからない。

 無理に力んで骨を鳴らすような感じを身体が破損するレベルでしたのか?

 とにかく洗脳がとけ、正気に戻った兄さんは心操君に掴みかかり場外へと押し出した。

 兄さんの勝利。

 司会のプレゼント・マイクは初戦にしては地味な戦いと称していたが、両者の体術と身体能力の拙さが見てとれる。

 あの戦いに比べたら温い。

 序盤落ちした魔物にすら劣るかもしれない。

 でも、

 

「普通科の星だな!」

 

 本気であることには変わらず、その戦いが見ている誰かの胸を打つのだろう。

 

 

 続いては、

 A組瀬呂範太とA組轟焦凍。

 次の試合は俺だから控室で観戦。

 場外狙いで瀬呂君が速攻を仕掛けるも、轟君がスタジアムの天井すら越える大氷塊を放ち反撃。

 主審のミッドナイトも古い漫画の氷炎将軍みたいに凍りついていた。

 氷塊で押し出すではなく放った冷気が氷塊になってしまった感じか。

 規模ならばカルディオにも劣らないか?機動力とパワーを加えたら間違いなくカルディオの方が強いだろうけど。

 激情のまま振るわれた力。

 何故か見てると悲しくなる。

 

 

 轟君の大氷塊撤去を手伝ってから次の試合。というか俺の試合。

 なんか察しているイナサの可哀想なモノを見る眼差しが少しばかり気になるが、対戦相手は先ほど仲良くなった上鳴電気君。

 電気か。

 あの兄弟は今、仲良く暮らしているかな?

 

『スタート!!』

 

「よお成二」

 

「なんだい?上鳴君」

 

 試合開始直後に話しかけらる。

 口上もまた戦いの駆け引き、さて何を言ってくるのか。

 

「学年トップの実力者。でも場所と相手が悪かったな」

 

「?」

 

「多分この勝負、一瞬で終わるぜ」

 

 その言葉と共に紫電がスタジアムに走る。彼の個性による放電か。

 なるほどこの個性ならば向き合わざるを得ないスタジアムならば開幕プッパで勝てるだろう。上鳴君の自信満々な態度も納得だ。

 だが、

 

「悪いね、効かない」

 

 威力が足りないな。

 

「ウェイ!?」

 

「訳(清麿によるザケルツッコミ)あって放電には慣れてるんだ」

 

『会場の目を晦ます放電を受けてなお緑谷成二は平然としたまま!!つーかどんな訳だ!?お前ん家はゾ◯ディック家かあああ!!』

 

 拷問の訓練ではなく、ツッコミです。

 

「この程度じゃ俺のサラサラストレートを兄さんみたいなモジャモジャ天パにすらできないよ」

 

 いつもザケルでアフロにされてたから髪質ケアは怠ってないのさ。

 

「ウェエエエ!!」

 

「なんかゴメン。火炎造形、ラージア・ゼルセン」

 

 ナゾナゾ博士のパートナー、純真な魔人形キッドの呪文、巨大ダブルロケットパンチを個性使用の反動でウェイしてる上鳴君にぶち込む。

 そういえばナゾナゾ博士って来日してるんだっけか?「ウ・ソ」ってされそうだから本人には確認しないけど。

 

『上鳴電気場外!!緑谷成二、二回戦進出!!』

 

 ガスンッと壁と呪文に挟まれて気絶した上鳴君。搬送ロボットに運ばれる姿を見届けてから俺は会場を後にした。

 

 

 その後も試合はガンガン進む。

 A組飯田天哉とサポート科発目明の試合は、発目さんの企みにより彼女の発明品発表会にされた。

 飯田君、ナゾナゾ博士とも相性良さそうだな(騙されやすそうな意味で)眼鏡だし。

 やりきった発目さんが場外にでて飯田君の(嬉しくない)勝利。

 

 次のA組青山優雅と芦戸三奈の試合は、青山君のネビルレーザーを見事なステップで躱し、手に溜めた酸をサポートアイテムであるベルトに命中させ故障させた、怯んだ所で芦戸さんが青山君の顎にアッパー。

 遠距離攻撃に怯まずに進むメンタルと体捌きにより芦戸さんの勝利。

 

 その次の、A組八百万百と夜嵐イナサの試合は、イナサが高速戦闘に持ち込み殴り倒すと予想していたけど、アイツは女性を殴ることに抵抗を感じ、なんと俺と同様に呪文を再現して八百万さんを吹き飛ばした。

 しかも、その呪文なんだが、

 

「怒りのパワーを右腕に、

 我が強さを右肩に、

 我が美しさを股間の紳士に、

 誇り高き心を左肩に、

 Vの華麗な力を頂点に!!

 チャーグル・イミスドン!!」

 

 よりによってそれかあ。

 千年前の魔物、ビクトリーム(パートナーはまさかの紫式部)の必殺呪文。

 半分の威力で未熟だったとはいえバオウ・ザケルガすら上回った高威力チャージ呪文だ。

 イナサの実力を知るがゆえに、八百万さんはVのポーズをとりチャージする姿を好機と判断し、個性で巨大砲台を創造しようとしてしまった。

 放たれるエネルギー波は本物とは違い凝縮された風だが、直撃しなくとも八百万さんとその砲台を吹き飛ばすには充分な威力があったのだ。

 

「やっぱビクトリームはカッケェ」

 

 試合後に満足そうに笑うイナサの姿が印象に残った。しかしイナサ版チャーグル・イミスドン。空中でチャージできるなら拠点攻撃とかにうってつけだな。

 

 A組切島鋭児郎とA組常闇踏陰の試合。

 これは意外なことにかなり長引いた。

 常闇君の個性である黒影は基本的に攻撃は通じず早くて自在の動きをする。

 フィールドを高速で襲いかかる黒影に切島君は一方的に圧倒されると思いきや、硬化を発動し黒影の攻撃を耐えながらも本体である常闇君へと進む。

 途中で身体を投げられそうになるも、ステージに足をめり込ませながら進み、常闇君を切島君は相撲か戦車のように押し切って勝利した。

 

 そして一回戦最後の試合。

 それははじまる前から不穏な空気が漂っていた。

 A組爆豪勝己とA組麗日お茶子の試合。

 女の子と男子の戦いは、普通に戦っても男子が悪く言われがちだ。

 青山君と芦戸さんの試合は青山君がなんかキャラ的に批判されなくて、イナサと八百万さんの試合はお互いに溜めてからの一発勝負。

 だからそれほど騷がれずにすんだ。

 だが、この組み合わせはそうはならない。

 勝己さんはチンピラ同然の言動を繰り返す爆破という強力な個性持ち。

 麗日さんは応援したくなる如何にも普通の女の子。観客がどちらに味方するかは明白だ。

 そして麗日さんの個性はその掌の肉球に触れさせないと発動できない。

 なんとか勝己さんに触れようと突撃するも、容赦なく爆破で迎撃する。

 手加減も油断もしてないからこそのその戦法は周囲からは女の子をいたぶってるようにしか見えず、勝己さんは観客からブーイングすらされた。

 まあそこは、解説のイレイザーヘッドが反論したけど。担任だけあって彼は生徒をよく見ている、警戒を怠らない勝己さんのことも、決して退かない麗日さんのことも。

 彼女は無策で突撃なんてしていなかった。迎撃された際にできるステージの破片を個性で空中へと浮かばせていたんだ。

 触れただけで相手に勝てる彼女の、触れずに使える唯一の攻撃手段。

 だがその流星群のような奥の手は、圧倒的火力がねじ伏せる。

 

「躱すことだってできただろうに」

 

 落下地点は麗日さんに当たらない場所。ならば彼女の側まで跳べば良いだけ。

 それをしないのは勝己さんの意地か、彼女への敬意なのか。

 その正面突破に爆豪勝己らしさを俺は感じた。

 

「凄いな勝己さん」

 

 彼はやはり昔憧れた強者のままだ。

 秘策破れた麗日さんは個性の許容重量を超えた疲労から崩れ落ち、彼女の行動不能にて勝己さんの勝利だ。

 

 これにて一回戦はすべて終了。

 続く二回戦、俺の対戦相手は飯田天哉君。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 一回戦みたいな戦いにはならないだろうけど、接近戦を主体にカンフーメインにやろう。

 攻撃呪文は下手に打ったら躱されそうだしな。

 

 





 補足・説明。

 一回戦を一気に。
 原作のままの試合もあります。
 緑谷出久対心操人使。
 しかし心操人使君、場外まで歩かせないで「参った」と言わせたら勝ちだったのでは?
 上鳴対成二。
 ザケルツッコミのせいで成二には効きません。イナサの反応は彼にも効かなかったからです。
 八百万対イナサ。
 なんと華麗なるビクトリームの必殺呪文。イナサの攻撃力不足を補うチャージ技です。ヤオモモも創造に時間がいるのでチャージ対決にのってしまいました。
 切島対常闇。
 黒影の攻撃に耐えきれるならばあとは自力勝負。切島君の強さはこれができることにあると思います。
 
 次話ですが、原作のままが2試合に、実力差がある2試合なのであまり盛り上がらないかも?
 でもまるっと飛ばすには抵抗があるんですよね。
 飛ばして第三試合にするか悩み中です。
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