金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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 小ネタ。

「しかし俺の偽名を気にしないとか、末っ子の天然ぶりには将来が心配だな」

 回転寿司を奢った後、適当にゲームのキャラ名を偽名としてつかったトウヤさんはそう言った。
 あの天然ぶりには毒気が抜かれたそうだ。
 当時の年齢と殆ど隔離されて育てられたことから兄として気づかないのは不思議ではないらしい。
 しかし、

「「((エリちゃんに幼児化を狙われてる貴方の将来の方が心配です))」」

 クリアから身体を張って守ってくれたお兄さんに恋する幼女。
 彼女の目論見を、戦友の中で狙われてる本人だけが知らなかったりする。



第二十四話 コードネームをつけよう。あと戦友がすいません

 

 体育祭が終わって二日後。

 戦友達からお疲れ様というメッセージと、次は自分のパートナーの術をやってとリクエストが山のようにきた。

 やっぱり皆、パートナーのことが大好きなんだと再確認できてなんだか嬉しくなった。

 体育祭でのお披露目ができなかった術は今度の集まる機会にでもやってみよう。

 形だけしか再現できなくともきっと喜んでくれるだろうな。

 そんなほっこりした気分の朝の通学路。

 当たり前のように両側にいる耳郎さんと小大さん。すれ違う人達から向けられる視線は、体育祭で有名になったからだけではない気がする。

 

「ん」

 

 ところで小大さん、自分の傘があるんだから俺の傘に入ろうとしない、この傘は一人用だから。あと耳郎さんがすごい目を見開いてこっちを見ているからね。

 

 

「すいませんでした」

 

 1ーBの教室に入ったらなんか物間君がクラスの皆に謝罪しまくっていた。

 拳藤さんに何アレと尋ねてたら、なんでも彼はA組生徒達が通学時にめっちゃ声をかけられてる姿を見たらしい。

 もちろんB組生徒だって全くないわけではない。騎馬戦の時などはモニターにドアップで映し出された場面もあり、それはテレビにだって流れただろう。

 だから同世代の高校生の中では、全国区のスポーツ大会の代表かそれに次ぐ知名度にはなった筈だけど。

 

「そうだけどさ、やっぱりA組に比べるとね」

 

 それは仕方ないか。

 やはりバトルフィールドでタイマンバトルとなれば印象に残るだろう。

 でも、

 

「瀬呂君とか上鳴君はネタにされるのでは?」

 

 瞬殺された二人でドンマイコールされたし。

 

「同じ負けなのに、青山なんかより目立ってそうだよね」

 

 青山君はなんか普通に戦って負けたから逆に印象薄いかも?他には八百万さんも瞬殺ではあったけど彼女は女子の中でかなり目立ってたからなあ(おはだけが理由)。

 

「ボクの提案で負けてしまったんだ、せめて謝罪くらいはさせてほしい」

 

「でもよ、戦略抜きに上鳴対策をしてなかった時点で結果は同じだったと思うぜ」

 

 回原君は仕方ないとそう言った。

 事前対策をしなければ俺やイナサみたいに素で耐えられる者以外は抗えない上鳴君の個性。あらかじめ知っていたA組ですらくらったんだから厄介過ぎる力だ。

 

「わかってるよ、だけど次はこうはいかない」

 

 一通り謝罪を終えた物間君は、再び打倒A組の為に戦略を練り始めるのであった。

 体育祭以外でも競う機会はあるみたいだしね。

 

「おはよう」

 

 それでも一気に全国区になったと盛り上がる教室だけど担任のブラドキングが入室したことですぐさま自分達の席へと戻った。

 ブラドキング先生はまず体育祭での皆の頑張りを労い、物間君の戦略にしても一年で実行する者は珍しくまた指揮力もあると評価されていると伝え、一通りの連絡を終えてから授業を始める。

 今日は午前中から一般科目ではなくヒーロー情報学の授業だ。

 

「本日は少しばかり特別でな「コードネーム」ヒーロー名の考案だ」

 

「「「おっしゃああああ」」」

 

 喜びの声を上げるのはヒーローを志す者として胸膨らむ内容だからか、それともヒーロー関連の法律についての座学ではないからか。

 

「急ぎで決めるには理由がある。近いうちに行われる職場体験ではヒーロー名が必須、後で変えることもできるが決めなければならないんだ」

 

 なるほど。

 職場体験とはいえコスチュームを着たヒーロー活動。本名呼びはマズイのだろう。

 

「そしてこれは「プロからのドラフト指名」に関係してくる。職場体験ではこの指名が重要でな、一年の段階では将来性に対する興味に近いが、今回の指名が縁で一生の付き合いを結ぶ場合もある」

 

 指名か。

 すでにエンデヴァーから誘われているんだよなあ。職場体験どころかサイドキックまでどうかと言われたし。

 B組指名件数。  

 モニターに俺の5000を超える数字が標示されたけど、他のヒーロー事務所を選ぶ気はない。

 他に指名を受けていたのは、物間君や塩崎さんなどの騎馬戦で活躍した人達。

 障害物競走、あれでしっかりと個性をお披露目しといた方が良かったのかもしれない。  

 騎馬戦だと個性を使用できない人も多かったのだから。

 

 その後、ボードを渡されてヒーロー名を記入。クラスの皆の前で発表となった。

 ものすごく悩んだけど俺は、

 造炎ヒーロー シエン。

 ととりあえず決めた。

 炎を使う、炎を司る。

 使炎であり司炎。

 あるいは呪文のエネルギーである心の力を入れて、心炎、でもある。

 他の皆は、やはり個性などから付けている。

 なおヒーロー名で困ったら、男だったら個性+マンにして、女性だったら、Ms.を前につけるか、レディやガールを前後につけるのが定番らしい。

 なお名前被りがでるとヒーロー公安委員会から勝手に二号とか数字をつけられてしまうという都市伝説もあるそうだ。

 盛り上がったヒーロー名発表。

 皆のセンスも色々だなあ。

 それが終わったら、職場体験について。

 指名のあった者達はリストを渡され、なかった者達は雄英高校がオファーした全国の受け入れ可の事務所から選ぶことになる。

 五十音順に並ぶリスト、そこにエンデヴァー事務所を見つけた俺はすぐさま用紙に記入してブラドキング先生に渡した。

 

「「「「「即決かよ」」」」」

 

「「「5000件超えなのに」」」

 

 好きなヒーロー事務所があればそこにしただろうけど、知ってはいてもファンになるようなヒーローはいないからね。

 

「ん?」

 

 小大さんがどこにしたのかと覗きこんできたけど、エンデヴァー事務所と知り残念そうに肩を落とした。

 彼女もいくつか指名がきているみたいだけど、

 

「殆ど芸能とかアイドル系ヒーロー事務所だね」

 

「ね」

 

 体育祭で個性を披露できなかった彼女はその容姿から選ばれたようだ。

 

「此処はイジメが酷くて、こっちはトップが金にがめつい、オススメはこれかな?」

 

 恵さんとヒミコとの付き合いからアイドル業界には裏事情も含めてそれなりに詳しい。小大さんに勧めたのはスポンサーから頼まれて後天的にアイドルを兼業したヒーロー事務所、そこならトラブルもないだろうしね。

 

「ん」

 

「アイドル系ヒーロー事務所から指名とか羨ましいノコ」

 

 勧められたからと選んだ小大さんを小森さんは羨ましそうに見ていた。

 

 

 

「少し良いだろうか?」

 

 放課後。  

 訓練室でも借りようかと教室を出ようとしたら、A組の飯田天哉君から声をかけられた。

 

「何か用事でも?」

 

 飯田君は俺からしたら兄の親しい友人という存在。不仲ではないが、親しいと呼ぶほどの付き合いはない。

 

「ああ、君に渡して欲しいと頼まれたものがあってな」

 

 そう言うと彼は何やら包みを取り出した。

 

「わかった、いこう」

 

 渡す以外に話がありそうなので俺は彼についていくことにした。

 

 

 

 場所を移して人気の無い空き教室。

 

「まずはこれが「ハワード・フリードマン」医師から渡してくれと頼まれたものだ」

 

「ありがとう」

 

 ハワード・フリードマン。

 ああナゾナゾ博士か。

 渡された包みを開くと中には手袋。

 素手で炎に触れて火傷しない為のサポートアイテムだ。

 素手で炎を掴んでいたのはその方がより細かく再現できるから。布一枚挟むだけでなにかズレる感覚があるから火傷を気にせず触れていたんだ。

 だがこの新しい手袋ならば大分マシになるようだ。

 

「郵送でも構わないのに」

 

 あるいは直接手渡しでも。

 

「しかしなんで飯田君がナゾナゾ博士と?」

 

「ナゾナゾ博士?フリードマン先生は兄のインゲニウムの手術を担当してくださったんだ」

 

 インゲニウムの手術。

 先日のヒーロー殺しの件か。

 

「その、お兄さんは」

 

「大丈夫だ。

 ヒーロー殺しにまた狙われる恐れがあるので、完治するまでは公表しないが、フリードマン先生のおかげでリハビリ後にヒーローとして復帰できるそうだ」

 

 ナゾナゾ博士はあの戦いでは正体不明の人物だったが、実は世界的に有名な医師であることが伝えられた。

 特に外科手術に関しては医師の中では知らぬ者がいないほどなのだとか。

 それゆえヴィランや裏稼業の者にもその身柄を狙われていて、マジョスティック12は彼の護衛としてその側に控えているそうだ。

 そんな彼の来日は業界内ではすぐさま知れ渡り、だからこそインゲニウムは助かったのだろう。

 

「そうか、良かった」

 

 インゲニウムだけではない。

 過去の悲劇から医師を引退してナゾナゾ博士となったあの人が、再び患者の為にメスを握った。

 あの戦いが、キッドとの出会いが、そうなるきっかけになったんだろう。

 それが戦友として同じ経験をした者の一人としてとても嬉しかった。

 けどそれで終わらないのがナゾナゾ博士。

 

「しかし驚いたよ、フリードマン先生は世界的な医師であると同時に世界一の寿司職人だとは」

 

「それはウソだよ」

 

 やっぱりウソついたよあの人。

 

「ハアアアア!!」

 

 眼鏡が罅割れるほど驚くことか?

 

「では、魚介類を食べない国の回転寿司屋ではプリンと醤油を混ぜたモノがウニとして寿司ネタにするのも」

 

「そもそも魚介類を食べない国に回転寿司屋ってあるのか?」

 

 あるとしたらとんでもないチャレンジャーだと思う。

 

「赤く着色したタピオカをイクラ寿司にするのもウソなのかあああ!!」

 

「そこはもう人工イクラで良いじゃん」

 

 植物由来の素材だけで作れるか知らんけど。

 

「騙されたあああ!!」

 

「飯田君って実はキッドが転生したとかだったりしない?それともキッドが憑依してるとか」

 

 きちんと魔界で暮らしてるよな?

 博士恋しさに取り憑いたりしてないよな?

 戦いが終わるまで魂状態になってるとか教えられたから不安なんだけど。

 それくらい飯田君とキッドは似ているよ。

 

 騙されやすい(相澤先生には合理的思考虚偽され、発目さんにも利用され、ナゾナゾ博士にも騙された)飯田君の叫びが放課後の校舎に響き渡るのであった。

 

 





 補足・説明。

 成二のヒーロー名は「シエン」です。
 意味は作中に書いた通りです。
 飯田君はどうしようか悩んでいます。
 募集とかは規約でアウトでしたっけ?
 B組での発表会はカットしました。
 A組ほどにネタに走るのがなかったので。
 小大さんに指名はオリジナル設定です。マウントレディが最善だと思いますが、雄英高校からのオファー先なのと峰田君がいますから(またマウントレディが可愛い娘を指名すると思えないので)。
 ナゾナゾ博士が来日していたのは成二が理由です。手袋も直接渡したかったのですが、インゲニウムの手術で医師たちが訪れまくって無理でした。
 彼はオールフォーワンも名前なら知り、ドクターの以前の学会発表も知っています(あとリカバリーガールとも知り合い)。
 インゲニウムの無事についてはヒーロー殺しの騒動がおさまるまで公表できません。メッセンジャーとして生かしはしても、ヒーローとして再起させる気はないでしょうし。
 最後の寿司ネタは、博士が飯田君で遊びました。周りのお兄さん達も騙される飯田君を見て笑いを堪えていたとか。
 キッドは魔界にいます。
 けど不安に思うくらい似てました。
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