金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

32 / 61

 小話。

「そういえばエンデヴァー、君には綺麗な娘さんがいるって」

「「「赫灼熱拳」」」

「エンデヴァーとショートとあと誰か知らんヤツがとんでもねえ火力をぶちかましてんな。
 そしてそれを直撃してなんで乳首が焦げる程度なんだあの馬鹿」

 そんなフォルゴレとエンデヴァーとショートとトウヤと爆豪のやり取りがあったとかなかったとか。




第三十一話 期末試験まで。

 

 ヒーロー基礎学にてオールマイトの後継者である緑谷出久が肉体を自壊させずにワン・フォー・オールを発動する技(基本技能?)フルカウルをお披露目し、無事にメガンテマンの汚名を返上(何気に本人もデク呼びより気にしていた)したが結局ビリッケツで授業を終えた。

 その後に男子更衣室にて峰田実が壁に空いた穴から覗きを実行し、美少女なのに何も言われなかった(発育のみで女性を判定するとは峰田実は女好き失格)耳郎響香によりその眼球から爆音を流され、リカバリーガールの眼球チユーから説教及び反省文の罰則をくらった。

 そしてそれから緑谷出久はオールマイトから、ワン・フォー・オールの成り立ち、そしてその元凶といえるスーパーヴィラン・オールフォーワンについて知らされる。

 何事もなく終えた職場体験。

 それでも先々代ワン・フォー・オール保持者の相棒にして先代ワン・フォー・オール保持者オールマイトの師であったグラントリノにより、緑谷出久の確かな成長とその心根のまっすぐさを認められ今まで黙っていたこの情報を伝えることにしたのだ。

 それは先日、雄英高校を襲撃したヴィラン連合なる集団、その背後にオールフォーワンが存在すると確信に近い予感があったからだ。

 歴代最強のワン・フォー・オール継承者であるオールマイトですら多大な犠牲と代償をもって討伐した筈の巨悪。

 しかし痕跡一つあればその存在を疑う余地がないのがオールフォーワンなのだ。

 いずれその巨悪と目の前の少年を戦わせることになってしまう。

 その事実をなんとか伝えたオールマイトだが、それでも一つ伝えられない情報があった。

 日本で共に戦い抜き、現在は袂を分かったサイドキック。彼の個性により知ってしまった、未だ誰も覆すことのできない確定未来。

 オールマイトの死。

 それを自分がいて期待し、見ていることが、心の支えとなっている後継者に伝えることができなかった。

 尊敬する先達の死。

 それが如何なることなのかは、どんな衝撃と痛みを与えるのかは、オールマイト・八木俊典こそが誰よりも知っている。

 自分はあの暗黒の時代を終わらす為に耐えきり乗り越えることができた。

 しかし、緑谷出久は彼の双子の弟のように苦しみを乗り越えて前を向けるのだろうか?

 平和の象徴と謳われる英雄は、未来を憂い苦悩に身を包むのであった。

 

 

 

 そんなシリアスなオールマイトやら世界情勢に関わる重大な状況を一切知らずに緑谷成二の日常、雄英高校学生生活は続いている。

 魔界の王を決める戦い。

 そんな個性以上にオカルトで超常でファンタジーな経験をしてしまった緑谷成二を含む魔本組は、緑谷出久の個性に関してのアレコレを「そんなこともあるよね」で流してしまい、疑問にすら思っていなかったのだ。

 

 

 

「夏休みに林間合宿があるっスね」

 

 雄英高校昼休み、学生食堂「ランチラッシュの飯処」で俺は小大さん、イナサ、耳郎さんと一緒に食事を摂っていた。

 俺が食べているのは日替わり定食。

 毎日違うメニューで毎回ハズレがなく単品注文よりもバランスが取れているから重宝している。

 ズルズルとうどん(特盛三玉)を啜るイナサのその一言で、俺達もそんなことを言われていたなと思い出す。

 夏休みという長期休暇の時間を活用した雄英高校ヒーロー科の行事。

 ヒーロー科生徒の学ぶことは多い(他科も他の学校よりは遥かに多いが)、一般科目とヒーロー関連の座学に各国言語と救急救命及び運転免許資格(希望者)など、本人のやる気次第でソレこそ際限がない。

 しかし、結局のところヒーローに一番求められているのは戦闘力であり、もっと言うと個性の技量である。

 どれだけ知識があろうとも個性の技量練度が低ければどうにもならないのがヒーローという職業なのだ。

 ゆえに林間合宿という場にて、朝から晩まで個性習熟に専念し、技量上達に励むのだ。

 一応はイベントなので、それだけではなく飯盒炊爨や肝試しや川遊びなども予定されている。

 このような行事がある為か、各ヒーロー育成校の団結は強く、その関係は卒業後も続いてる場合も多いのだとか。

 

「ヒーロー科の皆と過ごすとか楽しみだね。アチラコチラ世界各国を行ったり来たりしたけど、目的があって楽しんでばかりじゃなかったから」

 

「スね。本当にアポロさんには助けてもらいましたっス」

 

 旅人を辞めて財閥を継いだ彼はナゾナゾ博士に頼まれていつも俺達の手助けをしてくれた。

 こと移動に関しては彼の助力がなければ呪文や個性を用いた生身での移動(密入国)しかなかっただろう。

 金銭的な理由は勿論、外国への移動は手続き一つで時間がかかるのだから。

 その辺はフォルゴレとかフットワークが軽かったなあ。なお一番大変だったのはサンビームさんらしい、知り合いの中でも経済的、就業的に一番負担が大きかったそうだ(ルーパー?母に不可能などない)。

 

「でもさ期末テストの結果次第なのが厳しいよね」

 

「ね」

 

 俺とイナサの内輪の話題を気にしてはいるがいつものことだからと耳郎さんは流して話を続ける。

 なんでもA組では担任のイレイザーヘッドから期末テストで合格点に満たなかった者は学校で補習地獄だと告げられたらしい。

 

「B組だとそんなことは言われなかったけど」

 

「ね」

 

 どうやら同じヒーロー科であるA組とB組では伝えられている情報に違いがあるらしい(担任の方針の違いともいう)。

 確かにブラドキング先生から林間合宿前の期末テストは重要ではあるが、全員参加が前提で家族行事の調整や体調管理をきちんとしていくように告げられていた。

 そもそも学校で補習地獄とか林間合宿に担任がついていくなら担当する教員が足りないのではないだろうか?(二年・三年の担任も夏休みだろうと多忙を極めている。個人のヒーロー活動要請も夏休みは多い)。

 

「じゃあ、もしやまた合理的虚偽?」

 

「また飯田君の眼鏡がリアクションで割れそうっスね」

 

 合理的虚偽がまたと言われるくらいやってるイレイザーヘッドがどんな教師なのか少しばかり気になってくる。ブラドキング先生の方が良いのは前提だけど。

 

「ま、補習をやったとしても林間合宿中に睡眠時間を削ってやるんじゃないか?」

 

 ソレぐらいの無茶ならブラドキング先生も熱血やら根性的なノリでやる。

 

「「そっちの方が嫌だよ」」

 

「ね」

 

 俺の予測に期末テストの結果が悪くても林間合宿には行けると思った二人だが(イレイザーヘッドだから確定ではない)、この予測は黙っていようと決めたそうだ。そういった情報を知れば気が緩みそうなクラスメイトが二・三人いるらしい(上鳴、芦戸、他など)。

 

「演習試験が内容不透明なのも不安っス」

 

「プルスウルトラと叫べば何でも有りだからね雄英」

 

 いやそれは割とA組だけ。

 ブラドキング先生は基礎重視で突飛なことはあまりしないけど。

 

「確か、例年なら対ロボット実戦演習だとか」

 

「マジすか?」

 

「ん」

 

「なんで知ってるのさ?」

 

「ウチのクラスの拳藤さんからの情報。先輩から聞いたんだって」

 

 コレばかりは付き合いと本人のコミュニケーション力が試されるな。

 

「先輩っスか。知り合いとかいないからなあ」

 

「ウチもいない。中学で雄英受かった人なんていないし」

 

「ね」

 

「中学時代に友人とかいなかったデス」

 

 戦友と相棒は出来たけど、清麿とは違い学友とは疎遠なまま終わったからなあ。

 

「ならなんとかなるかも」

 

 演習試験の内容がわかりホッとする耳郎さん。 

 

「ロボット粉砕破壊被害記録歴代トップを更新し続けてる今年度一年にそんな試験をやるんスかね?」(なおヒーロー科だけではなくとあるサポート科生も施設ごと壊しまくってるとか)。

 

 けれどイナサがそんな安心に水を差す。

 しかしその発言には心当たりがありまくりだ。雄英高校名物の仮想ヴィランロボ軍団、サポートだけではなく実戦訓練の対戦相手も務めてくれる存在だが、盛大に壊しまくってるからなあ。

 

「じゃ演習試験も安心はできないか。

 というか成二はともかく、夜嵐も普通科目は大丈夫なの?」

 

「ともかくってなんスか。勉強なんて脳みその筋トレだから余裕っス」

 

「熱血キャラって際限なく鍛えれるから強いよね」

 

 脳みその筋トレとはなんぞ?と思うが鍛えることが娯楽みたいな性分なのは利点だ。

 

「むしろ、最初に会った頃はまだヒーローになる気がなくて、中学卒業したら田舎で農家兼業猟師になるつもりだった成二の方が心配っスよ」

 

 中学一年の時はそうだったからなあ。

 だから学力も当時は一般的な中学生の普通以下だった(学力が理由で千年前の魔物の時は実家に残らされそうになったレベル)。

 

「今は違うよ。オイ、イナサその疑わしい眼差しはやめろ。あの時はほんとに悪かったって。きちんと学力でも学年トップだから心配はないよ」

 

 ヒーローになるどころか、何事にもやる気そのものがなかったんだからしかたないだろ。

 

「ヒーローになる気なかったんだ」

 

 結構意外かもと耳郎さんは言う。

 

「ね」

 

 ヒーローどころか、エンマに出会わなければヴィランにすらなっていたかもしれない。農業と狩猟も他にやることないから手伝っていただけで好きではなかったし、それぐらい当時は劣等感で潰れていたのだから。

 

「アイツと出会ったからヒーロー目指したようなもんだしなあ」

 

 ヒーローに成りたいという感情は正しくはエンマが言うには諦めて燻っていた願望らしいけど。

 俺の言うアイツが、体育祭の生徒代表挨拶で語りかけた存在だと察して耳郎さんと小大さんは黙る。

 うん、誤解がより悪化するなあ。

 

「あと学力に関しては少しばかり思う所があってさ」

 

「?」

 

 その言葉に事情を知るイナサとて首を傾げる。

 思う所、それはファウードの戦いの時のことだ。あの戦いはあまりにも清麿に負担をかけ過ぎてしまっていた。それは清麿の優れすぎた頭脳が理由だが、ファウードのシステムや装置などは俺の頭が良ければサポートぐらいは出来たのではないかと思うのだ。勉強をひたすらして学力を上げた理由は、あの時の無力感が大きく関わっている。

 ちなみに魔界文字が読めて、魔界屈指の天才児である我がパートナー・エンマなのだが、ヤツの唯一の欠点が機械関係であり、その時は役立たずどころか完全に危険物であった。

 なにせスマホを軽く操作して爆裂四散させた輩だ、ヤツがファウードの機械を弄ってしまったら、事件は解決はしただろうがファウードは爆散消滅して俺達は全滅していただろう(なおコーラルQなどのロボット系魔物はエンマを見たら全力で逃げる)。

 

「じゃ、じゃあさ」

 

 祖父母宅が薪焚きの風呂じゃなかったらどうなってたかなとパートナーを思い出していたら、耳郎さんが頬を赤らめて耳たぶを弄りながら言葉を紡ぐ。

 

「ウチに勉強教えてくれない?何だったら休みの日とか実家でさ」  

 

「は?」

 

「別に構わないけど」

 

「は?」

 

「勉強どころじゃなくなるからやめとくべきっスよ。ラブコメは林間合宿か夏休みにしましょうや」

 

 モジモジしだす耳郎さんと何やら怒気を溢れだす小大さん。

 そんな二人にイナサは冷静にツッコむのであった。

 

 林間合宿を左右する期末テスト。

 果たしてどうなるやら。

 





 補足・説明。
 
 ワン・フォー・オール関連ダイジェストと、昼休みのアレコレです。
 ワン・フォー・オールはステインイベントがありませんでしたが、脳無を調べた結果オールフォーワンの痕跡を発見しました。
 成二サイドは現在緑谷出久サイドのことをあまり気にしていません。彼ら基準で精神はともかく緑谷出久が飛び抜けた実力者じゃないのも気にしない要因です。

 食堂での一幕。
 原作での物間君の緑谷君達の絡み、難癖はステインの件がないのでありません。
 
 緑谷成二の学力。
 雄英高校進学もありますが、ファウード編での無力感から必死に勉強しました。特にプログラミング関連はサポート科に入れるレベルです。

 エンマの弱点。  
 機械関係が致命的に苦手で、銀魂の某ダークマター製造機レベルです。弄ったらなぜか爆発します。
 彼を単身突入させてファウードを弄らせたら(ある意味)解決してました。まあその場合はゼオンが命懸けで止めましたが。そしてガッシュ2で魔界は滅んでました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。