金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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 原作ヴィラン連合に加入時期のトウヤ君。

「エンデヴァーが、エンデヴァーが、乳をもげ、乳をもげ、を歌っとる、ブフッ、グヘッ、ブハハッ」

「いつまで人ん家で動画見て笑い狂ってんだよ。つーか帰れ」

 トウヤは現在ヴィランを焼いては、戦友というほど付き合いはないが、魔物パートナー繋がりで知り合いのマスタード少年宅(上京して一人暮らし)に居候して動画を再生してはのたうち回っていた。
 マスタード少年はヒーロー科学生の自宅に有名ヴィジランテが居候していることに、これヤバくね?、と冷や汗をかいてるぞ。



第三十四話 2人の英雄、プロローグ。

 

「逃げよう、だあ?

 馬鹿かテメェ、逃げるヴィランを捕らえる専門家がヒーローだろうが」

 

「意地を張ってるだけだあ?

 意地も張れねえ、勝つ気もねえやつがてっぺんなんか成れるかよ」

 

「逃げるなら勝てる逃げを考えろ。

 草食動物だって勝算があるから逃げてんだよ」

 

「チッ、強え。

 けどなぁっ!!カバに成りたい馬鹿だってクソ強かったんだよっ!!」

 

「は、ようやく来やがったかクソデク。

 そうだ、逃げ場なんて後ろにはねえ。

 オールマイトをぶっ倒した先にあんだよ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・あの馬鹿みてえにぐんにょりした謎回避をしちまった。ダンスか、ダンスが原因なのか?」

 

「ぶちかますぞ、レップウッ!デクッ!

 最大火力で最強をぶち殺すっ!!」

 

 憧れの存在ではあるけど欠点や問題点を上げたらきりがない幼馴染、爆豪勝己。

 雄英高校に入学してからの彼は、常に焦っているように見えた。そう例えば苛立った時の彼の仕草である腕の動か〜〜(以下ノート数ページ分にもなる爆豪勝己の行動分析)、〜〜していて実力はクラスでも常に上位なのに関わらず余裕がないように見えた。

 そんな彼が変わったのはいつだったか。

 ヴィラン集団が雄英高校に襲撃してきた時、ではない。あの後のかっちゃんはヴィランを抑えこんだ夜嵐君を見て悔しそうに歯を食いしばっていたから。

 体育祭でも、違うと思う。

 夜嵐君に勝った時はいつもの彼だったし、僕の弟である成二との戦いも全力でぶつかった上での敗北だからどこか納得はしていたけど、表彰台の上にいた時のA組トップになったことで勝ち誇る(みみっちい)姿はまさに僕の知る爆豪勝己そのものだった。

 となれば原因となる機会はただ一つ。

 日本のトップランカーヒーロー達の指名すら蹴って選んだ職場体験だろう。

 イタリアの英雄パルコ・フォルゴレ。

 コメディアンなのにヒーローにされた異色の傑物。僕はヒーローではない、ヒーローをやってるつもりはない、と発言しつつも活躍し華々しい戦果をあげる彼をあまり好きではない。

 その発言からヒーローの手柄を奪うなと反感をもってしまうのだ。

 彼が最初からヒーローならばそんな感情を抱かないけど、パルコ・フォルゴレ自体はイタリアの英雄とは名乗っても「ヒーロー」という職業の括りにはされたくないみたいなんだ。

 その行為が、僕には成りたい存在を足蹴にされてるみたいに感じて嫌だったんだ。

 あと時折テレビに流れる『乳をもげ♡』がちょっと、いやかなり苦手でした。

 ヒーロー好きな僕はもっとカッコいいのが良いのです。

 そんな人物の元で一週間職業体験。かっちゃんはステージでダンスして、病院で子供達の為に成二と轟君とエンデヴァーと踊ったりなどして、すっかり変わっていたんだ。

 僕だって職場体験の一週間で成長した。

 オールマイトを指導したグラントリノの元でワン・フォー・オールの使い方を学び、ついには身体を自壊させずに発動できるようになり、全身にワン・フォー・オールを行き渡らせることができるようになった。

 さらにオールマイトからワン・フォー・オールを受け継ぐ者の使命を伝えられもした。

 憧れている存在から、力だけではなく未来まで託されたことに僕は不安もあるけど喜びや感動に似た衝撃をうけたんだ。

 だけど、

 だけど、そんな僕よりも彼らはまだ遥か先にいる。職場体験で大きく成長したかっちゃんと、そんなかっちゃんと同格以上に渡り合う夜嵐君、そして2人が自分より強いと断言する、僕の双子の弟である成二。

 自分は常に追いかける側だとわかっている筈なのに、思い知らされてきた筈なのに、それでも胸に燻ぶる感情がある。

 まだ言葉にできない冥く淀んだ感情が。

 

 

 

「おはよう、緑谷少年」

  

 目を覚ました瞬間に目の前にオールマイトの顔がある。それに勝る幸せはないだろう(注、一部の変た特殊性癖の者だけ)。

 

「起きたまえ、そろそろ到着するよ」

 

 現在僕は空の上。

 オールマイトと二人きりで小型プライベートジェットに乗り、とある場所へと向かっていた。

 窓から見える海上には丸く造られた巨大な人工島があった。

 一万人以上の科学者達が住む、学術人工移動都市『I・アイランド』。どこの国にも属さずに科学者達の研究成果により運営される科学者達の夢の国。

 僕は雄英高校の夏休みにその島で開催されるエキスポに行けることになったのだ。

 

「まるで夢みたいです」

 

 オールマイトと二人きりで旅行だけでも天に昇る気持ちなのに、ヒーローファンなら一度は行ってみたいイベントに来れるなんて、どれだけ幸せなんだろうか。

 

「そんなに感激してくれるとは誘ったかいがあるね」

 

 喜ぶ僕を見て微笑ましげに言うオールマイト。

 

「でも、本当に僕なんかがついてきてよかったんでしょうか?」

 

「遠慮する必要はないさ。招待状に同伴者を連れてきていいと書かれていたし、弟君にも誘われていただろう」

 

 そう、成二からも体育祭での優勝特典であるエキスポ招待状の同伴者に誘われたんだ。

 その時にはもうオールマイトから誘われていたから断ったわけだけど。

 

「無難に夜嵐君と行くことになってよかったです」

 

 その時のA組はまた色恋絡みの一騒動があったけど、本当に成二はモテるんだなと思ったよ。

 まあその騒動がきっかけで、クラスの皆もエキスポに行くと決めたみたいなんだ。元から轟君と飯田君や八百万さんは実家関連で招待状を貰っていたらしいし。

 

「HAHAHA、成二少年も大変だね。

 ま、緑谷少年と私にはワン・フォー・オールという血より濃い絆で結ばれているのだから、身内みたいなものさ」

 

「オールマイト(キュン)」

 

 特別な絆。敬愛するオールマイトの言葉に僕はトキメクのであった。

 

 そう、大丈夫だ。

 僕にはワン・フォー・オールがある。

 他の誰にもないオールマイトとの絆がある。

 だからあんな感情を抱く事なんてないのだ。

 

 到着のアナウンスを聞き、マッスルフォームを維持しなければなと気合を入れるオールマイト。

 

「さぁ緑谷少年も着替えたまえ。ヒーローコスチューム、学校に申請して持ってきているんだろう?」

 

「はいっ!」

 

 いよいよI・アイランドに着く。

 チェックして付箋だらけのガイドブックを握りしめながら僕は期待に胸を膨らませていた。

 

 この時の僕はまだ知らなかった。  

 この場所で起こる騒動のことを。

 そして、出会ってしまう。

 僕が成りたくても成れなかった存在。

 無個性の英雄に。

 僕は今日、高嶺清麿を知る。

 

 

 ちなみにかっちゃんだけど今回エキスポに来ない。あまり興味がなさそうだったけど切島君達に誘われたから行こうとしていたら、突如パルコ・フォルゴレがイタリアで舞台があるからと夏休み初日に爆豪家に訪れかっちゃんを簀巻きにして強制的に連れていったらしい。

 息子が連れてかれる姿を見て、かっちゃんのお母さんである光己さんは「あの時の勝己は面白かった」と爆笑しながら言い、かっちゃんのお父さんである勝さんも「あの子も本気では嫌がってなかったからね」と苦笑していたらしい。

 それで良いのか爆豪家。

 





 補足・説明。

 緑谷出久君視点の、期末テスト演習試験回想からの劇場版導入です。
 かっちゃんの成長ぶりに何気に焦る原作主人公です。双子の弟である成二にも思うトコはありますが、物理的に距離を取っていたからそこまでではありません。
 クラスが違うのもありますね。これでA組ならそちらでも拗れてます。
 
 かっちゃん劇場版不参加。
 フォルゴレが連れていっちゃいました。
 本人は抵抗しましたが、実は満更でもなかったりあったり。
 爆豪母は爆笑、爆豪父は苦笑しながら見送りました。
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