金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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 デュフォーの発言ですが、

「お前(少し考えれば勘違いだとわかりそうなものなのに涙流すほど真剣に悩んで苦しんで辛い思いしていらん心労背負うなんて)頭悪いな」
 
 とかだったりします。
 あくまで一例なので他のパターンもありそうですね。なおアンサートーカー発動時の清麿はガッツリとその()内が分かるので「言えよ!!」とツッコんでいました。



第四十七話 決断。

 

 久方ぶりのデュフォーさんからの連絡。

 それは、

 

「お前とナゾナゾ博士の疑いは杞憂だ」

 

 プ、ツーツーツー。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「それだけかいっ!!」

 

 たった一言で終わった。

 

 こちらの様子を把握した上での言葉。どれだけ距離があろうと僅かな情報で正答を導きだせるアンサートーカーという力はとんでもないと思う。

 だからといって説明なく一言で終わらせるなよ、究極赤ペン先生が。

 でも、

 

「ありがとうございます」

 

 何処に居るかもわからないデュフォーさんに礼を言う。彼ならばこちらが礼を言ったことも、あるいは言うであろうことも把握しているだろう。

 俺の気持ちは楽になった。

 俺の心は軽くなった。

 だってデュフォーさんが杞憂だと言うのならそれは正しい答えで、兄さんは内通者なんかじゃないということなのだから。

 心から欲しかった執着していた個性の対価として、やりたくもない内通を、情報を流して友人達を窮地に陥れさすことを、心すり減らすような想いで兄さんがやっていなかったことに、俺はホッとしたんだ。

 

「さあて、あとは青山優雅についてか」

 

 ナゾナゾ博士が内通者だと確信していたのだから、同じように高い頭脳を持つ根津校長なら特定していてもおかしくはない。  

 内通者なのだから放置しても良い、というわけではないのだから救出作戦は行うのだろう。

 

(となれば何処にいるのか、だよなあ)

 

 ヴィラン連合のアジトについては襲撃事件があってからずっと捜索されていた。

 だが個性黎明期からの社会混乱の名残で都市部にすら廃墟群は多く、その全貌は把握できない。

 また転移個性が居る以上はいくら構成員を発見できて尾行に成功しても、その先から転移されたらアジトの特定は不可能なのだ。

 

(考えても仕方ないか)

 

 雄英高校教師達は、あのヒーロー達ならば青山優雅を見捨てることはありえない。

 ヒーローが救出に向かうことが確定しているのなら、俺がなにかすることはないだろう。

 清麿やナゾナゾ博士やデュフォーさんレベルの頭脳があれば計算で青山優雅の場所を特定出来たんだろうが、所詮は戦闘役に過ぎない俺には不可能だ。

 要請されたら戦いに参加するつもりだが、ヒーロー免許のない学生の身でそんな扱いはされないだろう。

 もどかしい気持ちはあれど何もできない。 

 魔界の王を決める戦いでは、本の導き、ナゾナゾ博士からの連絡、ゼオンの誘導、アシュロンの通達、と戦う先が向こうから来てくれたからなんとかなったんだよな。

 

「俺達の出ていい舞台ではないんだ馬鹿者!!」

 

「んなもんわかってるよ!!」

 

 そんなことを考えながら雄英高校生徒達がまとめて泊まる病室へ向かう途中でそんな怒声が聞こえた。

 

「どうしたの?」

 

 中を見ればA組委員長である飯田天哉君が、同じクラスの切島鋭児郎君に怒鳴りつけていた。

 

「切島君が青山君を助けに行こうって提案してきて、飯田君が止めてるんス」

 

 俺の疑問にはイナサが答えてくれた。こんなことには真っ先に同意しそうなイナサだが、何やらあきれ果てている様子だ。

 

「ヴィラン連合のアジトが何処だか知っているのか?」

 

 戦力なんて基本的にオールマイト一人で十分。だって現在の日本の治安はオールマイトに勝てるヴィランが一人も存在しないからこそ成り立っている。

 今回の件、ヒーローとしても教師としても怒り昂っているオールマイトならばすぐさま動いてくれることだろう。

 

「八百万さんが発信機を脳無に貼り付けたそうっス。B組の泡瀬さんの個性で溶接したから周囲の肉ごと抉らないと取れないかと」

 

「ならその発信機は現在その脳無の居場所を示していると」

 

 あの手の兵器を居住区に置くとは思えないからその発信機は格納庫か実験施設を示している可能性が高いか。

 

「ここで動けなきゃ俺はァ!!ヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ」

 

 切島鋭児郎君の叫び。

 それは何も出来なかった無力感から来るのだろう。他の生徒達だってヴィランと交戦せずに避難した。だが彼は補習を受けていたことで危険な状況にすらなっていない。

 拐われた(正確には自ら抜け出した)青山優雅を助けに行きたいと思っても仕方ないか。

 

「切島、落ち着けよ」

 

「飯田ちゃんが正しいわ」

 

 ただこの場の殆どは止める側。

 それは襲撃してきたヴィラン連合の脅威と、それを跳ね除けたヒーローの実力を見たからこそだろう。

 ヴィラン連合はまだ自分達で勝てる相手ではなく、ヒーロー達の実力は本物であると実感したんだ。

 

「飯田が皆が正しいよでも!!なァ緑谷!!まだ手は届くんだよ!」

 

 切島君のその発言。

 ルール違反、犯罪、実力不足、そんな正しい理由が彼がやろうとすることを愚行と断じるだろうが。

 助けたい。

 その想いは間違ってないように俺は感じたんだ。

 

 というかまあ、ルール云々は魔界の王を決める戦いでの俺達のやらかしを思い出したら今更過ぎるし。

 

「ふざけるのも大概にしたまえ!!」

 

 切島君の提案に轟君が同意すると、飯田君が止めようと怒鳴る。

 激する飯田君を落ち着かせながらも、A組の障子君などが説得をしている。

 A組の大半は止める側、仮に行くとしても数人程度かな?

 この様子なら切島君がやろうとすることを担任の相澤先生に報告すらしないかもしれない。

 切島君はこんな時にはお前なら動くと思った。と兄さんに強く誘っているようだった。

 今晩に行く、か。

 俺はどうするかね。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 そんな話の中、いつもなら怒鳴るであろう勝己さんはまるで観察するかのようにじっと切島君と兄さんを見ているのであった。

 

 

 

 

 夜。

 やっぱり来たか。

 病院の玄関。

 そこに切島君と轟君、そして八百万さんと兄さんが居た。

 八百万さんが思いとどまれば成り立たない救出作戦。けれど彼女は来てしまったんだね。

 そして我が戦友である夜嵐イナサ君ですが、

 

「どうするっス?」

 

 物陰に潜む俺の横にいます。夏の夜に暑苦しいのが横にいるとより暑いです。

 

「俺はちょいと確認したいことがあるから来ただけだしなあ」

 

「確認したいことっスか?」

 

「そ」

 

 病室では言わなかったこと、それをこの場で告げることではっきりすることがあるから。

 行く気満々の四人にさらに飯田君が加わる。兄さんと親友とも言える間柄の彼は、ヒーロー殺しに傷つけられた兄みたいに友人がなってしまうことを危惧して止めにきたんだ。

 すると、切島君達は戦う気はないと宣言。

 隠密行動して戦闘無しで助け出す。

 それが切島君と轟君の考えだったんだ。

 規律を重視する八百万さんが協力するのも、轟君への信頼があり戦闘は避ける考えだったから。まあ本心は現場まで行けば落ち着いて引き返すだろうと思ってのことだろうけどね。

 

「僕も自分でもわからないんだ。でも、手が届くと言われていてもたってもいられなくなって、

 助けたいと思っちゃうんだ」

 

 そして兄さんのその言葉に飯田君も説得を諦め、自分も連れていけと告げる。

 さて、出るか。

 

「その助ける相手が内通者だったとしても?」

 

「「「「「「は?」」」」」」

 

 よっと。

 ヒョイと兄さん達の前に飛び出す。

 全員の意思がわかったのだから、確認するならば今だろう。

 

「そのネタァ、確信はあんだろうな」

 

 同時に勝己さんも登場。

 なんかいっぱい隠れてたな!!病院の玄関ってそこまで身を潜められる場所なんてあったかな!?

 

「あの状況からの不自然な拐われぶりの疑惑だけど、確かな筋からの情報」

 

「え、いや、でもよ・・・・・・」

 

 切島君は動揺している。

 なら彼は内通者じゃないね。

 言い出しっぺの彼が一番疑わしかったけど、彼が違うなら他の皆も大丈夫だよね。

 拐われた友人を救うための行動。

 ヴィランのアジトに学生だけで行こうとするその行為は実にヒーローらしいけれど、そこに内通者の疑惑が加われば話は別だ。

 優秀な生徒を言葉巧みに誘いこむ。

 そうしようとも取れたからね。

 それを警戒したからナゾナゾ博士は俺に関わらないように注意したんだ。

 

「それでどうする兄さん?

 それでも、仲間と合流したヴィランをクラスメイトとして助けると言うの?」

 

 そして現時点で傍から見たら一番怪しい存在、その疑惑はデュフォーさんのおかげで晴れたけど、兄さんに訊く。

 それを知ってなお、どうするのかを。

 

「助けるよ。

 青山君はヴィランなんかじゃない、僕たちの仲間だ。

 きっと助けを求める顔をしてるだろうから、僕は助けたいと思うんだ」

 

 ほらやっぱり、兄さんはこうなんだ。

 かなわないなあ。

 この意思を、このあり方を見て、改めて確信するよ。

 兄さんは、緑谷出久は、生粋の生まれもってのヒーローだと。

 こんな人がヴィランである筈がないと。

 

「ケッ、なら俺もついていくわ」

 

「爆豪君!!」

 

「かっちゃん!!」

 

 頭をガリガリと掻きながら勝己さんは言う。

 

「仮に戦闘になっても俺なら問題ねえしな」

 

 その手にヒラヒラと振られるイタリアのヒーロー免許があった。

 

「そういえば」

 

「爆豪さんはヒーロー活動を認められてる立場でしたわ」

 

 発行先がイタリアだから後で問題になる可能性は高いけど、一回きりならばなんとかなるだろうという考えだね。

 

「んでお前らはどうすんだ?」

 

 勝己さんが俺とイナサにどうするかと訊いてくる。

 

「俺達は行かない」

 

「此処にもまたヴィラン連合が来ないとも限らねえっスから」

 

 これは昼頃に頼まれたんだよね。

 明日には皆帰宅するけど、それまでは戦力になる者はいないといけない。

 というか隠密行動に向かないから俺達。

 

「そっか、頼んだわ」

 

「そちらもどうかご無事で」

 

 兄さんの言葉で意思が一つになった彼らは青山優雅を救う為にヴィランのアジトへと向かった。

 





 補足・説明。
 
 今話は切島君の提案のくだりです。
 時間軸やらのアレコレで悩みましたが、基本的に原作のまま進行しました。
 軽傷だから入院せずに帰宅すべきとも悩んだし、原作だと二日経過してますからね。
 切島君にしても果たして青山優雅君救出を提案するかどうかとも思いましたし。
 かなりご都合展開ですが、どうかお許しください。

 成二君は杞憂だと知った上で、兄の意思を確認しました。
 これならば内通者ではないと確信できるかなと、同時に爆豪勝己君も疑いを晴らしたと思います。

 果たして青山優雅君は救われるのか。
 
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