金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

49 / 61

 そういえば運転免許とか資格とか外国のってどんな扱いなんでしょうね?
 ヒーロー免許は一応使えるけど、国ごとのルールの差異から長期滞在、移住するならその国の免許を取得することが望ましいとされています。
 なお、高名で実力あるヒーローの国籍替えは国が全力で妨害します。



第四十八話 救出への移動中。

 

 内通者だと判明した青山優雅を救出せんと、発信機の示した座標・神奈川県横浜市神野区へと向かう雄英高校一年A組の6名。

 県を超えて届く発信機を創り出すとかやべえなコイツと爆豪勝己が八百万百の個性と発信機の設計図を記憶している頭脳に驚き慄いていた(さらに県を跨ぐ距離を複数人転移する黒霧というヴィランの個性にも)。

 

「意外ですわ」

 

 新幹線に乗り込み、2時間はかかる乗車時間を腹ごしらえと暇つぶしと情報整理の会話の途中で、八百万百がそんな一言を呟いた。

 

「何がだ?」

 

「青山さんが内通者であることもですが、爆豪さんが協力を申し出てくれたことがですわ」

 

 轟焦凍の返しに八百万百はそう返す。

 

「・・・・・・・・・いやヒーロー志望だぞ俺」

 

「ヒーロー免許あるからヒーローだけどな」

 

 心外だとばかりに爆豪勝己が言えば、すかさず轟焦凍が続ける。

 

「ですが、その以前の爆豪さんなら内通者と知れば助けようとは思わないかと。その・・・・・・ワタクシも動揺して悩まないわけではなかったので」

 

 学校の授業中にヴィランが襲撃するよう手引きし、学校の行事を位置情報を流すことで台無しにした。

 何やら事情があるかも知れないが、何気にそういったイベントやクラスメイトとの関わりが大好きな八百万百にとって青山優雅のやったことは許容できるものではなかった。

 はっきり言って怒りすら抱いてしまった。

 だからこそ自分より激しやすい、擦るだけで火が付くマッチよりもキレやすい爆豪勝己が青山優雅に怒っていない筈がないと考えたのだ。

 

「はっ、あのクソナルシスが自分の意思でやってるとは思えなかっただけだ」

 

 流石にあの珍妙な言動行動キャラクターが全て内通者であることを誤魔化すための偽装だと思えない。

 ぶっちゃけあんなネタキャラが内通者で、辛い過去があると推察できた者はそう多くないだろう。

 

「それはそうだろうけどよ」

 

 実は一番内通者であることを気にしている切島鋭児郎は言い淀む。

 助けに行きたい、その気持ちがなくなりはしないが内通者という情報に揺らいだのは事実なのだ。

 

「やっぱり変わったよかっちゃん。

 昔なら助けにじゃなく殺しに行くとか言ってたもん」

 

「だな」

 

(・・・・・・昔の自分て(ほんの一月そこら前)いやそうだけどよ)

 

 爆豪勝己は長い付き合いのある緑谷出久の発言は仕方ないとして数ヶ月の付き合いでしかないクラスメイト達からの認識に自分の性格と言動の拙さに冷や汗すら流れてきた。

 

「・・・・・・殺す気だよ、雄英高校でな。

 ヴィランとしてじゃなく、馬鹿なことをやらかされたクラスメイトとして殺ってやる」

 

 強がるようにそんな発言をする。

 

「「「「あ、爆豪(さん)だ」」」」

 

「よかった変わってない(ホッ)」

 

「好き放題言ってるなテメェら」

 

 そのクラスメイト達の反応に爆豪勝己はビキリと額に青筋が浮かびだしていた。

 

「けど、爆豪は体育祭、いやその後の職場体験から大きく成長したとは思う」

 

「実際スゲー強くなったもんな」

 

「うむ、言動も控えめになり個性の爆発も減ったな」

 

「やはり幼馴染の双子に連続して敗北(ヒーロー基礎学の授業(兄)、体育祭決勝(弟))がきっかけで」

 

「かっちゃんと轟君とエンデヴァーがあのダンスを踊ったと知って僕は腰を抜かしたよ」

 

「うっせえ。単に視野が広がっただけだ」

 

 雄英高校に入ってから、幼馴染(兄)の急激な成長に焦らされ暴走しかけていたのは事実。そして体育祭にてB組の幼馴染(弟)に圧倒されたのもまた事実。

 だがそれらより成長したの職場体験でパルコ・フォルゴレと出会ったことだろう。

 あの小鳥集うカバさんになった一人ぼっちのライオン。そんな過去を持つ英雄と関わればかつての己の矮小さに気づくというものだ。

 その姿が、周りの人間の心が弱ければ自分もなり得た未来だと思うとなおのこと。

 自分という生まれ持った個性により増長していた存在が孤独にならずにすんだのは間違いなく、あの豪放磊落な母と控えめだが気遣いのできる父のおかげなのだと理解したのだ。

 

「でもフォルゴレさんには俺もまた会いたいな。オールマイト以来だ、あんな尊敬できるヒーローは」

 

「いや、病院の時は確かに感動したが普段はセクハラ魔人だからなあの馬鹿」

 

 だから馬鹿呼びしているのだが。

 そしてあれだけ手をかけた実子に尊敬されていないエンデヴァーよ。

 

「僕はちょっと苦手かな」

 

「それも正しい感覚だよ」

 

 緑谷出久の言葉に頷き、その姿をじっと見る。

 青山優雅が内通者になった理由。

 それについて爆豪勝己は心当たりがあった。

 雄英高校ヒーロー科生徒達の大半が過ごしたI・アイランドで行われたIエキスポ。

 それと同じ時期に自身が巻き込まれたイタリアでの大騒動。その原因たるゴッドファーザーがこんなことを言っていたからだ。

 

『我が盟友である十首領(テンドン)のリーダーにして最強だったミスター・スターゲイザーという男が居てな、ヤツはなんと握りしめたイワシを第二宇宙速度で射出すると凄まじい個性で・・・・・・・・・』

 

 あ、違うこれじゃない。

 スターゲイザーはスターゲイザーでもイギリスのゲテモノパイ(失礼)の方のスターゲイザーであるスーパーヴィランの話でない。

 

『さらにEBIとANAGOの兄弟は常にどちらが上か競いあっていたもの・・・・・・』

 

 爺は無駄話が多いんだよ。

 

『我らが、否、世界中の権力者が恐れた闇の帝王オール・フォー・ワン。ヤツの個性は他者の個性を奪いストックし使用でき、さらに他者に与えるというもの』

 

 いやだから・・・・・・合ってたわ。

 

『ゆえにヤツと戦う際には常に個性を奪われるリスクを抱えることになる。触れるだけでこちらの戦力を無力化することができるからだ』

 

『我ら十首領(テンドン)が少しばかり使い勝手の悪い個性(ピッツァ波導は今まで食べたピッツァの数だけエネルギー弾を放てる個性)だったのは、ヤツが欲しがらぬ個性であり、さらに触れられる距離ではない攻撃手段だったからかも知れぬ』

 

 複数の個性を得て身体能力が桁違いとなったオール・フォー・ワンとの接近戦は無謀。

 また対等に渡り合える身体能力増加系個性であっても奪われたらそれまでだ。

 

『日本にてヤツは活動している。ヤツはその個性を以て水面下でシンパ、あるいは協力者とも言えぬ手駒を増やしているだろう。日本に帰国するならばどうか気をつけるのだぞ』

 

 このドン・ピッツァの助言から青山優雅の裏切りは個性を与えられたからだと爆豪勝己は推察した。

 そして最近個性の生えた幼馴染にその疑惑を向けてもいた、なにせ彼は本人から人から貰った個性だと宣言されたのだから。

 

(ま、内通者を躊躇ず助けるとほざくお人好しがヴィランなんてありえないがな)

 

 似たような個性はかなり存在する。

 B組の物間寧人の個性であるコピーにしても一時的ではあるがオール・フォー・ワンの個性とそう変わらない。

 

(どっかのヒーローに託されたとかそんな感じだろ)

 

 そのどっかのヒーローに関しても、雄英に入学してから緑谷出久にやたらとアプローチ?特別扱いしているヒーローでないかと予測はしていた。

 爆豪勝己の憧れているヒーローだから複雑な気分であると感じてはいたが。

 

「それでよ爆豪。

 イタリアではいったいどんなことがあったんだ?」

 

「俺も気になる」

 

「俺もだ」

 

「僕も」

 

「銃弾の飛び交うイタリアの都市で、危険で強力な個性持つお嬢様とイケモブ執事とのラブロマンスにパルコ・フォルゴレの変態アクションとアシュラ男爵もどきのとんでも個性が織りなす痛快サスペンスアクション」

 

「「「「劇場版!?」」」」

 

「お、お嬢様と執事のラブロマンス(ドキドキ)」

 

 2時間の移動時間は長い。

 彼らは逸る気持ちを抑えるためにも、雑談に興じつつ過ごすのであった。

 

 なお語り終えた後に、そんな無茶を経験したら今回も協力するよなと納得されたとか(あと某あしゅら男爵もどきを知り、緑谷出久がとある歴史上最もわけのわからない天下人が実子にして庶子と対面した時の変顔をしていた)。





 補足・説明。

 新幹線移動の雑談で1話使ってしまった(原作では3ページ、一コマ違うけど)。
 別人レベルに成長した爆豪勝己についてクラスメイト達が話しました。

 オリジナルネタキャラ。

 ミスター・スターゲイザー。
 イギリスの見た目と名前が凄いパイが元ネタなキャラクター。
 元はイワシを射出するだけの個性を極めて第二宇宙速度で打ち出せるようになった。
 見た目は英国紳士なマフィアのボス。
 現在は引退したが、生存している。
 こんなネタキャラを考えるのが作者は好きだったりする。

 緑谷出久のフォルゴ・マイトを知った時の変顔。

 コミックスはまだだが、ジャンプ漫画である逃げ上手の若君のラスボス足利尊氏が実子にして庶子して実弟の養子となった足利直冬を見るとなる変顔になった。
 とにかくなんか凄い嫌そうな顔。
 

 話が進まなくてすいません。
 でもこの機会でないとできない会話かなと。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。