金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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「朝から良い習慣ができたな」

 ふいーと峰田実が汗を拭いながらそう呟けば、

「うむ、皆で揃って運動とは共同生活らしくて良い感じだ」

 飯田天哉もまた眼鏡を拭きながら頷く。

「ま、ジョギングはともかくやってんのは『乳をもげ♡』ダンスだけどな」

 つい付き合ってしまった瀬呂範太が苦笑しながら告げる。

「そうだよ!!やるなら普通『オールマイト体操』にすべきだよ!!」

 そこへ緑谷出久が自分のおすすめを推薦する。

「普通やないでデク君」

 そんなオールマイトオタクな彼に麗日お茶子は可笑しな生き物を見る目でツッコミを入れた。
『オールマイト体操』。
 ラジオ体操的なモノだと思われがちだが「顔の画風を大きく変えて〜〜オールマイト〜〜」など訳のわからない箇所やできるか的な所が多々あるのだ(なお緑谷出久などオールマイトガチファンは全てできる)。
 

 そんな雄英高校の朝の一幕があるとかないとか。



第五十七話 仮免取得へ備えよ。

 

「さて諸君」

 

 1年B組教室。

 モニターの前に立つブラドキング先生の言葉から俺達のこれから為すべきことが語られる。

 

「まだ世間では夏休み。

 本来であれば君等もまた学生らしくその期間を謳歌してもらいたいところではあるが、林間合宿が途中で終わってしまい、さらに寮生活が始まってしまった以上はその時間を活用し訓練に励んでもらうことになる」

 

 多忙な雄英高校生活とて教育機関。

 定められたルールの元に守らなければならない基準はあるが、ここまでイレギュラーな事態が続けばそうはいかない。

 

「ただ家族旅行などの予定がある者は教えてくれ。夏休み期間中であればそちらを優先してもらっても構わない」

 

 無論、こういった事情に配慮はされる。

 雄英高校入学を機に一人暮らしを開始した者が多いが、恒例行事である家族旅行などを止める権限はないのだから(とはいえあんな事件後の為で時期的に望ましくはない。旅行業界はヴィラン連合に恨み声を上げてるらしい)。

 

「帰省は家庭訪問の時にしちまったしなあ」

 

「旅行も良いけど雄英高校で訓練は捨てがたいよね」

 

 もっともそこは寮生活に賛同した学生達。

 夏休みを満喫するのは捨てがたいが、ヒーローになる為の訓練とどちらを優先するかは明白だった。

 

「そうか。

 では訓練に関してだが内容は、仮免許取取得試験に備えて必殺技を作ってもらうことだ」

 

 必殺技。

 そのなんとも心擽るフレーズに皆が沸き立つ。

 個性という能力を持って生まれ、さらにヒーローを志している以上、誰でも一度は考えることだからだ。

 

「必殺技。

 ばんすか使用している御仁がおりますな」

 

 宍田君の言葉にクラスメイト達の視線が俺へと集中する。

 そう、今までの学生生活で俺は魔物の呪文再現ではあるが傍から見たら強力なオリジナル技をいくつも使用しているのだ。

 

「A組の爆豪と夜嵐もだよな。

 強えヤツはやっぱ既に持ってんだな」

 

 俺の意見としては呪文再現に過ぎない俺とイナサより、オリジナル技を生み出している勝己さんの方が凄いと思う。流石はセンスの塊だ。

 

「必殺技にはいくつか利点がある。

 その点を踏まえて、実践・考察を同時に行いながら作り出すように。

 実践の場合は体育館γで行い、考察などはこの教室を使用してくれ」

 

「やみくもに身体を動かすだけじゃ作れないもんな」

 

「資料室から参考になりそうなものも調べるのもありだね」

 

 腹案のある者は実践のみだが、そうでない者は先ず考えをまとめなければいけない。

 雄英高校教師であるプロヒーローの皆さんも実践しつつ相談にのってくれるそうだが、自分である程度は形にすべきだろう。

 

「俺はどうするか」

 

「必殺技が有りすぎて作る必要ないもんな」

 

 あえて新しく作る必要はない。

 まだまだ再現できる呪文はいくらでもあるからだ。ただ系統によって分類がされている呪文の中からどれが一番良いのかは試して見ないとわからない。

 正直、再現しても外見だけという呪文はいくらでもあるからだ。

 

「体育館γでの実践訓練はA組との兼ね合いもあるから、使用できる時間はなるべく活用してほしい。セメントスによる地形作成とエクトプラズムによる対戦相手の用意は大いに助けになるからな。

 またミッドナイトは考察やネーミングセンスに秀でているから、アドバイスを訊きに行くと良い」

 

 なるほど。

 林間合宿の時のようなプッシーキャッツが協力してくれた個性伸ばし訓練に劣らないサポートが雄英高校にいたら充分にあるのか。

 ただこれらは社会情勢もあり例年より前倒し気味にしているそうだ。

 厳しい訓練だがプルスウルトラの精神で乗り越えなければいけないな。

 

 夏休み中の雄英高校での過ごす方針が伝えられ、皆は必殺技構築に向けて全力を尽くす事になった。

 ただ、

 

「なんか良い案はないか?」

 

 必殺技を山程創り出した(と認識されている)俺は皆から相談を受けることになってしまったが。

 クラスの皆にも呪文再現してもらうのも手ではあるかな?

 でも実物を知っているかどうかは大きいしなあ。

 

 

 そんな日々が過ぎて数日。

 コスチューム変更やサポートアイテムの追加なども視野に入れながら訓練に励んでいると、体育館γ使用のタイミングでA組と遭遇した。

 朝の習慣で顔を合わせたり食堂でもよく会うけど、訓練中には珍しい。

 そしてそうなれば当然、反応しちゃうヤツもいるわけで。

 

「ねえ知ってる!?仮免試験て半数が落ちるんだって!A組全員落ちてよ!!」

 

「物間お前」

 

「いやまあ合格率的にそうだけどよ」

 

「相変わらず敵意剥き出しだなあ」

 

 もはや少ないA組への対抗意識ありありな人物。他の皆は負けたくないとは思っていても敵意レベルではないからなあ。

 

「しかし・・・・・・もっともだ。

 同じ試験である以上、俺達は蠱毒。

 潰し合う運命にある」

 

 A組常闇君が物間君の言葉にそう返す。

 確かに同じ試験ならば自然とA組B組に別れてしまいそうだしな。いや学校で団結しようよ。

 そんな常闇君の発言に、彼なんか黒色君みたいだとクラスの皆の視線が集中する、そっちかい。

 

「だからA組とB組は別会場で申し込みしてあるぞ」

 

 そんなクラス対抗戦かと身構えだしたところに先生方の御言葉が。

 

「ヒーロー資格試験は毎年6月・9月に全国3箇所で一律に行われる。同校生徒での潰し合いを避ける為、どの学校でも時期や場所を分けて受験させるのがセオリーになっている」

 

 なるほどそんな形式に。

 

「ということは二年・三年の先輩方も参加するんですか?」

 

 3箇所ならばA組B組と後1箇所か。

 

「ああそうだ。三年は人数が少ないがあと一つで受験して、二年は6月に既に受験している」

 

 うまい具合にバラけてはいる感じなんだな。

 

「(ホッ)直接手を下せないのが残念だ!!アハハハハハハ」

 

「ホッ、つったな」

 

「病名ある精神状態なんじゃないかな」

 

「ウチの物間君がすいません」

 

「「ウチのだと(ギチリ)」」

 

「唯、ステイステイ」

 

「響香ちゃんもよ」

 

「緑谷(弟)のじゃなくB組のだから」

 

 物間君の発言に俺が頭を下げていると、なんか色々と反応があった。

 

「けど別会場。成二と協力できないのか」

 

「耳郎ちゃんが乙女ですな(ニヤニヤ)」

 

「ま、実際に成二のサポートはあったらありがたいよな」

 

「強えだけじゃねえのが凄えわ」

 

 魔物のパートナーなんて主戦力ではなくサポートがメインだったから慣れてるんだよね。

 しかしA組B組と別れてはいるけど、個性を考えれば噛み合う生徒はチラチラいそうなんだよね。

 八百万さんと小大さんが組めば巨大大砲が作り放題だし、常闇君の黒影制御に黒色君の個性はうってつけだ。

 ヒーロー資格試験が集団戦も有りうるならクラスを越えても組み合わせを考えるのは有りではないかな?

 

「共同作業で、同じ屋根の下(フフン)」

 

「小大め勝ち誇ってえっ(ギリッ)」

 

 そんな思考に耽っていたら小大さんが俺の腕を抱き寄せ、耳郎さんに笑みを向けていた。何をしてんだろ?

 

「またやってるよ」

 

「なお当事者は気づいてないという」

 

「羨ましい妬ましい」

 

「怨怨怨怨怨怨」

 

「風紀が乱れているなあ」

 

 とまたもや騒動になりかけるけど、俺は小大さんの発言で気になったことを言う。

 

「小大さんみたいな綺麗な娘が一つ屋根の下とか言ったら、B組ムッツリ三連星が反応しちゃうから止めた方がよいよ」

 

 年頃の男子だから仕方ないけどさ。

 

「綺麗(ポッ)」

 

「「「誰がムッツリ三連星じゃい!!」」」

 

「反応した君達じゃないかなあ?」

 

「語るに落ちてますぞ」

 

 B組ムッツリ三連星。

 円場君、泡瀨君、回原君が自覚があったのか元気に反応する。

 

「もう勘弁ならない。せっかく体育館γに居るんだし、この恋愛クソボケに俺達の実力を思い知らせてやる」

 

「やるか泡瀨、回原」

 

「俺達のジェットストリームアタックを叩きこんでやるぜ!!」

 

「なんか戦うことなってない?」

 

「まあ訓練だし問題ないか。無いよね?」

 

 戦うこと自体は楽しそうなので了承し、クラスの皆から離れて三連星と相対する。

 どうやら怒らせてしまったB組ムッツリ三連星(命名者は実は凡戸君)が俺へと襲いかかってきた。

 

「いくぜ俺達のコンビネーション」

 

「いつも両手に花でムカついてたんだよ」

 

「モテる秘訣、勝ったら教えて貰うぜ」

 

 モテる秘訣なんて知らんがな。

 

「「「いくぜジェットストリームアタック」」」

 

 縦一列に並んだ三人は俺に向かって高速で突っ込んできた。

 

「B組ムッツリ三連星によるジェットストリームアタックとは」

 

「知っているのか吹出!?」

 

「なんか顔に解説って書かれてんなコイツ」

 

「3番目にいる回原ことスパイラルの新たなサポートアイテムで機動力の増した三者が高速で相手に襲いかかり、

 先頭の円場ことツブラバによる空気凝固による防壁で敵の攻撃を防ぎ、

 2番手の泡瀨ことウェルダーの溶接で拘束し、3番手のスパイラルの旋回ドリル拳で仕留めるという、驚異のコンビネーション技である」

 

「普通に強そうだなオイ」

 

「大概のヴィランなら為すすべなくね?」

 

「でも三連星とジェットストリームアタックという名前のせいで勝てる未来が見えないよお」

 

「「「それは言っちゃ駄目なヤツ」」」

 

 ジェットストリームアタック。

 なるほど接近されたら敗北必須の恐ろしいコンビネーション技だ。

 ならば、

 

「ディオガ・フレイドン!!」

 

「って、オイイイイイ!!」

 

 こちらも最大火力で迎撃するのみ!!

 全力で吹き出した息が大火球、ディオガクラスとなって三連星にぶち当たる。

 

「あ、これ防げないわ」

 

「「ギャアアアッ!!」」

 

 ツブラバの空気防壁ごと大火球は三連星を呑み込み吹き飛ばすのであった。

 

「黒い三連星のジェットストリームアタックにハイメガキャノンをぶっ放すヤツがあるか」

 

「踏み台にしてやれよ」

 

「超容赦ねえ」

 

「これでもブラゴさんよりはマシっスよ」

 

「誰だソイツ」

 

 ムッツリ三連星との戦い。

 恐るべきコンビネーション技ジェットストリームアタックはこうして破られたのであった。

 

「結果は残念なことになったが、コンビネーション技の発想は悪くない。

 お前らも参考にするように」

 

「「「「「はい、先生!!」」」」」

 

 夏休みは過ぎてゆく。

 皆との訓練に励む日々もキラキラと輝く青春の1ページだ。

 

「黒色が増えたノコ(ツンツン)」

 

「貴様らキャラ被りする気かあ!?」

 

「それは違うだろ」

 





 補足・説明。

 今話はヒーロー試験前の話となります。
 前書きは朝の乳をもげダンスが流行った後の話です。何気に楽しんでいます。緑谷出久君は参加しませんが話しかけにはきます。

 オールマイト体操。
 オリジナルネタ。
 普通に体操するパージョンもあるけど、顔芸やら家電を持ち上げたりもあります。緑谷出久君はワンフォーオールを受け継いで全部できるようになりました。

 B組ムッツリ三連星。
 常識人四天王から鱗君が抜かれたメンバーです。梅雨ちゃんのベロに反応したツブラバ君は間違いなくムッツリ。
 ジェットストリームアタックは普通に強いです。

 もう1話挟んでから仮免許試験かなと。
 ただ成二はサポート科に用事ないから発目さんとの関わりがないという。
 なお兄の緑谷出久君はきっちり爆発からのおっぱいしてます。
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