思いつきだけど夜嵐イナサ君の戦友化と、A組加入は良い感じかも。
今から文化祭で、「チチをもげ♡」ダンスを提案してボコられる未来が見えます。
案外、成長轟君ならノリ気になりそう。
入学式で新入生代表挨拶したら、保護者席にいたナンバー2ヒーロー・エンデヴァーが爆発した。
何が起きたかわからないけど、本当に何があったんだおい。
そんな一騒動が起きた入学式だけどなんとか無事に終わり、教室にて明日からの授業説明を受けて帰路につく。
今日こそは双子の兄である緑谷出久と接触しようと校門の近くで待っていた。なぜか俺の横には小大唯さんがピッタリと寄り添い、通り過ぎる雄英生から注目を集めてしまった。
新入生代表が美少女を侍らしている。
これがフィクションの中にしか存在しないとされるリア充というヤツでないのだろうか。
清麿とは違い中学校では友人のいない俺は、親しい者とはすなわち魔界の王を決める戦いを乗り越えた戦友達くらいだ。
当然、中学校時代に清麿とスズメさんみたいなラブコメちっくな出来事はなかったのだ(いやスズメさんはヒロインというよりマスコット枠な気が)。
慣れぬ女子との関わりにさてどうするかと悩んでいると、
「おお!!成二じゃないっスか!!
再会できて嬉しいっス!!」
戦友の一人、夜嵐イナサと遭遇した。
「おひさ。
受験前に必殺技比べした時以来だな」
共に魔界の王を決める戦いを越えた戦友である夜嵐イナサ。
戦い後はお互いに雄英高校入学を目指すこともあって度々会っていたのだ。
ウチの田舎なら存分に個性の練習をすることもできるという利点もあるからだ。
「ん?」
「戦友の夜嵐イナサ。アツいし元気だけど良いヤツだから大丈夫」
「ん」
「小大唯さん、スか!!
よろしくお願いしまっス!!」
小大さんにイナサを紹介したら彼女も自己紹介(自己紹介?)して、イナサも彼女へと挨拶として勢いよく頭を下げる。
頭を下げすぎて地面に頭突きをかまして額を割って血を流していたが、いつものことなので気にしない。
なお、その頭突きがどれくらいの威力なのかガッシュ達と調べてみたが、なんと積み上げた瓦を三十枚割れるくらいの威力だった。
「ん?」
「血スか!?平気っス!好きっス血!」
ダラダラと額から血を流すイナサ。よく血を垂れ流していたけどアレを舐める気にはならないとトガは言っていたっけ?
トガとイナサだと血を好きって意味が全然違うだろうしなあ。
「そういえばイナサ。
A組は入学式に参加しなかったけど、何をしてたんだ?」
「ん」
まだ兄さんは通りかからない。
だから気になっていた不参加だったA組の理由を訊いてみた。
「個性把握テストっス!!
相澤先生はヒーローは入学式とかそんな悠長に行事参加する時間ないって言ってました」
自由な校風が売り文句でもフリーダム過ぎではないだろうか?
そういった行事は保護者の皆さんにも大切な時間なのに。
「中学までやってた個性禁止体力テストを個性ありでやったんス!!」
体力テストか。
懐かしいな。
俺も魔物との戦いを経験してから記録が劇的に伸びて驚いたっけ?
「清麿さんみたく記録比べしたいっスね!!
メニューも同じの賭けたいっス!!」
まあ同じ学校だから俺達B組も体力テストをやりそうではあるが。
ウナギの蒲焼、ステーキ、百%夕張メロンジュース、チョコプリンのせイチゴゴージャスケーキ、って総額いくらになるんだ?
「いいけど、学食にあるかね」
ランチラッシュだからできそうではあるな。
「清麿さんに聞いてからやってみたかったっス!!楽しみっス!!」
ケーキはパティに食われたオチつきだけどな。
「ん」
「小大もやるか?
やめとけ、イナサの実力とんでもないから」
「A組1位になれたっス!!」
「お前の個性と身体能力ならそうなるよな」
あの戦いの経験と風の個性を組み合わせたらほぼ最強だろ。
なんで俺が一年首席だったんだろ。
「む」
「いやハブるとかそんなんじゃくて、出費がエグいことになるから」
不満げな小大さんを宥めつつ、俺達は和気藹々と会話を続けていた。
「やっほ、成二。
あとなんで夜嵐が居るの?(そして美少女)」
「ども耳郎さん。
イナサは戦友で、小大さんは・・・・・・・・・なんでですか?」
「敵」
「成二とはダチっス!!戦友っス!!」
そんなところに耳郎響香さん登場。
兄さん遅いな本当。
買い出しあるからもう帰ろうかな(あまり兄の優先順位は高くない)。
「戦友ね、なんか変わった表現じゃん。河原で殴りあったりしたの?(そして敵とは、この娘もしかして)」
「それどころか地形変えるくらいドンパチしたっスね!!」
「黙れイナサ、秘匿事項だろうが」
イナサとの戦いで山が一つ崩れたけど、戦い後に元に戻ってよかったよ。
「ん?」
「耳郎響香さん。実技試験で同じだった娘、登校の時に会ってさ」
「これからよろしくね(そっちにその気はなさそうだけど)」
「へ」
うーん、何やら女子間で火花が散っているような感じがするな。
まるでスズメさんと恵さんの時みたいだ。
「修羅場っス!!アツいっス!!」
睨む合う二人の美少女に坊主頭のイナサが囃し立てるように騒ぐ。
「そろそろ帰ろっか。
待ってたけど兄さん来ないし」
「兄さん?」
「ん?」
「もしかして緑谷出久さんっスか!?似てない双子っスね!!」
「そういえばA組に居るって言ってたっけ?」
兄さんは父似で、俺は(痩せてた頃の)母似だから、見比べてもわからないってよく言われてたからな。
「危うく除籍になりそうになるわ、指をへし折るわでビックリしたっス!?」
「成二とは似ても似つかない個性だよね、双子ってあんなに違うものなの?」
「「除籍?」」
「「それはまあ色々あって」」
帰り道すがら、A組担任であるイレイザーヘッドこと相澤先生の無茶くちゃぶりを聞くことになった。
兄の指に関しても、保健室でリカバリーガールにチユーして貰っていて大丈夫とのこと。
ティオの呪文とか月の光やファウードの回復液があればなあ。
一応、母には連絡しておくか。
兄さんにはカルシウムマシマシな食事を出して貰おう。
その後、帰り道でそれぞれ別れるまでA組であったことを聞いた。
入学式、ガイダンスをブッチした個性ありの体力テスト。
最下位は見込みなしで除籍という厳しいルール(合理的虚偽と言ってたらしいけど、去年の体育祭で一クラス居なかったのはもしや)。
耳郎さんは結構ギリギリ(十八位)で焦ったこと。二位が女子でとんでもない個性だったこと(「服破くとかアツいっス」「そこ?」)。
しかし、あの爆豪勝己が四位とはA組は実力者ばかりだな。
勝己の個性と才能なら一位はなくても、二位にはなると思っていたのに。
こちらも入学式でエンデヴァーが爆発(「「なんで?!」」)伝えて、帰路での会話は大いに盛り上がった。
「それで何があった、イナサ?」
「やっぱりわかるっスか?」
女子二人と別れ(小大さんは俺の自宅までついてこようとして耳郎さんに引きずられていった)、戦友と並び歩く。
そのタイミングで最初から様子がおかしかったことをイナサに尋ねた。
「戦友だからな」
「戦友っスもんね」
極限状況を共にしたからこそ、お互いの異常は筒抜けだ。何せ心の力の残量、呪文を打てる回数が命綱だったからな。
それをお互い把握してる内に、精神状態など容易く察することができるようになった。
「轟が、居たんス」
轟焦凍。
エンデヴァーの息子。
熱いものが大好きなイナサが、苦手、あるいは嫌悪しているヒーローの息子。
その目は、冷たい怒りだけの、熱くないものだと感じそうだ。
「推薦入試の時に会ったんスけど、アイツもエンデヴァーと同じ、冷たい目だったんス」
あんなものがヒーローじゃない。
あんな目をしたヤツとヒーローになろうとするなんて耐えられない。
イナサは俺の件が無ければ、雄英高校合格を辞退しようとすら考えたらしい。
「そうか」
「嫌悪に呑まれるな。
相棒にそう叱って貰ったんスけど、やっぱり本人見ちゃうと駄目っスね。
熱くねえ、ヒーローらしくねえ嫌な気持ちが湧き上がってきちまったんス」
パートナーの言葉を台無しにしそうな自分に自己嫌悪したのか。
「ダサいっスね、自分」
HAHAHAと力無く笑うイナサ。
らしくないイナサの姿。
それだけコイツにとってそれは大事な事で、だから苦しんでいるんだろう。
だから俺は、
「人は変われるよ」
そんな戦友に言葉をかける。
「ネクラな人見知りが、前向いてヒーロー科首席になれたんだ。
きっかけ一つ、出会い一つで人は変われる」
自分がそうだったから、他の人もそうなれる。俺は出会いによる成長を信じている。
「だからまあ、長い目で見たらどうだ?」
轟焦凍がどんなヤツかは知らない。
けど、変われないヤツなんていないと俺は思うのだ。
今はイナサと合わなくても、これから先はどうなるかはわからない。
未来を切り捨てるには少しばかり惜しい。
「っスね」
イナサもまた、出会いで変われたこと、成長したことを知っているから、今の感情を飲み干して頷くことができた。
「よーーーし、明日から日本一熱い高校生活、頑張るっスよーーー!!」
戦友の言葉に夜嵐イナサ気合を新たに叫ぶのであった。
その後にパトロール中のヒーローに二人揃って説教されたのは御愛嬌。
補足、説明。
友人達との下校の一幕です。
兄を待ってましたが、途中で切り上げました。あんまり兄の優先順位は高くありません。
夜嵐君の悩み。
轟君は初期ロキ君です。
トウヤさんは、当時ファウード奪って日本で大暴れしか言っておらず、まだ事情について話してません。
体育祭で話す予定です。