金色のガッシュを終えた俺のヒーローアカデミア   作:規律式足

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 緑谷双子の距離感は、年に数回会う親戚程度に離れています。
 悪くは思ってないけど、常に意識する対象でも無い感じですね。
 成二は劣等感から意識していたけど、パートナーと清麿達との出会いで乗り越えました。



第七話 兄が友達できたことに舞い上がっていたと聞いた、爆豪勝己さんは友達じゃないんかい。

 

 雄英高校入学前に母から謝罪の電話がきた。

 その内容はヒーローコスチュームについて。

 兄さんには手製のジャンプスーツを用意したけど、俺の分は出来なくてごめんなさい、というもの。

 兄さんだけ特別扱いしているのではないか、そんな申し訳なさが電話口からでも伝わってきた。

 そんな母に対して、俺は気にしてないよと笑って告げる。母が兄さんを、無個性に生んでしまったことに負い目を感じていたことを俺はよく知っていた。

 ヒーローになれないとパソコン前で泣きじゃくる兄さんに泣きながら謝る姿を見ていたから。

 そんな兄さんに個性が発現し、雄英高校合格という結果を出せたのだから全力で応援するのは当たり前だと俺は思うのだ。

 自分を見て欲しい。

 そんな思いが存在したことは否定しない。

 でも、兄さんのヒーローらしい心根を知り、勝己のヒーローにふさわしい才能を見て、自分は誰かに見て貰う価値なんてないと悟ってしまった。

 そんな思いを乗り越えた今の俺は、気にかけて連絡してくれるだけで充分なのだ。

 それに炎タイプの個性のある俺には、どうしてもそれに合った装備が求められる。

 千差万別の異能力溢れる個性社会において、耐火性のある衣類(下着)なんてコンビニでも売っているけど、耐火性のある生地の加工は一般市民の裁縫でどうにかできるものではないからね。

 だから俺は雄英高校のシステムである『被服控除』を活用して、自身のコスチュームを依頼した。

 とにかく燃えなくて動きやすくて全身にぴっちり張り付くタイプじゃなければオーケーだ。

 母との関係。

 向こうから一方的に向けられる申し訳ないという感情はいつ解消されるんだろう。

 まったくもって家族とは難しい。

 

 

「ってことがあってな」

  

 モリモリとウナギの蒲焼を頬張りながらイナサにそう話かける。

 

「家族ってのも色々なんスね」

 

「ね」

 

 入学式の次の日。

 午前中に個性把握テストを行った俺達B組は、クックヒーロー・ランチラッシュが料理長を勤める大食堂にて昼飯を食べていた。

 

「というかなんで、ウナギの蒲焼、ステーキ、メロンジュース、ケーキを二人前ずつ交換して食べてんのアンタ達」

 

 そこへサンドイッチとミルクをトレーに乗せた耳郎響香さんが現れた。

 

「「賭けで」」

 

 普段のカリキュラムならば午前中は高校の必修科目・英語などの一般学校と同じ授業だが、今日は今後のヒーロー基礎学の為に個性把握テストを行ったのだ。

 B組のクラスメイト達も雄英ヒーロー科合格者だけあって、強力かつ多様な個性ばかりだった。

 特に吹出君と小森さんなんか、バグレベルで強力な個性だと俺は思う。

 イナサとの賭け。

 それはかつて清麿が中学の同級生と行った「体力測定」で勝敗を競うもの。

 種目ごとに給食を一品賭けたというソレを、俺とイナサはやったのだ。

 

「順位で上だった方が昼を奢る。でもよかったけど、昨日の段階でイナサがA組一位だったしな」

 

「ね」

 

「風の個性の応用力半端ないでしょ、空も飛ぶし」

 

「そんで成二もB組一位だったんスよ。だから一種目ごとの結果比べにしたんス」

 

 メニューがメニューだから学食では厳しいかなと思ったけど、ランチラッシュにダメ元で頼んだら「その挑戦受け取った!!」と目を光らせてからすぐさま動き出してあっさり用意してくれたんだよな。ジュースやらケーキもあったのに。

 

「いや、それでも圧倒的な記録を叩きだした夜嵐に成二は勝ったの?」

 

 驚愕する耳郎さん。

 ウナギの蒲焼を二人前食べてることから少なくとも一種目は勝ったと察したのだろう。

 

「50メートル走で負けるとは思わなかったっス」

 

「50メートル走なのに飛んでたじゃん夜嵐。走ってないじゃん」

 

 体力測定で個性禁止なのも理解できるね。

 

「でもどうやってあの記録を出したんスか?正直勝てる種目だと踏んでたんスけど」

 

 まあ普通にかけっこはイナサの独壇場だろうからな。推薦入試もそんな感じだったらしいし。

 

「火炎造形で、『コーラルQ』の『ディゴウ・ロボルク』を再現したんだよ」

 

「「???」」

 

「コーラルQ、あの面白ロボットスか。

 自分も戦ったけど逃げられたっス」

 

 コーラルQ。

 清麿作成のバルカン三〇〇と大差ない造形のロボットタイプの魔物の子供。

 特別なレーダーを持ち探知能力に優れ、呪文による様々な姿に変形するなんとも面白いヤツだった。

 その計算高さから千年前の魔物達との戦いに協力することはなかったが、ゾフィスやリオウに加担しなかったから嫌う程ではないヤツだった。

 何より変形が面白カッコいいからな。

 それだけで許せる。

 俺が今回使用した『ディゴウ・ロボルク』はそのコーラルQの呪文で、下半身をバイクと化した機動力を増した形態だ。

 俺は自分が吹いた炎を全身に纏ってその姿を再現したのだ。

 

「いや、あの成二。放つタイプの呪文なら手が焼ける程度で済むけど、変形タイプの呪文は身体が焼けるって前に言ってたっスよね?」

 

「おかげで体操服が焼けてさー。二日目で一着駄目にしちゃったよ」

 

 体操服も今後は耐火生地にしてもらなわないと何着あっても足りないよね。

 

「その前に身体が焼けることは気にしないの?」

 

「こんがり」

 

「相変わらず、火傷を気にしないスよね。見てるこっちはハラハラドキドキだってのに」

 

「慣れてるから別に」

 

 火加減は調整したからそこまで熱くないし。

 

「つーか、呪文再現じゃなく翼とかも出来たっスよね?それならまだマシでしょうが」

 

 確かにそれならば全身ではなく背中の一部が焼けるだけで済む(実際あの戦いではそうしてた)。でもなんか呪文再現の方が性能が上の気がするんだよな。

 呆れる三人に囲まれながら俺は勝利の美酒であるメロンジュースを飲み干すのであった。

 A組の午後の授業が『ヒーロー基礎学』らしい。B組は普通授業だから少し羨ましいかな(午前中に個性把握テストをしたからだけど)。

 なお二日目にして女子と食堂に来る俺達はかなり目立ったそうだ。

 特に小大さんはヒーロー科でもトップレベルの美少女だしね。

 

 雄英高校二日目はこうして過ぎていった。





 補足・説明。

 成二と引子の関係。
 悪くはないが、引子からの負い目が強い。

 50メートル走。
 ディゴウ・ロボルクで成二の勝ち。
 反復横跳び。
 風の放出でイナサの勝ち。
 ムロム・ロボルクでゴム化を狙うも、ゴムの質感を完全に再現できず好記録だが負けた。
 ハンドボール投げ。
 ビーザム・ロボルガで成二の勝ち。
 イナサが風で吹き飛ばすも∞ではなく、二段ロケットミサイルであるビーザム・ロボルクの方が結果が出た。
 背筋力。
 自力でイナサの勝ち。
 呪文で変形しようとしたが、これ以上焼けるなと止められた為。

 コーラルQ。
 作者の好きな魔物の一体。
 アニオリの変身ソングは必見。

 ディゴウ・ロボルク。
 下半身をバイクにしたロボ、機動力が高くて格好良い。パワーもかなりある。
 
 ムロム・ロボルク。
 ゴム人形となる形態。ジケルドを防がれて清麿は泣いたが、ザケルも効かないのでは?と作者は思った(熱で溶ける可能性はあるが)

 ビーザム・ロボルガ。
 コーラルQの変形以外の攻撃呪文。
 誘導式二段ロケットミサイル。金色のガッシュ続編でも活躍。

 成二の火炎造形による変形。
 コーラルQ以外の変形タイプ呪文も再現できるが、その部分はガッツリと火で焼ける。
 それを見てたB組生徒達の食欲は失せ、小大さんも冷や麦を食べてた。
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