世界の旅人   作:神の子、与希

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今回は短めです。
ちょっと気分的にこのぐらいがいいかなーと。
よかったら、感想くださいな。つまらないならどこがつまらないか、面白いならどこらへんがとかを言ってくれるととても嬉しいです。


平和な日

俺と六(勝家)と五右衛門に犬千代がいつものように朝の稽古をしているところに、珍しいお客さんが来た。

 

ねね「ねねでこざいまする!」

 

初対面の六に対して、俺の時と同じ挨拶をするねねはあいも変わらず愛らしい。

この子は全人類のアイドルになれるとさえ思ってしまう親心。俺は親じゃないですけど。

 

六「どうしてこう、貴方の周りは幼子が多いのだ?」

 

そういえば、勝家のことを六と呼ばさせられるようになった。ん?日本語がなんか変だがまあいいだろう。

 

「俺に聞かれても困るが、あくまでも俺の趣味ではないぞ。さすがに人間性を問われるようなことは考えていない」

 

はずだ。

心の中で言ったから、嘘はついてないことになるよね!

少し人間性を問われることを考えてしまうことが多々あるから嘘ではないと言ったのじゃないよ…?べ、べべべ別にあああれは変態的欲望ではないのヨォ?

俺は心の中で誰かに必死で弁明した。

 

六「何か、少し怪しい顔をしてるが…」

 

俺はその言葉を聞いてそっぽを向いた。

御都合主義なこの世界は、俺のそっぽを向いた方向にとても重要なアイテムを配置してくれている…

と思っていた時期が私にもありました。

 

「き、綺麗な庭だよねー」

 

とても怪しい棒読み具合。

犬のフンを踏んだと悲しむサラリーマンを避けて通るときに妙に嫌な顔をしている人風な目でこちらを見つめる少女が三人。

 

五右衛門「朱鳥氏、さすがに拙者は無理でごぢゃるよ…」

 

犬千代「犬千代も無理」

 

ドン引きされた。

な、何が無理っていうのだ?!ナニが無理なのか?!え?!ナニなのか!?

そんな状況下に置かれてもとてもハッピーな脳みそを持って生まれてしまった俺は、浴びせられる罵倒を無視して、話題をそらそうと思って周りを見渡した。

そしたら、壁に弓があった。

 

「質のいい弓だ…」

 

俺は弓の知識は全くと言っていいほどないのだが、質がいいことはわかる。

槍の関係で木を何度か見てきたから。

 

六「さすがですね」

 

何か意味ありげに褒めてくれたのだが、曰く付きとかほんとごめんなんで、と思いすぐにそれを置いた。そのことを察したのか、六は一人笑っていた。

 

六「そんな危ないものじゃないですよ」

 

その笑顔に不覚にもドキッとしてしまった。

それと同時に頭をよぎる言葉。

『あくまで今は敵じゃないだけだ。僕が敵だと判断したら、僕は容赦なく君を、君の周辺の人物ごと消すからね』

俺は嫌な予感がした。

 

五右衛門「朱鳥氏、大丈夫でごぢゃるか?」

 

「あ、あぁ、少し悪寒がしただけだ。気にするな」

 

予感がしただけで終わるといいんだがな…

 

 

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光秀ちゃんと少し仲良くなったと思っていたのは、何かの勘違いだったのかもしれないな。

 

光秀「気安く話しかけないでください」

 

ただ話しかけただけでこれは、少し辛いのですが。

戦闘がいくら強くなっても、メンタルが強ならないという典型的な喧嘩馬鹿タイプ。

そんなことを考えながら立ち止まっていたら、光秀ちゃんが振り返って俺に何かを投げつけた。

 

「光秀ちゃん、これって…」

 

光秀「お、お守り、持ってやがれです!簡単に死なれては信奈様が悲しまれるので、勝手に死にやがるなです!」

 

そう言うと、光秀は走り去っていった。

これがこの世に伝わる、伝説のツンデレと言うものなのか?!…なわけないか。

無駄な考察をやめて、俺は散歩をすることにした。

 

 

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城下町を散歩していたら、信奈が店先で団子を食べているのを発見した。

俺は分けてもらおうと思い、彼女の方へと走り出す。

 

信奈「あんた…なにと戦ってるの?」

 

近づいていたのに気がついていたのか、信奈は俺に話しかける。

 

「なんの事だ?」

 

真面目に分からなかった俺は特に深い意味もなく聞き返す。

 

信奈「…川上衆から聞いたわよ…」

 

その言葉だけで全部伝わった。

俺は何も言えなくなった。

 

信奈「ねぇ…答えてよ!あんたはなにと戦ってるの?!なんのために戦ってるの?!」

 

胸ぐらを掴まれ、揺すられる。

だが、俺は何も言わない。いや、言えない。口が裂けても、この身が朽ち果てても言えない。

 

信奈「なんでぇ…なんで話してくれないの?あなたは私の家臣でしょ?!なんとか言いなさいよ!」

 

「俺は…夢に向かって必死に戦ってる人たちに出会った」

 

俺は語り出す、言えない理由を。

 

「その人たちは、俺の目には美しい星のような輝きを放ってるように見えた。でも、その人たちの中に俺はいてはいけないと、わかっていた」

 

信奈は自分たちがその人たちだとわかったのか、悲しい目をしながら真剣に聞いていた。

 

「俺がいると、その人たちに魔の手が及ぶのはわかっていた。わかってはいるけど…俺は近くで見守っていたいと思った。夢を叶えるその日まで」

 

信奈「その魔の手とやらと、戦ってるっていうの…?」

 

信奈の言葉には怒りが込められていた。

でも、彼女は必死で怒りを隠していた。

 

「いいや。俺の昔話だ。心配しなくていい」

 

信奈「ならッ!それは見届けられたの?」

 

俺にぶつかるぐらいの勢いで顔を上げた信奈はいろんな感情の混ざった顔をしていた。

 

「覚えてない」

 

信奈「…ぇ?」

 

「だから覚えてない」

 

信奈「それ、どういう意味…?」

 

彼女は拍子抜けしていた。

本当に何を言っているのかわけがわからなかったのだろう。

 

「俺の昔の記憶がだんだん薄れてきているんだ」

 

信奈「それは、まずいことなの?」

 

「いいや。何一つ問題ない」

 

信奈の顔に少し安堵した表情が戻ってくる。

 

「ただ、こういう昔話の腰を折るようなことになっちゃうだけだよ」

 

信奈の顔に笑顔が戻っていく。

俺はなんとか全く関係のない話に持って行き、彼女を笑わせられた。

騙すようなことはしていないが、少し後ろめたい気持ちが生まれてしまったが、彼女の笑顔を見た瞬間、満たされた気持ちになった。

俺はこの笑顔を神とやらから守る。守り抜いてみせる。守る必要がなくなるまで。

 

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