はい。
暇だったんで、投稿します。感想、よかったらちょうだいね❤︎
俺は初めて合ってしまった。
ホロ「どうした?その程度か?」
こいつには勝てないと思える敵にあったのは。
いや、正確には初めてではないが、あの時のこいつと今のこいつでは全くの別人とも思える覇気。その覇気に絶望的なまでの劣悪さを感じていた。
ホロ「ふふふ…休憩、ということで少し話をしよう」
そう言って彼は近くにあったちょうどいい岩に座った。
この状況を狙ってでも、奴は俺に勝てるのであろう。自信に満ちている。
ホロ「お前は、この世にいくつもの世界があることは知っているな?」
「あぁ。だが、よくわかってはない」
ホロ「ん…なら冥土の土産だ。説明してやろう」
そう言うと、彼は語り始めた。
隠された事実を。
ホロ「例えるならば、宇宙にはいろんな星が存在するだろ?その星一つ一つが世界だと思ってくれ。その宇宙のことを世という」
「だから死んだ時にあの世に行くというのか?」
ホロ「ご明察」
ちょっとした冗談のつもりで言ったのだが、どうやら正解だったらしい。
ちょっと照れ臭い。
ん?待てよ…世界が一つではないことはわかっていたが、それをまとめたものが少なくとも二つは存在するのか?
ホロ「ふふっ…察しがいいね。君は。そう、宇宙は一つではない、つまり世は一つではないのだ」
「なら、俺の死んだ時に行ったあの場所は」
ホロ「あぁ、あそこか。あそこは無数に存在する世の全ての死者が運ばれ、違う世へと送り出す機関だ」
俺は目の前にいる人間の凄さをどうやらよくわかっていなかったようだ。
ホロ「そして、その機関の総管理指揮官が僕なんだよ」
こいつが言うと、例えその言葉が嘘だったとしても、絶望的なまでに真実味を帯びて聞こえる。
俺は彼女たちを守れる自身がなくなってきた。
ホロ「君が最初、僕のところに来た時は本当にびっくりしたよ」
そういえば、最初に会ったあの場所は極楽浄土とは似ても似つかぬ場所だったな。
ホロ「あそこは僕が自室として使ってる世界だったんだが、なぜあそこに君が来れたのか、今でも謎だよ。一体何をしたら極楽浄土ではなく、僕のところに来れるんだい?」
「俺の方が知りたい。なぜ俺がお前なんかのいる場所へ行かされたのか」
ホロ「僕はそれが知りたくて君を鍛え、調べ上げた。でも、何一つわからなかった。君は一体何者なんだい?僕の送ったやつらをいともたやすく排除しちゃって」
自分が何者か、考えたこともない。
俺は言葉に詰まった。
ホロ「あ、そうだそうだ。一つだけ、わかったことがあったんだ」
自分のことなのに、自分のことが気になるとは、なんとも不可思議な感覚だった。
ホロ「君の父親は君を殺すのに使った刀。あれはどこから入手したかはわからないけど、あの刀には時空転移魔術っていう魔術の術式が付いてたんだ」
時空転移魔術?極楽浄土でも聞いたことのない名前だった。
ホロ「時空転移魔術ってのは術者が不治の病にかかる代わりに目の前に存在するものを好きなところへ飛ばすことができるんだ」
え?ってことは…
「親父が、俺をお前の元へ…?」
ホロ「それはあり得ない。奴は魔術を使えない。それにあれはほぼ間違いなく、お前のいた世界では到底作れるものではないであろうものだ」
「じゃあ誰がなんのために親父に」
ホロ「そこまではわかってないんだよ。ま、君はその事実を知らずにここで死んでもらうよ。極楽浄土で記憶が消えなかった唯一の生命体、朱鳥、君の名前を忘れることはないだろう。これから先ずっと」
そう言った後、彼は立ち上がり、俺の方へと歩き出した。
どうする…どうすればいい…俺の使える攻撃魔法は全て使った。(明日から本気出すという魔法で欠陥部分は全て明日受けることになっている)
あ、一つ使ってないのが…でもあれで勝てるのか?
ホロ「どうした?最後に残った魔法を使わないのか?」
見透かされていた。
だが、確かに使う他ない。
「全開放!明日死ぬことになってでも、ここで貴様を殺す!」
ちょっとかっこよく決めてみたものの、今の状況俺に勝ち目はない。
川上衆らは圧勝しているようだが。
ホロ「いい覚悟だ。行くぞ!」
おそらく、もう彼女たちの輪へは、入れないだろう。そう思いながら俺はホロに刀を構える。
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ホロの力は圧倒的だった。
ホロ「死んだ人間が記憶を持って生きてることが間違いなんだよ」
やつの能力、それは想像したものを具現化させたり想像した状態にさせたりなどする能力。
通称 想造…だったかな…極楽浄土で、この能力についての噂を聞いたことがあった。
だが、その能力には一つだけ穴がある。
「…この…程度だったのか…?ホロさんよぉ…!」
俺の体を貫く無数の矢。
俺は壁に張り付けられながらそう言った。
ホロ「ふふふ…その状態で何を言うか。アホなのか?」
想像は主に自分の見たことのあるものを基にして作るものだ。人は自分の記憶を基に想像を掻き立てる。だが、人はそれに気がつかない。だから、全く知らないものを想像はできない。
それが大きな穴だ。
「お前は全開放の本当の能力を知らない」
ホロ「まあそうですね。僕には全く必要のない能力だからね」
俺の予想通り、奴は知らない。
俺に見えた一筋の光だった。
「本当の能力を知らないお前にいいことを教えてやろう」
ホロ「いいご身分だな。そんな状態で」
「全開放とは、実は自分の身体強化はカモフラージュだ」
ホロ「ほう?」
俺の予想通り食いついた。
奴は知らないことを知りたがる。
特に俺のような奴にとって興味深い存在からの情報だと。
「全、開、放。全てを開き放つ。意味がわかるか?」
ホロ「何かを解き放つということか?」
「想像してみろ…俺の体の中に眠る闇を」
ホロ「お前、俺の能力を知っているのだろう?そんな言葉に引っかかるわけなかろう」
「お前のいたあの場所に俺が来た理由、それは俺の中に眠る闇だ」
口から出まかせだが、奴は少し想像してしまったようだ。
俺の来た理由を知りたいから。その理由を見たいから。どんなものかと気になってしまったから。
俺の体の傷から溢れ出る黒い何か。
…奴は何を想像したんだ?妙に傷口が疼くぞ…
「その闇はな…遠い昔、この世が生まれた時にできた人の少しの悪意、そしてこの世に溜まりに溜まった悪意の結晶といっても過言ではないものだ」
ホロ「それがなぜ、お前と僕が出会うことになるんだ?」
「わからないか?お前に対す不満が生んだものだ」
ホロ「だが、お前が来た理由にはならん。要因は刀だったからな」
あ、忘れてた…てへぺろ
黒いものが少し薄れる。
まずいな…何か適当な理由を…
「はは…まだ気がつかないと?」
ホロ「ん?」
「俺はお前に対する不満が生んだ悪意で作られたものだ。魔術を侵食することなど容易い。これは魔術でもなんでもないから誰にもばれないだろうとは思ってたが」
まったく、なんの話をしているんだか…
ホロ「ならば、お前自ら望んで僕に会いに来たと?」
「あぁ。そうだ。お前は滑稽だったよ…一介の人間としか思ってないんだもんな」
ホロ「だが、そうすると一つ気がかりだな。なぜ今更そんなことを言う?」
ぐっ!ガバガバなのは俺の方じゃねえか!
だが、こいつ以外とアホだぞ…
「あの時はお前の力量を計りに行ったのだ。そして、今完全にお前の攻撃などは把握できた。だから、今なのだ」
だんだん彼の顔に動揺が見えてくる。
さすがに想像できないものの発生を抑えることはできないだろうな。
だからと言って、今すぐに殺すと自分の知りたい情報が聞けなくなってしまう。それに、その攻撃がなんらかの形で自分に返って来る可能性がある。などと考えているのだろう。
俺は体に刺さった矢を魔法で焼く。
そしてホロへ向かって歩き出す。
ホロ「っ!?」
もう体力がないと思っていたのだろう。三時間ほど俺が一方的に蹂躙されたからだ。
だが、実際もう限界だ。
奴の一瞬の恐怖心が生んだ想像。
「ウグゥッグァァアアアアア!!?」
痛い!傷口や穴という穴から黒いものが吹き出す。
その黒いものは形を変えてホロに襲いかかっている。どういう形かはよくわからない。
が、ホロはその闇に飲み込まれた。
俺はその闇ごとホロを斬り刻む。
奴はその間声を上げなかった。
斬り刻まれたホロは少しだけ息があった。
ホロ「ふ、君はすごいね…だけど、僕が死んだら、この世は混沌と化すよ…」
人間はいつか死ぬものだと、こいつもわかっていたのだろう。不死身にならなかったのは。
ただ、人より寿命などを伸ばしただけで、彼は人間だったようだ。
「何が混沌と化しても、俺には関係ない。それは俺のような戦うことしか知らない者が干渉していい問題ではない。これから先の、未来を生きる人間たちが解決する問題だ」
ホロは何言ってんだこいつ、と言わんばかりの視線をくれる。
ホロ「なに…言ってんだ、お前…」
言いやがったよ!こいつ!
自分でも意味わかんねえこと言ってるっていう自覚があったからとてつもない羞恥心にかられる。
ホロ「だが、確かに、俺は少し干渉しすぎたかな…過保護な親と同じだ…な」
争わないように、世界間で全面戦争が起きないように保ってきたのだろう。こいつは意外にいいやつだったのかもしれない。
…あれ…?なんで俺はこいつを殺したんだ?
ホロは白い光となり消えた。
「ちょっと!待ってよ!俺はなんでお前を殺したんだ?!」
なんで…殺しちゃんたんだろうな…
そう思っていたら、だんだん俺も目眩がして倒れた。