世界の旅人   作:神の子、与希

5 / 23
今回は早めの投稿。
理由は暇だったから。
感想くれると喜びます。



彼女のために

とりあえず、やることがないので家に帰ってきた俺は、飯を調達するべく、城下町へと向かうことに。

しかし道の途中で気がついてしまった。

 

「給料をもらうの忘れてた…」

 

戦場で活躍しただけのお給料がでる、歩合制を取り入れているので、給料をもらいに銀行のような場所に行かねばならない。

そこに行くのが面倒くさいので未だに一文も貰ってない。貰わなくてもねねがいつもご飯を作ってくれてたからだ。

だがら今理由は不明だが、ねねがいない。だからご飯をって思ったんだがな…

飯を求めて途方に暮れていたら、珍しいって言うほどでもない人が近づいてきた。

 

勝家「朱鳥、その…剣術を教えてくれないか?」

 

最近はあまり来なかったが(色々と忙しかったから)前はよく来ていた。

 

「わかった。じゃあいつもの道場行くか」

 

どうせ給料を取りに行かないのだから、と俺は腹減りを我慢しながらやることを決意した。

この世界に来てよく利用する道場。

武術をしばらくならなければ腕は鈍ってしまう。

素振りなどの鍛錬は極楽浄土でもやっていた日課のようなものだ。

 

勝家「お、お願いします」

 

緊張しているのか、少し声が小さい。だが、これはいつものことだ。

俺が構えると同時に彼女は槍で突きをかましてきた。

 

「脇が甘いって言ってるだろ?」

 

俺は木の槍の切っ先を掴む。

 

「無駄な動作が多い。勝家は主に右手に力が籠っているから、左が甘くなる」

 

そう言いながら俺は勝家の左手を叩く。

 

「突きは力を入れない。牽制程度の技だ。もう一回最初から!」

 

勝家「は、はい」

 

そうやって何度も何度も突きや横薙ぎの練習をした。

汗だくの勝家は少し服が透けているので、毎回俺は道場の外で体を流している。

ちゃんと道場内に備え付けの流し場があるのだが、勝家がしっかり休めるよう俺は外で流すようにしている。

今回もいつものように外へと向かったのだが途中で呼び止められた。

 

勝家「本当に、家臣、やめるか?」

 

息切れしながらだったため、途切れ途切れの言葉だったが、声に不安の色が見える。

 

「大丈夫。稽古なら俺の家に来てくれればちゃんとつけてやるから」

 

勝家「そうではない!」

 

「…そりゃ、やめたくはないさ。だけど、俺は命令に背いた。俺は彼女を泣かせてしまった。家臣が主人を不安にさせるのは剣士の恥だ」

 

勝家から言葉は帰ってこなかった。

また歩みを進める。

 

勝家「今!今、今川軍が攻めてきている。織田軍は絶体絶命だ」

 

「…そうか」

 

勝家「そうかって!何も思わないのか?!」

 

勝家の言葉が心に刺さる。

言い返すことができない悔しさ。虚しさ。

 

「まだ、今川はついてないんだな?」

 

勝家「そ、それがどうした?」

 

「そうか。ならいい」

 

いいこと思いついた。

このポジティブシンキングを具現化させたようなやつって言われた俺の頭は彼女に見えずに力になる方法を考えた。

 

 

_______________________

 

 

 

俺は城下を出る門に向かって歩いていた。

するとある気配が近づいてきた。おそらく二人。

 

「五右衛門に犬千代か?」

 

大声で言いながら後ろを向く。

かなり後ろの方にいたのになぜバレたしって顔をしているのが遠いながらわかる。

走ってくる二人を見て、生前を思い出す。

 

犬千代「犬千代も行く」

 

五右衛門「拙者は朱鳥氏と一ちん胴体の身」

 

なんだか面倒なのが来たと思ってしまう。

この二人を連れて真っ向から突っ込むのはいささか不安が生じる。二人の身の。

顔に出てしまったのか、二人はしかめっ面になった。

あ、二人は近くに置いとけばいいか。

 

「ま、いいよ。ついてきても」

 

そう言って地図を見ながら歩き出す。

 

五右衛門「どこに行くでごぢゃるか?」

 

「いい立地の場所に敵はいるだろうから…この桶狭間山?の麓の平地かな…」

 

方向音痴な俺は、ここにはどうやっていけばいいかという質問をしようとしたが、この二人はあまり信用できないな、と思い、誰か都合の良い人間はおらぬかと周りを見る。

そしたらなんとも御都合主義なタイミングで現れた信奈の弟くんがいた。(ちなみに名前は覚えてない)

 

「おーい、弟くーん」

 

ノブスミ「お?これはこれは、朱鳥殿。何か御用?」

 

「ここへの道案内をたのむ」

 

五右衛門「朱鳥氏…なぜ拙者たちを頼らなんだ…?」

 

とっても不機嫌そうなお二方を完全無視して弟くんとの会話を続ける。

 

ノブスミ「お安い御用だが、いいのか?」

 

「気にすんな。あれは…俺が極楽浄土でみたピクミンというやつみたいなものだ」

 

ノブスミ「なるほど」

 

なぜピクミンで納得したか、という説明はとても簡単に説明すると、謀反の後にみんなで話してるときに話した。まあ、その時この二人はいなかったけど。

 

犬千代「朱鳥、ピクミンってなに?」

 

バカにされてるのを察したのかジト目で聞いてくる。

これもまた無視。なぜならこいつらはピクミンだ。ピクミンに反応する主人は変であろうからな。

 

「じゃあ早速案内頼む」

 

ノブスミ「別にいいけど、こんな辺鄙な場所になんのようなのだ?」

 

「野暮用だな。近くに着いたらお前は帰ったほうがいいかもしれないから、気を引き締めておけよ?」

 

いまいち俺の言葉を理解してない弟くんは反応が薄かった。

後ろでギャーギャーうるさいピクミンを無視しつつ、目的の桶狭間山麓へ急ぐ。

 

 

 

_______________________

 

 

 

弟くんの案内でたどり着いた場所には予想通り今川がいた。

 

五右衛門「朱鳥氏、一旦ここは引いて知らせるべきです」

 

犬千代「五右衛門の言う通りにすべき」

 

「じゃあその役目、二人に頼んだ。こんな大勢と戦ったらさすがに死ぬかもしれないけど、足止めぐらいにはなるはずだ。援軍早めによろしくねー」

 

??「安心しろ。お前らはここで死ぬ」

 

その言葉の後にクナイが飛んできた。

五右衛門と犬千代は気づいてない様子だったが、おれは余裕で気がついていたため、とっても遅いクナイに思えた。

 

五右衛門「や、やはり知らせるべき!」

 

「五右衛門、まず囲まれてるよ?知らせる前に全員やっつけなきゃ」

 

今のところ、一人として姿を見せてはいないが、気配を消しているのがわかる。正確な位置までわかる気配の消し方だ。

そして当たり前のようにクナイや手裏剣が飛んでくる。

 

「あざとい…あざとすぎるよ!」

 

俺は最初に飛んできたクナイを掴んで、その後に続く手裏剣らを全て弾き飛ばした。

 

「位置ももろバレだし、クナイと手裏剣を飛ばすしか能がないの?」

 

俺はそう言って魔法でクナイを増やし、気配を消しているやつら、全員に飛ばした。

何人かはそこで削れたが、さすがに全員は死ななかった。

 

「五右衛門たちは行け。援軍早めで頼むよ」

 

そう言ったら素直に応じてくれた。

 

「おっと、追わせないよ」

 

一人、二人を追いかけようとしたやつの足元にクナイを投げる。

 

??「お主、できるな…」

 

こいつは頭がいい。そいつが乗っかっていた木の枝は近くに他の手頃な枝がない代わりに長さがあり、そっから他の枝へと移ることができる。が、俺がクナイを刺したことによって、多少もろくなった枝の先の方は、奴の体重には耐えきれないだろう。

つまり、そっから先に行きたければ、俺のいる地上を走っていかなければならない。

 

「俺を倒せたら、行ってもいいよ。全員がかりできな」

 

そう言いながら、俺は短刀を抜く。

忍者を相手にするときの鉄則として、軽く取り回しのいい武器を使用する。通常の刀の場合、長さで重さを取られ、早い動きが得意な忍者にはカモでしかない。

だから短刀。

クナイはダメだと悟ったのか敵は近接格闘を仕掛けてくる。後ろから襲いかかってこようとした敵の喉に短刀を後ろ向きで刺す。そしてすぐに抜き、前から来たやつ、右左と致死率の高い喉元を掻っ捌いていく。

 

??「貴様、何者だ…」

 

「あれ?自己紹介してなかったっけ?職を求めて三千里、朱鳥だ。よろしく」

 

バカにされたと思ったのか、彼の体が力み始める。それが面白くて続けてバカにする。

 

「まあ、君たちとは違って、所詮下級兵士だったってこったよ。忍びはすごいねー主人を絶対に裏切らないなんて」

 

怒りが見えてくる。

それでもプロかよ…と失笑する。

 

「かっこいいな〜忍び〜俺もやってみようかな〜にんにんってか?」

 

無数のクナイが飛んでくる。

体が力んでいたせいで俺には一発とて当たらない。

 

??「ずいぶんコケにしてくれたな…生きて帰れると思うなよ…」

 

「鼻っからそのつもりだったんじゃねえのかな?生きて帰すつもりだったの?」

 

彼らの怒りのボルテージは最大まで溜まったであろう。なぜなら、さっきまで俺に当たりそうだったものが、当たる気配を見せない。

彼らが平常心を保っていたら、俺は動かなければ当たっていただろう。

 

「力任せになってるよ〜?そんなんじゃ、俺には一生当たらないぜ?」

 

自分でも笑えるほどのドヤ顔を決めた。

すると彼らは姿を現し、近接格闘に持ち込んできた。

短刀での近接格闘の極意として、相手にいかに近づくかというのが一番最初に出てくるだろう。だが、それは違うと思う。いかに相手を近づかせるかというのが一番だと思っている。

自分から近づく場合、相手の隙を見つけなければならない。だが、近づいてる間は自分が隙だらけなのである。そこを突いてくる猛者もいるため、自分からは攻めず、近づいてきたやつを逆に殺る。

つまり今はその絶好の機会である。

どっから取り出したのか、彼らは多種多様な武器を持っていた。トマホークやら鎖鎌やら太刀やらハンマーやら。

まず最初に来たのは太刀だった。刃の長さを利用してくればいいものをわざわざ俺の間合いまで来てくれた。なので彼が振りかぶった隙にしゃがみこみ、彼の視界外から遠慮なく首を貫く。

二人目ははすぐに来た。首に刺してる時に後ろから迫る鎖鎌。短刀を抜いてからじゃ間に合わないと思い、首めがけて飛んできた鎖鎌を左に避けながらつかみとる。それを使って右側から飛んでくるトマホークを弾く。そして鎖鎌を引っ張り、敵を引き寄せようと思ったが、さすがに手を離していたようだ。

その後、少しの間が空いたので短刀を抜きとる。次の敵に備えておいてるのだが、なかなか来ない。というか気配がどんどん離れていく。

 

「本部と合流して、俺を殺しに来るのか?そりゃ参ったな…」

 

正面から突っ込むしかねえな!

そう考え、全力で走り出す。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。