目が覚めたのは次の日の朝だった。失神したのは昼頃だったのでほぼ丸一日無駄にした気分だった。
「あれ?」
だが、得だったのかもしれない。
ほぼ丸一日動かなかったため、元々自己治癒力は高い俺の体はピンピンしている。なのでとりあえずいつものみんなが集まる場所へと向かう。
「おっはよぉ〜」
信奈「あら、もう良くなったの?」
そこにはいつも通り、みんなが集まっていた。正直、朝に集会とか言われてるわけでもないのによく集まると思う。
「おかげさまでピンピンしているさ。で、お客さんでも来るのか?」
俺は城下の中に異様な人を感知した。
ちなみにこれは魔法。名前は…覚えてないな…まあ半径3kmの中の人間を感知することができる。正直、あまり役には立たない。理由は本当に正確じゃないから。曖昧な情報しかわからないので、なくて良い。
家臣A「姫、浅井長政殿がお見えです」
長政「お初にお目にかかります。信奈殿」
俺に衝撃が走った。
なんだこの爽やかな男顔!俺もあんな顔ならなーおっぱい触りたい放…ゲフンゲフン。
信奈「で、何の用?」
ここから先、正直俺はあまりよく聞いていなかった。いや、聞けなかった。でもまあニュアンスは掴んだつもり。だって、だってこいつ…
「お前、政略結婚する相手の性別、わかってるのか?同性愛者?」
それを言った瞬間長政は動揺し始めた。
長政「な、何を言ってるんだ君は…僕は正真正銘の男だ。同性愛者ではない」
…何言ってんだこいつ?どっからどう見たって女じゃん。
勝家「政略結婚には反対ですが、朱鳥は何を言っておるのだ?」
信奈「長政のイケメンさに嫉妬して、女だったらいいのにーとでも思ったのかしら?」
ムキッ!?
俺の怒りの炎に、油を注いじまったみたいだぜぇ?!
「ちょっと長政、俺とこい」
長政「ど、どこへ行くのです?」
「いいから」
俺はそう言って、人気のない場所へ連れて行く。
当たり前だけど、殺すためじゃないからね。
そして俺は振り返らずに言った。
「長政、お前がどんな事情で男だって言い張ってるのか知らねえけど、女と女の結婚はさすがに意味不明すぎるぞ?」
長政「…なぜ私が女だと思う?」
「なぜって、お前が女だからとしか言いようがないんだが…逆に今までよく隠せてきたなってレベルでバレバレなんだがな…」
振り返ってみると、長政は驚いた表情を隠しきれてない。そんなところに若さを感じる。だいたい年同じだけど。
ちょっとからかいすぎたかなと思い、本題に入る。
「君は女なのに女に求婚している。それはおかしなことだよな?しかもそれは親の命令だろ?何か、企んでいるのではないのか?織田家を潰す計画でも」
長政「ふっ、もしそんな計画があったとしても、教えはせん」
ちぇー揺さぶりが聞いていたからこの調子で話もって思ったんだが、そんなうまくいかないな。
でもまあいい。こいつの対処つっても、最終手段だが、は決まった。
俺がそんなこんなゲス顏を晒してる時に彼女は一旦帰ったみたいだ。つまらんやつめ。
戻ってみると、信奈らにはジト目で迎えられた。
勝家「朱鳥殿は男もいけるんですか?」
世にゆう腐った女性が好きそうな話をものすごいジト目で言い放った彼女は、まだ俺が胸を透かしたことを怒っているらしい。
「バカを言うなよ。ちょっと朱鳥様直々にお言葉を告げてあげただけですよ」
五右衛門「気持ち悪いでこぢゃる…」
犬千代「キモい…」
信奈「変態…」
三本ほど、俺の頭に矢が刺さった。
言葉とは人を傷つける武器の上位互換品なのでは、と考えてしまうほどであるよ。
「あ!そう言えばさ、美濃には良い軍師がいるって聞いたんだが、あれって本当におるんかえ?いるなら是非ともお知り合いになりたいんだが」
信奈「なによあんた…またナンパでもするのかしら?」
「ちげーよ!天才軍師って言われてるんだそうだよ?絶対に凄い人じゃん?なぁ?そう思わんのかえ?」
少年のような笑顔を浮かべた20くらいの男性っていうととてつもなくシュールな光景だとわかってもらえるだろう。
だが彼女らが変に感じたのはそこではなかった。
勝家「朱鳥はいつからそんなに上機嫌な鬱陶しい個性を手に入れたのですか?」
明らかに侮辱してるのがわかる。
信奈「あ!あたしもそれ気になってた」
「元々はこういう人間だ。今までは正直君たちを信用しきれていなかったってことだな」
偉そうな上から目線で言葉を告げてみる。
信奈「ま、そんなことどうでもいいわ」
聞いておいて自分から話を切り捨てる、なんて斬新なお方なの?!そこに痺…れないかなぁ…憧れねえわ…おこだわ…
信奈「そんなことより、その天才軍師をあんたが仲間に引き入れてきてちょうだい」
その言葉を聞いた瞬間、俺は開眼した。
「行く。絶対に俺が行く。奴の戦闘の仕方についてもっと知りたい!」
信奈「で、デアルカ」
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というわけでやってまいりました竹中半兵衛がいると言われる竹林の中の家へと。
今回は珍しいメンバーが一人加わっている。
いつものメンツ(犬千代と五右衛門)に明智光秀という子だ。道三の家臣だったのがこちらに来た…いやすいません。会議の話なんて全く聞いてないんでわかんないす。はい。
「お?あの人が半兵衛?」
半兵衛宅から出てくるおっさんの影があったので、その人なそうなのかと尋ねる。
光秀「違いやがります」
そこで俺は来る前に聞いた半兵衛の特徴を思い返す。
爽やかなイケメンで白人のように肌が白く、頭良さそう。
簡単にまとめるとこんな感じだが、このおじさんは野暮ったくって臭そう。
「全然違うっぽいね。聞いた話と全く違うしね」
一人で納得していた俺はそのおっさんが何かをこっちに言っていたことに気がつかなかった。それに普通に返す俺の両脇の子達。
それを見て感心する俺。そして感じてしまう年齢。
「歳はとりたくないね…」
真顔で言ってのけると不可思議なものでも見るかのように光秀は俺の方を見る。
光秀「本当に朱鳥殿は何を言ってやがるかわからないです。聞いた通りでやがります」
「むぅ…なんで聞かされているんだ?」
光秀「教えないでやがります」
ケチィ〜とか言いながらノックを忘れてズカズカ入っていく。
半兵衛…?「やや?許可なく上がるか?」
「おぉ、すまんすまん。天才軍師に会えるってのが楽しみすぎてついね」
後ろの子たちからとても睨んできてる。
は、はぁんっ!に、睨まれるって、き、キモチイィィィイイイイイ!
嘘ですごめんなさい気持ち悪くてすいませんはい。いや、別に本気で言ってたわけじゃないんですよ?いやいや俺だってさすがにそんな本気でいうわけないじゃん?別にロリに睨まれたぐらいで(ry
「あ、お前さんが半兵衛なの?」
半兵衛「まさしくその通り」
って完全に忘れていたが、先客がいるようだった。
長政「なぜ貴様がここに…?!」
「やーやー長政くーん。奇遇だね〜天才軍師に会いに来たん?」
俺はいたってフレンドリーに話しかけた。彼女と敵対するつもりはないからだ。
長政「馴れ馴れしくしないでくれたまえ!僕たちは一応敵国同士なのだから」
むぅ〜つれないな〜
俺は彼女のすぐそばに座る。
長政「な、なんのつもりだ?!」
ものすごい拒否られたことに俺はとても驚いた。
「そ、そんなに拒否されると傷つく…」
少し離れて座られた。
光秀たちは半兵衛と俺たちの横、つまりどちらにも付かず離れずといった位置にいる。
「あ、そうだ。半兵衛さんや、うちにこんか?今の斎藤家にお前さんがいるのはもったいないと思うねんけど、こんか?」
長政「それは私が先にお誘いしたのだが?」
「あら?そうなの?まあ選択するのは半兵衛だ。俺はこれ以上強要せんでおくわ。第一、それはついで話だしな。っでさ、半兵衛殿のその戦術はどのように浮かんで来るんだ?」
そう言えば、話していなかったのだが、俺たちは何度か半兵衛の戦術に翻弄されている。俺はその戦術に惚れ込んで今に至るってことだ。
半兵衛「ほう、魔物と呼ばれている朱鳥殿は意外に普通なものなのですね」
…魔物?俺そんなん言われてんの?
「ちょっとその噂?を聞かしてもらいたいんだが、俺が魔物とやらを…」
知らなかったことに少し驚きを見せるが、すぐに笑ってるような笑ってないような…な顔に戻る。
半兵衛「朱鳥殿は魔物のように強く、横暴で欲張りで性欲の獣だと伺っておりますが」
その噂を流したやつをぶん殴ってやりたい衝動にかられる。
でも今はそんなことよりやっぱり半兵衛の戦術を聞いておきたかった。
「まあそんなクソみたいな噂は全て嘘だ。俺は善良だし、卑猥なことは好きだがそんな獣と言うほどではない。純粋に戦闘に秀でた才を持つ若者たい!」
長政は呆れている。
長政「お前はかなりの戦闘狂と聞いていたが?」
俺は唖然とした。
戦闘狂と呼ばれたのは初めてだ。
昔、俺のことを狂ってると言った奴がいた。俺はそんなことはないって否定したかった。でも、否定できなかった。人を傷つけても何も感じないのは普通ではないのだから。
「俺は…狂ってなど…ない…よね…?」
悲しい声が出た。弱々しく、今にも消えそうなぐらいの声量。体が震え始める。俺の周りからまた人がいなくなる。また、あの日を繰り返す。苦しい。
「俺は…危険なんかじゃないのに…狂ってなんか…ないのに…俺は…何もおかしく…ないはずなのに…」
震えが止まらない。怖い。今も脳裏に焼きついている、大切な人たちが離れる瞬間。何百年も前のことなのに未だに吹っ切れない。
そして俺の腕を強く引かれて我に帰る。
犬千代「朱鳥、大丈夫?」
ハッとして周りを見る。みんな心配そうにこちらを見ている。
汗でビッショビショになったシャツが気持ち悪い。さっきのが頭によぎってるだけで寒気がするのに、これでは風邪をひいてしまいそうだ。
長政「な、なんか申し訳ない…」
「気にするなよ…勝手にお前の言葉に俺のトラウマを重ね合わせてしまっただけだよ。あと、俺は戦闘狂ではない」
と、今までいろいろと違うことで頭がいっぱいだったから、完全に忘れていたのだが。
「その襖の奥の女の子かな?それは誰だい?まさか君の側近ではあるまい。妹さんか何か?」
半兵衛は動揺し始める。なぜバレたしって顔をしている。
隠していたのだろうか?隠し子的な?
するとその子の隠れていた戸が開き始めた。
その子は顔を少し覗かせながら…
隠し子?「いじめるぅ…?」
俺は目眩がするほど可愛い子というのを知った。
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実はこの子が半兵衛でした〜!ってことの判明し、いろいろとお話をしていた。
すると、斎藤息子から半兵衛のお呼出がかかっているとのこと。んで、彼女は人見知りでナンタラカンタラだから俺が一緒に行くことになって今に至る。
斎藤息子がなんかうだうだ文句言ってる。裏切るんではないかーとか忠誠を誓ってるのかーとかいう話だと思う。
「あのさぁ〜そんな後のことばっかり考えて目の前にいる半兵衛と話をしてないんじゃねえの?」
言葉の意味を理解できてないのか、返答がない。ので続けて言葉を述べる。
「お前は目の前にいる子に話してるんじゃなく、未来のその子に話してるってこと、意味わからなかった?つまりお前は眼前のものを無視して後のことしか見てないってこと。今裏切らないって言ってんだから後々気が変わるとかを考えてんじゃねえよ」
激怒した斎藤息子は何か怒声を発しながら俺たちの周りに兵を立たせる。
あ、今ここにいるのは俺と半兵衛と長政だ。なんで長政がいるのかはよく知らん。五右衛門たちは緊急の脱出ルート確保中。
まあ緊急の脱出ルートなんて使用できそうにないけどね…
絶体絶命って状況で近くに半兵衛ちゃんがいたので俺は小刀を構える。
「半兵衛ちゃん。ちょっと手荒い脱出しかできないけど、許してね」
俺はそう言って円を描くように俺たちを囲った兵を外周を回りながら全員の首を綺麗に切っていくという荒技で全て倒し、半兵衛ちゃんをわき腹に抱えて長政連れて本当の本当に最終脱出ルート(城麓の川にダイブ)へと走って逃げた。
長政「ほ、本当に飛ぶのか?」
「うるせっ!さっさと行くぞ!」
俺は躊躇いを見せる長政の腕を引っ張って外へと飛び出す。
「あーいきゃーん、フーラァーウィィー!」
ぽちゃん