貞操逆転世界での俺、気軽にヤれるビッチ♂だと盛りのついた女子たちの間で噂になっていく 〜お前らみんな、俺で処女捨てたくせに……〜   作:水卜みう

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第10話(凛々亜視点)あの男、絶対キープしてやるもんね!

◆(凛々亜)

 

「あれ? 外ヶ浜さん? 珍しいねこんな時間に教室にいるなんて」

「え、ええ、まあ、ちょっと……ね、野暮用があってね。……てか、そ、そういう平()くんこそどうしたの?」

「……平川です」

「ごめんごめん」

「俺はあれだよ、今朝の電車での一件で先生たちからみっちり事情聴取されちゃってさ。やっと解放されたんだ」

「あ、ああ、そういうことね。ち、ちなみに、今来たばかりだよね?」

「うん、今来たばかりだよ」

 

 平川くんがそう言うので、私はさっきの行為は彼に見られていなかったと思い安心した。

 あんなのがもし男子――それもオカズにしていた本人にバレてしまったら切腹ものだ。

 

 しかし平川くんは鋭かった。

 

「ねえ外ヶ浜さん?」

「な、なあに?」

「どうして俺の席に座ってるの? 外ヶ浜さんの席、あっちのほうじゃない?」

「そ、それはその……手頃な場所に手頃な高さの椅子と机があったから……休憩しようかなと……」

「同じような椅子と机、この教室に三十個くらいあるんだけど……」

「そ、そうなんだけど、なんというか……本当に丁度良いところにあったというか……あはは……」

「そんなに丁度良かったの? 俺の机」

 

 もうバレたかと思った。

 

 やばいと思って身体が反応してしまう。

 すると、私のリアクションで平川くんは気づいてしまったらしい。

 

「あのさ外ヶ浜さん」

「な……なに?」

「――俺の机でナニしてたの?」

 

 終わった――――――!!!!!!

 外ヶ浜凛々亜、人生終了!!!!!

 

 これから先、私は教室で男子の机の角を使って一人気持ちよくなってしまっていたオナニストの称号をずっと背負わなければならない!

 

 それどころか退学、逮捕、獄中生活……そんな未来さえあり得る。

 

 一瞬の快楽のためにすべてを失う私。

 言い訳をいろいろするものの、あまりにもダサすぎて涙が出そうだ。

 

 

 ――こうなればヤケだ。

 どうせ罪を背負わなければならないなら、今ヤれることをヤっておかないと損!

 

 もう失うことがない私は、平川くんに対して大げさに土下座を決め込むことにした。

 

「平川くん! 一回でいいからヤらせてください! 私に処女を捨てさせてください!!!」

 

 ああ……顔を上げたくない。

 上げたら多分平川くんが凄い顔をして私を蔑んでいるに違いない。

 

 最悪、このまま逮捕されてしまうかもなあと考えていたくらいなのだけれども、平川くんから返ってきたのは意外な言葉だった。

 

「……それじゃあ、ひとつだけ外ヶ浜さんにお願いがあるんだけど」

「何? なんでも言って、私にできることなら何でもやるから」

「本当? 何でもやってくれるの?」

「もちろん。どのみちもう引き下がれないし」

「あの……電車に乗るときに痴女から守ってもらえないかな?」

「……えっ? そんなのでいの?」

 

 人生終了の危機にある私。

 

 それを毎日通学のときに痴女から守るだけで回避させてくれる。おまけに、ヤらせてくれる。

 

 そんな虫のいい話、ある?

 

「今朝も助けてくれたことだし、その辺は外ヶ浜さんにとても感謝してるんだ。それで俺、どうやら痴女に狙われやすいらしいんだけど、あんまり対抗手段持ってないから外ヶ浜さんが助けてくれるとありがたいなあって……」

「やります! ヤらせてください! 毎日平川くんのこと護衛します! 任せてください!」

 

 朝の通学時に痴女から助けたことが生きた!

 これで私の罪はチャラ、おまけに一発ヤらせてくれる……!

 

 起死回生の一発逆転カード! 圧倒的効力っ……!

 ゴネ得っ……! ゴネ得っ……!

 やはり善行は積んでおくべきっ……!

 

「じゃあ、交渉成立だね」

「いいの!? 本当にそんなのでいいの?」

「外ヶ浜さんは俺の恩人だもん。これからも助けてくれるなら、ヤらせてあげてもいいかなって」

 

 夢を見ているのかと思った。

『痴女されてる男子を助けたら一発ヤらせてくれた件』についてという、えっちなライトノベルでも読んでいたのかと思うくらい。

 

 私はテンパって何をしたらいいのかわからなくなってしった。 

 

「じゃ、じゃじゃじゃじゃじゃあ、連絡先教えるから後日うちで……どうかな?」 

「あんなに頭下げたのにヤるのは後日なの? どうして?」

 

 その瞬間、平川くんの表情が変わる。

 なんだか妖艶で、エロい。

 

 こんなに積極的に迫ってくる男子、この世に存在するんだ……

 

 私のお腹が、キュンと疼く。

  

「えっ、あっ……いや、準備とかあるかなって…」

「俺は準備とかいらないよ。それに外ヶ浜さんの方はもう、準備万端でしょ?」

 

 そう言って平川くんは私のスカートをめくってきた。

 あらわになったのは私のパンツ。

 

「ちょっ……ちょっと平川くん……」

「嫌だったかな……?」

「嫌じゃないけど……その、意外だったから……」

「そう? 男だって、実はこういうの興味あるんだよ?」

「もしかして平川くん、ヤり慣れてる……?」

「ううん、俺も外ヶ浜さんと同じく初めてだよ。こんなので良かったら、俺の初めてを貰ってやってよ」

「――!!」

 

 私はもうその一言でたまらなくなってしまった。

 ヤり慣れてるのかと思ったら、平川くん童貞なの!?

 

 初めてを捧げてくれるくせにめちゃくちゃエロいし、なおかつ私の初めてまで捨てさせてくれる。

 

 天使かこの人は。

 

 それから私と平川くんは、教室の隅でお互いの身体を探りあった。

 

 ドキドキしすぎて途中の記憶はあんまりない。

 でも間違いなく、このまま死んでもいいかなと思えるくらい幸福だった。

 

「平川くんの……すごいね」

「……そう? 他の人のをよく知らないから」

「絶対に平均より大きいから自信持っていいよ。女子は大きい方が好きな子ばかりだから間違いないというか、そもそも――」

「……あのさ、もう我慢できないんだけど」

「そ、そうだよね……! う、うん、早くシよ……」

 

 私は財布に入っていたあるものを取り出す。

 年頃の女子なら、何かを期待してまずひとつは隠し持っているのが常識。

 

 おめでとう、これで私は処女卒業です。

 

 初めてでも痛くないように練習しておいてよかった……

 こんないいムードのときに痛がったら台無しだもんね。

 

 少し経ったところで、急に平川くんが弱々しい声をあげる。

 

「ご、ごめん……」

 

 一瞬の出来事だった。

 

 その時の彼の切なそうな表情が、たまらなく良かった。

 

 そして私は自分の身体がきちんと異性を満足させることができるものなのだと自覚できて、とてつもない幸福感に襲われる。

 

 だってこういうの、男の人ってなかなか最後まで到達しないんでしょ? 本で読んだよ?

 

 それなのに私相手で「ごめん……」なんて言われたら女心をくすぐられてしまう。

 天然でそれをやっているのなら恐ろしい。

 

 絶対に平川くんはキープしよう。

 

 こんな理想的な男の子とヤれる権利、手放すわけにはいかないもんね。

 

 キープしつつ、理想の高身長細マッチョを捕まえる。なんて完璧な作戦だろう……!

 

 処女を卒業したばかりなのに、私はすっかり経験豊富なデキる女のつもりになっていた。

 

 これから平川朝陽という地味男子に沼っていくとも知らずに……

 

 

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