貞操逆転世界での俺、気軽にヤれるビッチ♂だと盛りのついた女子たちの間で噂になっていく 〜お前らみんな、俺で処女捨てたくせに……〜   作:水卜みう

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第12話(カラオケ店員・陰キャラヒロイン視点)陽キャ女に襲われるのは不安よな。陰キャラ、動きます

◆(カラオケ店員・西目屋雛世視点)

 

 西目屋(にしめや)雛世(ひなよ)は激怒した。

 必ず、かの弩級助平(どすけべ)な陽キャラ女を除かなければならぬと決意した。

 

 雛世にはスクールカーストの高い陽キャラ共の生態がわからぬ。

 雛世は、カラオケ店のアルバイトスタッフである。

 テーブルを拭き、皿やグラスを洗って暮らしてきた。

 けれども陽キャラの破廉恥な行為に対しては、人一倍に敏感であった。

 

 ※※※

 

 いつもの通り学校が終わり、アルバイト先のカラオケ店に入る私。

 

 ここのアルバイトは天国だ。

 平日の昼間はあまり忙しくないので、だいたい後片付けをしたり、ドリンクバーのサーバーを洗ったり、フライドポテトを揚げたりしていればいい。

 陰キャラコミュ障な私でもできる、本当に簡単な仕事。

 

 今日も今日とてフライドポテトのオーダーが入ってきた。

 ここの注文システムはスマホで完結するので、コミュ障の私にはとても助かる仕様。

 

 フライヤーに冷凍のポテトを入れ、キッチンタイマーをセット。

 パチパチと揚がる音を聞きながら、その時間で食洗機にグラスなどを詰め込む。

 食洗機の洗浄開始ボタンを押すと、ちょうどキッチンタイマーが鳴った。

 

 我ながら時間配分は完璧だ。

 効率よく働くことで、だらっとする時間を増やす。

 このぼーっとしている時間が、私は好きなのだ。

 

 揚がったフライドポテトを皿に盛り、オーダーのあった部屋に運んでいく。

 リザーブするときだけはどうしても喋らなければいけないが、会話をするわけではないので平気だ。

 

「――ご注文の山盛りフライドポテトを」

 

 扉を開けてそこまで口にしたところで、私は衝撃の光景を目の当たりにする。

 

 なんと、一組のカップルがいちゃついていて、まさに今からおっ始めようとする瞬間だったのだ。

 しかもそこにいるのは、私と同じクラスの男女ではないか。

 

 女の方は目立つキャラなので有名だ。

 外ヶ浜凛々亜という、私がもっとも苦手な人種である陽キャラ女。

 

 一方で男の方は地味な感じ。それこそクラスのカースト的には私と大差ないような人。

 ちなみに名前はバッチリ知っている。

 

 なんせ平川くんは私の隣の席の人だから。

 

 毎日毎日私は彼に横目で熱い視線を送っている。

 地味だけど清潔感はあるし優しいし、競争率も低そうな掘り出し物男子。それが平川くんだ。

 

 

 まさかの瞬間に出くわした私はフライドポテトの皿を置いて逃げてしまった。

 本来ならばああいう不埒なことをしている輩を見つけたときはすぐに店長に報告して、学校に連絡をしてもらわなければいけない。

 

 ただ私は動揺してしまったことに加え、あんな事案を店長に上手に報告する自信がなかった。

 

 なんせ店長は仕事のできる厳しい女で、今でこそ言われなくなったが私がアルバイトを始めたときには一挙手一投足に文句をつけてきていたねちっこい人なのだ。

 下手に報告しようものなら、あの二人なんかより私のほうが怒られてしまう。

 

 そういうわけで私はすぐに報告しなかった。

 一応、監視カメラもあるが、問題を提起しなければ気づかれることもない。

 お店に直接被害が出ていないし、どうやら気まずくなってあの二人は帰ったようなので、このままにしておこうと私は考えたのだ。

 

 そのままアルバイトを終えて家に帰る。

 疲れたので自室のベッドに飛び込んでだらけていると、頭に思い浮かんで来たのは先程の二人に出くわしたシーン。

 

 ……正直、ドチャクソえっちかったなあ。

 

 平川くん、いつも隣の席でのんびりしているイメージあるけど、あんな風にとろけちゃうんだ……

 

 イケメン男子のエロいところはもちろん興味あるけれど、ああいう地味な男子が見せる姿はギャップがあってやばい。

 

 めちゃくちゃ興奮する。

 

 平川くんしゅき。

 

 

 

 ……というか、ちょっと待って。

 

 なんで平川くんの相手が外ヶ浜凛々亜なの!?

 

 あんたそういうレベルの人じゃないじゃん!

 カースト上位はカースト上位同士で乳繰りあえばいいのに!

 

 私みたいな陰キャラ女が頑張ってやっと手が届くかもしれないギリギリのラインが平川くんなのに、その領域に上から土足で踏み込んできやがって…… 

 

 そう考えると途端に腹が立ってきた。

 この怒りは誰のせいだ?

 そんなのは自明だ、外ヶ浜凛々亜のせいに決まっている。

 

 こうなったら鬱憤を晴らすため、外ヶ浜凛々亜に嫌がらせをしてやろう。

 

 ふと思いついたのは先程のカラオケボックスでの行為について学校にチクるという方法。

 

 でもダメだ、それでは平川くんが巻き添えを食らってしまう。

 彼まで停学とかになってしまったら、私の生きがいがなくなる。

 なんとかして外ヶ浜凛々亜だけにダメージを与える方法はないだろうか。

 

 

 ……そうだ、カラオケボックスの件を学校にチクるのではなく、それを材料にして平川くんをちょっとだけ脅してみたらいけるかもしれない。

 

 黙ってあげる代わりに外ヶ浜凛々亜と縁を切らせる……のは報復が怖いので、私と関係を持って外ヶ浜凛々亜に寝取られ気分を味わってもらう。

 

 ……よしよし、いけるぞこの作戦。これで私もついに卒業!

 

 結局その日はイメトレで興奮しすぎて一睡もできなかった。

 

 もっとも、私は超絶にコミュ力が低いので、イメトレ通りにいくわけもないのだけれど……

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