貞操逆転世界での俺、気軽にヤれるビッチ♂だと盛りのついた女子たちの間で噂になっていく 〜お前らみんな、俺で処女捨てたくせに……〜   作:水卜みう

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第38話 見知らぬ、天井

 ……あれ?

 ここはどこだ?

 

 俺は確かあやめさんと一緒に中華料理屋さんに行って、大好物の唐揚げなんかをたらふく食べていたはず。

 

 ビール一杯で酔っ払ったあやめさんを送迎車に乗せて、そして俺もドカ食いしちゃったからそのまま車内で寝ちゃって……

 

 そこからの記憶がないな。

 

 とりあえず目を開けるか。

 

「……え? まじでどこなんだここ?」

 

 最初に視界へ入ってきたのは、見覚えのない天井だった。

 

 壁も家具も間取りも、全く心当たりがない。

 なんとなく、一人暮らしの女性の部屋っぽいなとは思う。

 

 しかし家主と思われる人はおらず、カーテンが閉められていて照明もついていない。薄暗い部屋。

 

 もっと情報がほしい。

 そう思った俺は、とりあえず俺は光を取り込もうと立ち上がってカーテンを開けようとした。

 

 だが身体は起き上がらない。

 

「あれ……? 動けないんだけど」

 

 椅子かなにかに座っている感覚はある。

 それなのに立ち上がろうとしても、身体がその椅子のようなものに固定されていて動けない。

 

「おいおい……まじか」

 

 両手両足に目をやると、ご丁寧にロープで椅子に縛り付けられていた。

 これでは動きようがない。

 

 認めたくはないが、自分の置かれた状況はなんとなく理解できた。

 俺は何者かに緊縛されていて、監禁状態にある。

 

 車に揺られて駅まで送られていたはずなのに、どうしてこんなことになっているんだ?

 

 ふと部屋の端っこを見ると、あやめさんと思われる人が転がっていた。

 彼女もロープで身体を縛られていて、身動きが取れる状態ではない。

 

「あやめさん! 大丈夫ですか!」

「ほぇ……? なにこれ?」

 

 今の今まで酔いつぶれて眠っていたあやめさんは、まだ寝ぼけているようだった。

 

 素面であったならば藤崎家のDNAからもたらされるご自慢のフィジカルでなんとかできたかもしれないが、あいにくすぐには復帰できそうな状態ではない。

 

 まずい。

 

 緊縛されて監禁状態。場所もわからないし連絡手段もない。

 そもそも、何が起こっているのかもわからない。

 

 俺はいてもたってもいられなくなってジタバタ動くが、そう簡単には手足のロープは解けなかった。

 

 登山用のナイロンザイルみたいに丈夫なものだ。

 刃物でも切るのに時間がかかる。爪とか摩擦では切れるのが一年後とかになってもおかしくない。

 

 ちなみに『ザイル』とはクライミングロープの古い言い方だ。親父が山登り大好きマンなので俺にはなんとなく馴染みがある。

 エグザイルは『エグいザイル』の略ではないので注意が必要だ。

 

「くそー! なんにも身動きが取れないじゃないか! 一体なんなんだよこれ!」

「ふふ……やっと目が覚めたようね」

「だ、誰だっ!?」

 

 まるで暗闇から湧いて出てきたかのように、隣の部屋から一人の女性が出てきた。

 

 ぱっと見はアラサーくらいで、小綺麗なレディススーツを身にまとっている。

 あと、おっぱいはそこそこデカい。

 

 この人が犯人だろうか?

 

「やーっと見つけられたわ。まさかこんなところでまた会えるなんて思ってなかった。これは運命ね」

「『また』……? どこかで会ったっけ……?」

「やっぱり覚えてくれていないのね。ちょっと前まで毎日毎日キミのことを追いかけていたのに、全然眼中になかったなんてショック」

 

 俺は記憶を掘り返す。

 そもそも俺はアラサーくらいの女性との接点がほぼない。

 

 強いて言えば担任の先生か保健室の養護教諭の先生くらいだろう。

 どちらも顔は知っているので、この線は消える。

 

 となると誰だ……?

 毎日俺のことを追いかけていたって言ってたよな……?

 

 ということは俺のルーティンの中にヒントがあるはず。

 朝起きて、飯食って、着替えて、家を出て、電車に乗って――

 

 あー!?

 わかったぞ! この人の正体が!

 

「ふふ、やっと気づいてくれたみたいね」

「ま、まさかお前は、この間の痴女犯!」

「ひどい言われようね。ちゃんと罰金刑を受けたから、もう犯人呼ばわりされる筋合いはないわ」

「司法で裁かれたかもしれないけど、犯した罪は消えないだろ……!」

「うるさいわね、あのおかげで会社はクビになったし親から勘当されたし人生めちゃくちゃなのよ!」

「そんなの自業自得だろ!」

「元はといえばキミが妙にエロい雰囲気を放ってるから悪いのよ! 他の男子高校生にはない、吸い込まれそうなエロさ。それさえなければ私だってこんな過ちを犯すことすらなかったのに!」

 

 完全に八つ当たりである。

 この女は俺への痴女行為ですべてを失い、食いつなぐために中華料理店の送迎のアルバイトをしていたのだとか。

 

 運悪く、あやめさんと俺はこの痴女犯の運転する送迎車に出くわしてしまったというわけだ。

 そして俺ら二人が眠りについたのをいいことに、彼女は拉致監禁に切って出たということだろう。

 

 理由はおそらく――

 

「もう私に失うものはないわ。今こうやってキミを監禁しているけど、捕まるのは時間の問題でしょうね」

「じゃあなんでこんなことを」

「どうせ捕まるのなら、犯せるだけ犯し倒しておかないと勿体ないじゃない!!!」

 

 捕まるの確定してるのにさらに罪を重ねるのかよ!

 

 何が彼女をそこまで突き動かすのか……

 俺がエロい雰囲気を出しているから……?

 ええっと……全然自覚ないんですが……

 

「な、何をする気だよ……!」

「ふふ……心配しないで? 痛いこととか、苦しいことはしないから。今から私が、頭真っ白になってトんじゃうくらい、キミのことを気持ちよくしてあげる」

 

 そう言って痴女犯は俺の視界を奪うように、目にタオルか何かを巻いてきた。

 ただでさえ暗いのに、これで何も見えなくなった。

 

 ちょっと待て、俺これから一体何をされるんだ???

 感度三千倍の薬とか飲まされないよな?????

 

 恐怖感はありつつも、『気持ちよくしてあげる』と言われてしまったので、俺はなんだか恐怖を感じつつ妙な期待感を持った不思議な気分である。

 

 元の世界では有名なあのゲームの某くノ一忍者、こんな気持ちだったのかな……

 

 そんなことを考えているうちに、俺は服を脱がされはじめていた。

 

 

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