貞操逆転世界での俺、気軽にヤれるビッチ♂だと盛りのついた女子たちの間で噂になっていく 〜お前らみんな、俺で処女捨てたくせに……〜   作:水卜みう

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第39話 ふわふわ時間

 元の世界だった頃、ちょっと興味本位で読んだ本がある。

 

 それは『本当に女性が気持ちよくなるテクニック』という、男性向けのハウツー本だった。

 

 アダルトな動画の真似では男性本位になってしまうので、もっとお互いに満足するためにどうしたらいいかを解説しているものだった。

 

 界隈ではとっても人気の本だったらしい。

 どこの界隈かは知らないが。

 

 中身をざっとまとめると、『優しくふんわり、時間をかけて焦らしながら触る』ということが書かれている。

 

 まあ確かに、焦らされたあとのほうが気持ちいいのは経験的に誰もが知っているだろう。

 

 すこぶる腹が減ったときの唐揚げ定食なんかが来たら、それはもう最高に美味いからな。

 

 え? お前どんだけ唐揚げ好きなんだよって?

 いいじゃないか別に。ジューシー唐揚げナンバーワンなんだよ。わんっ!

 

 ……話が逸れた。すまん。

 

 なんでこんなことをいきなり話したかというと、今まさに痴女犯から俺がされているのが、その『優しくふんわり、時間をかけて焦らしながら触る』というやつだからだ。

 

 暗い部屋、監禁されて椅子に手足をくくりつけられた俺。自由を奪われ、目隠しまでされてしまった。

 

 そんな俺の身体を、痴女犯の女はフェザータッチで撫でてくる。

 

 ……なんかこの感覚デジャヴだな。

 

 そういえば電車で俺の尻を触ってきたときも、この人めちゃくちゃ優しく触れてきた。

 この人ももしかしてあのハウツー本を読んだのか?

 

「はぁ……はぁ……大丈夫よ。痛いことは絶対にしないからね♡」

「なんだよこれ……めちゃくちゃくすぐったい……じれったすぎるっ……」

 

 女は興奮しているのか呼吸が荒い。

 しかしそんな荒ぶる呼吸とは裏腹に、俺の身体を弄る手はふんわりと優しかった。

 

 全身を――特に性感帯といわれる場所の周りを重点的に撫で回してくる。

 

 スキあれば女は胸(見えないけど多分生乳)を押し付けて来たりするし、耳に息を吹きかけて来たり舐めてきたり。まるで人力ASMR状態だ。

 

 これが醜悪な見た目の人だったらキツいんだけど、この痴女犯、そんなにルックス悪くないんだよな……

 なんで道を外してしまったんだ……?

 

 視界を奪われているので、さわさわと触れてくる女の姿を否が応でも想像してしまう。

 ……くそ、悪くないシチュエーションだなぁ!

 

 割と長い時間、俺はフェザータッチ攻撃を食らっていた。

 

 ――じれったい。まーじでじれったい。

 微妙に気持ちいいのがずっと続くので、それがめちゃくちゃもどかしい。頭がおかしくなりそうだ。

 

 くっ……いっそ殺せっ……!

 

 女騎士の気持ちが今ならわかるぜ……

 

「ふふふ……とってもいい反応ね。やっぱりキミ、とっても素質があるわ」

「な、なんの素質なんだよ……」

「それはもうドスケベの素質に決まってるじゃない。普通の男の子なら、こんなにいい反応しないのよ?」

「そんなこと……!」

 

 んなことねえよと強がりたいところではあったが、俺の身体は意に反して興奮していることを示してしまっていた。

 

 そこはテントを張ってしまっていて、「ここをキャンプ地とする!」とヒゲメガネのディレクターが堂々と宣言しそうなくらいになっている。

 

 誰だよ男が興奮している状態とか絶頂する瞬間を視覚的にわかりやすくした奴はっ……!

 

「ホント、私が目をつけただけあるわ。とっても立派。今まで見た男のなかで一番いいわ」

「そ、それは……どうも……?」

 

 しまった、つい元の世界の男の気持ちが出てしまった。

 

 この世界の男なら多分、自分のサイズを褒められても喜ぶやつはあまりいないんだろうな。

 晴人だって身長のことを触れられると嫌がるくらいだし。

 

「あら、やっぱりまんざらでもないのね。いいわあキミ、本当に犯し甲斐がある」

「犯されるのは……趣味じゃないんですが」

「そのうち好きになるわよ。だって今だって触ってほしくてムズムズしているんじゃないの?」

「そ、そんなわけっ……!」

 

 はい、図星です。

 

 早く触るとこ触ってもっと気持ちよくしてくれ。

 このまま微弱な刺激がずっと続いたら、本当におかしくなってしまいそうだ。

 

 アヘ顔ダブルピースなんてネタでよく言われたりするが、マジでやりかねない。

 この快楽地獄に気を確かにしたまま耐え続けるのは無理がある。

 

「でももう私も限界なのよね……そろそろ頂いちゃおうかな」

「な、何をする気だ」

「んー? 文字通り『頂こう』かなーってね」

 

 女は椅子に座っている俺の股を開いて、両足の間にポジションをとる。

 

 俺は目隠しされて視界を奪われてはいるが、荒くなっている吐息を下腹部に感じる。おそらく彼女は、そこにひざまずいているのだろう。

 

 ……これから奴がやろうとしていることがなんとなくわかった。

 

「んふっ……」

「ちょっ、ちょっと待って! い、いまそんなこと……あっ……ああっ……」

「んぷ……ふぁ、とってもいいわあ。頭がぼーっとしてきて……私もキュンキュンしてくるっ……!」

 

 部屋に響く水音。

 散々焦らされたあとだったので、その刺激は一気に脳天を突き刺した。

 

 今まで小学生のスローボールだったのが、いきなりゴリゴリのメジャーリーガーに変わった感じ。

 速いボールが打ちたくて打ちたくて震えていた状態の俺にとっては、メーターを振り切るよう。

 

 こんな刺激を受けてしまうと、早撃ち名人の俺はすぐに音を上げてしまう。

 

「うっ、うああっ――!」

 

 ドクンドクンと女に向けて何度も激しい脈動を打った。

 強烈な刺激だったのか、目隠しされているのに目がチカチカする。

 

 俺は精魂尽きて大きなため息を吐いた。

 

 はかいこうせんを打った後のカイリューは、多分こんな感じで動けないんだろうな。と、この時間特有の冷静になった頭でそんなことを考えていた。

 

「んふっ……♡ ごちそうさま♡」

「はぁ……はぁ……」

「……あら? まだイケそうね? すごいわ、こんなの初めて……第二弾開始ね」

「ほえ……もう無理……助けて……」

 

 萎えない俺の回復力に興奮している女は、二回戦目を開始した。

 

 先程と同じく、焦らしに焦らしてから、爆発しそうになった俺の精気を吸い取っていく。

 これの繰り返し。何度も何度も搾り取られる。

 

 本当にサキュバスがそこにいるかのような感じだ。 

 さすがの俺もこの焦らしからの強烈な解放を何回も繰り返されたらおかしくなってしまう。

 

 早く誰か助けてくれっ……!

 

 そう思った瞬間、部屋のインターホンが鳴り響いた。

 

 よしっ……! 助かったぞ!

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