オデ バサルモス アカム キライ   作:七色レインボー

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採掘 オデ スキ

 

 

 

カーンカツーン

 

カーンカツーン

 

カツーンカツーン

 

 

不規則なリズムで岩壁に向かってツルハシを振り下ろす音が聴こえる。

 

バサルモスはこの音が好きだった。お父さんの背中を叩くとこの様な音がしたからだ。

 

 

「バサルモスちょっと失礼すんよー」

 

 

鉱夫の1人がバサルモスの身体に付いているロープ掴みをよじ登り届かない位置にある鉱石を掘り起こす。

 

人がいる時は排熱しない様に気を付ける必要があるがバサルモスは好きだった誰かに乗られるのが、頼りにされている様な気がして

 

 

「ん?ナニコレ?*1

 

鉱夫がバサルモスの背中の排熱孔に張り付いている黒い何かを引っ剥がす

 

 

「……石炭…?いや食べカスか…」

 

 

鉱夫は握り拳程の大きさの黒い何かを明かりにかざして見る

光に当てると微かに光っている。バサルモスが食べた鉱物のカスが混ざって中々に面白い様に発色する黒の中に様々な色が微かに見え鉱夫が見惚れていると

 

 

「おいっ!お前ボーッとすんな!」

 

「す、すいやせん!」

 

 

現場監督に怒鳴られ鉱夫は腰のポーチにそれを突っ込み作業に戻った。

 

 

 

バサルモスは人の動きを見るのが好きだった。一人一人に個性があって全く飽きない。

 

 

例えば彼処で猫車を押している鉱夫は最近ツガイが出来たらしくニンゲンにはツガイにキレイな指にはめる輪っかを渡す習性か在るらしくそれを買う為に必死に働いている。

 

 

逆に草を紙で包んだヤツに火を付けて口に咥えてる男は最近、ツガイと上手くいってないらしく顔色が悪くやる気が無いみたいだ。

 

 

「ニャニャニャーっ!!!もっと炉を滾らせるニャよ!!!」

 

 

トロッコに乗って鉱山内を爆走している猫達はアイルーと言うみたいだど、モンスターだけど人と共存してるみてぇだよ、中にはオデの言葉が分かるヤツもおるんだど お陰で意思疎通がしやすいど〜

 

 

「あ、バサルモスさん東口の方の吊り橋の一部が壊れてるから材料を持って欲しいって旦那様が言ってたニャ」

 

 

分かったど〜

 

 

「にゃにゃ!お昼にお話しようだにゃ!」

 

 

楽しみだど〜材料は持った早速ほら行くど〜!

 

 

◆◆◆

 

 

 

鉱山内をバサルモスがのっしのっしと歩いて来るのをみる

 

 

「お〜い、タモノ〜バサルモス何処に行くんだ?」

 

 

作業中の鉱夫の一人がバサルモスの通訳として側にいるアイルーに聞く

 

「見れば分かるにゃよね?どう見ても橋がはずれた東口に向かってるに決まってるニャよ」

 

 

「いや、分かんねぇよ…東口に向かならな…よっと!」

 

 

タモノの無茶苦茶な言葉に鉱夫はボヤきなからバサルモスの足元辺りに付けられた取っ手を掴みバサルモスに乗る。

 

 

「バサルモス号!シュッパーつ!!!」

 

 

「何乗ってるにゃ!!!此処はタモノだけのプライベートプレイスだにゃぁ!!!」

 

 

「そんなキレんなよ……」

 

 

一人がバサルモスに乗ったのを見ると他の東口に徒歩で向かっていた鉱夫達がキレるように言う。

 

 

「あっ!アイツぅ!乗りやがった!」

 

 

「くっそ!先越された…!」

 

 

「今日こそはアッシが乗ろうと思ってたのに…」

 

 

歯ぎしりする他の鉱夫を見てバサルモスに乗った鉱夫は高笑いする

 

 

「ハッハッハーァ!!!このモンスターライダーのオレに平伏すが良い!」

 

 

「御伽噺の読みすぎニャよ…」

 

 

「うるせいやい!」

 

 

男たるもの一度はモンスターに乗ってみたいのは性と言うモノ、鉱夫達は競ってバサルモスに乗って移動しようとしているのである。

 

 

だがバサルモスに乗れるのは通訳用の鞍と誰か1人が乗る鞍しか無い為常に争奪戦になっていたのだ。

 

 

 

今日も乗れた勝者と敗者が生まれる

何時もの様に鉱山は騒がしい。

 

 

*1
ゴロリ

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