機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

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デブリ戦の後半です。


PHASE-4 星屑の戦場…後編

ミネルバはレイとルゥのザクファントムを発進させた。カタパルトが使えない状況であったが、そこは足があるのだ。歩かせる形で発進した。だが……

 

「この艦にはMSはもうないのか?」

 

「パイロットがいません!」

 

デュランダルの問いに対するタリアの答えにアスランとイリアは顔を伏せた。フブキとカガリも二人を見る。

 

いるのだ。ここにとびきり腕の立つパイロットが二人も……

 

 

 

「ルゥ、分かっているな?ミネルバにはギルがいる。」

 

〈ああ、当然だ。〉

 

二人にとって、デュランダルは絶対の存在だ。軍人としての任務以上に大事だった。

 

既にミネルバから位置情報を受け取っていた二人は、早速敵を見つけた。

 

アーモリーワンにいたMAだ。

 

二機はビームライフルを撃つが、MAはかつてのメビウスなど比較にならないほどの機敏さでガンバレルを展開する。

 

また、あの感覚が来た。レーダーがキャッチするより先に操縦桿を動かし、ガンバレルのオールレンジ攻撃に対応する。

 

と、こちらに気づいたダガーLがビームカービンで攻撃する。

 

「邪魔だ!」

 

〈失せろ!〉

 

二人は正確な射撃で二機のダガーLを撃墜した。

 

 

 

「何なんだ、君は一体!白い坊主君!」

 

ネオは白いザクの動きに興奮と困惑が混じった感想を抱いた。先ほどからガンバレルのオールレンジ攻撃はかわされ続けており、まるで捉えられない。

 

 

 

「一体、誰なの!?あなたは!」

 

ダークブラウンのザクからはあの二人によく似た気配を感じる。腕もあの二人に引けを取らない。一体、どんなパイロットが!まさかこいつも!?

 

四基のガンバレルのビームカッターをくぐり抜け、ビームライフルでガンバレルを狙うがエリスはガンバレルをプログラムから離れた操作で回避してMA本体のミサイルを撃つ。が、それもビームライフルで撃ち落とされる。

 

しかも、二機はこちらの相手をしながら援護のダガーを撃ち落とした。

 

〈下がれ!こいつらは手強い!〉

 

「私達が相手をする間に貴方達は艦を!」

 

〈は!〉

 

 

 

二機のザクはダガーを追うが、ネオはそれをさせない。

 

二人は自然と相手を定め、ガンバレルのオールレンジ攻撃で包囲攻撃を仕掛ける。デブリの多い宙域でガンバレルの展開など、よほどの腕のパイロットでなければ操作を誤ってデブリに激突して自壊してしまう。だが、ネオもエリスも空間認識能力はずば抜けており、まるで操作ミスを匂わせない。

 

だというのに、二機のザクはミサイルをダガーへ向けて撃った。いや、撃ったのはダガーではなく周りのデブリだ。ミサイルでデブリを破壊してライフルの射線を確保した。白いザクはダガーを正確な射撃で撃ち落とし、ダークブラウンのザクは二本のビームトマホークを投げつけた。一本は躱されるが、もう一本にダガーは両断された。

 

 

 

一方、誘い出されたシン達も状況が変化した。

 

「俺達が派手に暴れて、伏兵をいぶり出す!お前達はその射線に向けて大火力を撃て!」

 

〈で、でもそんなの!〉

 

「このままじゃじり貧だ!失敗しても、死ぬのは俺だけで済む!!」

 

シオンの指示に、シン達は従った。シオンがカオスに向けてビーム砲を撃ちながら突っ込んだ。カオスは機動兵装ポッドでザクを撃つが、ミサキが援護に回ってシオンを突っ込ませる。

 

シオンはケルベロスウィザードのビームサーベルを展開し、すれ違いざまにビームライフルを両断した。バクゥでやるような戦い方を武器が似ているとはいえ、ザクでやってのけた上に今度はアビスに突っ込んだ。アビスがシールドに内蔵された三連装ビーム砲を撃つのに合わせ、シオンがグレネードを投げつけた。爆発で射線を遮られたアビスは攻撃をやめ、その間にザクが間合いを詰めて蹴り飛ばす。

 

その結果は功を奏した。シオンを強敵と判断した伏兵が残ったガイアとレイジと違う方向から砲撃した。シオンはそれを躱し続ける。

 

シンは先輩の戦いに呆気にとられながら、当初の命令を思い出した。

 

「砲撃の角度から位置を推測…!」

 

いたのはやはり、あのコロニーの残骸部分だ。

 

「いけぇ!!」

 

ブラストシルエットのビーム砲ケルベロスで目標に向けて撃った。ガイアはルナマリアが、レイジはアリスが食い止めているから、邪魔は入らない。

 

更に、ミサキとカインも火器を撃った。要塞や艦隊への攻撃を想定したMS三機分の大火力でデブリを焼き払い、その中から黒いMS……データが隠密作戦用のダークダガーLと分析した。

 

〈取った!〉

 

ミサキが追撃でもう一発撃つ。爆発から逃れたことで油断しきっていた二機のダークダガーLはオルトロスの砲撃で撃ち落とされた。

 

これで、伏兵はいなくなった。だが、安心するのはまだ早い!

 

一番、厄介な四機がまだ健在だ。

 

 

 

「右舷のスラスターはいくつ生きているんですか!?」

 

アスランが突然問いかけ、タリアは振り向く。それに前後し、デュランダルが頷いた。

 

「六基よ…でもそんなのでのこのこ出ても、また良い的にされるだけだわ。」

 

「同時に右舷の砲を一斉に撃つんです、小惑星に向けて。」

 

その発言を聞いて、ブリッジのクルー達はぎょっとした。が、イリアとフブキは

 

「なるほど…」

 

「向こうが小惑星を利用したなら、こっちもか。」

 

「え?」

 

「ど、どういうこと?」

 

アーサーとメイリンはまだアスランのいっていることが分からず、タリアも飲み込めない。

 

「爆圧で船体を押し出すんですよ、周りの岩も一緒に。」

 

つまり、アスランが言いたいのは小惑星が破壊された衝撃で船体を押し出してこの状況から抜け出そうということだ。

 

「馬鹿いうな!そんなことをしたら、ミネルバの船体だって!」

 

「今は状況回避が先です!このままここでじっとしていても、只的になるだけだ!」

 

「…俺達は除外しても、そちらの議長が乗ってるんです。責任問題どころじゃありませんよ?」

 

イリアが半ば脅すようにアスランの進言を聞くように促した。

 

「……確かにね。良いわ、やりましょう。」

 

「艦長!」

 

いくらザフト軍人といえど、今は外国の民間人。それが口を挟んだ挙げ句にその意見に耳を貸すなど軍として逸脱している。

 

「この件は後で話しましょう、アーサー。右舷側、火砲一斉射準備。合図と同時に右舷スラスター、全開。」

 

 

 

シオンは伏兵を撃退し、ルーキー達を指揮しながら戦っていた。だが、やはり相手も強い。状況は好転しない。

 

「くそっ、こんな時にアスランとイリアが……何、考えてるんだ!」

 

今のアスランとイリアは外国の民間人だ!二人を当てにするな!

 

だが、それでもシオンは二人にいて欲しかった。状況以上にあの艦のクルー達の無茶とも勝手とも言える期待の重圧にシオンの心は摩耗していた。

 

 

 

「総員、衝撃に備えよ。行くわよ?」

 

全員がパネルやコンソールにしがみついた。

 

「右舷スラスター全開!」

 

「右舷全砲塔、てぇー!」

 

タリアの指示でスラスターを全開にすると同時に右舷側の火器を一斉に発射した。ミサイルや主砲の爆発で小惑星が吹き飛び、戦隊を押し出す。同時にそれがボギーワンの目からミネルバを隠した。

 

「回頭30!ボギーワンを撃つ!」

 

「タンホイザー照準、ボギーワン!」

 

 

 

ガーティ・ルーでもミネルバが小惑星を攻撃することで抜け出し、モニターが爆煙の向こうにいるミネルバを見つけた。艦首の砲を展開したのも確認できた。

 

「回避ー!取り舵一杯!」

 

リーがすぐさま指示を出す。前後して、連合のローエングリン以上の火力を持つ陽電子砲が発射され、右舷を抉った。

 

「ダメージコントロール!隔壁閉鎖!」

 

 

 

「あの状況から抜け出した!?向こうにも大胆なことを考えるのがいるのね!」

 

エリスはミネルバが小惑星を抜け出したのが見えた。しかも、かなり強引なやり方で。

 

「大佐、これ以上は!」

 

〈ああ、潮時だ。撤退する!〉

 

ネオのエグザスが撤退の信号弾を上げ、エリスもザクに向けてミサイルを撃ってガーティ・ルーを目指す。

 

 

 

帰還したパイロット達をメイリンが出迎え、改めてカインが敬礼する。

 

「先輩達のおかげで、助かりました。」

 

「どうしたの?」

 

「凄かったわ……シオン先輩一人で二機も抑えて、ミサキ先輩だけで伏兵を撃墜したんだから。」

 

「私達は、自分がやられないようにするのが精一杯…ううん、むしろ足を引っ張ってた。」

 

ルナマリアとアリスが先刻の戦闘の様子を話し、メイリンもブリッジでの出来事を話す。

 

「それじゃあ、やっぱりあの人…」

 

そうして話しているところで、青い髪の青年がいた。

 

「あの人が、アスラン・ザラ…」

 

彼はレクルームのソファーで座り、ルナマリアが入り込んだ。

 

「へえ、ちょうど貴方の話をしていたところでした。アスラン・ザラ。」

 

シオンはルナマリアの無思慮な態度を睨むが、ルナマリアは気づいた様子はない。

 

「まさかというか、やっぱりというか……もう一人の伝説のエースにこんなところで会えるなんて。」

 

「そんなものじゃない、俺はアレックスだよ。」

 

「だからもう、MSには乗らない?」

 

「よせよ、ルナ。オーブなんかにいる奴に。何も分かってないんだから。」

 

シンはアスランを意に介さないが、シオンが問う。

 

「じゃあ、お前は何を分かっているんだ?」

 

「…力がないとなにも。」

 

「武器で何でも解決するなら、会談なんて必要ないだろう?」

 

「何!?」

 

シンが掴みかかるが、シオンはそれをいなして、腕をひねって制圧する。

 

「…俺が敵なら、お前は今ここで死んでいるぞ?」

 

「シオン…」

 

ミサキがなだめ、シオンは手を放す。

 

「お前もだ……やたらともてはやされて、俺は迷惑なんだよ。できないことを勝手にできるなんて決めつけて。」

 

ルナマリアを睨み、彼女は今度こそ怯んだ。




シオンは二年間、アスランの分まであれこれ言われて、疲れていると思ってください。

アストレイで言えば、ベルナデット・ルルーみたいな軍のプロパガンダが主な取材で疲れています。地球生まれを理由にアカデミー時代は酷い目に遭って、ウインドの件で嫌がらせしてた奴らまで賞賛。

そして、今度は伝説のエースだからアレをしろ、コレをしろ。この程度、できて当たり前。実際の能力以上のことを求められます。今回さえ、シオンがいるから楽勝なんて思われる有様。

挙げ句にオーブに相応しくない、なんて言われる始末ですから。シンに対して同じ地球でオーブ出身でも友人関係に恵まれたことを妬んでいるなどの感情はありません。

尚、ジェス・リブルも出席したパーティーでもやたら持ち上げられ、うんざりしたと思っていただければ。宮仕えの地獄でもありましょう
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