機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE 作:meitoken
「ジンを使っているのか?その一団は。」
「ええ、ハイマニューバ2型のようです。」
目が覚めたカガリはアスランの姿が見当たらなく、ブリッジへ上がるとそこにはフブキがいて、ユニウスセブンがモニターに映っていた。
「カガリ…」
「兄様…アスランは?」
フブキが数秒の沈黙の後、モニターを見やる。
「あそこだ。」
〈冗談じゃねえぜ!こんなところでドタバタと!〉
〈お前らのせいかよ!こいつが動き出したのは!〉
〈高くつくわよ、コレは!〉
ステラはザフトのMS隊を睨んだ。こいつらが地球を壊すためにユニウスセブンを動かした!やっつけてやる!!
カオスは機動兵装ポッドでジンを二機撃墜し、アビスは胸のカリドゥスとシールドの三連ビーム砲で装置を持ったゲイツを撃ち落とす。レイジはビームサーベルでビームライフルを撃つジンを両断し、ガイアもまたMAに変型し、地表を走りながらビームブレイドでジンをすれ違いに両断する。
「ちっ、あいつら!」
〈あの四機、今日こそ!〉
シンは真っ先に破砕作業を妨害する強奪機体に向かい、ルナマリアも続く。更にアナーとグラウンドも遅れて前に出る。
〈おい、待て!〉
〈俺達の目的は戦闘じゃないぞ!〉
シオンとイリアが止めるが、シンは聞かない。
〈分かってます!けど、撃ってくるんだもの。アレをやらなきゃ、作業もできないでしょう?〉
ルナマリアの言い分にミサキがため息をついた。
〈…泣きつかないでよ?〉
「誰が、臆病者なんかに!!」
〈勝手にしろ。〉
シオンとミサキは真っ先にジン部隊へ向かい、アスランとイリアも続く。レイとルゥもジンを優先した。
「ふん!大したことないじゃないか!」
大体、シオン・クールズだって伝説のエースのくせに逃げられた。元評議員のお嬢様を口説いて成功しただけじゃないか!!
フブキは数秒うなり、デュランダルとタリアに意見をする。
「議長……ユニウスセブンがあのジン部隊の仕業なのは明白ですが、ボギーワンは?」
タリアもデュランダルに問う。
「海賊と?それとも地球軍と?」
「難しいな…私としては、地球軍とはしたくなかったのだが。」
「どのような火種になるか分かりませんものね。」
そう、もし彼らが地球軍だったらコレは締結から間もなく次の戦争の火種になる。ザフトがユニウスセブンを落とそうとしている、と言い出すのが目に見えている。
「ですが……あの艦が地球軍の所属なら、ザフトの破砕作業を妨害する理由がありません。いえ、むしろ…」
「王子のおっしゃるとおりですね。あのジン部隊を庇っていると思われかねない。」
「そんな!」
「仕方ないわ。あの機体がダガーだったら、貴方だって地球軍の関与を疑うでしょう?」
そう、ユニウスセブンにダガーがいて、ザフトが急行した。それを逆に捏造するための芝居と疑う。ザフトは……
「ボギーワンとコンタクトは取れるか?」
「国際救難チャンネルを使えば。」
「ならば、それで呼びかけてくれ。我々はユニウスセブン落下阻止の破砕作業をしているのだと。」
アスランはジンを二機、ライフルで武器を奪って離脱させると今度はカオスに向かう。機動兵装ポッドの一つをビームライフルで撃ちぬき、そのまま肉薄して拳をたたき込む。
カオスはもう一基の機動兵装ポッドを撃つが、アスランはシールドでそれを受け止めてトマホークを投げつけてもう一基を破壊した。
「な、なんだこいつ!強い…!」
スティングはポッドを二基、あっという間に撃ち落としたザクのパイロットに翻弄されていた。この前のデブリで戦ったザクファントムもそうだったが、こいつもアレに引けを取らない実力だ。なんで、こんな強い奴がこんなにもゴロゴロいるんだ!?
イリアはスラッシュウィザードのビームガトリングでレイジが撃ったミサイルを撃ち落とす。レイジはビームサーベルを抜いて斬りかかり、イリアはビームアックスを展開してアックスの柄で腕を抑えた。そのままレイジを蹴り飛ばし、更にグレネードを投げつける。
「早くメテオブレイカーを設置しろ!」
次はジンが襲ってきた。イリアはビームアックスでジンを両断し、もう一機をガトリングで撃ち落とそうとするがそちらは離脱して、別の機体が刀で斬りかかってきた。アックスの柄でそれを受け止め、押し返した。
強い!こいつらは素人じゃない!
そもそもハイマニューバ自体が生産数の少ないジンのエース仕様、その2型となれば尚のことだ。そんなのを乗りこなすということは……
まさか、こいつら元ザフト軍?
イリーナはグレネードの爆発から立ち直って、今のザクをにらみつける。
「何なのよ、こいつも!」
この間のバクゥの武器を持った奴もだが、強い。奪い損ねた三機のパイロットと比べると、明らかに上だ。
「何だって、こんなのがゴロゴロいるのよ!」
シオンはジンの刀を持った腕を受け止め、右手で殴りかかった。相手も盾を捨てた左手でそれを受け止める。両手が塞がったところでウィザードのビームファングが頭部を破壊し、そのまま露出した首にビーム砲を撃ち込んで撃墜する。
次にメテオブレイカーを狙ったジンをビーム砲で撃ち落とし、注意を引きつけた。今度はビームトマホークで切り結び、妨害を仕掛ける部隊を切り離そうとする。チラリとミサキを見ると、ミサキもジン部隊を相手に善戦している。
そして、シンの様子を見るとシンはアビスと撃ち合い、カインはガイアに押されるルナマリアの援護に回った。アリスもジン部隊を相手に粘った。
流石に経験が浅いとはいえ、セカンドシリーズは性能で助けられている。だが、不意打ちを食らったためにメテオブレイカーの設置は遅れている。このままだと間に合わない。
次々と撃ち込まれていくメテオブレイカーによってユニウスセブンは真っ二つに割れた。この状況に強奪機体も含む全てのMSが戦闘を停止していたが、一機のザクがユニウスセブンに向かい、冷静な声が出る。
〈だが、まだまだだ。もっと細かく砕かないと。〉
その言葉にシオンも心の中で頷く。直径十キロにも及ぶユニウスセブンは半分に割れてもまだ地球を潰すのに充分な破壊力を誇る。しかし、アスランに続く三機のザクからは全く違うことに対する感想が帰ってきた。
〈この声……〉
〈アスラン!?〉
ニコルとディアッカが久しぶりに会う同僚の登場に戸惑っている。
〈貴様!こんなところで何をやっている!!〉
〈そんなことはどうでもいい。今は作業を急ぐんだ!!〉
イザークがシオンの予想した通りの反応をし、そしてアスランも同様の解答をして作業を促す。ディアッカが〈ああ!〉と答え、イザークも例の如く〈判っている!〉と荒っぽく返した。そして、ニコルは素直に〈はい。〉と答える。
シオンはミサキと共に並んでいる4機に合流し、通信を開いた。
「久しぶりだな、イザーク…相変わらず気が短いようで。」
〈シオン!?貴様こそ女に現を抜かしているのか!〉
自分にも憮然として返すイザークにミサキが口を挟む。
〈その現を抜かしている相手は私なのよ?〉
ニコルが〈そうでしたね。〉と笑いながら答える。そこへ更にイリアのスラッシュザクウォーリアが合流する。
〈なんか賑やかな同窓会だな。俺も混ぜてくれよ。〉
〈お、イリアか!彼女とはどうだ?〉
ディアッカが昔と同じようにイリアに食いつき、ミサキが憤慨する。
〈不潔な話は後にしてよ!〉
〈何を言う!これは健全な男として当然の話だぞ!なあ、イザーク!ニコル!〉
〈知らん!俺達に振るな!!〉
今度はアスランがニコルに話を振る。
〈ニコルは、少し声が低くなったな。〉
〈コレでも高い方です。〉
二年ぶりに一堂に会したクルーゼ隊の面々は昔と変わっていない。久しぶりに会う仲間達にシオンは微笑む。が、これ以上やらせまいとジンが四機、向かってきた。
〈おいでなすったぜ!〉
イリアに言われるまでもなく気付いたアスラン、イザーク、ニコルが先行し、メテオブレイカーを持つディアッカを守るように立ち塞がる。
アスランが撃ったビームがジンの足を奪い、ニコルはビームトマホークで一機を両断する。イザークのビームガトリングは三機目を蜂の巣にするとともに四機目を巧みに誘導し、ディアッカのオルトロスが撃ち抜く。そのままシオン、イリア、ミサキがディアッカからメテオブレイカーを引き継ぐ。
更に追ってきたアビスとレイジが四人を狙うが、レイジをイリアが。アビスをアスランとイザークが迎え撃つ間にシオンとミサキがメテオブレイカーを運ぶ。
〈イザーク!〉
〈五月蠅い!!〉
アスランのビームをアビスが両肩のシールドで防ぐが、その間にイザークがビームアックスを手に接近する。
〈今は俺が隊長だ!!命令するな!民間人がぁっ!〉
スラッシュザクファントムのビームアックスはアビスのビームランスを柄から叩き折り、ブレイズザクウォーリアが素早く足を切り裂く。
再び対峙したレイジとイリアはライフルで撃ち合うが、距離を詰めたイリアがレイジを蹴り上げ、体勢を崩した敵機をビームガトリングで撃つ。体勢を立て直すのが早かったレイジだが、それでも避けきれず、右腕を撃たれ離脱する。
翻弄される二機の援護にやってきたカオスはシオンとミサキに押されていた。シオンが背中のケルベロスウィザードに装備されたビーム砲でカオスを狙うが、その機動性にかわされてしまう。カオスはMA形態に変形し、MS形態時は足の役割であったビームクローでシオンを掴もうと接近する。しかし、これはシオンの作戦であった。
「今だ!!」
一機に気を取られていたカオスは、シオンの合図と共にミサキが撃ったオルトロスでクローが装備された両足を奪われた。
ガイアはMA形態でユニウスセブンの地面を滑走し、ディアッカのガナーザクウォーリアを追いつめていく。王手をかけようとしたガイアはビームブレイドを展開してディアッカに突進するが、ニコルがその真上からビームトマホークを投げてビームブレイドを切り裂いた。突然の攻撃でガイアは体勢を崩し、その隙をついたディアッカがオルトロスで右腕を撃ち抜いた。
前半戦はクルーゼ隊の連携で締めくくりました。
正に他を寄せ付けない圧倒的な強さ。しかもニコルがいて、こっちのキャラもいるから威力も数倍増し。
この頃のシン達とやり合ったら、五分足らずで全滅でしょうね。