機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

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遂に扉を開きます。


PHASE-12 蘇る翼…後編

「えぇい、し損じるとは!」

 

指揮官ヨップ・フォン・アラファスはシェルターの扉を叩いた。ここがアスハ家の別宅であることは分かっている。隠密に片付けなければ、オーブ政府が騒ぎ立てるからこそ彼らは強襲したのだ。しかし、失敗してシェルターに逃げ込まれてしまった。パネルもロックされており、普通に解除していたら時間がかかりすぎる。

 

ここで手をこまねいていれば、いずれ彼らはオーブ政府に助けを求める。同盟締結前の今そうなれば、余計にこちらの立場が悪くなる。

 

「アッシュを出せ、こうなったらやむを得ん。なんとしてもここで、ラクス・クラインの命をもらわねばならん。」

 

 

 

しばらくの間、内部は静かで敵がシェルターを破ろうとしている様子もない。子供達も落ち着いてきたところでラクスがキラ達の元へやってくる。

 

「キラ、バルトフェルド隊長、マリューさん……」

 

ラクスが先程の襲撃者の狙いについて訪ねてくる。

 

「狙われたのは、私なのですね…?」

 

やはり彼女も感づいていたのだろう。敵が何故ラクスを狙ってくるのかは判らないが、今はこうして様子を見ているしかない。キラはラクスの肩に手をかけようとした。その時、

振動と轟音がシェルターをおそった。よろめいたラクスをキラは抱き留め、バルトフェルドに誘導されて奥のシェルターへ移動する。

 

 

 

「シェルターの一点を集中して狙え!壁面を突破できればそれで終わる!」

 

ヨップらが持ち出したのはUMF/SSO-3アッシュ。ザフト軍でゾノ、グーンに続く水陸両用として開発された最新鋭のMSだ。彼らがオーブに忍び込めたのは、このMSによる上陸があったからだ。

 

ゾノとグーン以上に武装を強化されたアッシュは五機。政府首脳のお抱えシェルターならば戦車くらいは想定しているだろう。だが、MS数機がかりの火力には耐えられないのは明白だ。

 

 

 

奥のスペースに逃げ込み、更に閉じるとバルトフェルドが外の様子を推察する。

 

「狙われたって言うか…狙われてるな、まだ!」

 

只の爆弾を仕掛けたにしては振動が大きすぎる。このシェルターはナパーム弾やプラスチック爆弾にも耐えられる構造だ。となればこの振動は……

 

「MS!?」

 

そうだ。この振動はMSの砲撃による物だ。MSの砲撃ではここも長くはもたない……そうなればここにいる全員。今また怯えている子供達も、母も、そして、一番自分が失いたくないこの少女も……

 

キラはラクスを強く抱きしめる。

 

僅かな沈黙の後、バルトフェルドが口を開いた。

 

「ラクス、鍵は持っているな?」

 

鍵?一体何を言っている?

 

「扉を開ける。それしか方法はない。」

 

バルトフェルドの言葉にラクスは戸惑っていた。いったい何のことだ?

 

キラは訳が判らずにいると、奥の扉を見て察した。ラクスが戸惑っている理由、バルトフェルドの言う鍵、そしてこの扉の向こうにある物とは……

 

「ラクス、君が開けられないのなら僕が開けるよ。」

 

「キラ……」

 

ラクスが涙目で見上げてくる。キラは不安げなラクスをそっと抱き寄せる。

 

「このまま、何もしないでいる方が、扉を開けないよりずっと辛いんだ。だから……」

 

ラクスが頷き、彼女のハロが口を開いた。その中には二つの鍵があった。一つをキラが、もう一つをバルトフェルドが左右それぞれのパネルに差し込んだ。

 

「行くぞ。三、二、一!」

 

二人が同時に鍵を回し、扉がゆっくりと開いた。そして、照明がついた。

 

そこにはキラがかつて共に戦場を駆け、今まで封印されていた翼が静かに佇んでいた。ZGMF-X10Aフリーダム。現在ザフト、連合の双方で伝説となっているMSだ。横にはフリーダムとうり二つの機体ユリのZGMF-X08AアフェクションとレナのZGMF-X07ブレイブもある。キラはバルトフェルドに頷き、主が戻るのを待つ天使のように佇む自分の翼へ歩いていった。

 

キラは久しぶりに座るコクピットに奇妙な懐かしさを感じた。手慣れた手つきで機体のシステムを立ち上げ、レバーを倒し、アクセルを踏む。

 

 

「目標を探せ…?」

 

ヨップはシェルターの突破を確認したが、中にはいくつかのフロアがある。標的は最深部まで逃げ込んだようだ。おそらく、どこかから地上への出口があるはずだ。それを探そうとしたとき、何かが飛び出した。

 

「なんだ、あれは?」

 

空には青い翼を広げた白いMSがいた。

 

〈あれはまさか……フリーダム!?〉

 

「えぇぇ!?」

 

そんな馬鹿な!ヤキン・ドゥーエのフリーダムだと!

 

ただの創作か何かだと思っていた!それが、今目の前にいるというのか!?

 

 

 

フリーダムは格納庫をまっすぐ上昇し、外にいる襲撃者のMSを発見した。緑の見慣れないMSだ。ゾノやグーンの後継機に当たるのだろう。キラは間隔を研ぎ澄まさせてフリーダムを突進させてビームサーベルを抜き放ち、一機の四肢を両断した。更に肩のビーム砲と頭のフォノンメーザー砲を撃つ敵に振り向き様にフルバーストで二機を戦闘不能にする。

 

ようやく対応を始めた一機が肩のビーム砲を撃つが、キラはその射戦を正確に読みとり、サーベルで腕を切り裂き、更に続けて背中のビーム砲で足を奪う。最後の一機がミサイルを撃つが、キラはそれをいともたやすくかわした。まるでミサイルがおもちゃか何かのようだ。フリーダムが振り下ろしたビームサーベルを躱した敵はビームクローで突進してくるが、それをシールドで受け止め、そのまま放り投げた。MSは尚も応戦しようとするが、キラは立ち上がった機体を腕から背中のミサイル、足に至るまで全ての武装と機動力を奪った。

 

二年ぶりに手にした力。それに快感に似たものを感じる自分にキラは嫌悪した。しかし、最後に倒した一機が爆発した。そしてそれに呼応して他の機体も爆発した。

 

馬鹿な!?自分は動力にダメージを与えていないはず。なのに何故!?

 

いや、答えは一つ。自爆したのだ。おそらく彼らは極秘でラクスを狙ってきた特殊部隊で、機密保持のために命を絶ったのだ。あの新型がそれを語っている。

 

自分は直接手を下してはいない。しかし、そんなのは関係ない。戦争で自分の手が汚れないなどということはないのだ。キラは自爆した機体を憂いの眼差しで見つめる。そこに何時の間に乗り込んでいたのか、トリィが肩に止まってくる。

 

 

 

時間は少しさかのぼり、アスランは二年ぶりにザフトの軍服…かつてと同じ赤い制服にそでを通した。決意した。オーブでは今なにもできない。だが、ザフトに戻れば何かできることがある。

 

先日であったデュランダルが用意したラクスの代役ミーア・キャンベルが感嘆し、デュランダルがあるものを手渡す。

 

「これはFAITHの?」

 

以前、アスランがストライクを討った功績で認められた特務隊。現在は評議会直属の最高峰部隊だ。

 

「君を通常の指揮系統の中に組み込みたくないし、君も困るだろう。そのための便宜上の措置だよ。」

 

確かにアスランは良くも悪くもザフトでその名が知られているし、オーブに亡命していた身だ。それが通常の指揮系統に入るのを良く思わない者も多いだろう。

 

「忠誠を誓う、という意味の部隊FAITHだがね。君は己の信念や信義に忠誠を誓ってくれればいい。」

 

己の信念や信義に…忠誠を

 

「君は自分の信ずるところに従い、今に堕することもなく、また必要な時には戦っていくことのできる人間だろう?」

 

「そうでありたいと思ってはいますが。」

 

果たして、自分がそれを受け取っていいのだろうか?

 

「君にならできるさ。だからその力を、どうか必要な時には使ってくれたまえ。大仰な言い方かもしれないが、ザフト、プラントのためではなく皆が平和に暮らせる世界のために使ってくれたまえ。君と、シオン・クールズ君ならできるさ。」

 

シオンにもこの人は期待をかけている。そういえば、シオンもディアッカと同じ罪状で法廷にかけられたがFAITHの称号を返す形で復帰が許されたという。この人は、シオンの想いも必要としているのだ。

 

「はい!」

 

「オーブの情勢も気になるところだろうから、君はこのままミネルバに合流してくれたまえ。」

 

確かにその方がいいだろう。オーブに戻って、キラやカガリに複隊したことも伝えたい。

 

「あの艦にも私は期待している。以前の……アークエンジェルのような役割を果たしてくれるのではないかとね。君もそれに手を貸してやってくれたまえ。」

 

アークエンジェル……かつて、ザフトでは足つきと呼ばれた地球軍艦。だが、あの艦は大戦終盤で連合を脱走した。そして、彼らと出会い、戦ったからこそ今のアスランやシオンはいる。

 

ミネルバが、アークエンジェルのように人種や国を超えて同じ想いを抱く人々を集める艦になってくれる。

 

アスランは以前、デュランダルが見せたZGMF-X23Sセイバーに搭乗して再び宇宙へ出る。

 

「アスラン・ザラ、セイバー発進する。」

 

 




シンが覚醒したタイミングではなく、ここで入れました。

最初はユリとレナもここで出そうかと思ったけど、そうなると少なくともアッシュが三倍になってシェルターが持たないからやめました。

少し駆け足過ぎて、ここで少し止めます。
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