機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE 作:meitoken
ミネルバはボズゴロフ級潜水空母ニーラゴンゴを伴い、カーペンタリアを出港、マハムール基地に進路を取るべくインド洋に出たが、出て早々に敵影をとらえた。
「熱紋照合、ウィンダムです!数……五十!!」
五十だと?それだけの数のMSが一体どこに?しかし、タリアのそんな懸念も次のバートの報告であっという間に吹っ飛んだ。
「敵MSの中にカオス、レイジ、およびアンノウンを二機確認!」
カオスとレイジ……あのボギーワンがいるというのか?
「付近に母艦は?」
「確認できません!」
五十のMSで付近に母艦がいないとなると、一体どうやって?
「またミラージュコロイドか!?」
アーサーはもっともらしい疑念を口にする。だが、ミラージュコロイドは詰まるところ微粒子ガス。海では使用できない。
考えながらもタリアはアスランにMS隊の指揮を委ね、ニーラゴンゴとの回線を固定させた。
時間は少し遡る……
「いいな、みんな。ステラだけお留守番。」
ガーティ・ルーからJ・P・ジョーンズに母艦を移したスティング達四人は出撃する。だが、ステラは不満げだ。建設中の対カーペンタリア基地からウィンダムを借りた代わりにネオがガイアを守りに回したからだ。
「しょうがないだろう、ガイアは飛べないし。泳げないんだから。」
「海でも眺めて良い子に留守番してな。」
アウルがどうにもならない現実を言って、スティングがいつものように頭をなでる。そして、イリーナも背中を叩く。
「お留守番って言うのは、大事なお仕事。分かるでしょ?」
「そうよ。大佐は貴女ならやってくれるって思ってるんだから。」
上官のネオとエリスがやってきて、ステラはネオに駆け寄る。
「いいか、良い子で留守番してるんだぞ?」
「…うん。」
ジョーンズに随行するリンカーンから、合流した三機が発進する。
「グレン・フレイア、ブランフレイム発進する!」
〈クレマンス・オルグレン、ミントシューター行くわよ。〉
〈ソウジ・ナカモト、シアンウインド行くぞ。〉
ネオの作戦に従い、ブランフレイムはストライカーパックで空を飛び、シアンウインドはエールとジェットで廃れながらも砲撃型の飛行手段として今も使用を好むパイロットがいる飛行ユニットオワゾの改良型に乗った。
ミントシューターはミネルバの予測進路に陣取っており、早々に見つかることはないポイントだ。
〈スティング・オークレー、カオス発進する!〉
〈アウル・ニーダ、アビス出るよ。〉
〈イリーナ・クレイン、レイジ行ってくるわ。〉
カオスとレイジは空を飛び、アビスは本領を発揮できる海に飛び込んだ。
対カーペンタリア基地のウィンダムも発進し、リンカーンともう二隻からもウィンダムが発進する。そして、赤紫に塗られたネオのウィンダムが出てくる。
「これでけりがついてくれれば、御の字だがね。」
あの白い坊主君は間違いなくいる。ネオは自分でも分からず、あいつが気になっていた。
「あの機体もいるんだろうけど……」
ダークブラウンのザクがエリスはやはり気になっていた。ネオは白いザクを気にしているようだ。確かに、あの白いザクからも妙な物は感じ取れた。
「気にしてもしょうがないか……」
〈中佐、発進願います。〉
「了解、出るわよ。」
エリスは青紫に塗られたウィンダムで発進した。
〈インパルス、セイバー、アナー、グラウンド、ルゥ機発進スタンバイ!シオン機、ミサキ機は艦上からの迎撃!レイ機、ルナマリア機は別命あるまで待機していてください!〉
メイリンの官制を聞きながらシンはコア・スプレンダーを機動させる。そこにセイバーのアスランから通信が入った。
〈シン・アスカ。発進後のMSの指揮は俺が執らせて貰う。良いな?〉
オーブに行ったと思いきや、いきなり復隊してFAITHになった奴が指揮を執るだと?シンはアスランに対して不満を覚えながらも「はい。」と答えた。
〈シオン、MS隊の副長を頼めるか?〉
〈俺で良いのか?〉
〈お前が適任だ、頼む。〉
〈……期待するなよ?〉
ネオはウィンダムのコクピットでミネルバから発進した見慣れない機体をパネルで情報を確認する。
「カーペンタリアで?ザフトは凄いね。」
〈ふん、あんなもの!〉
スティングのカオスが先陣を切って赤い機体へ向かい、ネオの指示を聞く前にグレンとソウジの機体もアナーとグラウンドにまっすぐに向かっていった。
〈問題児が多いですね。私も人の事は言えませんけど!〉
エリスも青く塗られたウインダムを駆り、アーモリーワンにいたあのザクファントムに向かった。新しい装備をつけており、海の上をホバー移動しているようだ。
「皆さん血の気が多い事で……ま、いいさ。イリーナ、中佐の援護をしてやれ。」
レイジのイリーナが「はいはい。」と答え、エリスの後を追った。
「ウィンダムの半分は艦に攻撃を!残りは俺についてこい!!」
あの白い坊主君がいないのは残念だな。ま、俺は馴染みのあれをやるか!
ネオはアーモリーワンで会った白いザクがいないのを愚痴りながらもインパルスへ向かった。
GAT-X104Eブランコブレイズのグレン・フレイアは航空戦仕様のアナーにビームガンを撃った。確実に相手を捉えていた射撃をアナーはMAに変形し。回避する。肩のガトリングが変形したアナーを狙うが、アナーの機動性について行けず、無駄弾に終わった。
「これまでの雑魚より歯ごたえはありそうだな。」
彼らが今まで相手にしてきたのはザフトのMSを有しているとはいえ、殆どがゲリラや脱走兵だ。しかし、今度は最新鋭の戦艦とMSというだけあり、簡単にはいかない相手だ。グレンはブランストライカーに装備されたビームアックスでアナーに襲いかかる。
アリスは新型のMSの動きに舌を巻いた。
「あのストライクとフレイムの発展型!?」
外観はシオンやミサキがガンダムと呼んでいるアナーと同じタイプだ。だが、速い。ウィンダムとは桁違いだ。
ビームアックスをシールドで受け止め、押し切らずに受け流す。だが、相手も振り向きざまにガトリングで撃ってくる。変型し、今回追加されたレールガンで反撃する。
クレマンス・オルグレンはGAT-X107SCミントシューターのコクピットで欠伸をしていた。彼女の機体は射撃戦を主眼においている。そのため、今回彼女は付近の小島から時間になったらミネルバを専用の追加武装であるビームランチャーで狙撃する事になっている。機体特性を生かした作戦であるが、直に戦えない事がクリスは不満であった。
「早くこっちに来てくれないかしら?退屈で死んじゃうわ。」
せっかく面白そうな奴と戦えると思ったのに、岸からの狙撃と聞かされた時は落胆した。こんなだらだらしていたら来る前に寝てしまう。尤も、彼女にそんな気はさらさら無い。
ソウジ・ナカモトはGAT-X106BRシアンウインドのビームガンを撃ちながら海面を移動するグラウンドを観察していた。この機体はあのステラという少女の機体と同じタイプであるが、こちらは砲撃能力に優れているようだ。
「だったら!接近戦では俺に分があるだろうよ!!」
シュベルトゲベールからビームを撃ちながらサーベルを手にグラウンドに接近するが、グラウンドは距離を置き、ライフルを撃つ。しかし、射線を読んだソウジはフライトユニットを操り余裕でかわす。そこをグラウンドの背中に装備されたビーム砲が火を噴く。
「おおっと、そうでなくちゃな!!でなきゃ墜とし甲斐がねえんだよぉぉ!!」
砲撃を回避し、今度はアンカーでグラウンドを掴もうとするが、シールドに弾かれる。倒し甲斐のある敵を前にソウジは興奮を抑えきれなかった。
「グゥルと同じタイプの装備だけど、強い!」
グゥルは今でも運用されている。だが、連合にもまだ使っている奴がいたなんて!地上戦のシミュレーションでグゥルを相手にした経験は殆どない。だが、小回りで言えばエールやジェットに届かない。
「だが、こっちだって空中戦はできる!」
スラスターを全開にして、グラウンドは飛んだ。肉薄してきたウィンダムめがけて。
目の前でMAに変型し、その重量で頭を潰して新型機めがけてビーム砲を撃った。
が、フライトユニットを上昇させて躱される。
エリスは単機でホバー移動をしているザクファントムに向かった。あの機体からはアーモリーワンの時と同じ物を感じる。ザクはリニアキャノンで応戦してくるが、彼女とネオのウインダムは通常の機体よりもスラスターを強化している。その程度の砲撃では捉える事は出来ない。
「恨みはないけど……消えて貰うわよ!!」
ビームサーベルを振りかぶりながらエリスは叫び、ザクはビームトマホークで斬撃を受け止める。機体が接触した時、頭にあの感覚が来た。
やっぱり、この感覚は……!という事は、このパイロット!!
「また…!このパイロット、何者だ!?」
アーモリーワンの時から感じている奇妙な感覚は今ルゥが戦っている青いウインダムから発せられている物だ。つまり、パイロットはあのMAと同じ人物という事になる。
ルゥは疑念を振り払い、ビームライフルを撃った。しかし、ウインダムは通常の機体よりも高い機動力を有し、捉える事ができない。反転したウインダムがストライカーからミサイルを撃ち、ルゥは回避したが、そのミサイルは海面で爆発し、大きな水柱をあげる。
「えぇい!数ばかりごちゃごちゃと!」
シンはウィンダムを一機ずつライフルで墜としていった。オーブでもあれだけの数のウィンダムを退けたから今度も問題ないと確信していた時、突然上空から一条のビームが飛んできた。とっさに回避したシンは、それを撃ったのが今すれ違った赤紫のウィンダムだと知った。他の機体と同じように撃ち落とそうとするが赤紫のウィンダムは桁外れの機動性でシンのビームを易々とかわしていく。
「くそ!なんだ、コイツ!?…速い!」
赤紫の奴に気を取られていると、他のウィンダムの動きに急に統制が取れてきた。これまでミネルバから離れすぎていたシンはあっという間に囲まれてしまった。
〈シン、出過ぎだぞ!何をやっている!?〉
アスランの叱責が聞こえ、シンは鼻を鳴らす。
「ふん!文句言うだけなら誰だって!!」
セイバーはさっきからカオスを相手に攻撃と変形を互いに繰り返しており、振り切れずにいた。
シオンは空中からミサイルを撃ってくるウィンダムの攻撃をケルベロスウィザードのビーム砲で撃ち落とす。低空で接近を試みる機体を見かけ、海面にめがけてビーム砲を撃った。大波に怯んだウィンダムは体勢を崩し、そのまま海に落ちた。
続いて、今度はブリッジを狙うウィンダムのライフルを撃ち抜いて離脱させる。だが、戦ってみて分かる。
「ウィンダムのパイロット達の練度は高くないな。」
只でさえ、ユニウスセブンの被災地を各国の軍は優先させている。となれば、徴兵されたパイロットだろう。
「ちっ、不愉快だな!」
ビーム砲でウィンダムのカメラや武器を破壊し、撤退に追いやる。
〈そんな事は判っている!だが、こちらのセンサーでも潜水艦はおろか、海上艦の一隻も見当たらんのだ!〉
五十ものウィンダムがいるとなれば近くに母艦が隠れているので、それを叩くべきだとニーラゴンゴの艦長に進言したら今の言葉であしらわれた。タリアは内心の憤りを押さえながら再び問う。
「では、彼らはどこから来ているのです?付近に基地があるとでも?」
〈こんなカーペンタリアの鼻先にか?そんな情報はないぞ!〉
一瞬タリアは馬鹿か?と思ってしまった。情報がないから基地がないという根拠がどこにある。そもそもカーペンタリアの近くだから基地を作る意味があるのであろう!
柔軟な思考の出来ない艦長に苛立っていると、モニターの向こうが騒がしくなる。何事かと思っていると、メイリンが上ずった声で報告する。
「海中にアビスを確認!ニーラゴンゴに向かっています!」
しまった。カオスがいる時点でアビスとガイアもどこかにいると考えておくべきであった。しかもここはアビスのテリトリーである海だ。海中から攻撃を仕掛けられたらひとたまりもない。
「レイとルナに水中戦の準備をさせて!換装でき次第発進を!」
待機している二機のザクに発進を指示した直後、先ほどから受けているウィンダムの攻撃より大きな衝撃が艦を襲った。
「何?どうしたの!?」
バートが「待ってください!」と答え、パネルを操作する。その間にも同様の衝撃で艦が揺さぶられる。
「8時方向の小島にMS!狙撃です!!」
「ええぇぇ!?」
バートの報告にアーサーが大げさに反応する。
まずい状況だ。水中のアビスは先ほど出たニーラゴンゴのグーンとレイとルナマリアが足止めしてくれるだろうが、離れた島からの遠距離攻撃は対処できない。アスランやシンを向かわせれば艦が手薄になり、シオンとミサキでは対処しきれなくなる。
「はい、ようこそ。」
クレムはミントシューターのビームランチャーでミネルバを狙撃する。艦上にザクが二機いるが、艦上からの迎撃用装備。この距離なら狙われる事はないし、空中の機体を向かわせれば艦の守りが薄くなる。結果として自分は相手をじわじわといたぶる事が出来る。
さあ、無様にあたしに沈められて頂戴……
ミサキは状況に歯ぎしりした。
「ぐっ、遠すぎてここからじゃ狙えない!」
相手は完全に長距離砲撃用の装備なのだろう。いくらガナーウィザードでも艦の上からでは狙える物も狙えない。
〈艦長、グゥルを出してください!このまま艦の上から迎撃を続けても、島からの砲撃で沈められます!〉
シオンがタリアに進言し、タリアが頷いた。
〈ええ、そのようね。〉
ハッチが開き、中にめがけてウィンダムが撃とうとするところをシオンとミサキは砲撃し、ミネルバもミサイルでMSを牽制する。グゥルが発進して、すぐにハッチを閉じてシオンとミサキのザクが飛び乗った。
〈ミサキは艦の守りを!俺は狙撃機を叩く!〉
アビスのアウルはボズゴロフ級から発進する三機のグーンを見てため息をついた。つまらない、グーンなんかじゃ勝負にならない。ゾノぐらい出してくれないと楽しめもしない。グーンが魚雷を発射するが、アビスは魚雷の追尾機能を遙かに超えるスピードで振り切り、一機のグーンの間近で変形し、ビームランスで真っ二つにする。
「あっはっはっは!ごめんねえ、強くてさ!!」
二機目を続けて叩き割り、三機目は距離を置くが、アビスが発射した魚雷を振り切れずに海の藻屑に消えた。次の獲物としてボズゴロフ級を狙おうとしたが、センサーが別の反応をした。反応のあった方を見ると、宇宙で見た二機のザクがバズーカでこちらを狙っていた。
さっきの雑魚どもよりはマシな相手か?だが…
「そんなんでこの僕をやろうって?」
地上で使うバズーカなんかでアビスを捕らえられると思っているのか?
「舐めんなよ、こらぁ!!」
アウルは大物を後回しにし、因縁のある相手に向き直り、肩のシールドにある連装砲を発射した。
シオンはグゥルを駆りながらウィンダムを三機ほど戦闘不能にした。ミネルバからの報告でポイントの島へ行くと、確かにいた。ミントグリーンのガンダムだ。しかも、それは…
「シューターの発展型か!」
かつての搭乗機の発展型を見て驚くが、原型機のスペックはシオンがよく知っている。それを発展させたとなれば、相当厄介だ。
そして、すぐにこちらに気づくがシオンはロックされるより早くグゥルで躱す。
「ちょっと、グゥルで躱すなんてあり?」
グゥルは連合から見れば旧式の飛行ユニットだ。それでこちらの狙撃を躱すなど、一体どういうパイロットが乗っているんだ!?
「でかいのがダメなら!」
ビームランチャーを手放し、ライフルで攻撃するがそれも躱され続ける。
ステラはネオとエリスが戦っているのを見守っていたが、我慢できなくなって飛び出した。ネオの近くまで来たところであの白い奴がいた。
ネオを虐める奴!やっつけてやる!!
インパルスは不意を突かれ、ガイアの体当たりをまともに食らった。
「こいつ…!いつも、いつも!!」
ビームサーベルが海水を蒸発させ、インパルスも応戦する。
「こいつ…今日こそ!!」
ネオはインパルスを部下との連携で翻弄していたが、赤い新型の援護も入り、リンカーン旗下の部隊はすでに半分近くやられ、対カーペンタリア基地から借りた連中は全滅してしまった。今のところインパルスはガイアが足止めしてくれているが、もう潮時だろう。
「ジョーンズ、リンカーン!撤退するぞ!合流準備!!残存のMSも撤退だ!!」
〈なんで?〉
アウルの問いに答えたのはエリスだ。
〈対カーペンタリア基地の部隊がやられて、拠点予定地にも入られたそうよ!〉
〈何やってるんだよ、ボケ!〉
〈って、あんただって雑魚しかやってないじゃない。〉
イリーナに言われ、アウルはモニターの中で怒った。
〈なら、やってやるさ。〉
その後、アビスはミネルバに随行していたボズゴロフ級を沈めた。
〈もう、アウルったら!後で一発げんこつ喰らわせてやる!〉
エリスが憤慨するが、ネオは窘める。
「最適化で忘れるだろ?」
〈だったら、目が覚めても痛いくらいに殴るだけよ!ステラ、貴女も後でお説教よ!〉
〈え?〉
〈え?じゃない!言いつけを破った悪い子にはお仕置きが基本なの!〉
「ニーラゴンゴが!?」
シンは友軍の撃沈を知らされ、同時にガイアと戦っている内に入り込んでいた建設中の基地を見た。そこでは、強制労働させられているであろう民間人が大勢いた。それが逃げだそうとしたところで連合の兵士に撃ち殺された。
「こいつら…!」
シンはそのまま基地に入り込んで手当たり次第にバルカンで戦車を破壊し、建物をビームライフルで攻撃した。
〈シン!何をしている、やめろ!彼らにもう戦闘能力はない!!〉
アスランの静止が聞こえたが、シンは耳を貸さない。こいつらが何をしたと思っているんだ!!
逃げようとした連合の兵士を見つけ、バルカンで手当たり次第に撃ち殺した。中には両手を挙げて投降仕様とする兵士がいた。
投降?そんなの認めると思うか!!
ビームライフルで消してやろうとしたところで、シオンのザクが間に入り、ビームは阻まれた。
〈貴様、いい加減にしろ!〉
「邪魔するな!」
ビームサーベルを抜いてシオンに斬りかかろうとしたところで今度はミサキのザクが間に入った。
〈やめなさい!貴方のやっていることは戦争じゃないわ!〉
「戦争だ!」
今度はミサキのザクを振り払い、斬りかかろうとした。だが、サーベルを躱されてザクに殴り倒され、更にシオンに踏みつけられた上にビームライフルとウィザードのビーム砲をコクピットに向けられた。
〈動けば撃つ…〉
シンは思わず怯んだ。本気だと分かったからだ。
〈見逃してあげるから、早く逃げなさい!〉
ミサキが連合の兵士に呼びかけ、連合の残存部隊はそのまま車やヘリで逃げていった。シンはそれを追いかけようとしたが、シオンのザクに抑えられてそれは出来ない。
そして、ミサキがフェンスを撤去して無事だった人々は再会を喜んだ。
ミネルバに帰投したシンを待っていたのはアスランの平手打ちだ。シンはアスランに開き直ったように食いつく。
「殴りたいなら別にかまいませんけどね!けど、俺は間違った事はしていない!あそこの人たちもあれで助かったんだ!大体、なんで俺の邪魔をした方はお咎めなしなんだよ!!」
再び格納庫に乾いた音が響いた。二発目が入った。アリスは思わず、目を覆った。
「戦争はヒーローごっこじゃない!自分だけで勝手な行動をするな!力を持つなら、それを自覚しろ!」
「何を!こいつらは裏切ったじゃないか!!」
すると、今まで黙ってそれを見ていたシオンがシンに歩み寄り、急に口を開いた。
「シン、この際だから俺からもはっきりと言う。今回の戦闘でお前がやった事は、民間人解放を口実にした虐殺だ!」
「虐殺だと!?」
「ああ、そうだ!戦う力を持たない者を一方的に撃つのは、ただの虐殺以外の何物でもない!」
「あいつらが先にやったんだ!」
シンが反論するとシオンは更に強く出た。
「それの応酬が核とジェネシスだ!貴様は民間人解放を言い訳にして、自分の虐殺を正当化して酔いしれ、MSという玩具を振り回す只の我が儘なガキだ!!」
強烈な言葉にシンは黙り込んでしまい、シオンはアリス達の方を見る。
「俺達は常に誰かの家族や恋人を殺している!相手が悪いなんて理屈は通じない!!わからんのなら、軍服なんて脱いでしまえ!!」
そう吐き捨てるとシオンもミサキと共に出て行ってしまい、格納庫の中には気まずい空気だけが残った。
正にこの頃のシンは自分の言い分が認められて当たり前という我が儘なガキでしたね。極端に言ってしまえば、結局オーブにいた頃の自分には関係ないと言っていた当時そのまま
孤立が始まっても、シオンはまだアスランほどじゃないけどシンを止めようとしています。
掲示板ではカットしたガルナハンを今度はやります。