機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

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モノローグの前書きに入れましたが……デュランダル支持者を駄目に書くのは、遅かれ早かれなっていただろうし、行き着くところを私なりにやりたいというのもあります。


PHASE-1 怒れる瞳…後編

会談の中、デュランダルは工廠を案内すると言ってカガリ達を進水式の準備を進める工廠の中を歩きながら、談話を行う。

 

「お二人は先の戦争でも自らMSに乗って戦われた勇敢なお方だ。また、最後まで圧力に屈せず…自国の理念を貫いたオーブの獅子ウズミ様の後継者でもいらっしゃる。」

 

あからさまに二人を持ち上げているのが分かる言葉を聞きながら、アスランはMSを見渡す。先の大戦でアスランも搭乗したジン、指揮官機のシグー、更にザウートの後継機種もあるが……アスランは一機のMSが目に入った。

 

「ならば、今のこの世界情勢で我々はどうあるべきか、よくおわかりのはずです。」

 

「我が国は、先人の意志を尊重する。それだけだ。」

 

「…『他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない』?」

 

「そうだ…」

 

カガリは一言、そう答える。そう、オーブはそうしてきた。

 

「それは我々も無論同じです。そうであれば一番良い……だが、力なくばそれは敵わない。それは姫とて…いや、姫と王子の方が良くおわかりでしょうに?」

 

正論だ……軍事力とはそのために存在する手段でもある。

 

「だからこそ、オーブも軍備を整えていらっしゃるのでしょう?」

 

「…その、姫というのは止めていただけないか?」

 

軽く見られている。実際、その通りだろう。

 

「これは失礼いたしました、アスハ代表。」

 

だが、デュランダルは穏やかに諭すようにカガリに語る。先ほどからフブキは黙っている。余り出しゃばるべきでないと、アスランとイリアが釘を刺していたからだ。

 

「しかし…ならば何故、なにを怖がってらっしゃるのです?貴方方は?」

 

怖がっている……実際、そうだ。今回の会談も大西洋連邦からオーブが主権回復の条約締結に伴う条約に違反する軍事供与をプラントに行っている。そうした指摘を受けてきているのだ。

 

当然、只の言いがかりだ。只でさえ、コーディネイターの居住を認める国で大西洋連邦に睨まれている。加えて、今の首長会は大西洋連邦寄りばかりだ。カガリは勿論、フブキの政治的立場も不安定だ。

 

「かのオーブ防衛戦の折、難民となったオーブの同胞達を我らは温かく迎え入れた事はありましたが、その彼らがここで暮らしていくためにその持てる技術を活かそうとするのは仕方のないことなのではありませんか?」

 

そう、その技術それ自体は連合にも流れているのだ。かつて国営企業モルゲンレーテに勤めていたコーディネイターの技術者がプラントに、ナチュラルの技術者が大西洋連邦に移住して彼らが持つノウハウを活かすのは生きていく上で必要だ。いくら政府でも、とやかく言える問題ではない。

 

だが、カガリが恐れているのは圧力以上のものだ。

 

「だが、強すぎる力はまた争いを呼ぶ!」

 

そう、アスランもフブキもそれは同じ意見だ。かつて、オーブのコロニーヘリオポリスはたった八機のMSのためにザフトの攻撃を受け、最終的に崩壊。それが行き着くところまで行き着いたのがヤキン・ドゥーエなのだ。

 

「いいえ、姫…争いがなくならぬから、力が必要なのです。」

 

完全には退路はカガリに悪い。カガリが言い返せなくなったとき、警報が鳴った。

 

「なんだ?」

 

警報が鳴っているハンガーが分かった時、中からビーム砲が撃たれた。

 

「カガリ!」

 

「フブキ!」

 

アスランがカガリを、イリアがフブキを庇った。爆煙の中から、四機のMSが現れた。背中に武器を背負ったモスグリーンの機体、両肩にシールドを装備した青い機体、黒一色のスマートな機体、そして白と緑のツートンに増加装甲をつけたMSだ。

 

「カオス、ガイア、アビス、レイジ!?」

 

目撃した整備クルーが現れたMSの名前を口にした。警報とハンガーの中から撃たれたビーム……答えは一つ。アレに乗っているのはザフトの軍人ではない。

 

「配置急げ!」

 

「6番ハンガーの新型だ!何者かに強奪された!」

 

イリアがフブキと共に先に立ち上がると、フブキが息をのんだ。

 

「馬鹿な、ガンダムだと!?」

 

「おい、まさかあのガンダムって例の新造艦の!?」

 

四機のMSが分散し、ハンガーを攻撃する。鎮圧のMSを発進する前に叩く。強奪戦術の基本だ。

 

 

 

ミネルバのシオンとミサキは6番ハンガーのMSが奪われたという報告を受け、誰よりも先にコクピットに入り込んだ。ところが……

 

「なに!?スラスターに異常!?」

 

〈こっちも関節のモーターが!〉

 

艦長のタリア・グラディスが発進しない二人を呼んだ。

 

〈どうしたの!?〉

 

「MSに不備が発生した!これじゃあ、でられません!」

 

〈すぐに調整をして!〉

 

〈は、はい!〉

 

全く、ルーキーが多いためにこういう弊害が起こる。でる前に分かったことを喜ぶべきか、それとも分からなかったことを怒るべきか。

 

二人も降りて調整に加わる。

 

「くそっ、今度は俺達が強奪される側か!」

 

「ヘリオポリスと違って、軍事工廠だからね。」

 

〈インパルス、アナー、グラウンド、発進スタンバイ!〉

 

先に配備された三機が発進準備を進める。元々、強奪された四機もミネルバに配備される最新鋭の機体だ。

 

「また、ガンダムにはガンダムか。」

 

 

 

アスラン達はデュランダルの配慮でシェルターへ移動しようとしたが、途中で案内の兵士が戦闘に巻き込まれて迷ってしまった。

 

「イリア、フブキは!?」

 

少し離れた場所でアスランが大声で呼ぶ。

 

「大丈夫だ!」

 

だが、まずい。このままでは捕獲に出たMSと強奪された機体の戦闘に巻き込まれるか、戦闘で発生した火災で焼け死ぬか、瓦礫で潰されるか。最悪の展開ばかりだ。

 

何とか、カガリとフブキだけでも逃がしたいと思ったとき……ハンガーから二機のMSが倒れた。先ほど見かけ、紹介されたZGMF-1000ザクウォーリアだ。

 

「アスラン、アレだ!」

 

「ああ!」

 

アスランはカガリを、フブキはイリアをコクピットに押し込んだ。

 

「動かせるか?」

 

「ああ、操縦系はジンと変わってねえ!行ける!」

 

 

 

黒い髪と赤い瞳の少年シン・アスカはミネルバに搭載された花形中の花形…ZGMF-56Sインパルスのコアユニット・コアスプレンダーに飛び乗った。

 

この機体はミネルバならではの運用方法が前提となった最新鋭機。テストパイロットを経て、正式なパイロットになった事態にはシンも驚いた。だが、乗れる以上はやれることをやる。もう、あの時の俺じゃない!

 

〈シン、先に行くぞ!〉

 

「ああ!」

 

カインのZGMF-85Sグラウンドが発進した。強奪されたガイアと同じ地上戦を想定した機体だが、推力と火力を重視したために水上でもホバー移動ができるほどの機体だ。

 

〈訓練じゃないのね…!〉

 

アリスがZGMF-X22アナーで発進した。カオスと同じ、機動力重視の可変機だ。火力を抑えた分、追加武装が豊富な空中戦の機体だ。今回は基本兵装のライフルのみだが、プラントの中ならその方が良いだろう。

 

 

 

アスランとイリアのザクが立ち上がった。だが、運悪く奪われた機体の一機ガイアがアスランの前にいた。アスランはガイアのライフルを躱し、右肩で体当たりを仕掛けた。

 

イリアのザクもそれに合わせてシールドに内蔵されたビームトマホークを抜いて追撃を仕掛けるが、それより先にガイアが反応してシールドで受け止め、押し返す。やはり、基本性能では相手が上だ。だが、二人がかりなら勝てない相手ではない。

 

このまま押し切って、逃げようと思ったとき……もう一機、カオスが現れた。

 

アスランのザクの左腕を切り落とした直後…カオスが何者かに撃たれた。

 

飛んできたのは戦闘機だ。MS主流の今の戦争で戦闘機を?と思われたが、後ろからも何か来る?まだ何機かいた?だが、戦闘機は突然変形した。それに続く形で二つが変形して徐々に人の形になっていく。そして、最後の一機が背中に向かっていく。

 

それはドッキングして、PSがオンになる。どうやら、アスラン達四人が最も見慣れたガンダムと同じタイプのようだ。ドッキングしたその機体は剣を抜いて、ガイアに斬りかかった。

 

ZGMF-X56Sインパルス……それがその機体の名前だ。更に、カオスに向けて機関砲が発射されて、その機体にビームサーベルを振り下ろした。ZGMF-X22Sアナー……

 

最後に、バクゥと思われる機体がこちらに走ってきた。その機体はイリアのザクを守るように飛び出し、MSに変型した。ZGMF-X85Sグラウンド……

 

どれも、PSを基本装備とした今までにないタイプの機体。奪われた四機と同じ系列なのは明白だ。

 

 

 

シン・アスカはインパルスのコクピットで敵をにらみつけた。

 

「なんでこんなことを…また戦争がしたいのか!あんた達は!!」




強奪されたもう一機のレイジはデュエルの実戦データをフィードバックし、セカンドシリーズ用に組み立てたガンダムです。基本はデュエルと同じだけど、重量はオリジナルより大きく減っており、オーブの技術者のノウハウでM1ベースのスラスターを前もって本体につけているため、アサルトシュラウド付きでも飛べます。ジェットのウィンダムを10、エールのスローターダガーを9とするならレイジは7か8です。

カインの乗るグラウンドは大地の名前通り、ガイアと同じバクゥになるMSです。ただし、ガイアが機動力と近接戦闘重視になっているのに対し、グラウンドは機動力と火力を重視しており、接近戦の武器はビームサーベルのみです。一応、MA形態でビームホーンはあるけど頭から突っ込まないとダメだからカインは余り使いたがりません。

アリスのアナーはカオスやセイバーと同じ機動力。ただし、武器はビームライフル、サーベル、複数のバルカンと汎用重視のインパルスを除けば貧弱。代わりに追加用のスラスター兼ビーム砲などを持っている機体です。他のシリーズのガンダムで言えば、エアマスターとキュリオスに近いでしょう

ちなみに、シオンはミネルバではガンダムに乗りません。
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