機動戦士ガンダムSEED DESTINY REVERSE   作:meitoken

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中編です。


PHASE-17 見えない真実と不思議な出会い…中編

ミネルバにはレイとルゥが戻り、他のパイロットは全員このホテルに宿泊していた。ルナマリアやアリスは地球上の高級ホテルに泊まれると言うことではしゃいでいた。

 

 

 

翌朝…アスランは朝日に照らされて目を覚ました。ぼんやりとしていると、何故か隣の布団が膨らんでいた。なんだろう、と思いめくってみると……

 

ミーアがいた。しかも、肌が透けている過激な寝間着だ。

 

「うわああああ!!!」

 

な、なんだコレは!?何が!?夢か!?嫌、夢であってほしい!!

 

「んぅー?何?」

 

「おはようございます、隊長。良ければご一緒に朝食をと思いまして。」

 

ルナマリアだ。まずい!間違いなく誤解される!!

 

「アスラン、まで寝てるのか?」

 

シオンもいる。慌ててズボンをはこうとするが、それより先にミーアがドアを開けた。

 

「ありがとう。でもご心配に及びませんわ。アスランは後から私と参りますから。」

 

「あ……はい。」

 

勢いよく、ミーアがドアを閉めてアスランは詰め寄った。

 

「どういうつもりだ!」

 

「だって、あの子…」

 

「あの子じゃない!一体どうして!?いつ、なんでこの部屋に!」

 

「お部屋に行くって、約束してたのに寝ちゃったフロントに言って…」

 

「はあ!?」

 

仕事に忠実にも程があるだろうが!フロントのスタッフに文句を言ってやりたいと思いながらもアスランは問い詰める。

 

「そうしたら、本当に寝ちゃってて。」

 

「だからそうじゃなくて!なんでこんなことをするんだ、君は!?」

 

「え?だって、久しぶりに婚約者に会ったんだから普通は…」

 

「ラクスはそんなことはしない!」

 

「え?しないの?なんで?」

 

ミーアの純朴とも無神経とも言えると言うにアスランは頭を抱えたくなった。しかも、寄りにもよってシオンとミサキまでいた。後で何か言われるのは明白だ……

 

 

 

時間は少し遡り、アリスはシオンの部屋の前にいた。

 

変、じゃないわよね?ちょっと朝食に誘うだけだし。

 

「先輩、起きてますか?」

 

「アリス…ああ、待っててくれ。」

 

ドアが開くと、シオンが既に軍服を着ていた。が、髪をとかしている最中だったのか髪が下ろされていた。

 

「あ……」

 

「……何か用があるんじゃないのか?」

 

「あ、えぇと…一緒に朝ごは…」

 

「シオン、誰か来てるの?」

 

ミサキがいた。彼女はバスローブを着ていた。シャワーを済ませていたようだ。だが……

 

「あ……し、失礼します!」

 

見てしまった。見たくなかった……二人が付き合っているのは分かっていた。ミネルバやオーブでも一緒に出ていたのは分かっていた。

 

でも、ああしてみせられてしまっては!!

 

 

 

「…ねえ、あの子の気持ち分かってるんでしょ?」

 

「ブランドへの憧れ…その延長だよ。」

 

シオンはアリスからの気持ちには気づいていたが、応える気はないしそれが「伝説のエース」というブランドに憧れているだけなのも察していた。

 

「言わないの?」

 

「言って引き下がれば苦労はないよ……」

 

「まあ、カインは意外とね。」

 

シオンもカインがミサキに告白したのは見ていた。が、シオンと既に交際しているという理由でミサキは丁重に断り、カインもそれを承知の上で言った。

 

 

 

カインはアリスと合流し……ラウンジに降りた。

 

「お前ら、昨日のミネルバのヒヨッコだろう?」

 

ラウンジではシンとルナマリアが昨日のFAITHの隊員と会っていた。

 

「おお、こっちだ。お前らもミネルバのパイロットだろ?」

 

「あ、はい!」

 

「おはようございます。」

 

カインとアリスが敬礼し、アスランがラクスと共に来て……シオンとミサキは後ろでそれを冷たい目で見ていた。そういえば、さっきすれ違ったときにルナマリアは不機嫌そうだった。アリスも妙だったし…どうしたんだ?

 

「おはようございます、ラクス様。昨日はお疲れ様でした。」

 

「ハイネさんも楽しんでいただけましたか?」

 

「ええ、それはもう。」

 

オレンジの髪の青年はアスランとシオンを見た。

 

「昨日はまともに挨拶も出来なかったな、アスラン。特務隊はハイネ・ヴェステンフルスだ。」

 

「こちらこそ、アスラン・ザラです。」

 

「知ってるよ、有名人。」

 

皮肉な回答をした後、ハイネはこちらに向き直る。

 

「シオン・クールズです。」

 

「ミサキ・グールドです。」

 

「お前達三人、前はクルーゼ隊だったな?俺は大戦の時はホーキンス隊でね。ヤキン・ドゥーエでは、すれ違ったかな?」

 

ハイネは軽い調子で再び椅子に座り、話を進める。

 

「で、この七人と後の金髪と黒髪の二人で全員だよな?ミネルバのパイロットは。」

 

「はい、そうですが…」

 

シオンが話の意図が読めずに何となくといった口調で返す。

 

「インパルス、セイバー、アナー、グラウンド…で、お嬢さん方がザクウォーリア、シオンとあいつらがザクファントムか…」

 

この言い回し、まるで…

 

「人数も戦力も十分だよな。なのに、何で俺にその艦に乗れと言うのかね、議長は?」

 

シオンは一瞬我を忘れた。既にミネルバには充分すぎるほどの戦力がある。それに更に最新鋭の機体とFAITHが配属される。シオンには何か怖いような気がした。

 

「ミネルバに乗られるのですか?」

 

カインが予想もしなかった話に詰め寄る。

 

「ああ、休暇明けから配属さ。なんか、ややこしいよな?FAITHが三人なんて。まあ、これから仲良くやろうぜ。」

 

 

 

「では、アスラン。」

 

「はい、どうぞお気をつけて。」

 

ようやくミーアと離れられる、と思ったら…

 

「キスくらいはするでしょ、普通…」

 

無理矢理唇を奪いに来たミーアをアスランは力尽くで引き離した。

 

「いい加減にしろ。」

 

「あん!」

 

「さあ、遅れますよ!!」

 

ヘリに押し込んで、アスランは肩を落とした。ようやく、うっとうしいのがいなくなってくれた。

 

「さて、アスラン……今朝のあれ、しっかりと聞かせてもらおうか?」

 

シオンが激怒していた。表情はいつもと同じく落ち着いているが、怒気を隠していない。

 

「事と次第によってはカガリさんやフブキにも、キラとユリにだって言いつけるからな。」

 

「あ、あれは違う…」

 

「何が、どう違うの?」

 

ミサキも一緒になって詰めよる。

 

「まさか………貴方、婚約者の立場を利用してなんてこと。」

 

「俺がそんなことをするわけないだろう!!」

 

「じゃあ、今朝のあれは何?」

 

「……あれは、朝起きたら…ベッドに潜り込んでいたんだ。」

 

なんとか事実を伝えようとするが、シオンとミサキは疑いの眼だ。

 

「なんで気づかなかったんだ?お前らしくもない。」

 

「カガリさんに会えないから、じゃないわよね。」

 

「本当に違うんだ!!」

 

数秒後、シオンがため息をつく。

 

「信じてやるよ……だが、他の女もお前に興味あるからな。そちらに靡けば、本当にキラ達に言いつける。」

 

「弁護しないから。後、イザーク達にも言うから。」

 

アスランはうなだれた。完全に二人に軽蔑されている……本当に、なんて不覚を取ったんだ。これで本当に知り合い全員に知られたらと思うとゾッとする。

 

 

 

ミネルバのクルー達はオフでディオキアの街へ出ていた。メイリンはヨウラン、ヴィーノと共に散策に出て、ルナマリアも一足先に出ていき、カインもラフなベストに着替えて街を歩いていた。この街はユーラシアで連合からの脱退を叫ぶ街の一つであり、それに協力をしているザフトと友好関係にあるので、市民も好意的だ。商店街で雑誌を買った後、適当にぶらついていたが、通りの方に人集りができていた。気になって最前列まで行くと、二十歳前であろう女性が五、六人の男に絡まれていた。

 

「てめえ、もう一度言ってみろ!!」

 

「何度でも行ってやるわよ。あんたらあたしの好みじゃないの。」

 

絡まれている女性は黒みがかった赤髪に肌を出し、ラクス・クラインと同等以上のボディラインを強調した過激な服と言動が妙にマッチしている。加えて、かなりの美人だ。

 

しかし、彼女の今の言葉は男達を完全に怒らせた。

 

「このアマ!こっちが下手に出てるからっていい気になりやがって!!」

 

男が殴りかかるが、女はその男の股間を蹴り上げた。痛みにもだえる男の脳天にかかと落としを入れ、一人、また一人と殴り倒していく。周囲が唖然とする中、最後の一人が後ろから彼女に襲い掛かった。

 

「危ない!」

 

カインは咄嗟に飛び出し、男を後ろから掴み、軍隊格闘の応用で制圧した。

 

「な、なんだこのガキ…」

 

素人だ。コレならナチュラルやコーディネイターは関係ない。軍人のカインが有利だ。もう一人の拳を受け止め、掌底を突き出して寸止めする。

 

「まだやります?」

 

「ぐ、この野郎覚えてやがれ!!」

 

いつの時代だ。そういえば、アカデミーの頃にカイン達にちょっかいをかけてきた不良生徒も似たようなことを言っていた。

 

どこでも同じような発想をする奴はいる物だ、と逃げていく男達を見送った。男達の背中に舌を出すと、女性はこちらを振り返った。

 

「助けられちゃったわね、見ず知らずの坊やに。」

 

「いえ、そんな事は…て、坊やって言われるほど年離れてるようには見えませんけど?」

 

女性は「あ、そうね。」と笑った。無邪気な子供のようなその笑顔にカインもつられて笑う。

 

「ま、助けてもらったお礼はさせて。」

 

「え…別にそんなことは。」

 

一瞬思考が止まった。そんなドラマにも出てこない話を持ちかけてくるとは。カインは相手の考えが判らなくなったが、女性はこちらのことなどお構いなしに腕を掴む。心なしか豊かな胸を腕に押しつけているような。

 

「なによ?こんな美人のお姉さんに誘われてるのに、断るの?こんなラッキーそう無いわよ。」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

有無を言わせず、腕を引っ張られる。

 

 

 

アリスはしばらくメイリン達と街を回っていたが、一人で歩きたくて別れた。今朝、シオンとミサキが一緒の部屋にいた。交際しているのは分かっているし、カインのように告白したわけでもない。ミサキと別れて代わりにアリスと、等という最低な関係でもない。

 

それでも、アリスはどうしようもなくショックだった。伝説のエースの一人と出会えた興奮と、整った容姿……一目惚れだった。だが、すぐに同期のミサキと付き合っていることを知り、打ちのめされた。

 

しかも、今朝のあれだ。婚姻統制で適性がなければ別れざるを得ないが、元々シオンはオーブからの留学生。戦争が終わって、オーブに戻れば?

 

考えれば考えるほど、深みにはまっていった。半ば呆然と歩いていたら前から来た通行人にぶつかり、更に手に持っていたジュースが服にこぼれてしまった。

 

「ごめんなさい。」

 

「いや……俺こそ服を台無しにしてしまった。」

 

低い声を聞き、上を見上げるとダークグレーの髪の物静かな雰囲気を持つ青年がたっていた。

 

「観光か?」

 

雰囲気はシオンに近いが、どことなく野生の獣のような鋭さを感じさせる精悍な美青年だ。見とれながら「はい…」と答える。

 

 




二つの不思議な出会い……誰かは次回に持ち越し。

そして、アスラン。ルナマリアと騒動を起こさなかった代わりにシオンとミサキにこってりと絞られました。
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